JPH04116404U - マイクロ・ストリツプラインフイルタ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目 的】 外形寸法が小さく、回路基板への取り付け
が簡単な、マイクロ波の内の周波数の低い帯域で使用さ
れる狭帯域のマイクロ・ストリップラインフィルタを提
供する。 【構 成】 マイクロ・ストリップラインフィルタは、
少なくとも一つの誘電体基板１の一面に、少なくとも二
つのストリップライン２、２′からなる導電パターン
が、対称形に対向し、途中から折り返して曲げられるよ
うに形成され、前記誘電体基板１の他面には、アース電
極８が、前記各ストリップライン２、２′と対向すると
共に、電気的に接続されている

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、自動車電話、携帯電話、あるいは衛星通信等のマイクロ波通信に使 用されるマイクロ・ストリップラインフィルタに関するものであり、特に、回路 基板上の導電パターンに面実装するタイプのもので、マイクロ波の内の低い周波 数帯域に使用されるものである。

【０００２】

【従来の技術】

図５および図６を参照しつつ従来例におけるマイクロ・ストリップラインフィ ルタを説明する。図５は従来例におけるマイクロ・ストリップラインフィルタの 表側を示した概略図である。図６は従来例におけるマイクロ・ストリップライン フィルタの他の例を示した概略図である。図５および図６において、誘電体基板 ２１は、セラミック等からなる誘電率の高い基板からなり、その一面に直線状の ストリップライン２２、２３が形成されている。当該ストリップライン２２およ び２３には、マイクロ・ストリップラインフィルタの入力導電部２４と出力導電 部２５とがそれぞれ連続した導電パターンとして突出するように形成される。ま た、ストリップライン２２は、接続部２６によって誘電体基板２１の他面に形成 されたアース電極（図５では見えない面）に接続されている。また、ストリップ ライン２３は、図５の見えない部分の接続部を介してアース電極に接続されてい る。また、ストリップライン２２とストリップライン２３とは、誘電体基板２１ の中心点に対して対称形に形成されている。また、図６におけるストリップライ ン２２とストリップライン２３とは、誘電体基板２１の中心線に対して対称形に 形成されている。そして、上記各導電パターンを形成する導電被膜は、誘電体基 板２１上にたとえば、銀ペーストを塗布した後、焼き付けられる。以上のように マイクロ・ストリップラインフィルタは、誘電体基板２１上の一面に形成された ストリップライン２２および２３と、誘電体基板２１の他面に形成されたアース 電極とによって構成されている。このマイクロ・ストリップラインフィルタにお ける周波数特性の調整、あるいは外部回路とのインピーダンス・マッチングは、 前記入出力導電部２４および２５の一部を削ることによって行われる。

【０００３】 以上のような構成のマイクロ・ストリップラインフィルタは、図示されていな い回路基板上に載置され、両者のアース電極どうしがはんだを介して電気的に接 続される。そして、マイクロ・ストリップラインフィルタの入出力導電部２４お よび２５は、それぞれ、図示されていない回路基板における所望の導電パターン に、たとえば、リード線を用いてはんだ付けされる。このようなマイクロ・スト リップラインフィルタの入力導電部２４に入力したマイクロ波信号は、各ストリ ップライン２２および２３によるインダクタンス、および各ストリップライン２ ２またはストリップライン２３とアース電極、あるいはストリップライン２２と ストリップライン２３どうしの容量によってフィルタが構成されているので、所 望の周波数のマイクロ波信号が選択されて出力導電部２５から出力する。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

近年、電子機器の小型化が強く要望されており、当該電子機器に組み込む回路 基板の導電パターン間隔が狭くなる傾向にある。このため、マイクロ・ストリッ プラインフィルタの外形寸法の小型化が要望されている。しかし、マイクロ波の 周波数帯域の内、特に周波数の低い帯域で使用されるマイクロ・ストリップライ ンフィルタは、各ストリップライン２２および２３の長さを長くする必要がある ため、回路基板のパターン間隔や他の電子部品と比較して、その形状が大きくな るという問題を有する。また、マイクロ波の周波数帯域の内、周波数の低い帯域 で使用されるマイクロ・ストリップラインフィルタは、ストリップライン２２と ストリップライン２３との間隔を狭くすると、両者の電磁結合が大き過ぎて狭帯 域のフィルタを構成することができない。したがって、狭帯域のフィルタを構成 するためには、ストリップライン２２とストリップライン２３との間隔を広げな ければならず、マイクロ・ストリップラインフィルタを大型にしてしまうという 問題を有する。

