JPH04550Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は電話加入者線の接続配線に用いられか
つ電話線回路の接触状態を容易にテストまたは検
査を行い得るテストブロツク兼用の電話加入者線
用ターミナルボツクスに関する。

〔従来の技術及びその問題点〕

従来の電話線用ターミナルボツクスは多種多様
提案されているが、殆ど防塵、防水の効果が悪い
上に、容易に他人によつて盗み接続されたりする
問題点があつた。

また、電話加入者線を検査、テストする場合
は、電線をターミナルボツクスの端子から外し、
または電線の皮を剥がしてからテストピースによ
つて検査し、検査修繕後には電線を端子に繋ぎ戻
さなければならず、非常に手間がかかる上に、ボ
ツクス内の配線を混乱させたり、電線を繋ぎ違え
たり、接続不良を起こす等の問題点があつた。

〔問題点を解決するための手段〕

この考案によれば、ターミナルボツクスをボツ
クス本体、端子ブロツクと外蓋より構成した引き
出し式密閉防水型の構造にし、ボツクスの内部に
ボツクス本体の中央部に取付けた端子ブロツクを
取付け、この端子ブロツクの上面の中央部に軸方
向に延びる突起部を設け、この突起部の両側に形
成した低めのブロツクの上面と下面にそれぞれ上
下対応する複数個の端子片を２列配置すると共
に、突起部の上面にブロツクの下面の中央に形成
した凹溝部内に突出した各１対の下方端子片の挿
し込み口と対向するテスト用孔を複数個設けたこ
とを特徴とする。

〔作用〕

この構成により、ターミナルボツクスに局線お
よび電話加入者線を配線した後、ボツクスの防
塵、防水構造により配線を長期間良好な接続状態
に保つことができ、検査または加入者線を増設す
る際は、ケースを簡単に取り外してブロツクを完
全に暴露させて容易に検査または電線の接続を行
うことができると共に、接続状態および通話状態
をテストする場合は、テストピースの脚をテスト
用孔に挿入するだけですぐテストができて、電線
を端子ブロツクの端子から取り外したり、電線の
皮を剥がさずに済むので非常に便利である。

〔実施例〕

以下、この考案の一実施例を図面に基づいて説
明する。

第１図〜第２図に示すように、本考案によるタ
ーミナルボツクスはボツクス本体１、端子ブロツ
ク２および外蓋３の三部材から構成される。

ボツクス本体１は両側壁１ａに上下方向に切り
込んで凹所を形成した切欠部１０を有する上方が
開口する絶縁性函型部材であつて、その内部の底
壁の中央部には長さ方向に沿つて内部に少なくと
も二個のねじ取付台１２と複数条の横方向に平行
状に延びる仕切条１３とを一体成形した端子ブロ
ツク取付用矩形凹溝部１１が形成してあり、この
凹溝部１１の両側壁１４とボツクス本体１の両側
壁１５間には電線収納溝１１０が形成してあり、
収納溝１１０内の底壁の両端部にはボツクス本体
取付孔１１１が設けてある。また、ボツクス本体
１の一端には、外面に局線またはケーブルを導入
する円筒形電線導入孔１７と、加入者電線束を導
入する角筒形電線導入孔１８とが間隔を置いて突
設してある端壁１６ａが、他端には角部が円弧形
に形成した密閉状端壁１６ｂがそれぞれボツクス
本体１と一体成形されてある。なお、ボツクス本
体１の底面外壁には上記凹溝部１１の底面をなす
長さ方向の突起面１９が形成してある（第４図〜
第５図参照）。

端子ブロツク２は第１図〜第４図に示すよう
に、中央部に長さ方向に延びる矩形の突起部２４
を設け端面が凸字形を呈する絶縁性ブロツク本体
２０と、このブロツク本体２０の突起部２４の両
側に上下対応するように該本体の上、下面に２列
ずつ端子ビス２１ａ，２１ｂによつて取付けた複
数個の上、下側端子片２３ａ，２３ｂから成る端
子２３群より構成される。

