JPH04120734U - 生理用タンポン - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】 正方形のシート状繊維片１の中央部に引き出
し紐３を取り付け、繊維片１の外周域にスリット２を設
け、紐３を中心として繊維片１をパラシュート状にすぼ
めて棒状体に圧搾成形する。 【効果】 棒状体がスリットを有するため、経血吸収性
がよく、容易に膨潤拡開して腟腔を十分に閉止して経血
漏れを防ぐことができる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、膣腔を閉止して経血を吸収保持する生理用タンポンに関する。

【０００２】

【従来の技術、考案が解決しようとする課題】

従来、この種のタンポンにおいて、正方形に形成したシート状繊維片の中心部 に引き出し紐を取り付けて延出し、前記紐を中心として前記シート状繊維片を前 記紐の延出方向と反対方向へすぼめて全長にわたりほぼ均等な径を有する棒状体 に圧搾成形したものが知られている（例えば、特開昭４９ー８３２９２、実公平 ３ー９８２参照）。このタンポンがそのように形成されているのは、十分に膨潤 したとき、前記紐が位置する後端部を基点として先端部がパラシュート状に拡開 し、経血を十分に受止することが可能なようにするためである。しかし、こうし たタンポンにおいては、その先端部がその後端部に比較して繊維密度が高く固い こともあって、吸収速度が比較的低いうえ、吸収しても、十分に先端部が膨潤し て拡開しない。

【０００３】 一方、こうした欠点を解消するため、矩形に形成した２枚のシート状繊維片を 十字形に交差させて重ね、その交差部に引き出し紐を取り付けて延出し、前記タ ンポンのように成形した生理用タンポンも知られている。しかし、これは、前記 タンポンに比較して製造に手数を要する。

【０００４】 この考案の課題は、前者のタンポンの形態を有しながら、極めて簡単な手段で 経血を容易に吸収し膨潤するようにタンポンを構成することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

前記課題を解決するための、この考案は、実質的に正方形に形成したシート状 繊維片の中心部に引き出し紐を取り付けて延出し、前記紐を中心として前記シー ト状繊維片を前記紐の延出方向と反対方向へすぼめて棒状体に圧搾成形した生理 用タンポンを前提とする。

【０００６】 この考案は、前記前提において、前記シート状繊維片の外周域には、前記紐を 中心として、放射状に延びる複数のスリットを設ける。

【０００７】 好ましい実施例においては、前記シート状繊維片よりも引裂強度が高く繊維が 交絡または接合してシート形態を維持する外装布片を前記棒状体の少なくとも外 面となる前記シート状繊維片の面に重ね合わせて前記棒状体に圧搾成形する。

【０００８】

【作用】

前記構成を有するこの考案に係るタンポンにおいては、経血が前記棒状体の表 面、特に前記各スリットから前記棒状体に吸収されて膨潤する。そして、前記各 スリットが存在することで、前記棒状体がその先端部から拡開し易くなる。

【０００９】

【実施例】

図面を参照して、この考案に係るタンポンの実施例を説明すると、以下のとお りである。

【００１０】 図１に示すように、タンポンは、コットン、レーヨンなどの親水性繊維の単な る集積ウエブから裁断した正方形のシート状繊維片１を構成素材としている。シ ート状繊維片１の外周縁からその中央域近傍に延びる複数のスリット２（図６参 照）をその中心部を基点として放射状に設けてある。シート状繊維片１の中心部 には引き出し紐３を取り付けて外方向（図上で繊維片の下面）へ延出してある。

【００１１】 図２及び図３に示すように、タンポンは、引き出し紐３を中心としてシート状 繊維片１を引き出し紐３の延出方向と反対方向へすぼめて棒状体４に圧搾成形し てある。この圧搾成形は、公知のタンポン製造機で容易になすことができる。

【００１２】 図４に示すシート状繊維片１におけるスリット２は、その繊維片の外周縁を残 して設けてある。また、スリット２は、図５に示すところからも理解されるよう に、図１に示すそれとは異なるように設けてもよい。図示例のスリット２は、閉 じているが、条孔又はスロット状に完全に開いてもよいし、また、その開き幅が その外端から内端へ又は内端から外端へ次第に拡大するように設けてあってもよ い。

【００１３】 図７に示すように、シート状繊維片１の両面には、シート状繊維片１よりも引 裂強度が高く繊維が交絡または接合してシート形態を維持する内外装布片５，６ を重ね合わせ、この積層体にスリット２を設け、前記棒状体４に圧搾成形しても よい。また、図８に示すように、内外装布片５，６にはスリット２を設けないよ うにすることもできる。内外装布片５，６には、親水性繊維をバインダーで接合 又は高速水流でその繊維を交絡させた不織布のほか、メルトボンド不織布、スパ ンボンド不織布なども使用することができるが、これらの疎水性繊維からなる不 織布は、液浸透性が良好なものが好ましく、そうするには、比較的繊維密度の低 いものとするほかに、布片５，６に多数の開孔を形成するか、親水剤で処理する などの手段を採ることができる。このように、布片５，６、特に棒状体４の外面 に位置することになる布片６を用いてあると、シート状繊維片１からの繊維の脱 落で、これが腟腔に残り不衛生になるのを未然に防止することができる。

【００１４】 引き出し紐３には、それが毛細管現象を起こして、経血がその紐を伝わって外 部に滲出しないように、モノヒラメントを用いることが好ましい。

【００１５】

【考案の効果】

この考案に係るタンポンによれば、経血がスリットから棒状体に吸収されてこ れが膨潤しその先端部から拡開し易くなるので、更に経血を吸収して腟腔壁に密 着して腟腔を十分に閉止して経血の漏れを防止することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案に係る実施例としての生理用タンポン
の構成素材であるシート状繊維片を示す平面図。

【図２】前記シート状繊維片をパラシュート状にすぼめ
て棒状体に圧搾成形する過程を示す斜視図。

【図３】前記棒状体に圧搾成形したタンポンを示す側面
図。

【図４】前記シート状繊維片の別の実施例を示す平面
図。

【図５】前記シート状繊維片の更に別の実施例を示す平
面図。

【図６】図１のＸーＸ線に沿う断面図。

【図７】布片で両面を覆った前記シート状繊維片の図６
に相当する断面図。

【図８】布片で両面を覆った前記シート状繊維片の別の
実施例を示す図６に相当する断面図。

【符号の説明】

１ シート状繊維片 ２ スリット ３ 引き出し紐 ６ 外装布片

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】実質的に正方形に形成したシート状繊維片
   の中心部に引き出し紐を取り付けて延出し、前記紐を中
   心として前記シート状繊維片を前記紐の延出方向と反対
   方向へすぼめて棒状体に圧搾成形した生理用タンポンに
   おいて、前記シート状繊維片の外周域には、前記紐を中
   心として、放射状に延びる複数のスリットを設けてある
   ことを特徴とする前記タンポン。
2. 【請求項２】前記シート状繊維片よりも引裂強度が高く
   繊維が交絡または接合してシート形態を維持する外装布
   片を前記棒状体の少なくとも外面となる前記シート状繊
   維片の面に重ね合わせて前記棒状体に圧搾成形してある
   請求項１に記載の生理用タンポン。