JPH0417235Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、鉄筋コンクリートビルデイングや土
木基礎コンクリート等に使用する海砂の脱塩装置
に関するものである。

（従来の技術） 近年、鉄筋コンクリートビルデイングおよび土
木基礎コンクリート等が塩分に侵され大きな社会
問題になつている。このため最近は、使用するコ
ンクリートの中の海砂の塩分濃度を所定の規制値
まで下げるため、例えば集積所に集積された海砂
に真水を上方から散布するか又は機械を使用して
海砂を真水のプールの中で洗浄し脱塩するなどの
方法が行われている。

（考案が解決しようとする問題点） しかし乍ら、上記の海砂に真水を上方から散布
する方法は、海砂の表面だけが脱塩し、海砂の内
部まで真水が浸透しにくいので、海砂全部を所定
の塩分濃度まで下げることが不可能であつた。ま
た機械を使用して海砂を真水のプールの中で洗浄
し脱塩する方法は、多量の真水を必要とし且つ一
脱塩后の砂中の塩分濃度が局部的に「バラツキ」
があるばかりでなく、機械式のため洗浄排液と共
に海砂に含まれる微粒砂までも洗い落して終い、
海砂の採集回収率がきわめて悪い等の欠点があつ
た。

本考案は上記の欠点に鑑み、これを解決したも
のであつて、海砂を所定の塩分濃度に保つための
洗浄真水の水量を自動的に制御でき且つ真水の散
水装置を洗浄分級槽部の脱水ゾーン部の上方部に
設けたことにより洗浄脱塩後の砂中の塩分濃度を
所定の塩分濃度以下に確実に下げることができ、
また洗浄分級槽部の後方に沈降浄化槽部を設置し
洗浄排水を所定の排水基準値以下まで浄化し且つ
掻板を有するチエンコンベヤーを設けたことによ
つて脱塩海砂の採集回収率を高めることができる
海砂脱塩装置を得ることを目的としたものであ
る。

（問題点を解決するための手段） これを達成する手段として、本考案は、水平に
対し適当角度に傾斜した洗浄分級槽部に沈降浄化
槽部を連設し且つこの洗浄分級槽部および沈降浄
化槽部に掻板を有するチエンコンベヤーを回動自
在に設け、さらに該沈降浄化槽部に溢流樋および
集合樋を設けると共に、洗浄分級槽部の上方部に
海砂の投入シユートを設け、また洗浄分級槽部の
斜面脱水ゾーン部の上方部と海砂の投入シユート
部に真水の散水装置を設け、さらにまた塩分濃度
検出器および塩分濃度指示調節計を設け、塩分濃
度検出器からの電気信号により真水注水弁の開度
を自動コントロールするようにしたものである。

（実施例） 本考案の具体的構成を図面に示す実施例につい
て以下詳細に説明する。符号１は水平に対し約
18゜〜20°位に傾斜させた洗浄分級槽部、符号２は
洗浄分級槽部１に連設した沈降浄化槽部であつ
て、この洗浄分級槽部１および沈降浄化槽部２に
脱水穴付掻板３を有するチエンコンベヤー４を回
動自在に取り付けると共に、洗浄分級槽部１と沈
降浄化槽部２との間に隔壁５を設け且つ沈降浄化
槽部２に溢流樋６ならびに集合樋７を設置する。
また洗浄分級槽部１の上方部に海砂の投入シユー
ト８を設け、該投入シユート８の先端部附近に洗
浄用の真水注水口１１′を設ける。また洗浄分級
槽部１の斜面脱水ゾーン部９の上方部に真水１０
の散水装置１１を設けると共に、該脱水ゾーン部
９の斜面に脱水網１２および洗浄砂の排出シユー
ト１３を設ける。またさらに洗浄分級槽部１内に
塩分濃度検出器１４を、またその上方部に塩分濃
度指示調節計１５を設置する。そして塩分濃度検
出器１４で検出した塩分濃度は電気信号として塩
分濃度指示調節計１５に送り込まれ、ここで真水
注水器の真水注水弁１６に対し開度指令が出され
真水注水弁１６の開度をコントロールするように
なつている。

次に本考案による海砂の脱塩作業に就いて説明
する。海砂を投入シユート８に投入すると、塩分
濃度検出器１４、塩分濃度指示調節計１５により
真水注水弁１６の開度が調節され、真水注水器か
ら海砂を所定の塩分濃度に保つための真水量が注
水されるので、海砂の塩分濃度は所定の塩分濃度
まで下げられる。そして所定の塩分濃度に下げら
れた海砂は、チエンコンベヤー４の掻板３によつ
て脱水ゾーン部９に移送されるが、脱水ゾーン部
９の上方部に設けた散水装置１１によつて真水１
１を海砂に注水し、海砂の塩分濃度を所定の塩分
濃度以下に保持させる。そして所定の塩分濃度以
下に保持された海砂は、脱水網１２を通つて水切
され、排出シユート１３から外部に排出される。
一方、投入シユート８から投入した海砂を洗浄分
級槽部１内で洗浄脱塩する時、洗浄分級槽部１で
使用した洗浄水は海砂の微粒子を混入したまま隔
壁５の上部および下部から沈降浄化槽２内に流入
する。そして沈降浄化槽部２内に流入した洗浄水
は、同槽２内を均一な水流にて上昇し、洗浄水に
混入した海砂の微粒子は沈降浄化槽部２内に沈降
する。そして上昇した洗浄水は、沈降浄化槽部２
の上部に等間隔で設置した数本の溢流樋６および
集合樋７を経て外部に流出される。また沈降浄化
槽部２内に沈降した海砂微粒子は、チエーンコン
ベヤーの掻板３によつて移送され、排出シユート
１３から洗浄砂として排出される。

（考案の効果） 以上実施例について詳述したように、本考案
は、塩分濃度検出器および塩分濃度指示調節計を
設け、塩分濃度検出器からの電気信号により真水
注水弁の開度を自動コントロールするようにした
から、必要最小限の真水量で海砂を所定の塩分濃
度に保つことができ、また真水の散水装置を洗浄
分級槽部の脱水ゾーン部の上方部に設けたことに
より洗浄分脱塩後の砂中の塩分濃度を所定の塩分
濃度以下に確実に下げることができ、さらにまた
洗浄分級槽部の後方に沈降浄化槽部を設置したこ
とによつて脱塩海砂の採集回収率を高めることが
できる等の優れた効果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案海砂脱塩装置の要部概略図、第
２図は本考案海砂脱塩装置の一要部平面図を示
す。 １……洗浄分級槽部、２……沈降浄化槽部、３
……掻板、４……チエーンコンベヤー、６……溢
流樋、７……集合樋、８……投入シユート、９…
…斜面脱水ゾーン部、１０……真水、１１……散
水装置、１４……塩分濃度検出器、１５……塩分
濃度指示調節計、１６……真水注水弁。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 水平に対し適当角度に傾斜した洗浄分級槽部に
   沈降浄化槽部を連設し且つこの洗浄分級槽部およ
   び沈降浄化槽部に掻板を有するチエンコンベヤー
   を回動自在に取り付け、さらに該沈降浄化槽部に
   溢流樋および集合樋を設けると共に、洗浄分級槽
   部の上方部に海砂の投入シユートを設け、また洗
   浄分級槽部の斜面脱水ゾーン部の上方部と海砂の
   投入シユート部に真水の散水装置を設置し、さら
   にまた塩分濃度検出器および塩分濃度指示調節計
   を設け、塩分濃度検出器からの電気信号により真
   水注水弁の開度を自動コントロールするようにし
   た排水浄化機構付海砂脱塩装置。