JPH0381166B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は流体の圧力を制御する弁に関し、二次
側を一定圧力に維持するように一次側の流体を減
圧して通過せしめる自動設定減圧弁に関する。

一般的に減圧弁と言われているものは、ダイヤ
フラムの変位で主弁を直接に操作し、又はパイロ
ツト弁を操作してピストン弁等の主弁を間接的に
操作する構造である。ダイヤフラムには一面に二
次側の流体圧力を他面に圧力設定ばねの弾性力を
作用せしめる。両力が不平衡であればダイヤフラ
ムが変位し、弁体を操作して流体の通過量を調節
せしめ、二次側の圧力を圧力設定ばねの弾性力に
対応した値に維持する。

二次側の流体圧力を所望の値に設定する場合
は、二次側の圧力を圧力ゲージで見ながら、弁ケ
ーシングにねじ結合した調節ねじを手で操作し
て、圧力設定ばねの弾性力を調節して、圧力ゲー
ジが所望の圧力値を指すようにする。従つて、設
定圧力を頻繁に変更する場合は極めて不便であ
る。また、遠隔操作や自動制御は出来ない。

そこで、この様な場合には、自動制御弁が用い
られている。自動制御弁とは、制御対象の制御量
の検出、目標値との比較、偏差に基づく判断・指
令等を信号的に処理して、弁体を操作する電動機
や流体アクチユエータ等の操作部を制御するもの
である。

減圧弁として用いる場合は、圧力センサーで二
次側の圧力を検出し、これを設定機構を通して入
力した目標値と比較し、信号的に処理して、電動
機等のアクチユエータを操作して比例動作、ある
いは微分・積分動作をせしめる。従つて、遠隔制
御や自動制御ができる。

しかし、自動制御弁は高価である。これは電動
機等のアクチユエータで直接に、しかも、常時小
刻みに素早く弁体を操作しなければならないの
で、大出力のアクチユエータ、複雑な信号処理を
する制御器を必要とするからである。

従来技術 そこで、本件出願人は上記の問題を解決する提
案を、特願昭59−207779号として出願した。これ
は、ダイヤフラム構造の減圧弁に圧力設定ばねの
弾性力を調節する手段を操作するアクチユエータ
ーを取り付け、二次側の流体圧力と設定圧力目標
値との偏差検出値が、偏差基準値よりも大きいと
きには、アクチユエーターを操作して偏差検出値
がほぼ零になつたらアクチユエーターを停止せし
めるようにした、ものである。

発明が解決しようとする問題点 上記構造のものでは、圧力設定ばねを締め込む
にしたがつて、その発生力が大きくなり、アクチ
ユエータのトルクが不足する問題がある。

本発明の技術的課題は、従つて、圧力設定ばね
を締め込んでもトルク不足にならないようにする
ことである。

問題点を解決するための手段 上記の技術的課題を解決するために講じた本発
明の技術的手段は、ダイヤフラム構造の減圧弁に
圧力設定ばねの弾性力を調節する手段を操作する
アクチユエーターを取り付け、二次側の流体圧力
と設定圧力目標値との偏差検出値が、偏差基準値
よりも大きいときには、アクチユエーターを操作
して偏差検出値がほぼ零になつたらアクチユエー
ターを停止せしめるようにした自動設定減圧弁に
於いて、圧力設定ばねの弾性力を調節する手段に
被磁性部材を固定し、被磁性部材に対向して、圧
力設定ばねの弾性力を調節する手段を締め込んだ
ときに、被磁性部材を吸引する磁性部材を配置し
た、ものである。

作 用 上記の技術的手段の作用は下記の通りである。

調節計を通して所望の設定圧力を入力する。圧
力センサーで二次側の流体圧力が常時或いは定期
的に測定される。比較調整器で二次側の流体圧力
と設定圧力目標値との偏差を検出され、所定の偏
差基準値と比較され、偏差検出値が偏差基準値よ
りも大きいときには、偏差検出値がほぼ零になる
様にアクチユエーターを操作する信号がドライバ
ーに送られる。