【０００５】 本考案は、以上のような問題を解決するためのもので、外形寸法が小さく、回 路基板への取り付けが簡単な、マイクロ波の内の周波数の低い帯域で使用される 狭帯域のマイクロ・ストリップラインフィルタを提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

前記目的を達成するために、本考案のマイクロ・ストリップラインフィルタは 、少なくとも一つの誘電体基板の一面に対称形に対向して形成され、途中から折 り返すように曲げられた少なくとも二つのストリップラインからなる導電パター ンと、前記誘電体基板の他面に前記各ストリップラインと電気的に接続されるよ うに形成されたアース電極とから構成される。

【０００７】

【作 用】

本考案によれば、誘電体基板の一面には、対称形、たとえば誘電体基板の中心 線に対する線対称、または中心点に対する点対称、に対向して形成され、途中か ら折り返すように曲げられた少なくとも二つのストリップラインが形成されてい る。また、誘電体基板の他面には、前記ストリップラインと対向して、アース電 極が形成されている。そのため、ストリップラインは、比較的長く取れると共に 、ストリップラインの折り返し部の存在によって電磁結合が低くなるため、スト リップライン相互の間隔を狭くしても、狭帯域のフィルタを構成することができ る。

【０００８】

【実 施 例】

図１を参照しつつ本考案の一実施例を説明する。図１は本考案の一実施例にお けるマイクロ・ストリップラインフィルタの表側を示した概略図である。なお、 図１はストリップラインの形状を強調して描かれているため、図１と図５および 図６とに示されているストリップラインおよび誘電体基板の大きさが無関係にな っている（以下、ストリップラインおよび誘電体基板の大きさの関係は、図２な いし図４においても同じである）。図１において、誘電体基板１は、セラミック 等からなる誘電率の高い基板からなり、その一面にストリップライン２および２ ′が形成されている。当該ストリップライン２および２′は、接続部７および７ ′を介してそれぞれ誘電体基板１の他面に形成されているアース電極（図面の裏 側になり見えない部分）と接続されている。誘電体基板１の一面に形成されたス トリップライン２および２′には、それぞれ左右に連続して突出した入出力導電 部５および６が形成されている。また、ストリップライン２および２′は、入出 力導電部５または６から図示のごとく、直線的に一端部に向けて延びるように形 成され、ストリップライン２および２′の途中から折曲げられ、また元に戻る方 向の折返し直線部４および４′が形成されている。前記ストリップライン２およ び２′の折曲げられた折返し部３、３′は、Ｕ字型あるいはＶ字型等の変形をと ることができる。また、ストリップライン２、２′および入出力導電部５、６は 、誘電体基板１の中心線に対して線対称に形成されている。このようなストリッ プライン２、２′、入出力導電部５、６、およびアース電極８を形成する導電被 膜は、誘電体基板１上にたとえば、銀ペーストを塗布した後、焼き付けられて形 成される。また、このマイクロ・ストリップラインフィルタにおける周波数特性 の調整、あるいは外部回路とのインピーダンス・マッチングは、入出力導電部５ および６の一部を削ることによって行われる。

【０００９】 以上のようなマイクロ・ストリップラインフィルタは、図示されていない回路 基板上に載置され、両者のアース電極どうしが電気的にはんだ付けされる。また 、同時に、マイクロ・ストリップラインフィルタの入出力導電部５、６は、たと えば、リード線等により所望の導電パターンに接続される。このようなマイクロ ・ストリップラインフィルタの入力導電部５に入力したマイクロ波信号は、各ス トリップライン２、２′によるインダクタンス、および各ストリップライン２、 ２′とアース電極８、またはストリップライン２とストリップライン２′どうし の容量によってフィルタが構成されているので、所望のマイクロ波信号が選択さ れて出力導電部６から出力する。

【００１０】 次に、図２における本考案の他の実施例を説明する。図２は本考案の他の実施 例におけるマイクロ・ストリップラインフィルタの表側を示した概略図である。 図２において、図１に示されている実施例と異なるところは、ストリップライン ２および２′が誘電体基板１の中心点に対して対称に形成されている点にある。 そして、このマイクロ・ストリップラインフィルタの製作および動作等は、前記 図１のものと全く同じである。

