JPH04212999A - 信号符号化装置 - Google Patents

信号符号化装置

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JPH04212999A
JPH04212999A JP3045199A JP4519991A JPH04212999A JP H04212999 A JPH04212999 A JP H04212999A JP 3045199 A JP3045199 A JP 3045199A JP 4519991 A JP4519991 A JP 4519991A JP H04212999 A JPH04212999 A JP H04212999A
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村田 泰基
Shuichi Yoshikawa
修一 吉川
Hiroshi Nishiwaki
西脇 裕志
Shiyuuichi Kawama
河間 修一
Tomokazu Morio
智一 森尾
Jiyungo Kitou
鬼頭 淳悟
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    • H03M7/3082Vector coding

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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ベクトル量子化により
音声等の信号を低ビット符号化する信号符号化装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】音声信号を低ビット符号化して伝送又は
記録し、再び高音質で合成する方式としては、線形予測
分析によって抽出した特徴パラメータを用いるPARC
OR(Partial Auto−CORrelati
on)方式やこの方式の音質をさらに改善したCELP
(Code Excited Linear Pred
iction)方式が優れている。しかし、これらは音
声の符号化や再生の過程が複雑であり、しかも、特にC
ELP方式の場合には、残差波形をベクトル量子化する
ためのコードブックに大容量のメモリが必要となり、ハ
ードウエアが高価なものとなる。
【0003】そこで、例えば電子機器で簡単な音声応答
や音声ガイダンス等を行うために、音質をある程度犠牲
にしてもハードウエアの簡略化が要請されるような場合
には、音声信号の原波形を低ビットのコードブックを用
いてベクトル量子化するVPCM(Vector Pu
lse Code Modulation)方式が従来
から用いられて来た。このVPCM方式は、図14に示
すように、まずA/D変換されたディジタルの音声信号
をN(2以上の整数)サンプルずつに分割し、それぞれ
の分割された音声信号について距離計算回路101によ
り所定の複数のパターンと順次比較する。複数のパター
ンは、それぞれ音声信号の量子化ビット数と同じビット
数のデータをNサンプル分組み合わせたものであり、こ
れらがメモリ上のコードブック102に例えば256種
類(最低8ビットでアドレス可能)格納されている。ま
た、この256種類のパターンは、符号化を行う実際の
音声データに基づいて量子化誤差ができるだけ小さくな
るように適当な方法で予め選出されたものである。そし
て、このコードブック102に格納された各パターンは
、パターンセレクタ103によって1つずつ読み出され
、分割された音声信号と順に比較される。すると、両者
の差(距離)が最小となるパターンが最小値判定回路1
04によって判定され、そのパターンのコードブック1
02上でのアドレスが符号化データとして出力される。 従って、Nサンプルの音声信号は、最も近似するパター
ンを格納したコードブック102上のアドレス値に変換
され、例えば8ビットで量子化された音声信号の8サン
プル分、即ち64ビットのデータが8ビットのアドレス
データに圧縮されることになる。なお、このVPCM方
式によって符号化されたデータを合成する場合には、同
じコードブックを使用して符号化データのアドレスに従
って順次パターンを読み出しD/A変換を行えばよい。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来のVP
CM方式は、複数のパターンの格納用に上記の場合でも
16Kビット(8ビット×8サンプル×256パターン
)程度の大きさのコードブック102が必要となり、前
記CELP方式ほどではないにしても、簡易なハードウ
エアとするにはなおメモリ容量の負担が大きいという問
題があった。しかも、コードブック102に格納される
最適なパターンは、当該機器に使用される実際の音声デ
ータに依存したものとなる。従って、この音声データが
変更されると、パターンも新たに選択し直す必要が生じ
るので、コードブック102を構成するROMの汎用性
がなくなり、量産による低コスト化を図ることができな
いという問題も生じていた。
【0005】本発明は、上記事情に鑑み、ベクトル量子
化のための多数のパターンを擬似乱数等の漸化式を用い
て生成することにより、大容量のコードブックを不要に
すると共に、汎用的な信号の符号化をも可能にすること
ができる信号符号化装置を提供することを目的としてい
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の信号符号化装置
は、信号を連続する所定サンプル数ごとの分割信号に分
割する信号分割手段と、漸化式に初期値を与えることに
よってデータ列を生成するデータ列生成手段と、該生成
されたデータ列を信号分割手段と同じ所定サンプル数ご
とのパターンに分割するパターン分割手段と、該パター
ン分割手段が分割した各パターンと分割信号との間の距
離をそれぞれ算出する距離計算手段と、各分割信号ごと
に該距離が最小となるパターンを判定し、該データ列生
成手段がこのパターンを構成するデータ列を出力するた
めの漸化式の初期値を、当該分割信号の符号化データと
して出力する最小値判定手段とを備えており、そのこと
により上記目的が達成される。
【0007】前記距離計算手段が、各パターンについて
分割信号との間の距離がより小さくなるようにそれぞれ
のパターンの利得を調整しておき、この利得を調整され
た各パターンに基づいて分割信号との間の距離をそれぞ
れ算出するものであり、前記最小値判定手段が、最小の
距離であると判定したパターンについて、そのパターン
の初期値とそのパターンについての利得の調整量とを符
号化データとして出力するものとすることもできる。
【0008】前記距離計算手段が、分割信号とパターン
とにおける各サンプル上での距離のうち最大の距離を要
素の一部に加えて各パターンごとに距離を算出するもの
としてもよい。
【0009】前記信号分割手段及びパターン分割手段に
於いて、分割するサンプル数が変更可能であり、前記最
小値判定手段が、判定した最小の距離が閾値より大きい
場合に、該信号分割手段とパターン分割手段による分割
のサンプル数をより少ないものに変更させて、同じ分割
信号についての符号化を再実行させ、かつ、これによっ
て新たに判定したパターンの初期値と信号の再分割に関
する情報とを符号化データとして出力するものとしても
よい。
【0010】前記データ列生成手段が、複数の周波数特
性を備えた帯域調整フィルタを有し、漸化式によって生
成されたデータ列をそれぞれの特性の帯域調整フィルタ
に順次通すことによって複数のデータ列を出力するもの
であり、前記最小値判定手段が、最小の距離であると判
定したパターンについて、そのパターンの初期値と通過
した帯域調整フィルタの周波数特性に関する情報とを符
号化データとして出力するものとしてもよい。
【0011】前記データ列生成手段に於いて、データ列
