JPH04125978U - ラツクピニオン式舵取装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本考案の目的は、ラック軸がストロークエン
ドに達する直前にタイロッドハウジングが弾力的にラッ
クハウジングに衝突してその時の衝撃及び衝撃打音を格
段に軽減することができるラックピニオン式舵取装置を
提供することにある。 【構成】 本考案のラックピニオン式舵取装置は、ラッ
クハウジング１内にラック軸２を摺動可能に収容すると
共に、ラック軸２の端部にタイロッドハウジング４を介
してタイロッド５を連結し、ラック軸２のストロークエ
ンドにおいてタイロッドハウジング４の端部をラックハ
ウジング１の端部で係止させるようにしてあり、更に、
タイロッドハウジング４のラックハウジング１との係止
面にダンパー機構６を設けたものである。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、ラックピニオン式舵取装置に関し、更に詳しくは、ラック軸のスト ロークエンド時に発生する衝突音を軽減したラックピニオン式舵取装置に関する 。

【０００２】

【従来の技術】

従来のこの種のラックピニオン式舵取装置は、ラックハウジング内に摺動可能 に収容されたラック軸と、ラック軸の端部にタイロッドハウジングを介して連結 されたタイロッドとを備えて構成されている。そして、このラックピニオン式舵 取装置のストロークエンドでは、ラックハウジングの端面にタイロッドハウジン グの端面が衝突して停止するようになっている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、従来のラックピニオン式舵取装置のストロークエンドではタイ ロッドハウジングの端面がラックハウジングの端面に突然衝突してラック軸が停 止するため、その時に発生する衝撃及び金属同士の衝撃打音によって運転者が不 快感を感じるという課題があった。

【０００４】 本考案は、上記課題を解決するためになされたもので、ラック軸がストローク エンドに達する直前にタイロッドハウジングが弾力的にラックハウジングに衝突 してその時の衝撃及び衝撃打音を格段に軽減することができるラックピニオン式 舵取装置を提供するものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案のラックピニオン式舵取装置は、ラックハウジング内に摺動可能に収容 されたラック軸と、ラック軸の端部にタイロッドハウジングを介して連結された タイロッドとを備え、上記ラック軸のストロークエンドにおいてタイロッドハウ ジング端部をラックハウジング端部で係止させるようにしたラックピニオン式舵 取装置において、上記タイロッドハウジングと上記ラックハウジングとの係止面 のいずれか一方にダンパー機構を設けたものである。

【０００６】

【作用】

本考案によれば、操舵時にラック軸がストロークエンドに達する直前にダンパ ー機構がラックハウジングの端面に接触し、その後ストロークエンドに達するま でダンパー機構が働いてタイロッドハウジングのラックハウジングに対する衝突 を緩和して衝撃及び衝撃音を軽減することができる。

【０００７】

【実施例】

以下、図１に示す実施例に基づいて本考案を説明する。尚、図１は本考案のラ ックピニオン式舵取装置の一実施例の要部である一方の端部を示す断面図、図２ は図１に示すラックピニオン式舵取装置のストロークエンド時におけるダンパー 機構の弾性体が弾性変形した状態を拡大して示す断面図である。

【０００８】 本実施例のラックピニオン式舵取装置の一方の端部は、図１に示すように、ラ ックハウジング１内にラック軸２がスリーブ３を介して左右に摺動可能に収納さ れている。このラックハウジング１内は、ラック軸２に固定されたピストン（図 示せず）によって２つの圧力室に区画されており、コントロールバルブを介して いずれか一方の圧力室内に圧油が導入されて、ラック軸２の作動をアシストする ようになっている。

【０００９】 また、このラック軸２の端部にはタイロッドハウジング４の突出軸部４Ａが螺 合し、更に、このタイロッドハウジング４にはタイロッド５がボールジョイント を介して連結されており、ラック軸２の左方向への移動によってタイロッドハウ ジング４の端面がラックハウジング１の端面に衝突して係止するようになってい る。また、ラックハウジング１の端部とタイロッドの端部にはブーツ（図示せず ）の両端がそれぞれ固定されており、ラック軸２の左右の摺動に伴って伸縮し、 これら両者２、４の連結部に泥水等が侵入しないようになっている。

