JPH04220340A - 積層体の製造方法 - Google Patents

積層体の製造方法

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JPH04220340A
JPH04220340A JP41249090A JP41249090A JPH04220340A JP H04220340 A JPH04220340 A JP H04220340A JP 41249090 A JP41249090 A JP 41249090A JP 41249090 A JP41249090 A JP 41249090A JP H04220340 A JPH04220340 A JP H04220340A
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JP
Japan
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density polyethylene
low
low density
moldability
polyethylene
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Application number
JP41249090A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Kasahara
洋 笠原
Shuichi Tanaka
秀一 田中
Takaya Tahira
貴哉 田平
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Resonac Holdings Corp
Original Assignee
Showa Denko KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は比較的低温での高速成形
性、薄肉成形性、低ネックイン性等のラミネート成形性
と基材への接着性を両立させ、かつ臭いの少ないポリエ
チレン系積層製品の成形方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレンはヒートシール性、防湿性
に優れ、押出加工が容易であることから、各種樹脂フィ
ルム、アルミ箔、紙等にラミネート加工してこれらの性
能を付け加えることができる。このようなラミネート製
品は各種包装材料として有用であり、大量に使用されて
いる。
【0003】ポリエチレンのラミネート加工は押出ラミ
ネート成形法が多用されている。これは押出機を用いて
ポリエチレンを加熱、溶融しフィルム状に押し出したも
のを基材上にのせ、成形と貼合を同時に行うものである
【0004】このとき高速成形性や薄肉成形性を得るた
めに、メルトフローレート(以下MFRと略す)の高い
樹脂を使う、あるいは成形温度を高くして樹脂の流動性
を上げる、等の手段が行われている。
【0005】またポリエチレンは非極性であり、極性を
もつ基材とは接着しにくいため、アンカーコート剤と呼
ばれる接着剤を併用する方法もとり得るが、コーティン
グ工程が煩雑である他、基材にコロナ放電をかける方法
もある。しかし、この場合は特別の装置を別途準備する
必要があり、その点好ましくない。これらに代る方法と
は成形温度を上げる方法がとり得るが、この場合は樹脂
表面をある程度酸化させないと十分な接着力は得られな
いため、フィルム成形などに比べて樹脂温度を高くする
必要がある。
【0006】これらの理由から低密度のポリエチレンで
は通常300〜330℃という高温でのラミネート成形
が行われている。これは上述のごとく成形性及び接着性
の向上のために必要であるが、反面高温による樹脂の酸
化劣化、分解の原因となり、ヒートシール性低下(ヒー
トシール温度の上昇とか、ヒートシール強度の低下)な
ど製品物性の低下、製品の臭いの悪化という問題を引き
起こす。また発煙による油滴の発生やロール汚れを生じ
、これらによって製品が汚染されるという問題もある。 またこれら成形時の高温、発煙、臭い等は作業環境を著
しく悪化させる。
【0007】食品包装などの分野ではこれらポリエチレ
ンの酸化劣化に起因する臭いや低分子量成分の増大は大
きな問題となる。この解決には成形温度を可及的に下げ