を生成する漸化式の周期が変更可能であり、前記最小値
判定手段が、判定した最小の距離が閾値より大きい場合
に、このデータ列生成手段の漸化式の周期をより長いも
のに変更させて、同じ分割信号についての符号化を再実
行させ、かつ、これによって新たに判定したパターンの
初期値と漸化式の周期変更に関する情報とを符号化デー
タとして出力するものとすることもできる。
【0012】前記信号分割手段とデータ列生成手段とパ
ターン分割手段と距離計算手段と最小値判定手段とが複
数組設けられ、各組の間に、一方の組で出力された符号
化データに基づくパターンと当該分割信号との間の各サ
ンプルについての残差を算出する残差計算手段が設けら
れ、かつ、他方の組の信号分割手段がこの残差計算手段
によって算出された残差を分割信号とすることもできる
【0013】本発明の他の信号符号化装置は、下記(イ
)〜(ニ)を有するベクトル量子化手段、(イ)初期値
を順次設定し、各初期値ごとに漸化式の繰り返し演算を
行って所定数のディジタルデータからなるパターンを生
成するパターン生成手段、(ロ)該パターン生成手段が
出力する各パターンの帯域を制限する、係数が変更可能
なディジタルフィルタ、(ハ)所定数のディジタルデー
タからなる入力信号とディジタルフィルタが出力する帯
域制限された各パターンとの間の距離を計算する距離計
算手段、及び(ニ)各パターンごとに該距離計算手段が
計算した距離の最小値を判定し、このときの該パターン
生成手段の初期値をベクトル量子化による符号化データ
とする判定手段、並びに該ベクトル量子化手段の実行を
所定数の入力信号についてそれぞれ行い、入力信号の各
分割区間ごとに該判定手段が判定した最小の距離の総和
を計算する総和計算手段が設けられた符号化手段と、該
符号化手段の実行によって総和計算手段が計算した最小
距離の総和と前回の最小距離の総和との差が所定の閾値
より大きい場合に、該ベクトル量子化手段のディジタル
フィルタ係数の最適化を行い再度該符号化手段の実行を
指示する係数最適化手段とを備えている。
【0014】
【作用】上記の構成により、信号分割手段が音声信号等
のディジタル信号を連続する所定のNサンプルごとの分
割信号に分割する。ディジタル信号は、アナログ信号を
サンプリングしてそれぞれ(スカラー)量子化すること
により生成したものである。このようにしてNサンプル
ごとに分割された分割信号は、N次元の信号ベクトル空
間におけるベクトルとして取り扱うことができる。
【0015】また、データ列生成手段は、漸化式に初期
値を与えることによってデータ列を生成し、パターン分
割手段がこのデータ列を信号分割手段と同じNサンプル
ごとのパターンに分割する。そして、この場合も、Nサ
ンプルごとの各パターンは、N次元の信号ベクトル空間
におけるベクトルとして取り扱うことができ、これがベ
クトル量子化における代表ベクトルとなる。なお、この
パターンを構成するデータ列は、通常は上記ディジタル
信号の量子化ビット数と同じビット数のデータからなる
。また、例えば上記ディジタル信号が音声信号である場
合には、これを帯域調整フィルタを通すことにより、音
源であるデータ列に調音構造の周波数特性を付加するこ
ともできる。
【0016】漸化式(差分方程式)は、関数f(i)が
f(i−1)、…、f(i−p)の関数として定義され
た方程式であり、pは1以上の定数として漸化式の階数
を示す。この漸化式には、p個の初期条件が必要であり
、この初期条件を初期値として順次計算を行うことによ
り、データ列を無限に生成することができる。そして、
このデータ列は、初期値が同じであれば常に同じものが
生成され、しかも、この初期値よりもビット数の多いデ
ータを生成することができるので、これによって信号の
圧縮が可能となる。ただし、生成される各データが有限
の数で表される以上、データ列は必ず周期を有するため
、このデータ列を分割して得られるパターンの種類も有
限なものとなる。そして、ここでは多数のパターンを発
生させるために、できるだけ周期の長いデータ列を生成
する漸化式が好ましい。また、発生された多数のパター
ンは、ベクトル量子化における代表ベクトルとして、信
号ベクトル空間にできるだけ一様に分布するようにしな
ければならない。
【0017】上記のような条件を満足する漸化式の一つ
に擬似乱数が存在する。例えば、下記 Zi = aZi−1 +b(mod  m)のような
1階の漸化式を用いた合同法(合同式法、congru
entialmethod)は、擬似乱数の生成方法と
して代表的なものである。しかしながら、合同法は、周
期が法であるmを超えることができず(1階の漸化式を
用いるため初期値が表現できる数がm種類までである)
、しかも、多次元において格子構造の規則性が発生する
ため、代表ベクトルを発生させる方法としては必ずしも
最適ではない。これに対して、例えば下記 Zi = Zi−24+Zi−55(modm)のよう
な複数の先行データに基づく複数階の漸化式を用いたM
系列法(最大周期列法、Maximum−length
 linearly recurring seque
nce)では、最大でmのp乗引く1(上記例では、p
=55階)の周期が得られ(初期値は、mを法とする数
をp桁並べたものであり、これで表現可能な数列の種類
がmのp乗となる)、かつ、多次元においても一様な分
布が得られるようになり、代表ベクトルを発生させるも
のとして有望である。しかも、このM系列法は、シフト
レジスタを用いた簡単なハードウエアで実現できるとい
う利点もある。なお、擬似乱数において初期値は、種(
seed)と呼ばれる。
【0018】もっとも、ここでの漸化式は、生成順序に
かかわりなく結果的に信号ベクトル空間に一様に分布す
る代表ベクトルが多数得られればよいので、必ずしも乱
数の全ての性質が要求される訳ではない。従って、この
漸化式は、乱数としてはあまり適当ではないものや規則
的にデータ列を生成するようなものであってもよい場合
があり得る。
【0019】データ列生成手段では、一定のデータ列を
生成するたびに随時初期値を与えるようにすることもで
きるが、最初に初期値を与え以降1周期以内の間に生成
されるデータ列をパターン分割手段で順に分割すること
によって所定数のパターンを得るようにしてもよい。こ
の場合、各パターンを構成するデータ列の最初のデータ
がそれぞれのパターンの初期値となる。なお、上記漸化
式は、データ列生成手段においてソフトウエア又はハー
ドウエアとして実現される。
【0020】データ列生成手段とパターン分割手段によ
る所定数のパターンの発生は、上記信号分割手段が信号
をNサンプルの分割信号に分割するたびに行われる。そ
して、このように分割信号が分割されるたびに、距離計
算手段がこの分割信号と所定数の各パターンとの間の距
離をそれぞれ算出する。この分割信号とパターンとの間
の距離としては、例えばN次元空間におけるユークリッ
ド距離(差の2乗和)を用いることができるが、必ずし
もこれに限定されるものではなく、信号の性質に応じて
適宜選択してよい。
【0021】そして、上記距離計算手段が、各分割信号
ごとに全てのパターンとの距離をそれぞれ算出すると、
最小値判定手段が、これらの距離のうち最小となるもの
を判定し、そのパターンを生成するためのデータ列の初
期値を当該分割信号の符号化データとして順次出力する
。従って、元のディジタル信号の量子化ビット数×N個
のデータが漸化式の初期値のビット数分のデータに圧縮
されて符号化されることになる。
【0022】この結果、本発明によれば、予め多数のパ
ターンを格納した大容量のコードブックが不要となるの
で、ハードウエアをより簡素化することができる。しか
も、漸化式の選択によってハードウエアにほとんど負担
を掛けることなくパターン数を容易に増加させることが
できるので、量子化誤差の低減と共に汎用的な信号の符
号化も可能とする。例えば、16ビットのディジタル信
号を8サンプルごとに分割して符号化する場合、データ
