JPH04132418U - ドレンを有する溜め組立体 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】シール寿命が長く、エンジンの信頼性高めるこ
とのできる安価なオイルパン組立体を提供することにあ
る。 【構成】本考案は、ドレンポートを形成した薄肉構造を
包含するオイルパン組立体を提供する。この薄肉構造
は、さらに、ドレンポートのまわりに、内面に向って凹
である截頭円錐形リップを有する。この截頭円錐形リッ
プは、それを形成している外面部分に密封面を有する。
ねじ孔が形成してあり、このねじ孔の一端にある円錐形
支持面とを有する補強部材が、ねじ孔がドレンポートの
ほぼ中央に位置するように位置している。支持面は截頭
円錐形リップに対して支持関係で位置している。ねじ付
き端と密封面を有するドレンプラグに取外し自在にＯリ
ング・シールが取り付けてある。したがって、構成要素
が作動状態にあるとき、Ｏリングがドレンプラグの密封
面と截頭円錐形リップの密封面と係合する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】 （技術の分野） 本考案は、全体的には、内燃機関に関し、より詳しくは、オイルパン・ドレン プラグ組立体に関する。 （背景技術） 多くの内燃機関で用いられているオイルパンは、一般に、薄肉材料で作られて いる。このような薄肉オイルパンのオイル溜め部分は、通常、ドレン開口を有す る。パンの壁が薄いので、ドレン開口のまわりに補強部材が取り付けてあり、こ の補強部材がねじ孔を有するのが普通である。シールまたはガスケットを有する プラグが補強部材に螺合してあり、ガスケットがパンの薄壁に対してシール作用 をなす。このようなドレン機構の一例が、１９７３年８月２８日にKarl Hugに発 行された米国特許第3,754,677号に開示されている。えば、平らなシールを設け たねじ付きプラグがねじ付きナットに螺合される。プラグをナットに対して締め 付けると、平らなシールが容器あるいはパンの壁面と密封接触してシールを行な う。この構成のドレンプラグ・シール組み合せはいくつかの重要な欠陥を有する 。プラグを締め付けすぎた場合、ねじ山がつぶれたり、ガスケットが破損してシ ールができなくなったりするし、プラグの締め付けが甘い場合には、漏洩が生じ る可能性がある。

【０００２】 ドレンプラグ組立体の別の例が、１９６３年７月１６日にRobert M. Buchwald に発行された米国特許第3,079,663号に開示されている。この米国特許は、薄肉 オイルパンを開示おり、この薄肉オイルパンのオイル溜め部分内にドレンプラグ が設置してある。この構成は、朝顔形に開いたポートと、ドレンプラグ組立体と を包含する。ドレンプラグ組立体は、オイル溜め部分の内側に固着してあり、ド レンポートに対して同心に位置する有孔支持部材からなる。この支持部材には、 バルブ部材またはドレンプラグ部材が螺合してある。ドレンプラグは、Ｏリング ・シールを保持している。ドレンプラグを支持部材から緩められると、Ｏリング が朝顔形ポートの朝顔形に広がった部分と接触し、そこを密封する。この構成で は、もし過剰なトルクがドレンプラグに加えられたならば、朝顔形ポートのまわ りの領域が湾曲することができる。この湾曲したあるいは撓んだ面により、シー ルが着座できず、漏洩が生じる可能性がある。この構成の別の欠点は、過剰なト ルクがドレンプラグに加えられた場合、支持部材がそれを装着しているパンから 押し離され、その連結部にかなりの応力を生じさせるということにある。結合部 がそのまま撓み続けると、結合部あるいはその周囲の金属が壊れ、漏洩を生じさ せる可能性がある。内部に位置したドレンプラグについての別の欠陥は、Ｏリン グが離座するするときに生じる。Ｏリングが離座するとすぐに熱いオイルが漏出 し、ドレン流路が開き続ける限り作業員の手あるいは工具にオイルが洩れ続ける 。したがって、事態が悪化するのに加えて、不必要な清掃が必要となり、これが 上記のドレンプラグ構造が使用されない原因となっている。さらなる欠陥は、Ｏ リングが損傷され、代わりのシールが必要となったときにある。上記シールの交 換はほぼ不可能である。 本考案は、上述した問題の１つあるいはそれ以上の問 題を克服することにある。 （考案の開示） 本考案の一特徴によれば、溜めで用いるためのドレンポート組立体は、内面、 外面および内外面間を連絡するドレンポートを有する薄肉構造を包含する溜めを 包含する。この薄肉構造は、さらに、内面に向った凹である、ドレンポートまわ りの截頭円錐形リップを有する。この截頭円錐形リップは、それを形成する外面 部分に密封面を有する。ドレンポート組立体は、さらに、薄肉構造の内面に取り 付けた第１面を有する補強部材を包含する。この補強部材は、ドレンポートのほ ぼ中心にあるねじ孔を有する。補強部材は、さらに、第１面とねじ孔との間に挿 設された円錐形面を有する。この円錐形面は、截頭円錐形リップのまわりにはめ 込んである。ドレンポート組立体は、さらに、ねじ付き端と把持端とを有するド レンプラグを包含する。このドレンプラグは、さらに、把持端とねじ付き端との 中間に環状のくぼみを有する。このくぼみは、その一部に密封面を有する。ドレ ンポート組立体は、さらに、ドレンプラグに取外し自在に取り付けてあり、環状 くぼみ内に位置する密封手段を包含する。この密封手段は、密封作動関係に置か れたときに、ドレンプラグの密封面と、截頭円錐形リップを形成する外面部分の ところでドレンポートまわりに位置する截頭円錐形リップの密封面と密封係合す る。