ることが最も簡単で有効であるが、当然のことながら成
形性と接着性が低下することが問題である。
【0008】これらのうち低温での成形性については前
述のように樹脂のMFRを高くすることによって解決が
可能である。該低温(270〜290℃)で成形する場
合、MFRが20g/10分程度のポリエチレンを使え
ば十分な成形性が得られる。しかしMFRをこのように
高くすることは樹脂の強度低下やヒートシール時に樹脂
のはみだしを生じる欠点があり、一般的な解決にはなら
ない。
【0009】また低温成形時の接着の改善については高
温で1回ラミネートしたあと2度目に低温でラミネート
する方法、高温と低温の樹脂を1度にラミネートする共
押出ラミネート方法、ダイスから出た樹脂にオゾンを吹
き付けて表面を酸化させるオゾン処理方法、極性基を持
つモノマーをグラフト変性とか共重合させた接着性樹脂
を使う等の方法が行われている。
【0010】このうち2回ラミネートする方法は生産ラ
インに2つのラミネート設備が必要で、工程が複雑にな
り、ラミ厚みも厚くなるなどの欠点がある。また温度差
を付けた共押出ラミネートでは、ダイス内合流型は十分
な温度差を付けることができない。ダイス外合流型では
製品への直接の悪影響、即ち劣化、臭い等は改良される
が、発煙に起因する問題を解決できない。
【0011】オゾン処理は低温で接着を必要とする面だ
けを酸化させることができ、特開昭57−157724
等が知られている。しかしオゾンには臭気、腐食性等の
問題があり、まだその利用は限られている。
【0012】前記接着性樹脂は数多く市販されており、
特にアルミ箔との接着においては低温接着性に優れた樹
脂がいくつか存在する。しかし一般にこれら接着性樹脂
は通常のポリエチレンに比べて臭い、成形性が劣り、コ
ストも高い。共押出ラミネートに用いることにより該臭
いやコストを改善することはできるが、逆に成形性はダ
イス内合流の共押出でも改善されなかった。
【0013】このように発煙や劣化を抑えることと、成
形性や接着性とを両立させることは、従来の技術では困
難であり、いずれかを犠牲にしているのが現状である。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、前記
のような従来技術に伴う問題点を解決することにある。 すなわち比較的低温で高速成形性、薄肉成形性、低ネッ
クイン性等のラミネート成形性と、基材への接着性を両
立させ、かつ臭いの少ないヒートシール性のよいポリエ
チレン系積層製品の製造方法を提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記の課題
を解決するために種々の検討を行った結果、特定のポリ
エチレン組成物と接着性樹脂をダイス内で合流させる共
押出ラミネート方法を採用することによって280℃以
下の低温で高速成形性、薄肉成形性、低ネックイン性等
のラミネート成形性と接着性に優れ、かつ臭いの少ない
ヒートシール性のよい積層製品の製造が可能であること
を見いだした。
【0016】すなわち(1)MFRが1〜20g/10
分である低密度ポリエチレン(A)30〜90重量%と
MFRが3〜15g/10分である低密度ポリエチレン
(B)70〜10重量%とからなり、MFRが2〜10
g/10分である低密度ポリエチレン組成物(l)で、
(i)(A)の極限粘度〔η〕A と光散乱法により求
めた重量平均分子量が(A)と同一である直鎖状ポリエ
チレンの極限粘度〔η〕LAとの比Gη(=〔η〕A/
〔η〕LA)が0.55〜0.90であり、(ii)(
B)の極限粘度〔η〕B と光散乱法により求めた重量
平均分子量が(B)と同一である直鎖状ポリエチレンの
極限粘度〔η〕LBとの比Gη(=〔η〕B /〔η〕
LB)が0.10〜0.45であることを特徴とする低
密度ポリエチレン組成物(l)と、カルボキシル基また
はその誘導体を0.05〜5重量%含むエチレン系接着
性樹脂組成物(ll)を共押出Tダイスを用いて基材の
少なくとも片面に前記組成物(ll)が基材と接するよ
うに共押出ラミネートすることにより、前記問題点を解
決できることを見いだし、本発明に到達した。
【0017】以下本発明を具体的に説明する。本発明の
製造方法に使用する低密度ポリエチレン組成物(l)を
構成する低密度ポリエチレン(A)及び低密度ポリエチ