列生成手段にM系列の擬似乱数を生成する23ビットス
クランブラを用いたとすると、このデータ列の周期はほ
ぼ2の23乗となるため、発生させ得るパターンが、こ
れを8サンプルで除した約百万パターンとなる。また、
128ビット(16ビット×8サンプル)からなる元の
分割信号は、スクランブラの種のビット数である23ビ
ットのデータに圧縮される。ところが、この百万種類の
パターンをメモリに格納して従来のようなコードブック
を作成したとすると、約100Mビット(総パターン数
×16ビット×8サンプル)の容量が必要となり、これ
を上記のようにシフトレジスタと論理回路とからなる2
3ビットスクランブラに代えることにより、ハードウエ
アの簡素化を図ることができるようになる。
【0023】また、距離計算手段が分割信号と各パター
ンとの間の距離を算出する前に、各パターンについて分
割信号との間の距離がより小さくなるようにそれぞれの
パターンの利得を調整する場合には、複数のパターンの
なかに、レベルのみが異なり波形が極めて類似している
ものがあれば、このパターンの初期値を符号化データと
して採用することができるようになり、量子化誤差をよ
り低減させることができるようになる。なお、これは実
質的にパターン数を増加させたことと同じであり、符号
化データには利得の調整量の情報が追加され、その分だ
け圧縮率が低下することになる。
【0024】距離計算手段が分割信号と各パターンとの
間の距離を計算する際に、これら分割信号とパターンと
における各サンプル上の距離のうち最大の距離を要素の
一部に加える構成では、例えばN次元におけるユークリ
ッド距離が最小となるパターンであっても、あるサンプ
ル上での分割信号との間の1次元の距離が極端に大きい
場合には、この部分で波形も大きく異なるようになり、
音声信号であれば音質を著しく劣化させる原因となる。 従って、本項の構成により、例えばN次元でのユークリ
ッド距離が最小ではなくても、より波形が近似したパタ
ーンを選ぶことができるようになるので、音質等の向上
を図ることができるようになる。
【0025】最小値判定手段が判定した最小の距離が閾
値より大きい場合に、信号分割手段とパターン分割手段
による分割のサンプル数をより少ないものに変更させて
、同じ分割信号について符号化を再実行させる構成では
、このようにサンプル数を減少させると、分割信号とパ
ターンとの間の最小の距離をより小さくする可能性が高
まるので、量子化誤差の低減を図ることができるように
なる。ただし、分割するサンプル数を減少させると、符
号化データの圧縮率も低くなり、しかも、信号の再分割
に関する情報を別個付加する必要が生じるので、この圧
縮率がさらに低下することになる。
【0026】データ列生成手段の漸化式が生成する1パ
ターン分のデータ列に基づいて、周波数特性の異なる帯
域調整フィルタを通過した複数のパターンが出力される
構成では、帯域調整フィルタを選択するための情報によ
り圧縮率は低下するものの、パターン数が増加すること
から、量子化誤差の低減を図ることができるようになる
。しかも、例えば音声信号の符号化の場合、複数の帯域
調整フィルタによって複数種類の代表的な調音構造の周
波数特性を付加することができるようになるので、圧縮
率の低下に見合う以上の音質の向上を期待することがで
きる。
【0027】最小値判定手段が判定した最小の距離が閾
値より大きい場合に、データ列生成手段においてデータ
列を生成する漸化式の周期をより長いものに変更させて
、同じ分割信号についての符号化を再実行させる構成で
は、このように漸化式の周期を長くすると、その分発生
されるパターンの種類も多くなり、分割信号とパターン
との間の最小の距離をより小さくする可能性が高まるの
で、量子化誤差の低減を図ることができるようになる。 ただし、漸化式の周期は、初期値が表現可能な数(列)
の種類にその最大周期を限定されるので、これを長くす
るということは、初期値のビット数も増加することにな
り、符号化データの圧縮率が低くなる。しかも、漸化式
の周期変更に関する情報も付加する必要が生じるので、
この圧縮率はさらに低下することになる。
【0028】1組目の最小値判定手段から最初の分割信
号の符号化データが出力されると、残差計算手段によっ
て、この符号化データに基づくパターンと当該分割信号
との残差が計算され、この残差信号が2組目の信号分割
手段による分割信号とされる構成では、2組目の最小値
判定手段からこの残差信号の符号化データが出力される
と、以下設けられた組数だけ同様の処理が繰り返されて
順次符号化データが出力されることになる。従って、元
の信号の符号化データに加えて出力された1以上の残差
信号の符号化データにより、量子化誤差をさらに低減す
ることができるようになる。ただし、このように1の分
割信号について複数の符号化データが出力されると、そ
の分この符号化データの圧縮率が低下する。なお、残差
計算手段は、出力された符号化データを再びパターンに
再生し直さなくても、各組の距離計算手段の中間出力を
得ることにより容易に実現することができる。
【0029】また、本発明の他の信号符号化装置では、
入力された信号は、ディジタル信号としてベクトル量子
化手段により処理される。このディジタル信号は、元の
信号がアナログ信号である場合、これをサンプリングし
てそれぞれ(スカラー)量子化することにより生成する
。ベクトル量子化においては、このディジタル信号を所
定数(Nサンプルとする)ごとのディジタルデータから
なる入力信号に分割して処理を行う。このNサンプルご
とに分割された入力信号は、N次元の信号ベクトル空間
におけるベクトルとして取り扱うことができる。
【0030】ベクトル量子化手段は、まずパターン生成
手段が前述のような漸化式に初期値を設定して、この漸
化式の繰り返し演算を行うことによりNサンプルのディ
ジタルデータからなるパターンを生成する。この際、異
なる初期値を順次設定することにより、多数のパターン
が次々に生成される。Nサンプルごとの各パターンは、
入力信号と同様にN次元の信号ベクトル空間におけるベ
クトルとして取り扱うことができ、これらがベクトル量
子化における代表ベクトルとなる。
【0031】パターン生成手段では、データ列生成手段
と同様に、Nサンプルのディジタルデータを生成するた
びに異なる初期値を設定することもできるが、最初に初
期値を設定し以降1周期以内の間に生成される全ディジ
タルデータをNサンプルごとに分割することによって複
数のパターンを得るようにしてもよい。この場合、各パ
ターンの最初のディジタルデータがそれぞれのパターン
の初期値となる。なお、上記漸化式は、パターン生成手
段においてソフトウエア又はハードウエアとして実現さ
れる。
【0032】パターン生成手段が生成した各パターンは
、ディジタルフィルタを通して帯域を制限されて距離計
算手段に送られる。距離計算手段では、上記Nサンプル
の入力信号とこれらNサンプルの各パターンとの間の距
離をそれぞれ計算する。このNサンプルの入力信号とN
サンプルの各パターンとの間の距離は、例えばN次元空
間におけるユークリッド距離(差の2乗和)を用いるこ
とができるが、必ずしもこれに限定されるものではなく
、信号の性質に応じて適宜選択してよい。
【0033】そして、距離計算手段が、入力信号の各分
割区間(Nサンプル)ごとに全てのパターンとの距離を
計算すると、判定手段が、これらの距離のうち最小とな
るものを判定し、このときのパターン生成手段の初期値
をベクトル量子化による符号化データとして順次出力す
る。従って、元のディジタル信号の量子化ビット数×N
個のデータが漸化式の初期値のビット数分のデータに圧
縮されて符号化される。
【0034】符号化手段は、ベクトル量子化手段により
上記のようにして入力信号のベクトル量子化を行う。ま
た、総和計算手段は、入力信号の各分割区間(Nサンプ
ル)ごとに判定手段が判定した最小の距離の総和を計算
