JPH04110903U - ワーク測定装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】本考案の目的は、穴の内周面に形成した凹部の
該穴の軸方向における長さを正確に測定することのでき
るワーク測定装置を提供することにある。 【構成】本考案に係るワーク測定装置は、ワーク（Ｗ）
の穴（Ｈ）の内周面（Ｈｒ）に形成された凹部（Ｈｄ）
の該穴（Ｈ）の軸方向における長さを測定する装置であ
って、上記穴（Ｈ）に設置される装置本体（１）と、上
記装置本体（１）から突出する態様で配設され、その先
端が上記凹部（Ｈｄ）の内部において上記穴（Ｈ）の軸
方向に移動する移動体（４）と、上記装置本体（１）に
保持され、上記移動体（４）の移動に伴ってスピンドル
（３３）が作動されるゲージ（３０）とを備えている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、ワークの穴の内周面に形成された凹部の該穴の軸方向における長さ を測定するワーク測定装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来より、ワークの穴の内周面に形成された凹部の該穴の軸方向における長さ を測定する場合には、ダイヤルゲージのスピンドルに、その先端が上記凹部に占 位される測定子を付設し、この測定子を上下動させることによって該凹部の軸方 向の長さを測定するようにしている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上記のような測定においては、上述した測定子が必ずしも上記 穴の軸方向に沿って移動するとは限らず、測定誤差を生じる虞れがある。

【０００４】 本考案の目的は、上記実情に鑑みて、穴の内周面に形成した凹部の該穴の軸方 向における長さを正確に測定することのできるワーク測定装置を提供することに ある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案に係るワーク測定装置は、ワークの穴の内周面に形成された凹部の該穴 の軸方向における長さを測定する装置であって、上記穴に設置される装置本体と 、上記装置本体から突出する態様で配設され、その先端が上記凹部の内部におい て上記穴の軸方向に移動する移動体と、上記装置本体に保持され、上記移動体の 移動に伴ってスピンドルが作動されるゲージとを備えている。

【０００６】

【作用】

上記構成によれば、凹部の内部において上記穴の軸方向に移動する移動体を介 してゲージのスピンドルを作動させるようにしている。

【０００７】

【実施例】

以下、実施例を示す図面に基づいて本考案を詳細に説明する。 図１および図２は、本考案に係るワーク測定装置を概念的に示したもので、ワ ークＷに形成された穴Ｈと、この穴Ｈの内周面Ｈｒに形成された環状溝（凹部） Ｈｄとの芯ずれを測定するとともに、該環状溝Ｈｄの上記穴Ｈの軸方向の長さＨ ｄｔを測定する際に使用される測定装置を例示している。

【０００８】 図２および図３に示すように、この測定装置に適用される装置本体１は、その 断面が円の一部を切除した形状の柱状を成しており、その上面１ａの中央部に収 容穴２を有している。収容穴２は、上記装置本体１の切除面１ｂから中心に向け て形成され、該切除面１ｂにおける開口が蓋体３によって閉塞されたスプリング 収容部２ａと、その断面が上記スプリング収容部２ａよりも小さい矩形状を成し 、上記装置本体１の中心部から該スプリング収容部２ａに連設する態様で形成さ れ、さらに装置本体１の周面１ｃに開口する移動体収容部２ｂとから構成されて おり、その内部に移動体４を備えている。

【０００９】 移動体４は、図１に示すように、その基部４ａが上記移動体収容部２ｂに嵌合 する矩形状を成し、その基端上面に上記装置本体１の上面１ａから上方に突出す る操作部４ｂを有するとともに、その先端部に薄板状で板厚が既知の測定部４ｃ を有しており、上記蓋体３との間にコイルスプリング５およびスプリング座６を 介してその延在方向に移動自在に配設されている。この移動体４は、上記コイル スプリング５の押圧力によって常時付勢されており、通常状態においては、上記 測定部４ｃの尖端が上記装置本体１の周面１ｃから外方に突出されている。 なお、上述した装置本体１の外径形状は、図３からも明らかなように、半円よ りも大きく形成されている。また、この装置本体１の外径は、上記ワークＷに形 成された穴Ｈの内径に対してＨ７／ｇ６程度のはめ合い公差を有している。

【００１０】 一方、上記測定装置は、図１および図２に示すように、上記装置本体１の上面 １ａにブロック１０を備えている。ブロック１０は、直方状を成し、上記収容穴 ２の延在方向に直交する態様で上記装置本体１の中心から上記移動体４の測定部 ４ｃ側へ僅かにずれた位置に立設された主部１１と、この主部１１の上部両側面 からそれぞれ上記収容穴２の延在方向に沿って延在された腕部１２，１３とを有 しており、これら腕部１２，１３の先端部にそれぞれダイヤルゲージ２０，３０ を保持している。

【００１１】 ダイヤルゲージ２０，３０は、それぞれステム２１，３１の先端に測定子２２ ，３２を備えるもので、これら測定子２２，３２装置本体１側に向ける態様で、 個々のステム２１，３１を介して上記ブロック１０の各腕部１２，１３に保持さ れている。

【００１２】 移動体４の基端側に配設されたダイヤルゲージ２０は、その測定子２２が上記 収容穴２の延在方向に沿って揺動することにより作動されるタイプ、いわゆるレ バータイプのもので、該測定子２２の先端が上記移動体４における操作部４ｂの 外側面に圧接されている。

【００１３】 移動体４の先端側に配設されたダイヤルゲージ３０は、そのスピンドル３３が 上記測定子３２を介し上記ステム３１に沿ってストロークすることにより作動さ れるタイプのもので、該測定子３２の先端が上記装置本体１の外方域に配置され ている。