レン(B)は、いわゆる高圧法ポリエチレンである。
【0018】1000〜3500気圧の高圧下でパーオ
キサイドなどの遊離基発生剤の存在下で重合させて得ら
れる低密度ポリエチレン(以下、LDPEと呼ぶことも
ある)は、数10気圧の低圧でZiegler 触媒等
を用いて配位アニオン重合させて得られるポリエチレン
(以下、HDPEと呼ぶこともある)またはエチレンと
α−オレフィンの共重合体(以下、L−LDPEと呼ぶ
こともある)とは異なり、長鎖分岐の存在することが知
られている。LDPEのこの長鎖分岐の存在は溶融時の
粘弾性において、長鎖分岐のないHDPEやL−LDP
Eと比較して著しく異なった性質、特に弾性的な性質を
示すことが知られている。即ち、LDPEのインフレー
ション成形時の成膜安定性やラミネート成形時のネック
イン特性に優れることも知られている。しかし、そのた
めに逆に延伸性においては、L−LDPEの方が勝るこ
とが知られている。
【0019】LDPEは、一般にオートクレーブまたは
チューブラーリアクターで製造されるが、いずれのリア
クターを用いても得られるLDPEは長鎖分岐を有する
。長鎖分岐の程度は、重合時の圧力や重合時の温度によ
り異なる。
【0020】長鎖分岐の数や長さは、短鎖分岐のように
13C−NMRを用いても正確に定量化することはでき
ない。長鎖分岐の程度または指数は、希薄溶液の光散乱
法より求めた同一分子量の長鎖分岐を有する低密度ポリ
エチレンと長鎖分岐の少ない直鎖状のポリエチレンの極
限粘度の割合Gη(=〔η〕B /〔η〕L )により
表わされる。ここで〔η〕B は長鎖分岐を有する低密
度ポリエチレンの極限粘度、〔η〕L は長鎖分岐を有
する低密度ポリエチレンと同一の分子量(共に上記光散
乱法により求めた分子量)を有する直鎖状のポリエチレ
ンの極限粘度である。
【0021】また、極限粘度〔η〕B 、〔η〕L は
、130℃のテトラリンの希薄溶液で測定した粘度を、
濃度ゼロへ外押した点の粘度(ηSP/C)C →0 
で表わしたものである。
【0022】本発明者らは、長鎖分岐指数とMFRに着
目し、いろいろな条件で試作し、低温での高速成形性、
薄肉成形性、ヒートシール性、ホットタック性、ネック
イン特性について詳細に検討したところ、極限粘度の割
合Gηが0.55〜0.90の低密度ポリエチレンは、
MFRが1〜3g/10分程度の通常のラミネートグレ
ードより小さくても、低温での高速成形性、薄肉成形性
に優れるが、ネックイン特性に若干劣ることが分かった
。 一方、極限粘度の割合Gηが0.15〜0.45の場合
には、MFRが11g/10分以下では低温高速成形性
が悪く、280℃以下の低温で250m/分以上の高速
成形性を得るためにはMFRが15g/10分以上が必
要であった。しかし、MFRが15g/10分以上では
低温高速成形性は得られるが、ネックインは大きく、ヒ
ートシール強度やホットタック性に劣るという欠点があ
った。
【0023】これらの極限粘度の割合Gηの大きく異な
る低密度ポリエチレンを組み合わせることにより、両者
の有利な特性を生かすことを検討した結果、(1)MF
Rが1〜20g/10分であり、低密度ポリエチレン(
A)30〜90重量%とMFRが3〜15g/10分で
ある低密度ポリエチレン(B)70〜10重量%とから
なりMFRが2〜10g/10分である低密度ポリエチ
レン組成物(l)で、(i)(A)の極限粘度〔η〕A
 と光散乱法により求めた重量平均分子量が(A)と同
一である直鎖状ポリエチレンの極限粘度〔η〕LAとの
比Gη(=〔η〕A /〔η〕LA)が0.55〜0.
90であり、(ii)(B)の極限粘度〔η〕Bと光散
乱法により求めた重量平均分子量が(B)と同一である
直鎖状ポリエチレンの極限粘度〔η〕LBとの比Gη(
=〔η〕B /〔η〕LB)が0.10〜0.45であ
ることを特徴とする組成物(l)が、280℃以下の低
温において、200m/分以上の高速成形ができるばか
りでなく、10〜15μの薄肉成形性に優れ、ヒートシ
ール強度、ホットタック性、ネックイン特性に優れるこ
とを見出した。
【0024】本発明において用いられる低密度ポリエチ
レン(A)の極限粘度の割合Gηは、0.55〜0.9
0であり、より好適には、0.65〜0.90である。 低密度ポリエチレン(A)の極限粘度の割合Gηが0.