する。
【0035】続いて、総和計算手段が計算した最小距離
の総和に基づいてディジタルフィルタの係数を最適化し
、再度区間符号化手段を実行する。このディジタルフィ
ルタの係数の最適化は、ディジタルフィルタの特性が当
該所定数の入力信号により適した値となるような適当な
アルゴリズムによって実行される。
【0036】この符号化手段の実行に於いて総和計算手
段により再度最小距離の総和が計算される。係数最適化
手段はこの最小距離の総和と前回の最小距離の総和との
差を計算し、この差と所定の閾値とを比較する。そして
、この差が閾値より大きい場合には、ディジタルフィル
タの係数の最適化を行い符号化手段の実行を指示する。 また、区間符号化再実行手段の繰り返し実行により差が
閾値内に収まった場合には、これによって所定数の入力
信号についてのベクトル量子化が完了し、ベクトル量子
化手段の判定手段によって最後に出力された各初期値が
確定した符号化データとなる。また、このときのディジ
タルフィルタの係数も符号化データの一部として出力さ
れる。
【0037】この結果、本発明の他の信号符号化装置に
よれば、予め多数のパターンを格納した大容量のコード
ブックが不要となるので、ハードウエアをより簡素化す
ることができる。しかも、漸化式の選択によってハード
ウエアにほとんど負担を掛けることなくパターン数を容
易に増加させることができるので、量子化誤差の低減と
共に汎用的な信号の符号化も可能とする。さらに、漸化
式が出力するパターンの帯域を制限するディジタルフィ
ルタの特性を自動的に最適化することができるので、所
定数の入力信号ごとに係数のデータを付加するだけで、
ハードウエアの汎用性を損なうことなく、より品質の高
い符号化を行うことができる。
【0038】
【実施例】本発明を実施例について以下に説明する。
【0039】図1に本発明の一実施例を示す。本実施例
の音声信号符号化装置は、図1に示すように、入力され
る音声信号をA/D変換器1によってディジタル信号に
変換し音声シフトレジスタ2に順に送り込むようになっ
ている。A/D変換器1は、音声信号を8000Hzで
サンプリングし、16ビットの(スカラー)量子化を行
う回路である。また、音声シフトレジスタ2は、16ビ
ット32段のシフトレジスタである。そして、A/D変
換器1から出力されたディジタル信号は、16ビットず
つ順にこの音声シフトレジスタ2に送り込まれ、32サ
ンプル分の音声信号が格納されるまでシフト動作が繰り
返される。なお、実際には、バッチ処理の場合のみなら
ずリアルタイム処理の場合にも、A/D変換器1から出
力されたディジタル信号を一旦バッファに溜めておき、
ここから随時32サンプルずつ音声シフトレジスタ2に
読み出すようにした方が便利である。
【0040】また、擬似乱数発生器3によって発生され
たデータ列は、ディジタルフィルタ4を介してパターン
シフトレジスタ5に順次送り込まれるようになっている
。この擬似乱数発生器3は、図2に示すように、1ビッ
ト23段のシフトレジスタ3aと排他的論理和回路3b
とによって構成された23ビットスクランブラである。 即ち、下段から上段ビットへのシフト動作のたびに、こ
のシフトレジスタ3aの最上段ビット(p回前の入力)
とこれよりも下段側のあるビット(q回前の入力)との
排他的論理和をとってさらにこれを反転し最下段ビット
に入力することにより、下記の漸化式によるM系列の擬
似乱数を実現するものである。
【0041】Zi =not(Zi−q (+)Zi−
p )なお、Zは、0又は1、また、(+)は排他的論
理和このような擬似乱数発生器3では、シフトレジスタ
3aの段数pによって出力されるビット列の最大周期が
規定され、ここではpを23段としているので、最大周
期は、2の23乗から1を引いたものとなる(シフトレ
ジスタ3aの全てのビットが1となる初期値は使用でき
ない)。また、qは、この最大周期より短い周期が生じ
ることのないように、pより小さい段数から選ばれる。 この結果、シフトレジスタ3aを2の23乗から1を引
いた(以下、単に「2の23乗」という)回数だけシフ
ト動作させると、互いに異なる23ビットのデータを2
の23乗個出力することができる。
【0042】この擬似乱数発生器3のシフトレジスタ3
aからパラレルに出力される23ビットのデータは、デ
ィジタルフィルタ4に送られ、ここで帯域制限されて1
6ビットのパラレル信号として、上記音声シフトレジス
タ2と同じ16ビット32段のシフトレジスタであるパ
ターンシフトレジスタ5に送られる。この際、音声シフ
トレジスタ2に同じ32サンプルの音声信号が格納され
ている間に、この擬似乱数発生器3は、2の23乗回だ
けシフト動作を行い、ディジタルフィルタ4に23ビッ
トのデータを2の23乗個送り出すことになる。また、
これによってディジタルフィルタ4から順次出力される
16ビットデータは、32個ごとに1パターンとして取
り扱われ、約26万個(2の23乗÷32サンプル)の
パターンがパターンシフトレジスタ5に順次送り込まれ
ることになる。そして、擬似乱数発生器3がこのシフト
動作を完了すると、音声シフトレジスタ2に次の32サ
ンプルの音声信号が送り込まれて、再び擬似乱数発生器
3がシフト動作開始する。なお、擬似乱数発生器3のシ
フト動作の開始時には、例えばシフトレジスタ3aの全
てのビットが0とされて初期設定が行われる。また、こ
のシフト動作を32回繰り返すたびに、そのときのシフ
トレジスタ3aの23ビットのデータが擬似乱数の種と
して後述のマイクロコンピュータ7に送られる。
【0043】上記パターンシフトレジスタ5に32個の
16ビットデータがシフトされて1パターンが揃うと、
距離計算回路6がこのパターンと音声シフトレジスタ2
に格納された32サンプルの音声信号との間の距離を計
算する。この距離は、図3に示すように、音声信号とパ
ターンとにおける各サンプルごとの16ビットデータの
差を加算回路6a、…で算出し、さらにそれぞれの差を
乗算回路6b、…で2乗してから、これらの総和を加算
回路6cによって計算することにより得られる32次元
のユークリッド距離である。そして、パターンシフトレ
ジスタ5に格納されたパターンが次の32個の16ビッ
トデータに入れ替わると、再びこれと音声信号との間の
距離を計算し、以下同様の動作を繰り返す。従って、こ
の距離計算回路6は、音声シフトレジスタ2に32サン
プルの音声信号が格納されるたびに、パターンの数だけ
(約26万回)距離の計算を行うことになり、これらの
距離のデータは、マイクロコンピュータ7に送られる。
【0044】マイクロコンピュータ7では、32サンプ
ルの音声信号と各パターンとの間の距離を順次入力して
、これらの中から最小のものを判定する。そして、この
判定の結果、距離が最小となったときのパターンを発生
する際に擬似乱数発生器3から送られて来た23ビット
のデータを、当該32サンプルの音声信号の符号化デー
タとして出力する。この23ビットのデータは、擬似乱
数発生器3の種となるものであり、シフトレジスタ3a
の各ビットにセットして32回のシフト動作を行わせる
と、当該音声信号との距離が最小となるパターンを再び
生成することができる。そして、マイクロコンピュータ
7は、次の32サンプルの音声信号についても同様の処
理を行って符号化データを出力し、以下同様の動作を繰
り返す。すると、16ビット×32サンプルの音声信号
は、順次23ビットのデータに圧縮されて符号化される
ことになる。またこれは、128Kbps(16ビット
×8000Hz)の音声信号を5.8Kbps(23ビ
ット×8000Hz/32サンプル)に圧縮したことに
なる。なお、出力された符号化データは、ROMに格納
されたり、そのまま伝送される。
【0045】この結果、本実施例によれば、シフトレジ
スタ3aと排他的論理和回路3bからなる簡単な擬似乱
数発生器3によって約26万個もの大量のパターン(代
