JPH04129873U

JPH04129873U - 燃料噴射ノズル

Info

Publication number: JPH04129873U
Application number: JP4604191U
Authority: JP
Inventors: 瀧男島田
Original assignee: 日野自動車工業株式会社
Priority date: 1991-05-22
Filing date: 1991-05-22
Publication date: 1992-11-27

Abstract

(57)【要約】【目的】エンジンの構造を変更せずに、シリンダで
の燃料の燃焼を向上でき、排気ガス中に有害ガス等の発
生を低減する。【構成】燃料噴射ポンプにより圧送された燃料を噴
孔１４ｄからエンジンのシリンダに噴射し、噴孔１４ｄ
の入口面積をＡ₁とし噴孔１４ｄの出口面積をＡ₂とする
とき、１＜Ａ₁／Ａ₂≦１６の関係が成立つように噴孔１
４ｄをテーパ状に形成する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案はディーゼルエンジンのシリンダに燃料を噴射する燃料噴射ノズルに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

この種の燃料噴射ノズルとして、ノズルボデーのガイドホールに挿入されたニードルバルブがプレッシャピンを介してプレッシャスプリングによりガイドホールの下部のシート面に圧接され、ニードルバルブの周囲に形成された燃料溜り内の燃料の圧力がプレッシャスプリングの押付け圧力を越えたとき、ニードルバルブがシート面から離れて燃料溜りの燃料をノズルボデーの下端に形成された噴孔から霧状に噴射するように構成されたものが知られている。また噴孔は入口から出口に至るまで同一孔径で形成されている。この噴孔からシリンダに噴射される燃料をできるだけ小径の粒子に霧化すると、燃料と空気の混合が向上するので、燃焼後の未燃成分が少なくなり、燃費の向上や排気ガス中の有害ガスやパティキュレートの減少等を図ることができる。

【０００３】しかし、上記燃料噴射ノズルでは燃料を加圧する燃料噴射ポンプのカムとタペットとの接触面の面圧強さに限界があり、その限界を越えて燃料噴射圧力を増大できない問題点があった。

【０００４】従来、この点を改善するために、燃料噴射ポンプと燃料噴射ノズルとをエンジンの気筒毎に一体一組にしたユニットインジェクタが知られている。このユニットインジェクタは燃料の噴射変動が発生しにくく、高圧噴射ができるようになっている。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、上記ユニットインジェクタではエンジンの構造を大幅に変更しなければならない不具合があった。

【０００６】本考案の目的は、エンジンの構造を変更せずに、シリンダでの燃料の燃焼を向上でき、排気ガス中に有害ガス等の発生を低減できる燃料噴射ノズルを提供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するための本考案の構成を、実施例に対応する図１を用いて説明する。本考案は、燃料噴射ポンプにより圧送された燃料を噴孔１４ｄからエンジンのシリンダに噴射する燃料噴射ノズルの改良である。その特徴ある構成は、噴孔１４ｄの入口面積をＡ₁とし噴孔１４ｄの出口面積をＡ₂とするとき、１＜Ａ₁／Ａ₂≦１６の関係が成立つように噴孔１４ｄがテーパ状に形成されたところにある。

【０００８】

【作用】

テーパ状に形成された噴孔１４ｄの出口から高圧の燃料が極めて微粒化されてシリンダに噴射される。

【０００９】

【実施例】

次に本考案の一実施例を図面に基づいて詳しく説明する。図１に示すように、燃料噴射ノズル１１は直接噴射式エンジンに用いられるホール型ノズルであり、ノズルホルダボデー１２の下端部にナット１３によりノズルボデー１４が取付けられ、ノズルボデー１４内に形成されたガイドホール１４ａに往復動可能にニードルバルブ１６が挿入される。ニードルバルブ１６の周囲には燃料溜り１７が形成され、この燃料溜り１７はノズルボデー１４及びノズルホルダボデー１２に形成されたフィードホール１８に連通する。このフィードホール１８は図示しない燃料噴射ポンプの噴射管に接続される。