【００１４】 上記のように構成された測定装置では、移動体４を収容穴２内でその延在方向 に移動させると、操作部４ｂを介して測定子２２が作動され、ダイヤルゲージ２ ０がその時の値を示す。また、測定子３２をワーク等の端面に当接させた状態で 装置本体１をその軸方向に移動させると、該測定子３２を介してスピンドル３３ が作動され、ダイヤルゲージ３０がその時の値を示す。

【００１５】 この測定装置によって、上記ワークＷに形成された穴Ｈと、この穴Ｈの内周面 Ｈｒに形成された環状溝Ｈｄとの芯ずれを測定するには、まず操作部４ｂを介し て移動体４を移動させ、その測定部４ｃを収容穴２内に没入させた状態で装置本 体１をワークＷの穴Ｈに嵌入させる。

【００１６】 この穴Ｈ内において上記移動体４を移動させた外力を除去すると、コイルスプ リング５の押圧力によって上記測定部４ｃが装置本体１の周面１ｃから突出され 、その先端面が環状溝Ｈｄの内周壁に圧接される。なお、上記測定部４ｃが穴Ｈ の内周面Ｈｒに当接した状態で上記ダイヤルゲージ３０のゼロ調整を行っておけ ば、このときに環状溝Ｈｄの深さＨｄｄを測定することができる。

【００１７】 上記測定部４ｃの先端が環状溝Ｈｄの内周壁に圧接した状態から、任意の一点 Ａで上記レバータイプのダイヤルゲージ２０のゼロ調整を行った後、装置本体１ を上記穴Ｈ内で１８０°回転させ、その点Ｂでのダイヤルゲージ２０の目盛りを 読む。

【００１８】 このとき、上記ダイヤルゲージ２０の示す示す値は、上記各測定点Ａ，Ｂから 穴Ｈの中心までの距離の差であり、この値の１／２がこれら測定点Ａ，Ｂを結ぶ 方向における穴Ｈの中心と環状溝Ｈｄの中心との芯ずれ量に相当する。

【００１９】 なお、上述した作業を異なる方向で複数回行えば、環状溝Ｈｄの中心位置を知 ることも可能である。

【００２０】 一方、上記測定装置によって、上記環状溝Ｈｄの穴Ｈの軸方向の長さＨｄｔを 測定するには、上記装置本体１を穴Ｈに嵌合させた状態で該装置本体１を穴Ｈの 上下方向に移動させ、上記測定部４ｃを環状溝Ｈｄの上下両端面に当接させれば よい。

【００２１】 このとき、上記装置本体１は、穴Ｈの内周面Ｈｒに案内されて正確にその軸方 向に移動するため、環状溝Ｈｄ内に占位する測定部４ｃも穴Ｈの軸方向に沿って 移動することになる。したがって、上記測定部４ｃが環状溝Ｈｄの上下端面に当 接した時の各値の差に、該測定部４ｃの板厚を付加すれば、該環状溝Ｈｄの穴Ｈ の軸方向の長さを正確に測定することができる。

【００２２】 なお、上記実施例では、ワークＷに形成した穴Ｈと、この穴Ｈの内周面Ｈｒに 形成された環状溝Ｈｄとの芯ずれをも測定するように測定装置を構成しているが 、本考案では芯ずれを測定するための構成、すなわちダイヤルゲージ２０、移動 体４の基部４ａおよび操作部４ｂ、該移動体４を装置本体１の径方向に移動させ るための収容穴２、コイルスプリング５およびスプリング座６等は必ずしも必要 ではない。また、被測定体である凹部として環状の溝Ｈｄを例示しているが、環 状でない凹部の測定も可能であることはいうまでもない。さらに、マスタモデル との比較測定を行うことも可能である。

【００２３】 また、上記実施例では、断面が円の一部を切除した形状を成す装置本体１を例 示しているが、もちろんその他の形状であっても構わない。また、ダイヤルゲー ジ３０のスピンドル３３を穴Ｈの軸方向に沿って配設しているが、その他の態様 で配設してもよい。

【００２４】 さらに、上記実施例では、装置本体１を移動させることにより、移動体４の測 定部４ｃを凹部Ｈｄ内において穴Ｈの軸方向に移動させるようにしているが、本 考案ではこれに限定されない。たとえば、移動体を装置本体に対してその軸方向 に移動自在に配設するとともに、上記装置本体を穴内に互いの軸心を合致させる 態様で設置し、上記移動体をゲージのスピンドルに連係させた状態で移動体を装 置本体に対して移動させるようにしても構わない。なお、この場合の装置本体は 、必ずしも穴に嵌合される構成である必要はない。

【００２５】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案に係るワーク測定装置によれば、凹部の内部にお いて上記穴の軸方向に移動する移動体を介してゲージのスピンドルを作動させる ようにしているため、該穴の軸方向における長さを正確に測定することが可能で ある。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は、本考案に係るワーク測定装置の使用態
様を概念的に示した側面一部断面図である。

【図２】図２は、本考案に係るワーク測定装置を概念的
に示した斜視図である。

【図３】図３は、図１における III−III 線断面図であ
る。

【符号の説明】

１ 装置本体 ４ 移動体 ３０ ゲージ ３３ スピンドル Ｈ 穴 Ｈｄ 凹部 Ｈｄｔ 軸方向の長さ Ｈｒ 内周面 Ｗ ワーク

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ワークの穴の内周面に形成された凹部の
   該穴の軸方向における長さを測定する装置であって、上
   記穴に設置される装置本体と、上記装置本体から突出す
   る態様で配設され、その先端が上記凹部の内部において
   上記穴の軸方向に移動する移動体と、上記装置本体に保
   持され、上記移動体の移動に伴ってスピンドルが作動さ
   れるゲージとを備えたことを特徴とするワーク測定装
   置。