表ベクトル)を発生させることができるので、大容量の
メモリからなるコードブックを使用する必要がなくなり
、しかも、音質の向上を図ることにより汎用的な音声信
号の符号化も可能とすることができる。
【0046】図4に上記距離計算回路6の他の例を示す
【0047】この実施例の距離計算回路6では、パター
ンシフトレジスタ5に格納されたパターンがゲイン調整
器6dによって利得を調整されてから、加算回路6a、
…によって音声信号との差を計算されるようになってい
る。また、この距離計算回路6には、2個のパワー演算
器6e、6eが設けられ、それぞれ音声シフトレジスタ
2に格納された音声信号又はパターンシフトレジスタ5
に格納されたパターンについて、各サンプルごとの16
ビットのデータを2乗し、その総和を求めるようになっ
ている。そして、ゲイン調整器6dは、これらパワー演
算器6e、6eの出力の比の平方根によって調整する利
得を決定する。従って、各パターンのなかに、音声信号
とはレベルのみが異なり波形が極めて類似するものがあ
れば、このゲイン調整器6dによって利得を調整してか
ら距離を求めることにより、上記実施例よりもさらに小
さい距離を得ることができる場合が生じる。そして、こ
のようなパターンの種を符号化データとして採用すれば
、量子化誤差を低減して音質をより向上させることがで
きる。ただし、このパターンの利得の調整量の情報は、
音声信号の再生時にも必要となるため、ゲイン調整器6
dからマイクロコンピュータ7に送られ、出力される符
号化データに含まれるようになっている。
【0048】図5に上記距離計算回路6のさらに他の例
を示す。
【0049】この実施例の距離計算回路6では、加算回
路6cが各サンプルごとの演算結果の総和を計算すると
共に、最大値判定回路6fがこれら各サンプルごとの演
算結果の最大値を判定するようになっている。そして、
加算回路6cの出力に定数aを乗じたものと、この最大
値判定回路6fが判定した最大値に定数bを乗じたもの
とを加算回路6gで加算し、この演算結果を距離として
出力することになる。音声信号は、たとえ加算回路6c
の出力値(32次元のユークリッド距離)が最小であっ
ても、あるサンプルにおける1次元の距離のみが極端に
大きくなる場合には、この部分で波形も大きく相違し音
質に重大な影響が加わるようになる。従って、この実施
例によれば、加算回路6cの出力値が最小でなくても、
加算回路6gの出力値が最小となり、波形がより類似し
たパターンを距離の最小のものとして判定することがで
きるので、音質をさらに向上させることができる。
【0050】図6に本発明の他の実施例を示す。
【0051】この実施例では、距離計算回路6によって
計算された距離の最小のものを判定した場合に、この最
小の距離と閾値とを比較する処理と、この比較結果によ
り最小の距離が閾値よりも大きいと判断された場合に、
コントローラ8に信号を発する処理とがマイクロコンピ
ュータ7に追加されている。また、音声信号は、音声シ
フトレジスタ2に送られる前に一旦バッファ9に格納さ
れ、ディジタルフィルタ4から出力されたデータ列もパ
ターンシフトレジスタ5に送られる前に一旦データカウ
ンタ10に格納されるようになっている。そして、コン
トローラ8は、マイクロコンピュータ7からの信号を受
けると、これらバッファ9及びデータカウンタ10を制
御して、先に送り出したものと同じデータを今度はN/
2サンプルずつに分けて音声シフトレジスタ2及びパタ
ーンシフトレジスタ5に送り出す。この際、マイクロコ
ンピュータ7は、先の音声信号についての符号化を断念
し、改めてこの32サンプルの音声信号の符号化を2度
に分けて実行するようになっており、距離が最小となる
パターンの種と共に、このサンプル数の減少に関する情
報をも符号化データに含めて出力する。このようにサン
プル数を減少させると、音声信号とパターンとの間の距
離をより小さくする可能性が高まる。従って、十分に距
離の小さいパターンを検索できなかった場合には、この
ようにサンプル数を減少させて再度符号化を試みること
により、音質の向上を図ることができる。しかしながら
、サンプル数を減少させると、符号化データの圧縮率が
低下し、しかも、サンプル数の減少に関する情報を付加
することにより、この圧縮率がさらに低下することにな
る。
【0052】図7に本発明のさらに他の実施例を示す。
【0053】この実施例では、ディジタルフィルタ4が
複数の周波数特性を有するようになっている。この場合
ディジタルフィルタ4は、複数のフィルタが設けられて
いる場合と、1つのフィルタが複数の係数を有するよう
にした場合とがあるが、実質的にはどちらでも同じであ
る。また、このディジタルフィルタ4には、セレクタ回
路11が接続され、このセレクタ回路11によってディ
ジタルフィルタ4の周波数特性を順次切り替えることが
できる。そして、擬似乱数発生器3が1パターン分のデ
ータ列を生成すると、これを一旦バッファ等に格納して
おき、セレクタ回路11が特性を切り替えるたびに、同
じデータ列をこのディジタルフィルタ4に通すことによ
り、複数のデータ列を出力できる。このディジタルフィ
ルタ4は、音源である擬似乱数発生器3の出力に音声の
調音構造の周波数特性を与えるために用いられている。 ところが、このディジタルフィルタ4の周波数特性が固
定されている場合には、この特性が母音の影響を多く受
ける音声の長時間スペクトルに合わせて定められるため
に、無声子音のような高域成分の多い音声信号の場合に
劣化が激しくなる。そこで、本実施例のようにディジタ
ルフィルタ4に複数種類の代表的な調音構造の周波数特
性を付加することができるようにすれば、元の音声のス
ペクトル包絡により近い特性のフィルタを使用すること
ができ、音質のより一層の向上を図ることができるよう
になる。ただし、セレクタ回路11が選択したフィルタ
の情報は、マイクロコンピュータ7に送られ、符号化デ
ータに付加されることになる。なお、元の音声のスペク
トル包絡を線形予測分析等によって求め、このスペクト
ル包絡に最も近似した特性を有するフィルタを予め選択
しておき、このフィルタを通したデータ列についてのみ
音声信号との比較を行うようにしてもよい。
【0054】本実施例による符号化データを再生するた
めの音声再生装置を図8に示す。
【0055】ROMに格納され又は他から伝送された符
号化データは、まずデマルチプレクサ12に送られ、こ
こでパターンの種となるデータとフィルタの選択データ
とに分けられる。種となるデータは、擬似乱数発生器1
3のシフトレジスタ13aの各ビットにセットされる。 この擬似乱数発生器13は、上記擬似乱数発生器3と同
様の、シフトレジスタ13aと排他的論理和回路13b
からなる23ビットスクランブラであり、このようにし
て種を与えて32回のシフト動作を繰り返すことにより
、シフトレジスタ13aの各ビット出力から32個の2
3ビットデータを1パターンとして出力することができ
る。そして、この擬似乱数発生器13から出力されたパ
ターンは、合成フィルタ14に送られる。合成フィルタ
14は、上記ディジタルフィルタ4と同様の複数の周波
数特性を有するフィルタであり、ここでは実際に複数の
フィルタ14a、…14cが設けられ、各フィルタ14
a、…14cに擬似乱数発生器13からのパターンがそ
れぞれ入力されるようになっている。これらのフィルタ
14a、…14cは、それぞれ抵抗Rと演算増幅器OP
からなるFIRフィルタ(有限インパルス応答フィルタ
)であり、この演算増幅器OPの帰還抵抗Rfと各入力
線の抵抗Riとの比によってそれぞれ異なるフィルタ係
数を有するようになっている。また、これらフィルタ1
4a、…14cの出力は、マルチプレクサ14dによっ
ていずれかが選択されて出力される。
【0056】上記デマルチプレクサ12から出力された
フィルタの選択データは、この合成フィルタ14のマル
チプレクサ14dに入力され、これによって出力すべき
