JPH04114094A - 四フッ化エチレン樹脂基摺動材料 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、自動車、電気機械、ＯＡ機器、産業機械、工
作機械、一般産業機械等の摺動部材に好適な四フッ化エ
チレン樹脂基摺動材料に関する。ここで、［四フッ化エ
チレン樹脂五］とは、主成分が四フッ化エチレン樹脂で
あるということを意味する。また、以下、四フッ化エチ
レンをＰＴＦＥといつ。

［従来の技術Ｊ ＰＴＦＥ摺動材料は摩擦係数が非常に小さいが単体では
耐摩耗性が不十分である。そこで耐摩耗性を改善するた
め、従来はガラスファイバー粉末等無機充填剤や、樹脂
系の有機充填剤を添加していた。また、それら耐摩耗性
改善充填剤を添加すると、摩擦係数が上がるので、摩擦
係数を低下させるために、軟質金属、グラファイト、Ｍ
ｏ８２等固体潤滑剤を添加していた。

［発明が解決しようとする課題１ このような従来のガラスファイバー粉末等無機充填剤や
、固体潤滑剤を添加したＰＴＦＥ摺動材料では、摺動材
料自身の耐摩耗性は十分満足ではなかった。また、耐摩
耗性が十分であっても、相手材である軟軸、特に焼き入
れ処理のないスチール、アルミ、ＳＵＳ等の軟軸に対し
ては、摺動材料の摩耗粉によって、軟軸を摩耗させる欠
点がある。従来軟軸を摩耗させない添加物は存在するが
毒性、コスト、取扱いに問題がある。さらに使用時摩耗
粉の挙動により発生する摺動音であるＦ鳴き］の問題が
ある。以上の問題点を解決しようとするのが本発明の課
題である。

［課題を解決するだめの手段］ まずＰＴＦＥ摺動材料において、耐摩耗、相手軸摩耗に
関する課題を解決するために、ガラスファイバー粉末を
充填剤としたＰＴＦＥ樹脂に、酸化鉄０．１〜１０重量
％添加する点について以下詳細を説明する。この発明に
用いる原料としてＰＴＦＥ樹脂は一般ＰＴＦＥ樹脂メー
カーより販売されている圧縮成形用モールディングパウ
ダーを使用できる。

またガラスファイバー粉末も、一般にＰＴＦＥ　ａ脂等
に添加される、Ｅグレードガラスファイバー粉末を使用
できる。ここで添加する酸化鉄粉末であるが、摺動材の
耐摩耗性を上げるのに非常に効果がある。さらにＣｄ、
Ｐｂ、Ｓｂ等の酸化物系の充填剤を使用することにより
耐摩耗性を酸化鉄粉末と同等に上げることができるが、
これらは効果があっても毒性に関して問題があり環境問
題を考慮すると使用は避けるべきである。

さらに、この酸化鉄粉末の粒度、粒形を選定すれば摺動
剤の耐摩耗性と、相手材特に軟軸に対する摩耗粉の影響
による摩耗を同時に防ぐことができる。酸化鉄粉末は、
さらに毒性の心配はない。

従って、酸化鉄粉末が非常に特性のよい充填材となり毒
性、耐摩耗、相手材の摩耗に対する課題を解決できるこ
とが分かった。さらにこの粒度、粒形の酸化鉄粉末を選
定するに際し、例えばＦｅｄ。

Ｆｅ２Ｏ３など各種のものが一般に市販されているので
経済的生産活動を行なう上で入手に何ら問題はない。

以上述べた方法で主な課題は解決できる。しかし、本発
明の摺動材でも、使用条件により摺動時に異音が発生す
るので使用する時点でこの「鳴き」が問題となることが
ある。これを防止するために、有効な充填剤として多く
の物質の中より特殊フェノール樹脂粉末を見いだしこの
添加により異音発生に対する課題の解決ができることが
分った。この特殊フェノール樹脂粉末も一般市販され、
人手も簡単であり毒性についても問題はない。

なお、特殊フェノール樹脂とは、球状または粒状フェノ
ール樹脂を炭化焼成したものをいう。

以上の添加剤を有する摺動材料は従来の圧縮成形→焼成
、ラム押出し法等の成形方法で特別の変更なく製造が可
能である。

［作用］ この発明の摺動材各成分組成を特許請求の範囲に記載し
たように限定する理由（上限、下限の決定理由）とその
作用効果について記述する。

（１）酸化鉄粉末の添加量を０．１〜１０重量％とする
点について。

ＰＴＦＥ樹脂基摺動材料が酸化鉄粉末をこの割合で含む
と、摺動材自身の耐摩耗性の向上に効果がある。酸化鉄
粉末が０．１重量％未満ではその効果が発生しない。ま
た、酸化鉄粉末が１０重量％を越えると、摺動材の機械
的強度を著しく低下させる。