【０００３】 （考案を実施する最良の形態） 図面、特に図１を参照して、エンジン１０は、頂部取付面１４と底部取付面１ ６とを有するブロック１２を包含する。複数のねじ孔（図示せず）が底部取付面 １６に所定のパターンを描くように設けてある。さらに、エンジン１０は、普通 の方法、たとえば、複数のボルト２０によってブロック１２の頂部取付面１４に 取り付けたシリンダヘッド１８を包含する。えんじん１０は、さらに、普通の方 法でブロック１２の底部取付面１６に取外し自在に密封取り付けしたオイルパン または溜め組立体２２を包含する。えんじん１０は、さらに、普通の潤滑系統（ 図示せず）を包含し、この潤滑系統では、符号３０で示す潤滑流体を用いてエン ジン１０の作動構成要素を冷却、潤滑するようになっている。

【０００４】 オイルパンまたは溜め組立体２２は、取付フランジ４０と、この取付フランジ ４０から延びる複数の側部材４２とを有する薄肉スタンプ加工構造３８を包含す る。本願では、オイルパンは約１．５ｍｍの壁厚を有する。これら複数の側部材 ４２には底板４４が取り付けてあり、オイル溜め部分４６を形成している。取付 フランジ４０は、複数の取付孔（図示せず）を包含し、これらの取付孔は、ブロ ック１２の底部取付面１６に設けた複数のねじ孔と対応している。ガスケット４ ８が、ブロック１２の複数のねじ孔に対応する複数の取付孔（図示せず）を有す る。ガスケット４８は、ブロック１２の底部取付面１６とスタンプ加工構造３８ との間に置かれる。複数の取付ボルト５０が、ブロック１２、ガスケット４８お よびオイルパン組立体２２を密封状態で相互に取外し自在に連結している。

【０００５】 ドレンポート組立体５２がスタンプ加工構造３８のオイル溜め部分４６に固定 してある。スタンプ加工構造３８の底板４４は、ブロック１２に面する内面５４ と、ブロック１２から離れる方向に向いた外面５６と、内面５４と外面５６とを 連絡するドレンポート５８とを包含する。ドレンポート５８は、そのまわりに截 頭円錐形のリップ６０を有する。外面５６の、截頭円錐形リップ６０を形成する 部分には密封面６１が設けてある。補強部材６２が、スタンプ加工構造３８の内 面５４に、たとえば、溶接によって取り付けた第１面６４を有する。スタンプ加 工構造３８に補強部材６２を取り付けるのに用いられる溶接は、シールまたは流 体漏洩防止連結部を必要としない。補強部材６２は、さらに、所定距離、第１面 ６４から隔たった第２面６６を有し、補強部材６２の厚みは薄肉スタンプ加工構 造３８よりも大きくなっている。補強部材６２にはねじ孔６８が設けてあり、こ のねじ孔は第１、第２の面６４、６６間を延びている。本願では、補強部材６２ の厚さは約１２．５ｍｍであり、ねじ孔の直径は約１２５．５ｍｍである。もっ と大きいねじ孔６８が望ましい用途では、補強部材６２の厚さを大きくして対応 する構成要素間の適切な螺合状態を得ることになる。補強部材６２は、さらに、 支持面７０を有する。この支持面は、本願では、第１面６４から第２面６６に向 ってねじ孔６８内へ延びる円錐形を有する。作動状態に組み立てたとき、ねじ孔 ６８はドレンポート５８のほぼ中心にあり、ドレンポート５８の截頭円錐形リッ プ６０が補強部材６２の支持面または円錐形面７０のまわりにはまり込んでいる 。補強部材６２の第１面６４はスタンプ加工構造３８の内面５４と接触している 。