フィルタ14a、…14cが選択される。従って、本実
施例の音声信号符号化装置で符号化される際に使用した
ディジタルフィルタ4と同様の特性のフィルタ14a、
…14cを通したパターンを出力することができる。そ
して、このようにして出力されたパターンは、アンプ1
5を介してスピーカ16に送られ、高音質の音声として
再生される。この際、合成フィルタ14は、D/A変換
によってアナログ信号を出力するようになっているので
、別個D/A変換器を使用する必要がない。
【0057】図9乃至図11に本発明の他の実施例を示
す。
【0058】この実施例では、距離計算回路6によって
計算された距離の最小のものを判定した場合に、この最
小の距離と閾値とを比較する処理と、この比較結果によ
り最小の距離が閾値よりも大きいと判断された場合に、
図9に示すように、擬似乱数発生器3に信号を発する処
理とがマイクロコンピュータ7に追加されている。また
、擬似乱数発生器3は、図10に示すように、排他的論
理和回路3bに入力されるシフトレジスタ3aの段を切
換回路3cによって切り換えることができるようなって
いて、マイクロコンピュータ7からの信号は、切換回路
3cに送られることになる。そして、擬似乱数発生器3
の切換回路3cがマイクロコンピュータ7からの信号を
受けると、排他的論理和回路3bの入力をシフトレジス
タ3aの上段側のビットに変更する。この擬似乱数発生
器3は、上記のようにM系列の擬似乱数を構成している
ため、排他的論理和回路3bの入力を上段側のビットに
変更すると、漸化式の階数pも増加して、生成されるデ
ータ列の最長周期(2のp乗)が長くなる。ただし、漸
化式の階数pが増加すると、種のビット数も増加するこ
とになる(pビット)。なお、この際、排他的論理和回
路3bの他方の入力(q)は、この最長周期が実現され
るように選ばれたビットに変更される。
【0059】このようにしてマイクロコンピュータ7が
擬似乱数発生器3に信号を送った場合には、先の音声信
号についての符号化を断念し、改めて同じ音声信号につ
いて符号化を再実行する。このときのマイクロコンピュ
ータ7の動作を図11に基づいて説明する。まず、ステ
ップS1において、音声シフトレジスタ2に32サンプ
ルの音声信号が格納されると、擬似乱数発生器3におけ
る排他的論理和回路3bの入力を切換回路3cで切り換
え可能な最下段のビット(min)に設定する(ステッ
プS2)。次に、この擬似乱数発生器3でデータ列を生
成し、順次符号化の処理を実行し(ステップS3)、最
小の距離を判定する(ステップS4)。そして、この最
小の距離が閾値よりも大きいかどうかを判断し(ステッ
プS5)、これが閾値よりも小さかった場合には、その
パターンの種を符号化データとして出力し(ステップS
6)、再びS1に戻って次の音声データについての処理
を続行する。
【0060】上記ステップS5において、最小の距離が
閾値よりも大きいと判断された場合には、次に、切換回
路3cでの切り換えが最上段のビット(max)に達し
たかどうかの判断が行われ(ステップS7)、まだの場
合には、この切換回路3cを上段側に1段切り換えて(
ステップS8)、同じ音声信号について再びステップS
3の符号化処理を実行する。すると、擬似乱数発生器3
から生成されるデータ列の周期が長くなり、その分音声
信号と比較されるパターンの種類も増加することになり
、最小の距離がより小さくなる可能性が高くなる。従っ
て、この再度の符号化処理の後に、ステップS5の処理
によって最小の距離が閾値よりも小さくなったと判断さ
れた場合には、ステップS6に移行してそのパターンの
種を符号化データとして出力する。しかし、ステップS
5では、最小の距離が閾値よりも大きい限りはステップ
S6の処理に移行することはできず、例えば4回の繰り
返しによって切換回路3cが最上段に切り換わっても最
小の距離が閾値より小さくならなかった場合には、ステ
ップS7からステップS6の処理に移行してこのときの
パターンの種が符号化データとして出力されることにな
る。なお、このステップS6の処理によって出力される
符号化データには、切換回路3cの接続段数を示す情報
も付加される。また、符号化データの元となる種は、デ
ータ列の周期が長くなるに従ってビット数も増加する。
【0061】この結果、本実施例によれば、常時は擬似
乱数発生器3の生成データ列の周期を短くして種のビッ
ト数を少なくすることにより音声信号の圧縮率を大きく
することができ、量子化誤差が大きくなった場合には、
適応的に周期を長くしてこの圧縮率の低減を犠牲にする
ことにより、音質の低下を防止することができるように
なる。
【0062】図12及び図13に本発明の他の実施例を
示す。
【0063】この実施例では、図12に示すように、音
声シフトレジスタ2、擬似乱数発生器3、ディジタルフ
ィルタ4、パターンシフトレジスタ5及び距離計算回路
6の各回路が2組設けられている。また、図13に示す
ように、一方の組の距離計算回路6には、各サンプルご
との音声信号とパターンとの残差を出力する回路が設け
られると共に、これらの組の間に、この32サンプルの
残差信号を格納するバッファ17が設けられている。こ
のバッファ17は、一方の組の距離計算回路6が各パタ
ーンごとに演算を行うたびに残差信号を格納し、マイク
ロコンピュータ7からの信号を受け取ると、この残差信
号を他方の組の音声シフトレジスタ2に出力する。マイ
クロコンピュータ7では、一方の組の距離計算回路6か
らの各パターンごとの距離を入力し、この距離が当該音
声信号におけるそれまでの最小であった場合にのみ、バ
ッファ17に信号を送り、残差信号を音声シフトレジス
タ2に出力させる。
【0064】従って、一方の組において全てのパターン
との比較が完了したときには、距離が最小となったパタ
ーンとの残差信号が他方の組の音声シフトレジスタ2に
格納されていることになる。そこで、次にこの残差信号
について他方の組のディジタルフィルタ4が出力する各
パターンとの比較を行い、再びマイクロコンピュータ7
によって最小の距離を判定する。そして、一方の組で最
小となったパターンの種と他方の組で最小となったパタ
ーンの種とを符号化データとして出力する。
【0065】この結果、本実施例の音声信号符号化装置
は、音声信号における元の信号とその残差信号について
の符号化データとを出力することができるので、量子化
誤差を低減し音質の向上を図ることができるようになる
。ただし、このように符号化データに残差信号について
の初期値が追加されるので、データの圧縮率は低下する
。なお、上記擬似乱数発生器3や距離計算回路6等から
なる組を3組以上設けて、それぞれの残差信号を順次符
号化することにより、さらに音質を向上させることも可
能である。
【0066】他の音声信号符号化装置を図15に示す。 この実施例では、入力された音声は前述のA/D変換器
1と同様のA/D変換器21によってディジタル信号に
変換され、一旦第1バッファ22に格納される。第1バ
ッファ22は、A/D変換器21によってディジタル信
号に変換された音声信号をNサンプルごとに距離計算回
路23に送るための一時記憶回路である。音声信号は、
各ディジタルデータをXで示すと、Xk、Xk+1、…
、Xk+N−1のようにNサンプル分のディジタルデー
タによって構成される。
【0067】この音声信号符号化装置は、擬似乱数発生
器24を備えている。擬似乱数発生器24から出力され
たディジタルデータは、ディジタルフィルタ25を介し
て出力される。ディジタルフィルタ25には、タップ値
調整器26が設けられている。擬似乱数発生器24は、
図16に示すように、1ビット23段のシフトレジスタ
24aと排他的論理和回路24bとによって構成された
23ビットスクランブラであり、前述の擬似乱数発生器
3と同様に、下段から上段ビットへのシフト動作のたび
に、シフトレジスタ24aの最上段ビット(p回前の入