55未満では、低温高速成形性に劣るので好ましくない
。低密度ポリエチレン(A)の極限粘度の割合Gηは、
上限は特に制限されないが高圧法では0.90を超える
ものは実質的に得るのは難しい。
【0025】低密度ポリエチレン(A)のMFRは、1
〜20g/10分であり、好ましくは3.5〜15g/
10分である。低密度ポリエチレン(A)のMFRが1
g/10分未満では、低温高速成形性と薄肉成形性に劣
り、又、MFRが20g/10分を超えるとヒートシー
ル強度、ネックイン特性のバランスをとることが困難で
ある。
【0026】又、本発明において用いられる低密度ポリ
エチレン(B)の極限粘度の割合Gηは、0.10〜0
.45であり、好ましくは0.15〜0.35である。 極限粘度の割合Gηが0.10未満の低密度ポリエチレ
ン(B)は、実質的に製造が困難である。又、極限粘度
の割合Gηが0.45を超えるとネックイン特性に劣る
欠点を有する。
【0027】低密度ポリエチレン(B)のMFRは、3
〜15g/10分であり、好ましくは4〜12g/10
分である。低密度ポリエチレン(B)のMFRが3g/
10分未満では、低温高速成形性、薄肉成形性に劣る欠
点を有する。また低密度ポリエチレン(B)のMFRが
15g/10分を超えた場合は、低温高速成形性は極め
て良好であるが、ネックイン特性に劣るという難点を有
する。
【0028】低密度ポリエチレン(A)と低密度ポリエ
チレン(B)を製造する方法としては、オートクレーブ
法およびチューブラー法のいずれでもよい。
【0029】低密度ポリエチレン(A)と低密度ポリエ
チレン(B)の混合比(重量)は30対70〜90対1
0であり、好ましくは50対50〜80対20である。 低密度ポリエチレン(A)の値が30未満では、低温高
速成形性、薄肉成形性に劣り、90を超える場合には、
充分満足できるネックイン特性が得られない。
【0030】低密度ポリエチレン(A)と低密度ポリエ
チレン(B)の混合方法としては、溶融状態で通常の押
出機、混練機を用い、通常の条件で混合混練する方法が
採用される。
【0031】以上のようにして得られる低密度ポリエチ
レン組成物(l)のMFRは、2〜10g/10分であ
り、好ましくは3〜9.5g/10分である。低密度ポ
リエチレン組成物(l)のMFRが2〜10g/10分
未満では、低温高速成形性、薄肉成形性が充分満足すべ
くものでなく、一方、低密度ポリエチレン組成物(l)
のMFRが10g/10分を超える場合には、ヒートシ
ール強度やホットタック性が充分でない。
【0032】次に本発明の製造方法に使用するエチレン
系接着性樹脂組成物(ll)について説明する。本発明
において、エチレン系接着性樹脂組成物(ll)とは分
子内にカルボキシル基、またはその誘導体、例えば酸無
水物基を含むエチレン系重合体である。
【0033】ここでいうエチレン系重合体とはエチレン
の単独重合体、エチレンと他のモノマーとの共重合体、
さらにこれらの混合物を含むものをいう。
【0034】ここでいうカルボン酸としては、アクリル
酸、メタクリル酸、クロトン酸、フマル酸、マレイン酸
、イタコン酸、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン
酸などが例示できる。またカルボン酸の誘導体としては
、環状のものが好ましく、具体的には無水マレイン酸、
無水イタコン酸、無水シトラコン酸、ドデセニル無水コ
ハク酸などを例示出来る。場合によってはこれらのうち
2種以上を併用してもよい。
【0035】エチレン系重合体の分子内にカルボキシル
基、またはその誘導体を導入する方法としては、高圧法
でエチレンを重合させる際にラジカル重合性のカルボン
酸、またはその誘導体を共重合させる方法、エチレン系
重合体に対し、有機過酸化物等のラジカル開始剤を用い
てラジカル重合性のカルボン酸、またはその誘導体をグ
ラフト共重合させる方法等があり、これらの方法で作ら
れたエチレン系接着性樹脂組成物(ll)はいずれも本
発明に対し好適に用いることができる。カルボン酸また
はその誘導体の含量はエチレン系接着性樹脂組成物(l
l)中0.05〜5重量%である。0.05重量%未満
では接着効果が不十分であり、5重量%を超えても接着
効果は変わらない。またエチレンと、カルボン酸または
その誘導体以外に更に他のコモノマーを共重合した3成
分以上からなる多元共重合体であっても良い。さらにこ
れらのエチレン系接着性樹脂組成物(ll)は接着性を
維持出来る範囲において他の樹脂と混合して使用するこ
とも可能である。
【0036】本発明において用いられる低密度ポリエチ
レン組成物(l)とエチレン系接着性樹脂組成物(ll
)とには、必要に応じて安定剤、滑剤、帯電防止剤、顔
料、充填剤その他の添加剤を配合して良い。次に本発明
に係わる積層体の製造方法について説明する。