【００１０】 而して、上記タイロッドハウジング４には、その突出軸部４Ａを囲む複数のダ ンパー機構６が設けられている。このダンパー機構６は、図１に示すように、タ イロッドハウジング４の端面から他端面へ軸方向に貫通して形成された孔６Ａと 、この孔６Ａ内に摺動自在に嵌合されたピストン６Ｃと、このピストン６Ｃと支 持体６Ｇとの間に収納されて上記ピストン６Ｃをラックハウジング側へ常時付勢 するばね６Ｂと、ピストン６Ｃのピストンロッド６Ｄの外端に取り付けられた樹 脂等の弾性体６Ｅとを備えて構成され、非操舵時にはピストンロッド６Ｄの外端 部がタイロッドハウジング４の端面から突出した状態になっている。

【００１１】 また、上記孔６Ａの端面側（ラックハウジング１側）には縮径部が形成され、 ピストンロッド６Ｄが縮径部を摺動し、更に、この縮径部にはシール部材６Ｆが 取り付けられ、ピストンロッド６Ｄとの気密を保つようにしてある。また、ピス トン６Ｃには軸方向に貫通する細孔６Ｈが形成されており、ピストン６Ｃによっ て区画される左右の室を連通してピストン６Ｃが左右に摺動できるようにしてあ る。また、ピストンロッド６Ｄの外端には２段の凹部６Ｉが形成されており、深 い方の凹部に弾性体６Ｅがその一部をピストンロッド６Ｄの外端から突出させた 状態で固定されている。また、浅い方の凹部は、弾性体６Ｅの周囲に空間を形成 し、ストロークエンド時に弾性体６Ｅがラックハウジング１の端面に衝突して弾 性変形した場合に、図２に示すように、この空間によってその変形部分を吸収す るようにしてある。

【００１２】 従って、操舵時にラック軸２が図１において左方向へ摺動してストロークエン ドに達する直前になると、まず、ダンパー機構６の弾性体６Ｅがラックハウジン グ１の端面に衝突するが、この時の衝突によってピストン６Ｃがバネ６Ｂの付勢 力に抗して図１右方向へ弾力的に移動してピストンロッド６Ｄの外端を孔６Ａ内 へ退没させる。更にラック軸２が左方向へ移動すると弾性体６Ｅが図２に示すよ うに弾性変形してピストンロッド６Ｄの浅い凹部内に退没して、最終的にはタイ ロッドハウジング４の端面がラックハウジング１の端面に接触する。

【００１３】 以上説明したように本実施例によれば、操舵時においてラック軸２がストロー クエンドに達する直前にダンパー機構６が働いて一旦ラック軸２の移動速度を減 速させてタイロッドハウジング４をラックハウジング１に弾力的に衝突させるた めに、従来に比べて衝撃及び衝撃音が格段に軽減されて、運転者の不快感を格段 に軽減することができる。

【００１４】 尚、上記実施例では、ダンパー機構６としてピストン６Ｃをバネ６Ｂによって 付勢するものについてのみ説明したが、油圧あるいは空圧等を用いたものであっ ても良いことはいうまでもない。また、上記実施例ではラックピニオン式のパワ ーステアリング装置について説明したが、本考案のラックピニオン式舵取装置は 、マニュアルタイプのステアリング装置についても適用するとができることはい うまでもない。

【００１５】

【考案の効果】

以上説明したように本考案によれば、ラック軸がストロークエンドに達する直 前にタイロッドハウジングが弾力的にラックハウジングに衝突してその時の衝撃 及び衝撃打音を格段に軽減することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は本考案のラックピニオン式舵取装置の一
実施例の要部である一方の端部を示す断面図である。

【図２】図２は図１に示すラックピニオン式舵取装置の
ストロークエンド時におけるダンパー機構の弾性体が弾
性変形した状態を拡大して示す断面図である。

【符号の説明】

１ ラックハウジング ２ ラック軸 ４ タイロッドハウジング ５ タイロッド ６ ダンパー機構

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ラックハウジング内に摺動可能に収容さ
   れたラック軸と、ラック軸の端部にタイロッドハウジン
   グを介して連結されたタイロッドとを備え、上記ラック
   軸のストロークエンドにおいてタイロッドハウジング端
   部をラックハウジング端部で係止させるようにしたラッ
   クピニオン式舵取装置において、上記タイロッドハウジ
   ングと上記ラックハウジングとの係止面のいずれか一方
   にダンパー機構を設けたことを特徴とするラックピニオ
   ン式舵取装置。