【０００６】 ドレンポート組立体５２には、さらに、ドレンプラグ８０が設けてある。この ドレンプラグ８０は、普通のデザインのものであり、ねじ付き端８４を有する円 筒形のコア８２を有する。ねじ付き端８４と反対側の端でコア８２には把持端８ ６が取り付けてあり、この把持端８６は、コア８２から半径方向に延びている。 把持端８６は、ヘッド８７を形成する六角形外形を有する。コアには環状のくぼ み８８が形成してあり、このくぼみは、ドレンプラグ８０の把持部８６とねじ付 き端８４の中間に位置している。環状くぼみ８８は、ねじ付き端８４のねじ山の 半径方向内方にある底部９０を包含し、密封面９２が底部９０から半径方向外方 に延びており、コア８２を囲み、把持部８６の末端に向ってほぼ半径方向に延び ている。テーパ部９４は、底部９０からねじ付き端８４に向って延びており、ね じ山と交差している。

【０００７】 さらに、密封手段１００がドレンポート組立体５２に設けてある。この密封手 段１００は、ドレンプラグ８０に取外し自在に取り付けてあり、環状くぼみ８８ 内に位置している。本願では、密封手段は、ネオプレンのような耐油性材料で作 られた無孔弾性トーナッツ形リング１０２を包含する。このリング１０２は、Ｏ リングのようなほぼ円形の横断面形状を有する。Ｏリングは、作動状態にあると き、ドレンポート５８のまわりで、ドレンプラグ８０の密封面９２と截頭円錐形 リップ６０の密封面６１と係合する。 （産業上の利用可能性） 作業にあたって、エンジン１０に薄肉オイルパン組立体２２が取り付けられる 。このオイルパン組立体２２は、オイル溜め部分４６内にドレンポート組立体５ ２が位置するように形成してある。たとえば、オイルパン組立体２２のオイルパ ン構造３８はダイ成形される。この成形作業では、取付フランジ４０、複数の側 部材４２および底板４４を形成する。フランジ４０の複数の取付孔およびドレン ポート５８はこの成形作業中にスタンプ加工される。初期成形の後、２回目成形 作業が行なわれ、ドレンポート５８のまわりに截頭円錐形リップ６０を形成する 。次の作業で、補強部材６２を組み込んでねじ孔６８をドレンポート５８のほぼ 中心に位置させ、截頭円錐形リップ６０を円錐形面７０のまわりにはめ込む。こ れらの構成要素の位置決め後、補強部材６２をスポット溶接によって底板に溶接 する。オイルパン２２の組み立てを完了すべく、ドレンプラグ８０とＯリング１ ０２をオイルパンに加える。

【０００８】 こうして、オイルパン組立体２２の実際の構成が完了した後、オイルパン２２ をエンジン・ブロック１２の底部取付面１６に組み込む。密封の目的で、ガスケ ット４８を底部取付面１６と取付フランジ４０の間に置き、複数の取付ボルト５ ０をブロック１２に締め付ける。エンジン１０に潤滑オイル３０を加え、オイル パン２２のオイル溜め部分４６に溜める。エンジン１０が始動されると、潤滑系 統がオイル３０をオイル溜め部分４６から吸い上げ、エンジン１０を通して循環 させ、潤滑と冷却を行なう。エンジン１０が作動するにつれて、オイル３０は塵 埃、金属粒子、酸その他の汚染物で汚染されることになる。予め決めた時間の経 過後に、汚染オイル３０をエンジン１０から排出させ、新しいオイル３０を注入 する。 前述のことから明らかなように、本考案によるオイルパンまたは溜め組 立体２２は改良された構造の密封装置および作動装置の組み合せを提供する。組 み立てられた構成要素の構造上の関係は、密封されているオイルパンまたは溜め 組立体２２の一体性を保証する。たとえば、補強部材６２は、截頭円錐形のリッ プ６０が補強部材６２の円錐形面７０まわりにはめ込まれ、底板４４のない面５ ４に溶接されるように位置決めされる。リング１０２はドレンプラグ８０にある 環状くぼみ８８内に位置し、ねじ付き端８４がねじ孔６８に絞め込まれ、リング １０２が截頭円錐形リップ６０の密封面６１およびドレンプラグ８０の密封面９ ２と低摩擦接触するとき、この組合せにより、構成要素が確実に密封取り付けさ れる。上述の構造は、薄肉構造３８と補強部材６２が圧縮組立状態に置かれる非 常に信頼性のある構造組み合せとなる。ドレンプラグと静的扁平シールの高荷重 必須組み合せと異なり、Ｏリング１０２、密封面９２およびドレンポート５８ま わりの截頭円錐形リップ６０の密封面６１の間の密封結合は低摩擦・低トルク密 封結合となる。低トルク密封結合の結果は、さらに、補強部材６２のねじ孔６８ またはドレンプラグ８０のねじ孔８４が潰れる可能性を低減する。ほぼ円形横断 面シール、Ｏリング１０２その他の平らなシールの使用により、塵埃その他の汚 染物が付着する可能性のある表面積が減る。密封面への汚染物の付着量の減少は 、汚染物がシールを切ったり、シールに食い込む可能性を減らし、これはシール の寿命を延ばすことになる。構成要素間の低摩擦密封要件は、シールに汚染物が 食い込む傾向が少ないために、Ｏリング１０２の寿命をさらに延ばすことになる 。 本考案の他の特徴、目的および利点は、図面、上記説明および添付の実用新 案登録請求の範囲を研究することによって得ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を有するエンジンの側面図で
ある。