力)とこれよりも下段側のあるビット(q回前の入力)
との排他的論理和をとってさらにこれを反転し最下段ビ
ットに入力することにより、漸化式 Zi =not(Zi−q (+)Zi−p )(ここ
で、Zは、0又は1、(+)は排他的論理和)によるM
系列の擬似乱数を実現するものである。この擬似乱数発
生器24も、互いに異なる23ビットのデータを2の2
3乗個出力することができる。
【0068】ディジタルフィルタ25は、擬似乱数発生
器24から出力された23ビットのディジタルデータの
帯域を制限するための回路であり、図16に示すように
、各ビットごとにタップ値との乗算を行うための乗算器
25aとこれら乗算器25aの出力を帯域制限して16
ビットのディジタルデータに変換する加算器25bとで
構成されている。各乗算器25aは、タップ値調整器2
6によってタップ値C0、C1、…、C21、C22が
設定される。従って、このタップ値を変更すると、ディ
ジタルフィルタ25の帯域制限特性も変化することにな
る。
【0069】ディジタルフィルタ25は、帯域調整した
ディジタルデータをNサンプル分ずつのパターンとして
出力する。そして、このパターンは、ゲイン調整器27
によって利得を調整された後、距離計算回路23に送ら
れる。ゲイン調整器27は、2個のパワー演算器28の
出力を比較してパターンの利得を調整する回路である。 パワー演算器28は、音声信号及びパターンの各サンプ
ルごとの16ビットのデータを2乗しその総和を求める
回路であり、ゲイン調整器27は、これらのパワーが一
致するようにパターンの利得を調整する。従って、擬似
乱数発生器24から出力されたNサンプル分のディジタ
ルデータをYm、Ym+1、…、Ym+N−1とすると
、ディジタルフィルタ25によって帯域制限されたパタ
ーンは、Zm、Zm+1、…、Zm+N−1となり、ゲ
イン調整器27によって利得を調整されてRm、Rm+
1、…、Rm+N−1となる。
【0070】距離計算回路23に入力された音声信号と
パターンは、それぞれ音声シフトレジスタ23aとパタ
ーンシフトレジスタ23bに送られる。音声シフトレジ
スタ23aとパターンシフトレジスタ23bは、それぞ
れ16ビット32段のシフトレジスタである。そして、
音声信号とパターンとは、実際には図17に示すように
、これら音声シフトレジスタ23a及びパターンシフト
レジスタ23bに格納されてからパワー演算器28によ
ってパワー比を計算され、パターンについては、ゲイン
調整器27によって利得を調整される。距離計算回路2
3は、このようにして音声シフトレジスタ23aに格納
された音声信号とゲイン調整器27によって利得を調整
されたパターンとの間の距離を計算する。この距離は、
図17に示すように、音声信号とパターンとにおける各
サンプルごとの16ビットデータの差を各加算器23c
で算出し、さらにそれぞれの差を乗算器23dで2乗し
てから、これらの総和を加算器23eによって計算する
ことにより得られる32次元のユークリッド距離であり
、この距離をEmとすると下記数1によって示される。
【0071】
【数1】
【0072】上述のようにして計算された音声信号とパ
ターンとの距離Emは、最小値判定器29に送られるよ
うになっている。また、このようにして距離Emが計算
されると、擬似乱数発生器24から次のパターンがディ
ジタルフィルタ25を介してパターンシフトレジスタ2
3bに送り込まれ、同じ音声信号との間の距離Emが同
様に計算され、再び最小値判定器29に送られる。そし
て、擬似乱数発生器24が全てのパターンを出力し終え
るまでこの動作が繰り返される。
【0073】最小値判定器29は、音声信号と全てのパ
ターンとの間の距離Emを順次受け付け、これらの距離
Emの最小値Eminを判定して、誤差総和計算器30
に送る。また、この際、距離が最小値Eminとなるパ
ターンの擬似乱数発生器24における初期値と、そのパ
ターンについてのゲイン調整器27における利得の調整
量が第2バッファ31に送られる。そして、これらの処
理が完了すると、第1バッファ22から次の音声信号が
距離計算回路23の音声シフトレジスタ23aに送られ
、同様の動作が繰り返される。
【0074】誤差総和計算器30は、最小値判定器29
がNサンプルの音声信号ごとに出力する距離の最小値E
minを順次受け付け、所定数の音声信号について、こ
れらの最小値の総和TEを計算する。そして、算出され
た最小値の総和TEは、閾値比較器32に送られる。
【0075】閾値比較器32は、前回の最小値の総和T
Ej−1を記憶してあり、これと今回の最小値の総和T
Ejとの差をD=TEj−1−TEjによって計算し、
この差Dが所定の閾値より大きいかどうかの判断を行う
回路である。そして、この差Dが閾値よりも大きかった
場合には、今回の最小値の総和TEをタップ値調整器2
6に送ると共に、第1バッファ22の制御器33に制御
信号を送る。タップ値調整器26は、この最小値の総和
TEが送られて来ると、Ci=Ci+α・TE (ここ
で、αは適当な定数)によってディジタルフィルタ25
のタップ値を更新する。従って、ディジタルフィルタ2
5は、距離計算回路23での音声信号とパターンとの間
の距離がより少なくなるように、帯域制限の特性を調整
される。 また、制御器33は、閾値比較器32からの制御信号が
送られて来ると、第1バッファ22が再度前回と同じ所
定数の音声信号を距離計算回路23に送り出す。従って
、誤差総和計算器30が最小値の総和TEを再計算する
まで上記動作が繰り返される。なお、音声信号について
最初に最小値の総和TEを算出した場合には、前回の最
小値の総和との比較を行うことができない。従って、こ
の場合は、無条件にタップ値の更新と最小値の総和の再
計算を行うようにしてもよいし、このときの最小値の総
和TEと閾値とを直接比較するようにしてもよい。
【0076】閾値比較器32において、数2による差D
が閾値よりも小さいと判断された場合には、コード出力
器34が第2バッファ31に格納された擬似乱数発生器
24の各初期値とそれぞれの利得調整量とを符号化デー
タとして出力する。また、このときのタップ値調整器2
6によるディジタルフィルタ25のタップ値も符号化デ
ータの一部として出力される。従って、符号化データに
は、所定数分の初期値と利得調整量のデータに加え、1
データ分のタップ値のデータが追加されることになる。
【0077】上述のようにして出力された符号化データ
は、まずタップ値を再生装置のディジタルフィルタに設
定し、擬似乱数発生器に順次初期値を与え、出力された
パターンの利得をそれぞれ利得調整量によって調整して
D/A変換を行うことにより元の音声を再生することが
できる。
【0078】この結果、本実施例によれば、シフトレジ
スタ24aと排他的論理和回路24bからなる簡単な擬
似乱数発生器24によって大量のパターン(代表ベクト
ル)を発生させることができるので、大容量のメモリか
らなるコードブックを使用する必要がなくなり、汎用的
な音声の符号化も可能となる。また、擬似乱数発生器2
4が出力するパターンの帯域を制限するディジタルフィ
ルタ25の特性を自動的に最適化することができるので
、音質をより向上することができる。しかも、この際に
、フィルタのタップ値のデータを付加するだけなので、
圧縮率をほとんど低下させることなく、共通のハードウ
エアによって高音質の音声再生が可能となり汎用性を損
なうこともなくなる。
【0079】なお、本実施例では、上記最小値判定器2
9と誤差総和計算器30と閾値比較器32を8ビットの
マイクロコンピュータによって構成している。
【0080】
【発明の効果】以上の説明から明かなように、本発明の
信号符号化装置によれば、ベクトル量子化のための多数
のパターンが擬似乱数等の漸化式により生成されるので
、予め所定のパターンを格納した大容量のコードブック
が不要となり、装置のハードウエアをさらに簡素化する