ドライバーでアクチユエータが運転され、従来
の調節ねじ等の弾性力調節手段が右又は左に回転
するなどして進退し、圧力設定ばねの弾性力が調
節される。この結果ダイヤフラムが変位して弁体
が操作され、流体の通過量が増減し、二次側の流
体圧力が増減する。

圧力設定ばねの弾性力を調節する手段に被磁性
部材を固定し、被磁性部材に対向して、圧力設定
ばねの弾性力を調節する手段を締め込んだとき
に、被磁性部材を吸引する磁性部材を配置してい
るので、圧力設定ばねの弾性力を調節する手段を
締め込んで行くにしたがつて、磁性部材の吸引力
が増大し、圧力設定ばねの発生力ご吸収する。

特有の効果 本発明は下記の特有の効果を生じる。

磁性部材と被磁性部材を取り付ける簡単な構造
で、圧力設定ばねの発生力を吸収でき、アクチユ
エータがトルク不足になることがない。

実施例 上記の技術的手段の具体例を示す実施例を説明
する（第１図参照）。

本実施例の自動設定減圧弁は、メカニカルな減
圧弁部１と、電動機部と、制御部とから成る。

減圧弁部１は従来のものと同様である。流体の
入口２と出口３はそれぞれ一次側通路４と二次側
通路５に接続して取り付けられる。主弁口７は主
弁体６で開閉する。主弁体６はばねで閉弁方向に
付勢されて配置し、弁棒を介してピストン８に連
結する。

ピストン８の下面には出口３側の流体圧力が作
用し、上面には通路９，１１を通して入口２側の
流体圧力がパイロツト弁体１２で制御されて導入
される。パイロツト弁体１２は閉弁方向にばねで
付勢され、弁棒を介してダイヤフラム１３の下面
に当り、その変位により開弁方向の操作力を受け
る。

従つて、ダイヤフラム１３が下方に変位すると
パイロツト弁体１２が押し下げられ、入口２の流
体が通路９，１１を通つてピストン８の上方に導
入され、主弁体６がピストン８で押し下げられて
主弁口７が開かれ、入口２の流体が出口３に流れ
る。また、ダイヤフラム１３が上方に変位すると
パイロツト弁体１２がばねで押し上げられ、通路
９が塞がれ、ピストン８の上方の流体がオリイス
５０ご通つて出口３に逃げ、ピストン８と主弁体
６がばねで押し上げられ、主弁口７が塞がれる。

ダイヤフラム１３の上方は細孔１４を通して外
気に連結し、ほぼ一定の外気圧に保たれる。ま
た、ダイヤフラム１３の上面には圧力設定ばね１
６の下端が当り、弾性力が作用する。圧力設定ば
ね１６の上端にはばね受け部材を介して調節ねじ
１７の下端が当り、調節ねじ１７の回転による進
退で、圧力設定ばねの圧縮量を調節して、ダイヤ
フラム１３に作用する弾性力を調節できるように
なつている。調節ねじ１７は、弁ケーシングの一
部を成すばね収容ケース１５に取り付けためねじ
部材にねじ結合している。

電動機部をヨーク部材１８をばね収容ケース１
５に取り付ける。このとき、調節ねじ１７と出力
軸２０を同一軸上に整合して、六角頭部４３と出
力軸２０の下端部を連結する。

出力軸２０はボール・スプライン２１の軸を成
し、上端に係止部材２３を設ける。ボールスプラ
イン２１の外周部材１９には円筒状の連結部材２
２を固定する。出力軸２０の下部に円盤２４を形
成する。位置検出センサー２６が取付台２５の下
面に取り付けられ、その検出棒３３が円盤２４の
側面に当たる様に配置される。

