JPH0414869Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、電線の接続部において電線とハウジ
ングとの間に防水用シール部材を介在し、コネク
タ内部に水の侵入を防止するようにした接続端子
の防水構造に関するものである。

［従来の技術］ 従来、この種の接続端子の防水構造として、接
続端子が圧着される電線端部の絶縁被覆の周囲に
円筒状の防水シール部材を嵌め込み、この防水シ
ール部材によつてコネクタのハウジングと電線と
の間をシールするようにしたものが知られてい
る。また、従来から広く用いられている圧着型接
続端子は、電線端部の芯線部を圧着する芯線圧着
部と、絶縁被覆部分を圧着する被覆圧着部を備え
ているが、絶縁被覆部分に防水シール部材を嵌め
込んだ場合には、被覆圧着部はこの防水シール部
材の周りを抱持することになる。

［考案が解決しようとする問題点］ しかしながら、電線端部の絶縁被覆を直接圧着
できないため、絶縁被覆が外力によつて引つ張ら
れた場合には、絶縁被覆が抜け出して芯線部が露
出してしまう虞れがある。更に、甚しい場合には
芯線圧着部から芯線部が抜け出すこともある。

［考案の目的］ 本考案の目的は、上述の問題を改善するため、
防水シール部材の外側から電線端部の絶縁被覆部
分を接続端子によつて確実に保持できるようにし
た信頼性の高い接続端子の防水構造を提供するこ
とにある。

［考案の概要］ 上述の目的を達成するための本考案の要旨は、
導電金属板を打抜き折曲して形成した接続端子の
後端部にＵ字形状の第１、第２の圧着部を設け、
前記第１の圧着部によつて電線端部の芯線部を圧
着し、硬質材料で造られた筒状基体の後端部の内
外両面に弾性材料から成るシール材を取り付ける
と共に前記筒状基体の前端部に通孔を設けた防水
シール部材を前記電線端部の絶縁被覆部に挿着
し、前記筒状基体の前端部の周囲を前記第２の圧
着部によつて締め付け、更に前記第２の圧着部の
両先端部を前記通孔を通して前記電線端部の絶縁
被覆部に喰い込ませたことを特徴とする接続端子
の防水構造である。

［考案の実施例］ 本考案を図示の実施例に基づいて詳細に説明す
る。

第１図は本考案に係る接続端子の防水構造の斜
視図を示し、１は圧着型の接続端子、２は電線、
３は電線端部の絶縁被覆２ｂの周りに嵌合された
防水シール部材を示している。また、第２図は接
続端子１と防水シール部材３の組立前の状態の斜
視図、第３図は被覆圧着部の断面斜視図、第４図
は接続端子１をハウジングに収納した状態の断面
図を表している。

接続端子１には通常のように電線２の絶縁被覆
２ｂを除いた芯線部２ａを圧着するＵ字状の芯線
圧着部１ａと、電線２の絶縁被覆２ｂ部分を圧着
する被覆圧着部１ｂとが設けられているが、本実
施例においては被覆圧着部１ｂの両先端部に屈曲
部１ｃが設けられている。防水シール部材３は例
えば硬質合成樹脂材料で造られた筒状基体４の内
外両面に、合成ゴム等の弾性材料から成るシール
材５が取り付けられている。例えば、第５図に示
すように前端部に小径部４ａを、後端部に大径部
４ｂを有し、筒状基体４の大径部４ｂに連通孔４
ｃが設けられ、この連通孔４ｃを通して筒状基体
４の内外両面にシール材５を一体に成型したもの
等が用いられ、小径部４ａの端部にはフランジ４
ｄが設けられている。図示の例では、シール材５
にそれぞれ電線２の絶縁被覆２ｂに圧接される環
状突体５ａとハウジングの内面に圧接される環状
突体５ｂが設けられているが、このようなシール
材５の形状やその取付方法は図示の例に限定され
るものではない。また、筒状基体４の小径部４ａ
には被覆圧着部１ｂの両先端部の屈曲部１ｃが通
過し得る通孔６が長手方向に沿つて設けられてい
る。

従つて、接続端子１に電線２を圧着接続する場
合には、端部の芯線部２ａを露出した電線２に防
水シール部材３を挿入し、絶縁被覆２ｂの周りに
防水シール部材３を嵌合した状態で、接続端子１
の芯線圧着部１ａにより芯線部２ａを圧着する。
同時に、被覆圧着部１ｂによつて防水シール部材
３の小径部４ａの周りを締め付け、かつ両端の屈
曲部１ｃを通孔６に通して圧着すれば、屈曲部１
ｃの先端の絶縁被覆２ｂに喰い込ませることがで
きる。この状態では、被覆圧着部１ｂがフランジ
４ｄに掛け止めされた状態になり、また屈曲部１
ｃの先端が第３図に示すように絶縁被覆２ｂに喰
い込んだ状態となる。

防水シール部材３を取り付けた接続端子１は、
第４図に示すようにハウジング７に装着され、接
続端子１及び防水シール部材３の抜けを防止する
ための係止部材８が取り付けられている。

このように、本実施例においては接続端子１の
被覆圧着部１ｂの屈曲部１ｃが電線２の絶縁被覆
２ｂに直接喰い込む態様となるので、絶縁被覆２
ｂを確実に保持することができる。また、接続端
子１の屈曲部１ｃは防水シール部材３の硬質材料
から成る筒状基体４の通孔６に挿通されるため、
接続端子１と防水シール部材３との軸方向及び円
周方向の緩みも無くすことができる。

［考案の効果］ 以上説明したように本考案に係る接続端子の防
水構造は、接続端子に圧着される電線端部に硬質
材料の筒状基体と弾性材料のシール材から成る防
水シール部材を挿着し、防水シール部材の周りを
締め付ける接続端子の第２の圧着部の先端部を筒
状基体の通孔を介して絶縁被覆に喰い込ませてい
るため、電線端部を確実に保持することができ、
電線に加わる引張力に対し充分な強度が得られ、
芯線部が露出する危険性はない。また、防水シー
ル部材もがたのない状態で接続端子により確実に
取り付けることができ、この種の接続端子の防水
の信頼性を確保することができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る接続端子の防水構造の実施
例を示し、第１図は接続端子の防水構造の斜視
図、第２図は接続端子と防水シール部材の組立前
の状態の斜視図、第３図は被覆圧着部の断面斜視
図、第４図は電線接続部をハウジングに収納した
状態の断面図、第５図は防水シール部材の断面図
である。 符号１は接続端子、１ａは芯線圧着部、１ｂは
被覆圧着部、１ｃは屈曲部、２は電線、３は防水
シール部材、４は筒状基体、５はシール材、６は
通孔、７はハウジングである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 導電金属板を打抜き折曲して形成した接続端子
   の後端部にＵ字形状の第１、第２の圧着部を設
   け、前記第１の圧着部によつて電線端部の芯線部
   を圧着し、硬質材料で造られた筒状基体の後端部
   の内外両面に弾性材料から成るシール材を取り付
   けると共に前記筒状基体の前端部に通孔を設けた
   防水シール部材を前記電線端部の絶縁被覆部に挿
   着し、前記筒状基体の前端部の周囲を前記第２の
   圧着部によつて締め付け、更に前記第２の圧着部
   の両先端部を前記通孔を通して前記電線端部の絶
   縁被覆部に喰い込ませたことを特徴とする接続端
   子の防水構造。