JPH03808Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は分電盤等の内部に銅板等からなる接続
導体とその保護カバーとを取付けるために使用さ
れる導体支持装置に関するものである。

（従来の技術） 分電盤等の内部には分岐ブレーカとの接続用に
銅板等からなる接続導体が取付けられるととも
に、これらの接続導体をブレーカ作動時に生ずる
アークガスから保護するための保護カバーが設け
られているが、分岐ブレーカの大きさによつて保
護カバーの支持高さを変える必要がある。このた
め従来は保護カバー支持部の高さが異なる多くの
支持体を用意しておき、必要に応じて使い分けて
いたので、類似形状の極めて多種類の支持体を製
造しなければならず、個々に金型を製作する必要
があるためにコスト高となるうえその在庫管理に
も手数を要し、また分電盤に仕様変更があつたり
特別注文があつたときには支持体を組み換える作
業が極めて煩雑となる問題もあつた。

（考案が解決しようとする問題点） 本考案はこのような従来の問題点を解決して、
多種類の支持体を製造、保管する必要がなくしか
も保護カバーを種々の高さに容易に支持させるこ
とができる導体支持装置を目的として完成された
ものである。

（問題点を解決するための手段） 本考案は上面に導体取付用の複数のねじ孔と、
これらのねじ孔の中間に位置する凹陥部とを備え
るとともに該凹陥部には下面から挿通される取付
けねじのためのねじ挿通孔を開口させた絶縁性の
支持体と、下端を前記凹陥部に係合させて前記取
付けねじによつて支持体上に垂直に固定される保
護カバー取付用のスペーサとからなることを特徴
とするものである。

（実施例） 次に本考案を図示の実施例について詳細に説明
すれば、１はプラスチツクのような絶縁材料から
なり、その上面に導体取付用の複数のねじ孔２
と、これらのねじ孔２の中間に位置する凹陥部３
とを備えた細長い支持体である。この凹陥部３に
は支持体１の下面から挿通される取付けねじ４の
ためのねじ挿通孔５が開口している。支持体１は
その両端部の取付け孔６に挿通される取付けねじ
７によつて分電盤等のベース３０上に固定される
ものである。支持体１の凹陥部３及び両端部の取
付け孔６に対応する上面及び側面には図示のよう
な浅い凹溝８を形成して第３図に示される分岐導
体５０間の隔壁４０を垂直に支持できるようにす
ることが好ましい。９は保護カバー取付用のスペ
ーサであり、第２図に示されるようにその下面を
支持体１の凹陥部３に係合させて支持体１の下面
から挿通される取付けねじ４によつて支持体１上
に垂直に固定されるものである。このため、スペ
ーサ９の少くとも下端部は凹陥部３に対応する断
面形状を有するものとし、スペーサ９の下端には
取付けねじ４のためのねじ孔１０が形成され、ま
たその上端には保護カバー取付け用のねじ孔１１
が形成されている。スペーサ９は高さが例えば30
mm、40mm、50mm等のものを複数種類製作しておく
ものとする。なお、スペーサ９の前後両側面にも
支持体１の凹溝８と同様の浅い凹溝１２を形成し
ておくことが好ましい。

（作用） このように構成されたものは、第２図および第
３図に示されるように、先ず支持体１の上面のね
じ孔２の中間の凹陥部３に保護カバー取付用のス
ペーサ９の下端を係合させたうえ凹陥部３に開口
するねじ挿通孔５に取付けねじ４を下面から挿通
してスペーサ９のねじ孔１０を利用して締付け、
スペーサ９を支持体１上に垂直に固定する。次に
支持体１をその両端部の取付け孔６を利用して取
付けねじ７によつて分電盤等のベース３０上に固
定したうえ、支持体１の上面のねじ孔２に接続導
体５０を接続導体取付けねじ１３によつて固定す
るとともに、第２図に示されるように保護カバー
４１をスペーサ９の上面に保護カバー取付けねじ
１４によつて取付ける。スペーサ９は前述のよう
に高さの異なる複数種類のものが用意されている
ので、適当な高さのものを選択することによつて
保護カバー４１を任意の高さに支持することがで
き、またスペーサ９はその下端を支持体１の凹陥
部３に係合させて支持体１上に固定されているの
でがたつきを生ずることがなく、保護カバー４１
を的確に支持できるものである。なお、保護カバ
ー４１の下方へ折曲された端面４２は支持体１の
上面の凹溝８に挿入して支持させることができ、
また、第３図に示されるように、スペーサ９の側
面の凹溝１２と支持体１の側面の凹溝８とを利用
して隔壁４０を支持させることもできる。

（考案の効果） 本考案は以上の説明からも明らかなように、分
電盤等の内部に接続導体を支持させるとともに
種々の高さに保護カバーを支持させるために、上
面に導体取付用の複数のねじ孔とその中間に位置
するねじ挿通孔付きの凹陥部とを備えた支持体
と、保護カバー取付用のスペーサとの組み合わせ
を使用したので、従来のように種々の高さの保護
カバー支持部を備えた支持体を用意する必要がな
く、その製造及び保管の手数を省くことができる
とともに分電盤に仕様変更があつたり特別注文が
あつたときにも直ちに対応することを可能とした
ものである。また、保護カ導体取付用のスペーサ
は接続導体の間の隔壁の支持にも使用することが
できる利点もある。よつて本考案は従来のこの種
の導体支持装置の問題点を一掃したものとして、
その実用的価値は極めて大きいものがある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示す一部切欠斜視
図、第２図はその使用状態を示す一部切欠斜視
図、第３図は他の使用状態を示す一部切欠斜視図
である。 １：支持体、２：ねじ孔、３：凹陥部、４：取
付けねじ、５：ねじ挿通孔、９：スペーサ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 上面に導体取付用の複数のねじ孔２と、これら
   のねじ孔２の中間に位置する凹陥部３とを備える
   とともに該凹陥部３には下面から挿通される取付
   けねじ４のためのねじ挿通孔５を開口させた絶縁
   性の支持体１と、下端を前記凹陥部３に係合させ
   て前記取付けねじ４によつて支持体１上に垂直に
   固定される保護カバー取付用のスペーサ９とから
   なることを特徴とする導体支持装置。