電動機２９と減速機２８を取付台２５に固定
し、その出力軸２７を連結部材２２に挿入固定す
る。

従つて、電動機２９を回転させると減速機２８
の出力軸２７が回転し、連結部材２２と共にスプ
ライン２１の外周部材１９が回転し、その回転方
向に応じて、出力軸２０が上下動しながら回転
し、調節ねじ１７が右又は左に回転する。

この時同時にセンサー２６の検出棒３３が円盤
２４の上下運動に追従して上下に移動し、その移
動量を位置信号としてとらえる。

電動機２９の横にドライバー３０を配置して、
カバー３６で覆い、防塵、防湿対策を講じる。動
力線及びその引込口の図示は簡略化してある。

制御部は上記の位置検出センサー２６と、比較
調節器３１と、設定圧力目標値を入力する調節計
３２と、二次側通路に取り付けた圧力センサー４
０とから成る。参照番号３４は端子台であり、モ
ータードライバー３０、センサー２６に結線され
ている。端子台３４と比較調節器３１を信号線３
７で、圧力センサー４０は信号線３９で、調節計
３２も信号線で比較調節器３１に連結する。比較
調節器３１は端子台３４の位置に配置してもよ
い。

二次側通路５の流体圧力は圧力センサー４０で
検出して調節計３２に常時、あるいは比較的短い
間隔で送る。

調節計内のコンピユーターには圧力設定ばね１
６の弾性力を調節する調節ねじ１７の軸方向の絶
対位置、即ち円盤２４の軸方向の変位と設定圧力
目標値との関係が記憶されており、調節計３２を
通して所望の設定圧力目標値を入力すれば、調節
ねじの位置信号としての設定信号が演算され比較
調節器３１へ送られる。比較調節器で位置検出セ
ンサー２６からの信号と上記信号が比較され、偏
差検出値が偏差基準値よりも大きいときには、偏
差検出値がほぼ零になるようにアクチユエータを
操作する信号がドライバー３０に送られる。その
後、電動機２９が運転され一気に目標値へ調節ね
じ１７を変位せしめる。

偏差検出値がほぼ零になつたとき、即ち、偏差
検出値が上記の偏差基準値よりも充分に小さい別
の所定の微少偏差基準値の範囲に入つたときに、
電動機２９を停止せしめる操作信号をドライバー
３０に送る。この時の比較ループは比較調節器、
ドライバー、電動機、位置検出センサー、再び比
較調節器をループする。

更に精度の高い設定をする為に前記圧力センサ
ー４０の信号と、調節計内で記憶させておいた設
定圧力と調節ねじの移動量の関係と比較、演算処
理し、後いくら調節ねじを変位させればよいか判
断し、信号を比較調節器に送り、微調整を行う。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の実施例の電動減圧弁の断面図
に制御部のブロツク図を重ねて表示したものであ
る。 １……減圧弁部、５……二次側通路、６……主
弁体、８……ピストン、１２……パイロツト弁
体、１３……ダイヤフラム、１５……ばね収容ケ
ース、１６……圧力設定ばね、１７……調節ね
じ、２０……出力軸、２１……スプライン、２６
……位置検出センサー、２７……減速機の出力
軸、２９……電動機、３０……ドライバー、３１
……比較調節器、３２……調節計、４０……圧力
センサー、４１……磁性部材、４２……被磁性部
材。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ ダイヤフラム構造の減圧弁に圧力設定ばねの
   弾性力を調節する手段を操作するアクチユエータ
   ーを取り付け、二次側の流体圧力と設定圧力目標
   値との偏差検出値が、偏差基準値よりも大きいと
   きには、アクチユエーターを操作して偏差検出値
   がほぼ零になつたらアクチユエーターを停止せし
   めるようにした自動設定減圧弁に於いて、圧力設
   定ばねの弾性力を調節する手段に被磁性部材を固
   定し、被磁性部材に対向して、圧力設定ばねの弾
   性力を調節する手段を締め込んだときに、被磁性
   部材を吸引する磁性部材を配置した自動設定減圧
   弁。