JPH04105925U - 自動車用エンジンの排気ガス浄化装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 排気中の未燃ガスを吸着し得る吸着装置を効
果的に用いてエンジン低温時のエミッションをより一層
改善する。 【構成】 エンジン本体１の排気口から延びる排気管３
に少なくともヒータ付触媒５を介設し、このヒータ付触
媒５上流の排気管３に排気中の未燃ガスを吸着し得る吸
着装置４を介設した。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、自動車用エンジンの排気ガス浄化装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

自動車用エンジンの排気系においては、排気中の未燃ガス（ＨＣ）、一酸化炭 素（ＣＯ）及び窒素酸化物（ＮＯ_x ）等の有害成分を浄化させるために、三元触 媒等の床下触媒が装備されるのが一般化されている。 ところで、触媒により排気ガスを効率よく十分に浄化するためには、触媒をあ る温度以上に保つ必要がある。そのため、特にエンジンの低温時には、エンジン の始動直後触媒が活性温度に達するまでにはある程度の時間を要することから、 排気ガスを浄化するのが困難であった。 そこで、近年では、床下触媒にヒータを組み付けたり、床下触媒とは別にヒー タ付触媒を新たに追加したりしてエンジンの低温時に触媒をプレヒートする手法 が種々開発されている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

ところが、触媒をプレヒートする手法を用いた排気ガス浄化装置であっても、 プレヒート時間内は当然有害成分を浄化することができず、従ってエンジン低温 時における排気ガス対策は未だ不十分であった。 そこで、本考案の目的は、排気中の未燃ガスを吸着し得る吸着装置を効果的に 用いることで、エンジン低温時のエミッションをより一層改善できる排気ガス浄 化装置を提供することにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

前記目的を達成するための、本考案の構成は、エンジン本体の排気口から延び る排気通路にヒータ付触媒を介設し、このヒータ付触媒上流の排気通路に排気中 の未燃ガスを吸着し得る吸着装置を介設したことと、エンジン本体の排気口から 延びる排気通路に床下触媒を介設し、この床下触媒上流の排気通路に排気中の未 燃ガスを吸着し得る吸着装置とヒータ付触媒とを直列に介設したことを特徴とす る。

【０００５】

【作用】

前記構成によれば、エンジン低温時に、ヒータ付触媒や床下触媒が活性温度に 達していない間は、未燃ガス（ＨＣ）は吸着装置で吸着保持される。 一方、エンジンの暖機運転が進みヒータ付触媒や床下触媒が活性温度に達した 時は、吸着装置も高温となって吸着した未燃ガスを放出するが、これは下流側の ヒータ付触媒や床下触媒で浄化される。

【０００６】

【実施例】

以下添付図面に基づいて本考案の一実施例を説明する。 図１は、本考案の第１実施例を示すもので、エンジン本体１の排気口に排気マ ニホールド２を介して排気管３が連通接続され、この排気管３に上流側から順次 吸着装置４とヒータ付触媒５を介設した例である。 前記吸着装置４は、温度が低い時は排気中の未燃ガス（ＨＣ）を吸着剤として の粒状の活性炭等で吸着保持し、温度が一定以上（約１５０℃以上）になると前 記未燃ガスを放出するものである。また、ヒータ付触媒５は、エンジン低温時に 触媒をプレーヒートする通常のものである。 従って、本実施例によれば、エンジン低温時、ヒータ付触媒５が十分な活性温 度に達していない間に排出される未燃ガスは吸着装置４に保持される。エンジン が昇温し、ヒータ付触媒５が活性温度に達した時は、同時に昇温した吸着装置４ から未燃ガスが放出されるが、これはその下流側のヒータ付触媒５で浄化される 。 この結果、エンジン低温時の未燃ガス排出量が低減され、エミッションが良好 となる。また、ヒータ付触媒５のヒーティング時間が得られるため、プレーヒー ト時間を短縮でき、バッテリの放電量を低減できる。