ブロツク本体２０の上面には２個ずつ１対とし
て直列状に設けられ、それぞれが対応する端子片
２３ａ，２３ｂ間の接続関係をテストするテスト
用孔２５と、適宜位置に設けた２個のブロツク本
体取付孔２７が設けられてあり、このブロツク本
体２０はねじ２６を取付孔２７に挿通し、ボツク
ス本体１のねじ取付台１２のねじ孔にねじ込んで
該ボツクス本体１の凹溝部１１上に取付けてい
る。ブロツク本体２０の下面中央部には上端が上
記テスト用孔２５の下端と連通し、下端が下面に
開口するやや大径の角孔形の空所２０ａが複数個
設けられており、各空所２０ａを仕切板２９ａに
よつて区切つている。

上側端子片２３ａは中央部に端子ビス取付孔を
有する例えば矩形の導電性金属片であつて、ブロ
ツク本体２０の上面両側に一定間隔を置いて一体
成形した複数個の仕切板２８間に設けた凹部２８
ａ内にビス２１ａで固定してあり、下側端子片２
３ｂは一端が中央部に端子ビス取付孔を有し、他
端２３１が上方に延びてその外側面中央部に接点
２３２が設けてあるＬ字形の導電性金属片であつ
て、第３図に示す如く、ブロツク本体２０の下面
両側に一定間隔を置いて一体成形した複数個の二
枚仕切板２９間に形成した凹部２８ｂ内にビス２
１ｂで取付けている。具体的に言えば、端子片２
３ａと２３ｂは端子ビス２１ａと２１ｂにより両
端が上記上、下凹部２８ａ，２８ｂに位置するよ
うにブロツク本体２０を貫通して挿入された導電
性ねじ筒２２の両端に螺着することによつて上、
下凹部２８ａ，２８ｂ内に取付けられてある。こ
のように取付けた左右一対を成す複数対の下側端
子片２３ｂは、第４図に示すようにその自由端部
２３１が互いに対向し各一対の接点２３２が接触
する如くほぼｘ字状に形成していると共に、上、
下側端子片２３ａと２３ｂとは導電性ねじ筒を介
して電気接続関係を保つている。

このようにボツクス本体１内に取付けたブロツ
ク本体２０は、第１図に示すような絶縁性テスト
ピース４の両脚を一対のテスト用孔２５に挿入
し、この孔２５に対応する一対の端子片２３ｂの
接点２３２を端子片２３ｂの弾性力に抗して押し
開いてその電気接触関係を断絶させることができ
る。また、一対の端子片２３ｂのテスト用孔２５
と対向する上端部が成す開口部が逆ハ字状に形成
しているのでテストピース４の両脚が容易に挿入
できる。更に、ボツクス本体１に取付けた後、ブ
ロツク本体２０の下面に設けた各二枚仕切板２９
間の溝部が丁度ボツクス本体１に凹溝部１１内に
設けた各仕切条１３を挟持するように嵌合すると
共に、仕切板２９の外端が凹溝部１１の両側壁１
４に遮断した状態で該両側壁に囲まれるので、各
端子２３の下端部の隔離性と密封性を保ち防水、
防塵効果を得ることができる。

外蓋３は第１図、第４図および第５図に示す如
く、下面に開口部を有すると共にその両側に鍔部
３１を有し、かつ一端が密閉で他端が開口する断
面〓形の絶縁性蓋であり、上記ボツクス本体１と
端子ブロツク２との組立体を引き出し式に着脱可
能に収納している。この外蓋３は下面に開口する
構造と自身の合成樹脂材質が持ち弾性及び引き出
し式摺動嵌合の構造によつて適宜な緊密度でボツ
クス本体１を嵌合収納し、防塵、防水の効果を収
めることができる。

次に本考案のターミナルボツクスの取付け使用
法について説明する。

ターミナルボツクスを壁面に取付ける場合は、
先ず第６図に示すような表面に上記ボツクス本体
１の取付孔１１１と対応するねじ筒部５１を突設
した取付板５をねじまたは釘７によつて壁６に取
付けた後、ねじ８を取付孔１１１を通してねじ筒
部５１に螺着することによつてボツクス本体１を
電線導入孔１７，１８が下方向に向くように取付
板５の上面に取付け、導入孔１７と１８を経てボ
ツクス内に引き込んだ局線と加入者線とをそれぞ
れ端子ブロツク２の両側に各１列に配列した端子
片２３ａに接続し、端子ビス２１ａ，２１ｂと導
電性ねじ筒２２を介して端子片２３ａと電気的に
接続する下側端子片２３ａが相互接触することに
よつて局線と加入者線とを電気的に接続させ、こ
の端子ブロツク２をねじ２６によつてボツクス本
体１の凹溝部１１に嵌合した状態で取付け、然る
後、外蓋３を一端からボツクス本体１に嵌合して
このボツクス本体１とこれに取付けた端子ブロツ
ク２とを蓋３の内部に密封した状態で収納すれば
よい。