（２）平均粒径１〜１０　μｍの酸化鉄粉末の添加量を
０．１〜１０重量％とする点について。

ＰＴＦＥ樹脂基摺動材料がこの粒径、含量の酸化鉄粉末
を含むと、相手軸の摩耗、特に軟軸に対し効果がありま
た摺動材自身の耐摩耗性の向上に効果がある。この粒径
の酸化鉄粉末０．１重量％未満では耐摩耗性に対し効果
が発生しない。また１０重量％を越えると摺動材の機械
的強度を著しく低下させる。

（３）　　（１）項の組成を有する摺動部材にさらに特
殊フェノール樹脂粉末を０．１〜２０重量％添加する点
について。

ＰＴＦＥ樹脂基摺動材この添加量の特殊フェノール樹脂
粉末を含むと摺動時の「鳴き」と呼ばれる異音発生防止
と、摩擦係数低下に効果がある。特殊フェノール樹脂粉
末０．１重量％未満では異音発生防止、摩擦係数低下効
果がなくまた特殊フェノール樹脂粉末２０重量％を越え
ると、摺動材の機械的強度を著しく低下させる。

（４）　　（２）項の組成を含む摺動材に特殊フェノー
ル樹脂粉末を０．１〜２０重量％添加する点について。

前述した、粒径をそろえた酸化鉄粉末の効果に加え、異
音発生防止と、摩擦係数低下に効果がある。特殊フェノ
ール樹脂粉末が０．１重量％未満では異音発生防止、摩
擦係数低下効果がなくまた特殊フェノール樹脂粉末が２
０重量％を越えると、摺動材の機械的強度を著しく低下
させる。

［実施例］ 以下実施例をあげて具体的に説明する。ＰＴＦＥ樹脂１
（三井デュポンフロロケミカル製；テフロン７Ｊ）とガ
ラスファイバー粉末２（日本硝子繊維製；ＲＥＶ−１、
繊維径１３　μｍ、平均繊維長３５μｍ）、酸化鉄粉末
３（森下弁柄製；　ＭＲ−６６０Ｅ、平均粒径０．３６
　μｍ　）、粒径調整特定酸化鉄粉末３（大日精化製；
ＴＦＤ　−０８３１、平均粒径４〜６μｍ）、特殊フェ
ノール樹脂粉末４（鐘紡製；登録商標ベルパールＣ−２
０００、平均粒径１５〜２０μｍ）、硫化カドミウム＋
セレン化カドミウム粉末（犬日精化製；パイロファイン
カラーレッド３Ｂ　＃８０００　）、ｐｂｏ粉末（日本
化学工業製；リサージ１号黄口、平均粒径５μｍ）、５
ｂ２０３粉末（日本精鉱製；三硫化アンチモンＰ４９９
％−２００ｍｅｓｈ　）、クロム酸鉛粉末（日本無機化
学工業製；サイナートレッド９００５　）、窯業用顔料
（池垣化学製；　Ｎｏ、　１００ピング５０Ｓｎ、　１
０Ｃｒ、　２０Ｓｉ、　２０ＣａＣｏ３平均粒径３μｍ
）さらに硫酸バ１功ム粉末（キシダ化学製；化学用）を
原料として表１の重量配合比で計量し、三井三池製ヘン
シェルミキサーで撹拌混合した。混合した粉末を金型に
入れ、圧縮成形後３７０°Ｃ１３時間加熱焼成を行ない
成形体を形成した。その成形体より引張り、伸び測定用
試験片と摩擦摩耗試験用円筒軸受とを切削加工により作
成した。試験条件を無潤滑、速度；　０．１　ｍ　／　
ｓｅｅ、荷重；　１５　ｋｇ　／　ｃｍ２、相手軸；　
５５５Ｃ１焼き入れなし、面粗度Ｒｍａｘ＝１．５μｍ
として、円筒軸受試験機で試験を行ない、摩擦係数軸受
摩耗量、相手軸損傷程度異音発生の有無を測定した。そ
の結果を表１に示す。

表１に示す比較例１５．１６．１７及び実施例２．３．
４において、ガラスファイバー粉末の添加量を１０〜３
０重量％の範囲とし、軸受摩耗量を試験、比較した。こ
の軸受摩耗量が少ないもののガラスファイバーの添加量
、即ち２０重量％であるものを主にしてさらに組成及び
軸受試験を行ない、その他の組成決定の基準とした。実
施例１〜５及び比較例１８〜２２において、ガラスファ
イバー粉末の次に添加スる充填剤の効果が判明する。ま
ず酸化鉄粉末の添加により軸受の耐摩耗性が向上するこ
とが見られる。また、Ｃｄ（Ｓ、Ｓｅ）粉末、ＰｂＯ粉
末、クロム酸鉛粉末については、摩擦係数、軸受摩耗量
、相手軸損傷程度については、摺動材として満足できる
。さらに、Ｃｄ（Ｓ、Ｓｅ）粉末、クロム酸鉛粉末につ
いて異音発生せず満足できる。しかし、これらＣｄ　（
Ｓ、　Ｓｅ　）、ＰｂＯ、クロム酸鉛は毒性に関して問
題がある。したがって実際の生産活動において考えると
、取扱いに際して汚染防止の設備に費用がかかりまた製
品化した場合においては食品用機器等毒性に対する考慮
を重視する用途には使用できなく、用途が制限される。