【図２】本考案の一実施例を有するオイルパンの部分
の、図１の２−２線に沿った拡大破断図である。

【図３】図２の３−３線に沿った展開部分断面図であ
る。

【符号の説明】

１０・・・エンジン １２・・・ブロック １４・・・頂部取付面 １６・・・底部取付面 １８・・・シリンダ・ヘッド ２０・・・ボルト ２２・・・オイルパン組立体 ３８・・・薄肉スタンプ加工構造 ４０・・・取付フランジ ４４・・・底板 ４６・・・オイル溜め部分 ４８・・・ガスケット ５０・・・取付ボルト ５２・・・ドレンポート組立体 ５４・・・内面 ５６・・・外面 ５８・・・ドレンポート ６０・・・截頭円錐形リップ ６１・・・密封面 ６２・・・補強部材 ６４・・・第１面 ６６・・・第２面 ６８・・・ねじ孔 ７０・・・円錐形面 ８０・・・ドレンプラグ ８２・・・円筒形コア ８４・・・ねじ付き端 ８６・・・把持端 ８７・・・ヘッド ８８・・・環状くぼみ ９０・・・底部 ９２・・・密封面 ９４・・・ねじ付き部分

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 テイモシー エイ ヴイク アメリカ合衆国 イリノイ州 61565 ス パーランド ブラツクフツト コート 217

Claims (9)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】内面、外面およびこれら内外面を連絡する
   ドレンポートを有する薄肉構造を包含し、この薄肉構造
   が、さらに、ドレンポートのまわりにあり、内面に向っ
   て凹となっている截頭円錐形のリップを有し、この截頭
   円錐形リップがそれを形成する外面部分にある密封面を
   有し、第1面を有する補強部材が薄肉構造の内面に取り
   付けてあり、この補強部材にねじ設けてあり、このねじ
   孔がドレンポートのほぼ中心となっており、前記補強部
   材が、さらに、第1面とねじ孔の間に挿設された円錐形
   の支持面を有し、この支持面が截頭円錐形ッに対して支
   持関係で設置してあり、また、ねじ付き端と把持端とを
   有するドレンプラグが設けてあり、このドレンプラグ
   が、さらに、把持端とねじ付き端との中間に環状のくぼ
   みを有し、この環状くぼみがその一部に密封面が設けて
   あり、さらに、密封手段が、ドレンプラグに取外し自在
   に取り付けてありかつ環状くぼみ内に位置しており、こ
   の密封手段が、密封作動関係にあるときに截頭円錐形リ
   ップを形成する外面部分のところでドレンプラグの密封
   面およびドレンポートまわりの截頭円錐形リップの密封
   面と密封係合することを特徴とする溜め組立体。
2. 【請求項２】請求項１記載の溜め組立体において、前記
   円錐形支持面が截頭円錐形リップまわりにはめ込んであ
   ることを特徴とする溜め組立体。
3. 【請求項３】請求項１記載の溜め組立体において、前記
   補強部材が底板に溶接してあることを特徴とする溜め組
   立体。
4. 【請求項４】請求項１記載の溜め組立体において、前記
   把持端が六角形の外形を有することを特徴とする溜め組
   立体。
5. 【請求項５】請求項１記載の溜め組立体において、前記
   密封面が無孔弾性ドーナッツ形リングを包含することを
   特徴とする溜め組立体。
6. 【請求項６】請求項５記載の溜め組立体において、前記
   リングがほぼ円形の横断面形状を有することを特徴とす
   る溜め組立体。
7. 【請求項７】請求項６記載の溜め組立体において、前記
   リングが耐油性材料で作ってあることを特徴とする溜め
   組立体。
8. 【請求項８】請求項７記載の溜め組立体において、前記
   リングがネオプレン材料で作ってあることを特徴とする
   溜め組立体。
9. 【請求項９】請求項１記載のドレンポートにおいて、前
   記ドレンプラグが、密封位置に作動状態ですえ付けたと
   きに、薄肉構造および補強部材を圧縮組立状態に置くこ
   とを特徴とする溜め組立体。