【0037】本発明において用いられるラミネート用基
材としては、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリエステ
ル、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物、ポリ塩化
ビニリデン等の樹脂フィルム又はシート、アルミニウム
、鉄、銅、これらを主成分とする合金等の金属箔又は金
属板、セロファン、紙、布、不織布等が用いられ、必要
に応じてこれら基材の表面がコロナ処理、フレーム処理
等がされていてもよい。
【0038】本発明の積層体の製造方法においては、基
材の片面あるいは両面に低密度ポリエチレン組成物(l
)とエチレン系接着性樹脂組成物(ll)を2層に共押
出ラミネートする。この際エチレン系接着性樹脂組成物
(ll)が基材側、低密度ポリエチレン組成物(l)が
外面側にラミネートされることが必要である。逆の構成
では成形性は維持されるが、接着性が低下し、臭いが悪
化するため本発明の特徴を発揮し得ない。
【0039】共押出ラミネート加工する際の装置として
は、ダイス内またはダイス前で合流する共押出Tダイス
を用いることが好ましい。これは成形性の改良のためで
、ダイス外合流の共押出Tダイスでは改良効果が少ない
【0040】共押出ラミネート加工時の温度は280℃
以下が好ましい。これは280℃を超えると成形時の発
煙が急激に増加するためである。
【0041】
【実施例】以下、実施例および比較例をあげて本発明を
さらに詳細に説明する。なお、実施例および比較例の各
物性値は、下記の方法に準じて測定した。
【0042】(1)ドローダウン性(DD性)押出機:
φ90mm(50rpm )、φ65mm(65rpm
)共押出、Tダイス幅750mmに設定し、ラミネート
層が膜切れせずに安定して成形できる最高成形速度。
【0043】(2)ネックイン(NI)押出機:φ90
mm(50rpm )、φ65mm(65rpm)共押
出、Tダイス幅750mmに設定し、成形速度130m
/分のときのラミ幅の減少量。ただしDD性が130m
/分に達しない場合はDD性速度でのネックインとする
【0044】(3)接着強度 押出機:φ90mm(50rpm )、φ65mm(6
5rpm)共押出またはφ90mm単層で同じ厚みとな
る条件でTダイス幅750mmに設定し、成形速度13
0m/分のときのラミサンプルをアルミ箔とラミ膜との
界面で剥離し、サンプル幅15mm、剥離速度300m
m/分、180度剥離での剥離強度をもって接着強度と
した。
【0045】実施例1 (低密度ポリエチレン(A)の製造)10lの撹拌機付
きのオートクレーブで、1200kg/cm2 の圧力
下で平均重合温度210℃でエチレンを重合した。得ら
れた低密度ポリエチレンのMFRは7.3g/10分、
密度は0.920g/cm3 、極限粘度の割合Gηは
0.68であった。
【0046】(低密度ポリエチレン(B)の製造)低密
度ポリエチレン(A)の製造で用いたオートクレーブで
、1650kg/cm2 の圧力下で平均重合温度26
0℃でエチレンを重合した。得られた低密度ポリエチレ
ンのMFRは7.0g/10分、密度は0.917g/
cm3 、極限粘度の割合Gηは0.21であった。
【0047】(低密度ポリエチレン組成物(l)の調製
)低密度ポリエチレン(A)と低密度ポリエチレン(B
)を70対30の混合比率で30φの押出機で混合し、
低密度ポリエチレン組成物(l)を得た。得られた低密
度ポリエチレン組成物(l)のMFRは7.3g/10
分、密度は0.919g/cm3 であった。
【0048】(エチレン系接着性樹脂組成物(ll)の
製造)エチレンと無水マレイン酸との共重合体をオート
クレーブ形式の反応器を有する高圧法ポリエチレン製造
設備を用いて製造した。重合圧力は1850kg/cm
2 、重合温度は200℃であった。重合体は反応器を
通過後、高圧分離器、低圧分離器で未反応モノマーを分
離し、押出造粒設備によりペレット化した。得られた共
重合体は、MFR(190℃)8.6、無水マレイン酸
に由来する単位2.2重量%であった。なお、共重合体
組成は赤外吸収スペクトルによって決定した。該共重合
体を、MFR(190℃)7.0、密度0.9165g
/cm3 である低密度ポリエチレンと、20/80の
重合割合になるよう混合した。混合にあたっては、両者
をタンブラーでドライブレンドした後、50mmφの単
軸押出機を用い、170℃で溶融混練りし、ペレット化
した。 混合物のMFR(190℃)は7.3g/10分、無水
マレイン酸に由来する単位は0.43重量%であった。
【0049】(ラミネート加工)ラミネート成形機は、
φ90mmの押出機とφ65mmの押出機を備え、それ
ぞれの樹脂をフィードブロックで合流させたあとTダイ