ことができる。また、生成するパターンの数も容易に増
加させることができるので、量子化誤差を低減させて汎
用的な信号の符号化も可能にすることができる。従って
、本発明によれば、ハードウエアの簡素化と量産の可能
性により、装置の大幅なコストダウンを図ると共に、音
質等も向上させることができるようになる。
【0081】また、漸化式が出力するパターンの帯域を
制限するディジタルフィルタの特性を自動的に最適化す
ることができるので、ハードウエアの汎用性を損なうこ
となく、より高品質の符号化を行うことができる。従っ
て、ハードウエアの簡素化と量産の可能性により、装置
の大幅なコストダウンを図ると共に、品質の高い符号化
を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である音声信号符号化装置の
ブロック図である。
【図2】図1の音声信号符号化装置における擬似乱数発
生器のブロック図である。
【図3】図1の音声信号符号化装置における距離計算回
路のブロック図である。
【図4】他の実施例における距離計算回路のブロック図
である。
【図5】その距離計算回路の部分を拡大して示すブロッ
ク図である。
【図6】更に他の実施例のブロック図である。
【図7】更に他の実施例のブロック図である。
【図8】更に他の実施例のブロック図である。
【図9】更に他の実施例のブロック図である。
【図10】その実施例における疑似乱数発生器のブロッ
ク図である。
【図11】その実施例の動作を示すフローチャートであ
る。
【図12】更に他の実施例のブロック図である。
【図13】その実施例の部分を拡大して示すブロック図
である。
【図14】従来の信号符号化装置のブロック図である。
【図15】更に他の実施例のブロック図である。
【図16】その実施例における擬似乱数発生器とディジ
タルフィルタのブロック図である。
【図17】その実施例における距離計算回路とゲイン調
整器のブロック図である。
【符号の説明】
2  音声シフトレジスタ(信号分割手段)3  擬似
乱数発生器(データ列生成手段)5  パターンシフト
レジスタ(パターン分割手段)6  距離計算回路(距
離計算手段、残差計算手段)7  マイクロコンピュー
タ(最小値判定手段)17  バッファ(残差計算手段
) 23  距離計算回路 24  疑似乱数発生器

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】信号を連続する所定サンプル数ごとの分割
    信号に分割する信号分割手段と、漸化式に初期値を与え
    ることによってデータ列を生成するデータ列生成手段と
    、該生成されたデータ列を信号分割手段と同じ所定サン
    プル数ごとのパターンに分割するパターン分割手段と、
    該パターン分割手段が分割した各パターンと分割信号と
    の間の距離をそれぞれ算出する距離計算手段と、各分割
    信号ごとに該距離が最小となるパターンを判定し、該デ
    ータ列生成手段がこのパターンを構成するデータ列を出
    力するための漸化式の初期値を、当該分割信号の符号化
    データとして出力する最小値判定手段とを備えている信
    号符号化装置。
  2. 【請求項2】前記距離計算手段が、各パターンについて
    分割信号との間の距離がより小さくなるようにそれぞれ
    のパターンの利得を調整しておき、この利得を調整され
    た各パターンに基づいて分割信号との間の距離をそれぞ
    れ算出するものであり、前記最小値判定手段が、最小の
    距離であると判定したパターンについて、そのパターン
    の初期値とそのパターンについての利得の調整量とを符
    号化データとして出力するものである請求項1に記載の
    信号符号化装置。
  3. 【請求項3】前記距離計算手段が、分割信号とパターン
    とにおける各サンプル上での距離のうち最大の距離を要
    素の一部に加えて各パターンごとに距離を算出するもの
    である請求項1又は2に記載の信号符号化装置。
  4. 【請求項4】前記信号分割手段及びパターン分割手段に
    於いて、分割するサンプル数が変更可能であり、前記最
    小値判定手段が、判定した最小の距離が閾値より大きい
    場合に、該信号分割手段とパターン分割手段による分割
    のサンプル数をより少ないものに変更させて、同じ分割
    信号についての符号化を再実行させ、かつ、これによっ
    て新たに判定したパターンの初期値と信号の再分割に関
    する情報とを符号化データとして出力するものである請
    求項1乃至3のいずれかに記載の信号符号化装置。
  5. 【請求項5】前記データ列生成手段が、複数の周波数特
    性を備えた帯域調整フィルタを有し、漸化式によって生
    成されたデータ列をそれぞれの特性の帯域調整フィルタ
    に順次通すことによって複数のデータ列を出力するもの
    であり、前記最小値判定手段が、最小の距離であると判
    定したパターンについて、そのパターンの初期値と通過
    した帯域調整フィルタの周波数特性に関する情報とを符
    号化データとして出力するものである、請求項1乃至4
    のいずれかに記載の信号符号化装置。
  6. 【請求項6】前記データ列生成手段に於いて、データ列
    を生成する漸化式の周期が変更可能であり、前記最小値
    判定手段が、判定した最小の距離が閾値より大きい場合
    に、このデータ列生成手段の漸化式の周期をより長いも
    のに変更させて、同じ分割信号についての符号化を再実
    行させ、かつ、これによって新たに判定したパターンの
    初期値と漸化式の周期変更に関する情報とを符号化デー
    タとして出力するものである請求項1乃至5のいずれか
    に記載の信号符号化装置。
  7. 【請求項7】前記信号分割手段とデータ列生成手段とパ
    ターン分割手段と距離計算手段と最小値判定手段とが複
    数組設けられ、各組の間に、一方の組で出力された符号
    化データに基づくパターンと当該分割信号との間の各サ
    ンプルについての残差を算出する残差計算手段が設けら
    れ、かつ、他方の組の信号分割手段がこの残差計算手段
    によって算出された残差を分割信号とするものである請
    求項1乃至6のいずれかに記載の信号符号化装置。
  8. 【請求項8】下記(イ)〜(ニ)を有するベクトル量子
    化手段、(イ)初期値を順次設定し、各初期値ごとに漸
    化式の繰り返し演算を行って所定数のディジタルデータ
    からなるパターンを生成するパターン生成手段、(ロ)
    該パターン生成手段が出力する各パターンの帯域を制限
    する、係数が変更可能なディジタルフィルタ、(ハ)所
    定数のディジタルデータからなる入力信号とディジタル
    フィルタが出力する帯域制限された各パターンとの間の
    距離を計算する距離計算手段、及び(ニ)各パターンご
    とに該距離計算手段が計算した距離の最小値を判定し、
    このときの該パターン生成手段の初期値をベクトル量子
    化による符号化データとする判定手段、並びに該ベクト
    ル量子化手段の実行を所定数の入力信号についてそれぞ
    れ行い、入力信号の各分割区間ごとに該判定手段が判定
    した最小の距離の総和を計算する総和計算手段が設けら
    れた符号化手段と、該符号化手段の実行によって総和計
    算手段が計算した最小距離の総和と前回の最小距離の総
    和との差が所定の閾値より大きい場合に、該ベクトル量
    子化手段のディジタルフィルタ係数の最適化を行い再度
    該符号化手段の実行を指示する係数最適化手段とを備え
    ている信号符号化装置。
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