【００１１】 図３および図４を参照しつつ本考案のさらに他の実施例を説明する。図３は本 考案の他の実施例におけるマイクロ・ストリップラインフィルタの表側を示した 概略図である。図４は図３におけるマイクロ・ストリップラインフィルタの裏側 を示した概略図である。図３および図４において、マイクロ・ストリップライン フィルタのストリップライン２および２′の形状は、図１または図２のものと同 じなので、図１と同じ形状のものを説明する。相違するところは、入出力導電部 ５および６が、誘電体基板１の他面に形成された入力ランド１１および出力ラン ド１２とスルーホール９および９′を介して電気的に接続されている点である。 このスルーホール９および９′は、たとえば、その内部にペーストはんだを入れ 加熱しながら吸引する。これにより、スルーホール９および９′の内部表面には 、はんだの被膜が形成され、ストリップライン２、２′と入出力ランド１１、１ ２とを電気的に接続する。また、スルーホール９および９′の内部をはんだメッ キすることも可能である。そして、この入出力ランド１１および１２は、誘電体 基板１の他面に形成されたアース電極８の一部に絶縁されて形成される。したが って、このような構成のマイクロ・ストリップラインフィルタは、回路基板の所 望の導電パターンと直接電気的に接続することができ、リード線およびその取り 付け作業が不要になる。また、上記入出力ランド１１および１２の一部を削るこ とによりマイクロ・ストリップラインフィルタの周波数特性の調整、あるいは外 部回路とのインピーダンス・マッチングが容易に行われる。

【００１２】 以上、本考案の実施例を詳述したが、本考案は、前記実施例に限定されるもの ではない。そして、実用新案登録請求の範囲に記載された本考案を逸脱すること がなければ、種々の設計変更を行うことが可能である。たとえば、ストリップラ インの数およびそのアースの取りかたは、コムライン型、インタディジタル型の ようなものも含む。また、誘電体基板を複数枚重ねて、フィルタの構成素子を増 加させることにより、所望の周波数特性のマイクロ・ストリップラインフィルタ を構成することができる。さらに、誘電体基板に形成する導電パターン、アース 電極、あるいは入出力ランドの形成は、ホト・エッチング等他の製造方法を採る ことが可能である。

【００１３】

【考案の効果】

本考案によれば、誘電体基板の一面に形成されたストリップラインを折り返す ようにして長く採ると共に、ストリップライン間の電磁結合を低くしたので、ス トリップライン間の距離を狭めることができる。したがって、マイクロ波帯域の 内の低い周波数帯域のフィルタを小型に構成することができた。また、ストリッ プラインの形成は、対称的であるので、周波数特性の調整あるいは外部回路との インピーダンス・マッチングが容易にできる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案の一実施例におけるマイクロ・ストリ
ップラインフィルタの表側を示した概略図である。

【図２】 本考案の他の実施例におけるマイクロ・スト
リップラインフィルタの表側を示した概略図である。

【図３】 本考案の他の実施例におけるマイクロ・スト
リップラインフィルタの表側を示した概略図である。

【図４】 図３におけるマイクロ・ストリップラインフ
ィルタの裏側を示した概略図である。

【図５】 従来例におけるマイクロ・ストリップライン
フィルタの表側を示した概略図である。

【図６】 従来例におけるマイクロ・ストリップライン
フィルタの他の例を示した概略図である。

【符号の説明】

１ 誘電体基板 ２および２′ ストリップライン ３および３′ 折返し部 ４および４′ 折返し直線部 ５ 入力導電部 ６ 出力導電部 ７ないし７″ 接続部 ８ アース電極 ９および９′ スルーホール １１ 入力ランド １２ 出力ランド

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 少なくとも一つの誘電体基板１の一面に
   対称形に対向して形成され、途中から折り返すように曲
   げられた少なくとも二つのストリップライン２、２′か
   らなる導電パターンと、前記誘電体基板１の他面に前記
   各ストリップライン２、２′と電気的に接続されるよう
   に形成されたアース電極８と、を備えたことを特徴とす
   るマイクロ・ストリップラインフィルタ。