JPH03982Y2

JPH03982Y2 -

Info

Publication number: JPH03982Y2
Application number: JP19610685U
Authority: JP
Priority date: 1985-12-20
Filing date: 1985-12-20
Publication date: 1991-01-14
Also published as: JPS62108920U

Description

【考案の詳細な説明】（産業上の利用分野）本考案は、膣内に挿入して用いる生理用タンポ
ンに関する。

（従来の技術）従来、生理用タンポンにおいて、その表面が、
ガーゼ地・ネツト状シート・多孔性不織布・疎水
性不織布などの外装材で被覆されたものが知られ
ている。

（考案が解決しようとする問題点）前記公知のタンポンにおいては、前記外装材で
被覆されているので、その内部の構成繊維の毛羽
立ち、膣内での脱落などを防止する効果を有す
る。しかし、前記外装材はその全面が実質的に均
等な液吸収性または液透過性を有するので、表面
が経血で著しく汚れることになり、そのためタン
ポンを膣内から抜脱したとき使用者に不快感を与
えることがある。また、そのようにタンポンの表
面全体が液吸収性または液透過性を有するので、
経血がタンポンの表面で徐々に拡散して吸収され
る、すなわち、その拡散性が悪く、そのため、吸
収速度が低い。また、前記外装材が疎水性不織布
である場合には、液透過性が悪いので、経血がタ
ンポンの表面を伝わつて膣外に流出するとともに
内部に十分に浸透吸収されない。

本考案の目的は、主として前述のような問題点
を解決することができる生理用タンポンを提供す
ることにある。

（問題点を解決するための手段・実施例）前記問題点を解決するための本考案手段の要旨
とするところは、構成素材が親水性繊維ウエブと
その少なくとも片面に積層された疎水性繊維不織
布であつて、前記不織布がタンポンの表面に位置
するように前記構成素材が柱状体に圧搾成形され
ている生理用タンポンにおいて、前記不織布は繊
維が交絡することによりシート状形態を賦与され
ているとともに繊維が分配されることにより形成
された多数の独立した開孔を有し、前記不織布の
非開孔領域は実質的に液不透過性を有し、前記開
孔は直径が２〜10mmで配列ピツチが４〜15mmであ
ることを特徴とする前記タンポンに存する。

さらに、以下に、本考案のタンポンを図面を参
照して説明するが、本考案のタンポンは、開孔を
有する疎水性繊維不織布で表面が被覆されている
限り、その形状・断面構造・成形法などの如何を
問わないので、その図面・説明はあくまでも一実
施例を示すものにほかならない。

タンポンの構成素材１としては、コツトン・レ
ーヨン繊維などの親水性繊維の単独または混合か
らなるウエブ２と、ポリエステル・ポリプロピレ
ンなどの疎水性繊維からなる不織布３が用いられ
る。第１図および第２図に示すように、繊維ウエ
ブ２は方形に裁断し、不織布３は繊維ウエブ２の
両面を被覆しその周縁が若干突出する程度の大き
さの方形に裁断してある。そして、繊維ウエブ２
を不織布３で被覆し、不織布３が互に相会するそ
の周縁を線状に熱溶着により接合してあり、符号
４はその接合部を示す。

不織布３は、その構成繊維の繊度が2d以下、
目付が15〜35ｇ／m²、密度が0.05〜0.4ｇ／cm³で
あることが好ましい。繊度が2d以上、目付が15
ｇ／m²以下、密度が0.05ｇ／cm³以下であると、本
考案が目的とする表面平滑で良好な肌ざわりがえ
られないばかりでなく、繊維間が十分に密になら
ず液透過性を付与するのに難点がある。目付が35
ｇ／m²以上、密度が0.4ｇ／cm³以上であると、経
血の吸収材料である繊維ウエブ２の所要量を使用
することができなくなり、繊維ウエブ２の所要量
を使用する場合には、タンポンの直径は限界があ
るので、圧搾形成後のタンポンが硬くなりすぎ
る。繊度について、さらに言及すると、それは細
いほどよいが、現在の紡糸技術では、0.7d以下の
ものをうることが困難であり、そのため0.7d以下
のものを使用する場合には、たとえば、互に接着
性の乏しい二種の熱可塑性重合体成分からなり、
一方の成分が他方の成分により繊維方向に連続す
る複数の層に分離している１〜5dの分割型複合
繊維であるステープルフアイバーをカード機や高
速水流噴射処理により分割すればよい。このよう
な繊維は、たとえば、特開昭57−56562に開示さ
れている。

不織布３は繊維が交絡することによりシート状
形態を賦与されているととともに繊維が分配され
ることにより形成された多数の独立した開孔５を
有している。このような不織布は、たとえば、公
知の高速流体噴射による繊維交絡方法、すなわ
ち、多数の独立した突起を有する支持体上で繊維
ウエブに対して高速水流を噴射処理し、繊維を交
絡させると同時に前記突起部で繊維を分配させる
方法によりうることができる。開孔５は直径が２
〜10mmで配列ピツチが４〜15mmであることが好ま
しく、直径が２mm以下、ピツチが15mm以上である
と、経血の透過性が悪くタンポンの内部に十分に
吸収されず、直径が10mm以上、ピツチが４mm以下
であると、開孔面積比率が大きくなつて不織布３
を使用する意義が半減する。なお、不織布３は、
非開孔領域の液透過性をさらに向上させるため、
公知の揆水剤で処理してもよい。

このような構成素材１は、その中心部６を基点
として、第３図に示すように、花つぼみ状に絞つ
て、第４図及び第５図に示すように、円柱状体７
に圧搾成形し、その一端に引き出し用紐８を結着
し延出してある。

（考案の作用・効果）以上のように構成された本考案のタンポンによ
れば、タンポンを膣内に挿入したとき、タンポン
の表面が疎水性繊維不織布で被覆され、しかも非
開孔領域が実質的に液不透過性を有するので、経
血は非開孔領域で透過することなく流動拡散する
とともに開孔から内部の吸収材料に浸透吸収され
る。したがつて、タンポンは、非開孔領域はその
繊維が有する揆水性によりあまり汚れることがな
く、そのため膣から抜脱したとき比較的きれいで
あり、しかも吸収速度が高くなるとともに吸収量
が増大し、タンポンの吸収材料が有効に利用さ
れ、比較的早くタンポンが膨張して経血の閉止機
能を発揮することになる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案タンポンの実施例を示すもので、
第１図は構成素材の展開平面図、第２図は第１図
−線断面図、第３図はタンポンの成形過程を
示す斜視図、第４図はタンポンの成形状態を示す
一側面図、第５図はタンポンの成形状態を示す他
側面図である。１……構成素材、２……繊維ウエブ、３……不
織布、５……開孔。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】 (1) 構成素材が親水性繊維ウエブとその少なくと
も片面に積層された疎水性繊維不織布であつ
て、前記不織布がタンポンの表面に位置するよ
うに前記構成素材が柱状体に圧搾成形されてい
る生理用タンポンにおいて、前記不織布は繊維
が交絡することによりシート状形態を賦与され
ているとともに繊維が分配されることにより形
成された多数の独立した開孔を有し、前記不織
布の非開孔領域は実質的に液不透過性を有し、
前記開孔は直径が２〜10mmで配列ピツチが４〜
15mmであることを特徴とする前記タンポン。 (2) 前記不織布は目付が15〜35ｇ／m²で密度が
0.05〜0.4ｇ／cm³である実用新案登録請求の範
囲第１項記載の生理用タンポン。 (3) 前記不織布の繊維は繊度が2d以下である実
用新案登録請求の範囲第１項記載のタンポン。