このように組立てられかつ壁面に取付けられた
ターミナルボツクスは、局線と加入者線がそれぞ
れ凹溝部１１の両側壁１４とボツクス本体１の両
側壁１ａ間に形成した２箇所の溝状空所に秩序良
く収納され、導入孔１８と１７から下方に引き出
されるのである。

この実施例においてはターミナルボツクスのボ
ツクス本体１が取付板５を介して壁面に取付けて
いるが、この取付板５を使用せずにボツクス本体
１を直接ねじによつて壁面に取付けることもでき
る。

〔考案の効果〕

以上のように構成される本考案によれば、ター
ミナルボツクス全体が防塵、防水、防湿の構造に
構成されると共に、各端子が仕切板によつて隔離
されてあり、端子ブロツクの下面が仕切板、仕切
条および凹溝両側壁によつて下側の端子片を完全
に絶縁隔離するようにボツクス本体の凹溝内に密
着嵌合してあり、更に端子ブロツクの突起部に対
向部が互いに接触して局線と加入者線とを電気的
に連結させる各一対の下側端子片の収納部と連通
するテスト用孔が設けてあり、絶縁脚を有するテ
ストピースをテスト用孔に挿入して一対の端子片
の接触部を押し開いて電気接続関係を遮断し、端
子ビスを取り外さずに容易にテストと検査を行う
ことができる利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す分解斜視図、
第２図は組立後の一部切欠斜視図、第３図は端子
ブロツクを逆さにした状態の斜視図、第４図は第
２図のＡ−Ａ線断面図、第５図は本考案の組立後
逆にした状態の斜視図、第６図は壁に取付けた状
態を示す一部切欠端面図である。 １……ボツクス本体、１１……凹溝部、１３…
…仕切条、１４……凹溝部側壁、１７，１８……
電線導入孔、２……端子ブロツク、２１ａ，２１
ｂ……端子ビス、２２……導電性ねじ筒、２３…
…端子、２３ａ……上側端子片、２３ｂ……下側
端子片、２４……突起部、２５……テスト用孔、
２８，２９……仕切板、３……外蓋、４……テス
トピース。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 両側壁の中央部がやや低目に形成され、一端
   壁に局線導入孔と加入者導入孔とを隔てて設
   け、他端壁が密閉状に形成され、かつ内側底面
   の中央部に端子ブロツク嵌合用凹溝を一体に形
   成した函形の絶縁性ボツクス本体と、ブロツク
   の中央部に長さ方向に延びる突起部を設け、か
   つこの突起の両側に形成する低目の上面と、こ
   れに対応する下面とに複数条の幅方向の仕切板
   によつて複数個に仕切つた端子取付凹部を形成
   し、これら凹部内に上、下対応する上、下側端
   子片を取付けると共に、突起部の上面に一列に
   配置した複数個のテスト用孔を設け、このテス
   ト用孔の下端をブロツク下面に設けた複数個の
   下側端子片収納孔部の上端と連通させ、上、下
   側端子片を端子ビスとねじ筒によつて電気的に
   連接させ、更に各左右一対の下側端子片の上記
   収納孔部に延びる対向端部を接触させてなる端
   面凸字状の絶縁性端子ブロツクと、一端と下面
   が開口し、他端と上面が密閉形に形成され、開
   口した下面両側縁に鍔部を有し、ボツクス本体
   に引き出しのように摺動自在に嵌合できるよう
   にした絶縁性外蓋とから成る電話加入者線用タ
   ーミナルボツクス。 (2) 端子ブロツクの下面に設けた下側端子片取付
   凹部を形成する仕切板を中間に間隔を有する二
   枚仕切板に形成したことを特徴とする実用新案
   登録請求の範囲第１項記載の電話加入者線用タ
   ーミナルボツクス。 (3) ボツクス本体の端子ブロツク嵌合用凹溝の内
   部に、端子ブロツクをこの凹溝内に嵌合した
   時、下側端子片を仕切る上記二枚仕切板がこれ
   に嵌合する複数条の幅方向の仕切条を設けたこ
   とを特徴とする実用新案登録請求の範囲第１項
   記載の電話加入者線用ターミナルボツクス。