【００１０】ニードルバルブ１６の上端にはニードルジャーナル部１６ａが設けられ、下部にはニードルシート部１６ｂが設けられる。ニードルジャーナル部１６ａはプレッシャピン１９の下端に接触し、このプレッシャピン１９の上端にはプレッシャスプリング２１が装着される。このスプリング２１はアジャスティングスクリュー２２によりその弾性力が調整される。プレッシャスプリング２１はプレッシャピン１９を介してニードルバルブ１６のニードルシート部１６ｂをノズルボデー１４のガイドホール１４ａの下部に形成されたシート面１４ｂに圧接する。このシート面１４ｂより下方にはニードルバルブ１６の下端が臨む凹部１４ｃが形成され、ノズルボデー１４の下端には凹部１４ｃと図示しないシリンダとを連通する複数の噴孔１４ｄが形成される。

【００１１】本実施例の特徴ある構成は、噴孔１４ｄの入口直径をＤ₁とし、噴孔１４ｄの出口直径をＤ₂とするとき、噴孔１４ｄの入口面積Ａ₁＝πＤ₁ ²／４、噴孔の１４ｄ出口面積はＡ₂＝πＤ₂ ²／４となり、１＜Ａ₁／Ａ₂≦１６の関係が成立つように噴孔１４ｄがテーパ状に形成されたところにある。これらの噴孔１４ｄは電解ばり取り法又はレーザ加工法により形成される。上記範囲に噴孔１４ｄの出入口面積の比Ａ₁／Ａ₂を決定すると、噴孔１４ｄの出入口面積の比Ａ₁／Ａ₂に対する噴孔１４ｄの出入口圧力Ｐ₂／Ｐ₁の比の変化は図２に示すようになる。ここで、Ｐ₁は噴孔の入口における燃料圧力を示し、Ｐ₂ は噴孔の出口における燃料圧力を示す。

【００１２】このように構成された燃料噴射ノズルの動作を説明する。燃料溜り１７の燃料の圧力がプレッシャスプリング２１の押付け圧力を越えると、ニードルバルブ１６がプレッシャスプリング２１の弾性力に抗してシート面１４ｂから離れて上昇し、燃料溜り１７の燃料がノズルボデー１４の下端に形成された噴孔１４ｄから噴射される。このとき、燃料が噴孔１４ｄの入口から出口に向うに従って縮小する噴孔１４ｄ内を通過するので、燃料中に反射波が発生して燃料が増圧される。この結果、燃料が極めて微粒化されてシリンダに噴射されるので、シリンダ内で燃料が空気とよく混合され、燃料の燃焼が向上する。また噴孔１４ｄの出入口面積の比Ａ₁／Ａ₂を１６より大きくすると、燃料のボリュームの増加によって反射波が減衰するので、燃料の高圧化は頭打ちになる。

【００１３】なお、実施例では燃料噴射ノズルとしてホール型ノズルを挙げたが、これは一例であってピン型ノズルについても適用することができる。

【００１４】

【考案の効果】

以上述べたように、本考案によれば、燃料噴射ポンプにより圧送された燃料を噴孔からエンジンのシリンダに噴射し、噴孔の入口面積をＡ₁とし噴孔の出口面積をＡ₂とするとき、１＜Ａ₁／Ａ₂≦１６の関係が成立つように噴孔をテーパ状に形成したので、燃料噴射圧力が増大し、極めて微粒化された燃料がシリンダに噴射される。この結果、シリンダでの燃料の燃焼が向上するので、排気ガス中に有害ガス等の発生が低減できる。また燃料噴射ノズルの噴孔の形状のみを変更し、エンジンの構造を全く変更しないので、コストをほとんど押上げない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案一実施例燃料噴射ノズルの縦断面図。

【図２】噴孔の出入口面積の比に対する噴孔の出入口圧
力の比の変化を示す図。

【符号の説明】

１１燃料噴射ノズル１４ｄ噴孔

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】燃料噴射ポンプにより圧送された燃料を
噴孔(14d)からエンジンのシリンダに噴射する燃料噴射
ノズルにおいて、前記噴孔(14d)の入口面積をＡ₁とし前
記噴孔(14d)の出口面積をＡ₂とするとき、１＜Ａ₁／Ａ₂
≦１６の関係が成立つように前記噴孔(14d)がテーパ状
に形成されたことを特徴とする燃料噴射ノズル。