スに導き、2層の溶融膜として押出すダイス前合流形式
の共押出ラミネート成形機を用いた。φ90mm押出機
を低密度ポリエチレン組成物(l)に、φ65mm押出
機をエチレン系接着性樹脂組成物(ll)に用い、エチ
レン系接着性樹脂組成物(ll)が基材側になるような
2種2層の共押出ラミネートを行った。この時の成形条
件はφ90mm押出機のスクリュー回転数が50rpm
 、φ65mm押出機は65rpm 、ダイスのスリッ
ト幅0.7mm、ダイス幅750mm、ダイスのリップ
ヒーターを5A×2本使用し、ダイス直下の樹脂温度は
279℃、基材は予め作成しておいたPET/低密度ポ
リエチレン/アルミ箔の3層構造のラミネートフィルム
を用い、アルミ箔側にラミネートした。
【0050】評価はこの時のドローダウン性(安定成形
可能な最高速度)、ネックイン(ラミ幅の減少量)、接
着強度(アルミ箔とエチレン系接着性樹脂組成物(ll
)との層間剥離強度)、成形時の発煙について評価した
。 樹脂及び成形条件を表1に、評価結果を表2に示した。
【0051】実施例2 表1に示すように実施例1と同じ低密度ポリエチレン(
A)に対し、MFRが12.0、密度が0.917g/
cm3 、極限粘度の割合Gηが0.23の低密度ポリ
エチレン(B)を用いる他は実施例1と同様にしてラミ
ネート成形を行った。評価結果を表2に示した。
【0052】比較例1 表1に示すように実施例1と同じ低密度ポリエチレン組
成物(l)を用い、エチレン系接着性樹脂組成物(ll
)は使わずに単層の押出ラミネートを行った。評価結果
を表2に示す。
【0053】比較例2、3 表1に示すようにMFR=7.9、Gη=0.35の低
密度ポリエチレン(B)を用い、エチレン系接着性樹脂
組成物(ll)は使わずに単層の押出ラミネートを行っ
た。評価結果を表2に示す。
【0054】比較例4 表1に示すように低密度ポリエチレン(A)を用いず、
MFR=7.9、Gη=0.35の低密度ポリエチレン
(B)を用いる以外は実施例1と同様にしてラミネート
成形を行った。評価結果を表2に示す。
【0055】比較例5 表1に示すように低密度ポリエチレン組成物(l)を用
いず、実施例1と同じエチレン系接着性樹脂組成物(l
l)だけを用いて単層の押出ラミネートを行った。評価
結果を表2に示す。
【0056】比較例6 表1に示すようにMFR=22.7、Gη=0.23の
低密度ポリエチレン(B)を用いた以外は、実施例1と
同様にラミネート成形を行った。評価結果を表2に示す
【0057】比較例7 表1に示すようにMFR=5.0、Gη=0.71の低
密度ポリエチレン(B)を用いた以外は、実施例1と同
様にラミネート成形を行った。評価結果を表2に示す。
【0058】表1に示すように低密度ポリエチレン(A
)と低密度ポリエチレン(B)の比を20対80にした
以外は、実施例1と同様にラミネート成形を行った。評
価結果を表2に示す。
【0059】
【表1】
【0060】
【0061】
【発明の効果】比較的低温での高速成形性、薄肉成形性
、低ネックイン性等のラミネート成形性と基材への接着
性を両立させ、かつ臭いの少ない、ヒートシール性のよ
いポリエチレン系積層製品の製造方法が得られた。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  メルトフローレートが1〜20g/1
    0分である低密度ポリエチレン(A)30〜90重量%
    とメルトフローレートが3〜15g/10分である低密
    度ポリエチレン(B)70〜10重量%とからなり、そ
    のメルトフローレートが2〜10g/10分である低密
    度ポリエチレン組成物(l)において、(i)(A)の
    極限粘度〔η〕A と光散乱法により求めた重量平均分
    子量が(A)と同一である直鎖状ポリエチレンの極限粘
    度〔η〕LAとの比Gη(=〔η〕A /〔η〕LA)
    が0.55〜0.90であり、(ii)(B)の極限粘
    度〔η〕B と光散乱法により求めた重量平均分子量が
    (B)と同一である直鎖状ポリエチレンの極限粘度〔η
    〕LBとの比Gη(=〔η〕A /〔η〕LB)が0.
    10〜0.45であることを特徴とする低密度ポリエチ
    レン組成物(l)と、カルボキシル基またはその誘導体
    を0.05〜5重量%含むエチレン系接着性樹脂組成物
    (ll)とを共押出Tダイスを用いて基材の少なくとも
    片面に前記組成物(ll)が基材と接するように共押出
    ラミネートすることを特徴とする積層体の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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