その点において酸化鉄粉末の添加であると、軸受として
の耐摩耗性向上が十分認められかつ高品質の軸受が生産
できる。さらに、実施例６〜８において酸化鉄粉末の平
均粒径を４〜６μｍにそろえた特定酸化鉄粉末の効果が
明らかとなる。粒径を４〜６μｍにそろえることにより
相手材表面が速やかにポリシュされ摩耗粉発生が少なく
なり結果としてアブレーシブ摩耗が防止されることが分
かる。結局、前に述べた毒性で問題のあるＣｄ（Ｓ、Ｓ
ｅ）粉末、ｐｂｏ粉末、クロム酸鉛粉末と同等の性能を
安全な酸化鉄粉末で、その粒度を特定すれば、得られる
ことが明らかとなった。また実施例９〜１１及び比較例
２３．２４より特殊フェノール樹脂粉末添加により摺動
時の「鳴き」と呼ばれる異音発生に効果が認められまた
摩擦係数低下に対しても効果が認められる。特殊フェノ
ール樹脂粉末（実施例１０．１１．１３．１４）と、Ｂ
ａ５Ｏ粉末（比較例２３）、ＣａＦ２粉末（比較例２４
）の添加効果を比較すると異音発生防止及び摩擦係数低
下に対して特殊フェノール樹脂粉末添加が多大な効果を
奏することが明らかである。

さらに、上記酸化鉄粉末を、平均粒径を４〜６μｍにそ
ろえた実施例１２〜１４をみると、実施例９〜１１で示
されるような特殊フェノール樹脂粉末を添加した効果に
加え、酸化鉄粉末充填を特定することにより、実施例６
〜８と同様に、相手軸摩耗に対し、多大な効果を示すこ
とが分かる。

［発明の効果１ （１）摺動材に酸化鉄粉末を充填する効果■　この摺動
材を用いた軸受の耐摩耗性において、無毒の充填剤であ
る、酸化鉄粉末を添加することにより、軸受摩耗に関し
、ガラスファイバー粉末のみを添加するものに比べ非常
に性能が向上する。

（２）酸化鉄粉末の粒径を特定する効果■　摺動状態に
おける摩耗粉発生の防止と、摩耗発生時の相手軸（軟軸
）に対する損傷に関し、粒子の径、形状を特定すること
により、多大な効果が得られる。

■　Ｃｄ、Ｓｅ等の毒性のある添加剤であっても、単に
上記０項の効果を得ることを意図するならば、それらを
使用すればよいことが分かったが、毒性のない酸化鉄粉
末において粒子の径・形状を特定すればその効果が得ら
れる。

■　上記０項で説明した毒性のない酸化鉄粉末充填によ
り、摺動材として今まで、食品用機器等、毒性で問題と
なり使用できなかった産業分野においても使用可能とな
り使用分野の拡大ができる。

（３）特殊フェノール樹脂粉末を充填する効果■　摺動
時に発生する摩耗粉とシャフト間で発生する異音に対し
て特殊フェノール樹脂粉末の添加により完全に防止でき
る。

■　特殊フェノール樹脂粉末の形状が球状又は粒状であ
ることにより摩耗粉として発生時、摩擦係数低下に対し
て効果が誌められる。

【図面の簡単な説明】

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. （１）重量で１０〜３０％のガラスファイバー粉末を充
   填剤とした四フッ化エチレン樹脂に酸化鉄粉末を０．１
   〜１０％添加した四フッ化エチレン樹脂基摺動材料。
2. （２）酸化鉄粉末の平均粒径が１〜１０μｍであること
   を特徴とする請求項（１）に記載の四フッ化エチレン樹
   脂基摺動材料。
3. （３）重量で１０〜３０％のガラスファイバー粉末を充
   填剤とした四フッ化エチレン樹脂に酸化鉄粉末を０．１
   〜１０％添加し、さらに球状または粒状フェノール樹脂
   粉末を焼成した特殊フェノール樹脂粉末０．１〜２０％
   添加した四フッ化エチレン樹脂基摺動材料。
4. （４）酸化鉄粉末の平均粒径が１〜１０μｍであること
   を特徴とする請求項（３）に記載の四フッ化エチレン樹
   脂基摺動材料。