JPH0423027Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （考案の利用分野） 本考案は筆記具の先体螺合構造に関するもので
ある。

（従来技術とその問題点） シヤープペンシルやボールペン等の筆記具の軸
筒前部には、鉛芯やボールペン先端を突出するた
めの先端開口を有する先体が設けられている。該
先体は、シヤープペンシルでは折損芯の除去等、
又ボールペンではカートリツジの交換等を容易と
なすために着脱自在に螺合されている場合が多
い。

しかしかような螺合構造は落下等の衝撃や振動
に加え筆記時に指が接触することからも非常に緩
み易いといつた問題を有するものであり、これま
でにも種々提案がなされてきたが未だ根本的な解
決に至つていない。

即ち、螺子部終端に配置したゴム輪、Ｏリング
を先体と軸筒とで挾圧変形させる実公昭51−
17932号公報に開示される如き螺合構造では、螺
合時の抵抗は螺子部終端位置で大きくなるもの
の、螺合の完了が確認しにくいため応々にして先
体と軸筒の間に隙間を残してしまうといつた欠点
があるし、又螺子部に硬質樹脂被膜をコートして
なる実開昭69−5887号公報に開示される螺合構造
では、樹脂被膜の変形の片寄りによつて螺合抵抗
が大きくなりすぎて螺合不可能になり易いといつ
た欠点があつた。

（考案の目的） 本考案は上述せる従来の問題点に鑑みなされた
もので、先体を軸筒にスムーズに螺合でき、しか
も緩みにくい筆記具の先体螺合構造を提供せんて
するものである。

（考案の概要） 本考案は、中間部内面に第１の螺子部を有し、
該第１の螺子部の後方に複数の孔を備える筒状の
延長部を有する先体と、該先体の第１の螺子部と
螺合する第２の螺子部を前部外面に有し、該第２
の螺子部の後方の前記延長部と対応とする区域に
小径部を有する軸筒と、前記先体と軸筒を螺合し
た状態で延長部と小径部との間に形成される筒状
の空間に、外面が延長部内面に密着し内面が小径
部外面に接触する筒状の弾性体を配置するととも
に該弾性体の突部を前記延長部の孔に嵌挿し外部
に露出してなる筆記具の先体螺合構造をその要し
とし上記目的に応ずるものである。

（実施例） 以下、本考案を添付図面に示す実施例に基づき
詳細に説明する。尚、実施例ではシヤープペンシ
ルを例にとつて説明する。

第１図、第２図において、参照符号１は先端開
口２に鉛芯案内用のステンパイプ３が圧入固定さ
れ、該ステンパイプ３後方に鉛芯を僅かな弾性で
保持する環状の鉛芯戻り止め４が嵌合された先体
であり、該先体１は中間部内面に後述する軸筒７
の第２の螺子部７ａと螺合する第１の螺子部１ａ
を有しており、該第１の螺子部１ａの後方に縦列
した複数の孔５を備える筒状の延長部６を有して
いる。７は前記第１の螺子部１ａに螺合する第２
の螺子部７ａを前部内面に有する軸筒であり、該
軸筒７は第２の螺子部７ａの後方の前記延長部６
と対応する区域に小径部８を有している。即ち、
先体１と軸筒７を螺合した状態では先体１の延長
部６と軸筒７の小径部８との間に筒状の空間９が
形成されるようになつている。１０は筒状の基部
１１外面に前記孔５と同数、略同形の縦列した複
数個の突部１２を有する合成ゴム等よりなる弾性
体であり、該弾性体１０は前記空間９に基部１１
を位置するとともに突部１２を孔５に嵌挿し外部
に露出しており、突部１２を除く外面を延長部６
内面に密着し、内面を小径部８の外面に摺動自在
に接触している。前述せる弾性体１０を先体１に
セツトするに当つては、まず弾性体１０を自らの
弾性を利用して縮径せしめ、次いで該弾性体１０
を先体１の延長部６内に挿入しそして縮径を解き
ながら突部１２を孔５に嵌め合うようにすれば簡
単に弾性体１０を先体１にセツトすることができ
る。セツト後の弾性体１０は自らの弾性により先
体１の延長部６内面に密着することになるから安
易に外れることはない。かような先体１を軸筒７
に螺合する場合は、軸筒７の小径部８を先体１の
延長部６にセツトされた弾性体１０内に挿入し互
いの螺子部１ａ，７ａを螺合すればよい。この場
合、弾性体１０の内径を小径部８の外径にあまり
近似させると摺動抵抗が増加して挿入しずらくな
るので、両者間には接触しつつも挿入に影響が生
じぬ程度の僅かな隙間を形成することが望まし
い。

又、前述せる実施例では軸筒７内に、所定距離
摺動可能なチヤツクリング１３と、該チヤツクリ
ング１３で開閉自在な頭部を緊締可能なチヤツク
１４と、該チヤツク１４を後方に付勢するスプリ
ング１５と、チヤツク１４と連結された芯タンク
１６で構成される周知の鉛芯繰り出し機構が内蔵
されており、芯タンク１６後端に嵌着され軸筒７
後端より突出する操作ノブ（図示せず）を内方に
押し込むことによつて芯タンク１６に収納された
鉛芯を前進するチヤツク１４で順次にステンパイ
プ３より繰り出すことができるようになつてい
る。

尚、本考案は例示した如きシヤープペンシルの
みならず、カートリツジ交換方式のボールペン等
他の筆記具おける先体螺合構造としても採用可能
であり、又先体の延長部に形成される孔及び弾性
体の外面に形成される突部の数、形状はデザイン
に応じて種々変更することができる。

（考案の効果） 以上の如く、本考案によれば、先体の延長部と
軸筒の小径部との間に形成される筒状の空間に、
外面が延長部内面に密着し内面が小径部外面に接
触する弾性体を配置するとともに該弾性体の突部
を延長部の孔に嵌挿し外部に露出してなるので、
筆記時には指頭部分に当る延長部の孔より露出す
る突部が指先で内方に押圧され、これにより弾性
体が内方に変形して軸筒の小径部との接触がより
一層のものとなるため、両者間に滑りを生ずるこ
とがなく先体が緩むことはない。又、筆記時に限
らず筒状の弾性体の内面が軸筒の小径部外面に接
触しているので落下等の衝撃、振動によつても先
体に緩みを生ずることはない。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案をシヤープペンシルに採用した実
施例を示すもので第１図は縦断面図、第２図は第
１図のＡ−Ａ線断面図である。 １……先体、１ａ……第１の螺子部、５……
孔、６……延長部、７……軸筒、７ａ……第２の
螺子部、８……小径部、１０……弾性体、１２…
…突部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 中間部内面に第１の螺子部を有し、該第１の螺
   子部の後方に複数の孔を備える筒状の延長部を有
   する先体と、該先体の第１の螺子部と螺合する第
   ２の螺子部を前部外面に有し、該第２の螺子部の
   後方の前記延長部と対応する区域に小径部を有す
   る軸筒と、前記先体と軸筒を螺合した状態で延長
   部と小径部との間に形成される筒状の空間に、外
   面が延長部内面に密着し内面が小径部外面に接触
   する筒状の弾性体を配置するとともに該弾性体の
   突部を前記延長部の孔に嵌挿し外部に露出してな
   る筆記具の先体螺合構造。