【０００７】 図２は、本考案の第２実施例を示すもので、図１の実施例におけるヒータ付触 媒５の下流側に位置した排気管３に三元触媒等の床下触媒６を介設した例である 。 これによれば、暖機後におけるエミッションが床下触媒６の追加でより一層良 好となる。なお、本実施例において、条件が合えばヒータ付触媒５を吸着装置４ の上流側に配置しても良い。

【０００８】 図３は、本考案の第３実施例をしめすもので、図２の実施例における吸着装置 ４をバイパスするバイパス通路７を設け、このバイパス通路７の上流側の分岐部 に流路切換弁８を設けた例である。 前記流路切換弁８は、吸着装置４の温度が所定温度に達した際に、排気ガスを バイパス通路７に導くように制御ユニット９により切換制御される。図中１０が 吸着装置４の温度を検出する温度センサである。また、制御ユニット９は吸着装 置４の温度により未燃ガスの放出が完了したことを判定するのである。 これによれば、低温時の排気ガス浄化が図れる一方で、暖機完了後に吸着装置 ４が高温ガスにさらされて耐久性が低下したり、吸着剤が燃えてしまうのを未然 に防止できる。 なお、本実施例において、吸着装置４における未燃ガスの放出の判定は、吸着 装置４の温度検出に代えてタイマ式やその他の手段で行って良いことは言う迄も ない。また、床下触媒６は省略しても良い。

【０００９】 図４は、本考案の第４実施例を示すもので、図３の実施例におけるバイパス通 路７を吸着装置４のみならずヒータ付触媒５をもバイパスさせた例である。 これによれば、暖機完了後における吸着装置４の保護の他に、吸着装置４、ヒ ータ付触媒５の介在による排気抵抗増大が回避されて加速時等における出力向上 が図れる。

【００１０】 なお、本考案は前記各実施例に限定されず、本考案の要旨を逸脱しない範囲内 で種々の変更が可能である。

【００１１】

【考案の効果】

以上説明したように本考案によれば、排気通路にヒータ付触媒等に加えて低温 時に排気ガス中の未燃ガスを吸着保持し得る吸着装置を介設したので、エンジン 低温時のエミッションをより一層改善できるという効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の第１実施例を示す概略構成図である。

【図２】本考案の第２実施例を示す概略構成図である。

【図３】本考案の第３実施例を示す概略構成図である。

【図４】本考案の第４実施例を示す概略構成図である。

【符号の説明】

１ エンジン本体 ３ 排気管 ４ 吸着装置 ５ ヒータ付触媒 ６ 床下触媒

Claims (6)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 エンジン本体の排気口から延びる排気通
   路にヒータ付触媒を介設し、このヒータ付触媒上流の排
   気通路に排気中の未燃ガスを吸着し得る吸着装置を介設
   したことを特徴とする自動車用エンジンの排気ガス浄化
   装置。
2. 【請求項２】 エンジン本体の排気口から延びる排気通
   路に床下触媒を介設し、この床下触媒上流の排気通路に
   排気中の未燃ガスを吸着し得る吸着装置とヒータ付触媒
   とを直列に介設したことを特徴とする自動車用エンジン
   の排気ガス浄化装置。
3. 【請求項３】 排気通路に吸着装置をバイパスする通路
   を設け、このバイパス通路の上流側分岐部にエンジン運
   転状態に応じて作動する流路切換弁を設けたことを特徴
   とする請求項１又は２に記載した自動車用エンジンの排
   気ガス浄化装置。
4. 【請求項４】 排気通路に吸着装置とヒータ付触媒とを
   バイパスする通路を設け、このバイパス通路の上流側分
   岐部にエンジン運転状態に応じて作動する流路切換弁を
   設けたことを特徴とする請求項２に記載した自動車用エ
   ンジンの排気ガス浄化装置。
5. 【請求項５】 排気通路にヒータ付触媒を吸着装置の上
   流側に位置して介設したことを特徴とする請求項２に記
   載した自動車用エンジンの排気ガス浄化装置。
6. 【請求項６】 排気通路に床下触媒をヒータ付触媒の下
   流側に位置して介設したことを特徴とする請求項１に記
   載した自動車用エンジンの排気ガス浄化装置。