JPH0375549A - メッキ鋼板のメッキ付着量およびメッキ被膜組成の測定方法およびその測定装置 - Google Patents

メッキ鋼板のメッキ付着量およびメッキ被膜組成の測定方法およびその測定装置

Info

Publication number
JPH0375549A
JPH0375549A JP1210643A JP21064389A JPH0375549A JP H0375549 A JPH0375549 A JP H0375549A JP 1210643 A JP1210643 A JP 1210643A JP 21064389 A JP21064389 A JP 21064389A JP H0375549 A JPH0375549 A JP H0375549A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wavelength
rays
plated steel
intensity
theoretical
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP1210643A
Other languages
English (en)
Inventor
Katsuyuki Nishifuji
西藤 勝之
Kiyotaka Imai
清隆 今井
Hiroharu Katou
宏晴 加藤
Tadaaki Hattori
服部 忠明
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Engineering Corp
Original Assignee
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NKK Corp, Nippon Kokan Ltd filed Critical NKK Corp
Priority to JP1210643A priority Critical patent/JPH0375549A/ja
Publication of JPH0375549A publication Critical patent/JPH0375549A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Analysing Materials By The Use Of Radiation (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、メッキ鋼板のメッキ付@量及びメッキ被膜組
成をオンラインで測定するメッキ鋼板のメッキ付着量及
びメッキ被膜組成の測定方法およびその測定装置に係わ
り、特に簡便、かつ、高精度に所要とする波長の単色X
線を得ることにより精度良くメッキ鋼板のメッキ付着量
およびメッキ被膜組成の測定する方法およびその測定装
置に関する。
〔従来の技術〕
この種のメッキ鋼板のメッキ付着量やメッキ被膜組成を
測定する場合、蛍光X線分析法が用いられている。この
蛍光X線分析法は、メッキ鋼板にX線を照射した後、メ
ッキ厚さおよびメッキ被膜組成の関数となる蛍光X線の
強度を測定するとともにこの測定値を検量線と比較しな
がら求めるものであって、Znメッキ鋼板やZn−Ni
メッキ鋼板の如くメッキ被膜が下地金属を含まないもの
についてはオンラインでメッキ付着量やメッキ被膜組成
を測定することが可能である。
しかし、近年、Zn−Fe合金メッキ鋼板が耐蝕性、加
工性等に優れた特性を有することが注目されてきている
が、蛍光X線分析法ではメッキ被膜中のFeによる蛍光
X線と下地金属であるFeによる蛍光X線との区別がつ
け難く、このため蛍光X線強度とメッキ付着量、メッキ
被膜組成との関係を対応づけることが困難であるばかり
でなく、オンラインで分析することが難しい。
そこで、従来、以上のような不具合を改善するする方法
として、次の2つの分析法が提案されている。
その1つは、Zn−Fe合金メッキ鋼板上に多数の波長
をもった。いわゆる白色X線を照射した後、そのメッキ
鋼板の下地金属からの蛍光X線がX線侵入深さの点から
実質的に検出できない第1の測定角と、下地金属からの
蛍光X線を検出できる第2の測定角とにそれぞれ検出器
を配置してそれぞれに系列の蛍光X線強度を測定し、こ
の両側定値に基づいてメッキ付着量およびメッキ被膜組
成を求めるオンライン分析法である(特開昭58−22
3047号公報)。
他の1つは、Zn−Fe合金メッキ鋼板において被膜に
よる吸収を利用して下地金属のα−Feの回折X線から
メッキ付着量を求め、さらにメッキ被膜中のZn−Fe
合金相およびη相から選ばれた1つ以上の相の回折X線
強度からメッキ被膜組成を求める方法である(特開昭6
0−169553号公報)。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかし、以上のように2つの分析法のうち、前者による
2つの測定角を用いた蛍光X線分析法では、入射X線と
して白色X線を用いているために次のような問題が指摘
されている。
■−1白色X線中の高エネルギーのXtIsは、メッキ
鋼板被膜中での減衰が小さいために侵入深さが深くなる
性質があり、このため下地金属からの蛍光X線を検出し
得ない第1の測定角度としては5°以内と非常に小さい
角度にする必要がある。
その結果、メッキ鋼板面の上下動、つまりバタツキによ
る測定距離の変動および測定角の変動による蛍光X線強
度の変動が大きく、測定精度が低下する問題がある。
■−2また、メッキ付着量およびメッキ被膜組成は、実
際にメッキ鋼板にX線を入射して得られる実測強度と予
め周知の理論強度計算式に与えて得られる理論強度とを
比較演算して求めることが考えられるが、理論強度の計
算の際にはX線管の経時変化などによる入射X線のスペ
クトル変動の影響を受けるので測定精度が低下する問題
がある。
■−3また、前記実測強度と周知の理論強度計算式から
計算される理論強度との比較演算により分析値を求める
場合、理論強度の計算の際に波長積分が必要になるため
に計算時間が長くなり、測定時間の増加は否めない。
■−4さらに、前記■−3で指摘した問題を回避するた
めに校正曲線を用いて行う方法があるが、この方法では
マトリクス効果を考慮したモデルの作成に20〜30種
類の標準試料が必要になり、非常に煩雑な分析法となら
ざるを得ない。
一方、後者の回折X線による分析法においては、■−1
下地金属のα−Feの回折X線強度は、メッキ付着量だ
けでなく、鋼板の鋼種や板厚、メッキ鋼板の製造条件等
による異なる集合組織やメッキ被膜組成等に依存するこ
とから測定精度の面で問題がある。
■−2一方、合金相の回折X線強度は、メツキ条件によ
り異なり、また溶融メッキ材と電気メッキ材では合金の
構造や組成が異なり、この場合にも同様に十分な測定精
度が得られない。
本発明は上記実情;;鑑みてなされたもので、メッキ鋼
板被膜中慫動の影響を少なくしてオンラインでメッキ付
着量およびメッキ被膜組成を測定でき、かつ、分析精度
の向上および分析時間の短縮化が図れ、少ない標準試料
を用いて確実にメッキ付着量およびメッキ被膜組成を測
定しうるメッキ鋼板のメッキ付着量およびメッキ被膜組
成の測定方法を提供することを目的とする。
また、他の発明である測定装置の目的とするところは、
簡単な構成を用いてオンラインで正確にメッキ付着量お
よびメッキ被膜組成を測定することにある。
〔課題を解決するための手段および作用〕そこで、請求
項1に対応する発明は上記課題を解決するために、メッ
キ鋼板の測定時と同じ光学系を用いるとともに単色X線
をメッキ鋼板の代りに高分子材料(例えばアクリルなど
)或いはガラスなどの如くコンプトン散乱の大きな散乱
板に照射し、かかる散乱板から得られるコンプトン散乱
線の波長を測定する。このとき、前記単色X線の入射角
および受光角から求まるコンプトン散乱による波長シフ
ト量を理論式により補正することにより、測定時に用い
る単色X線の波長を間接的に測定し、この測定値が所望
の波長に校正するように光学系を調整する。そして、こ
の調整された光学系を用いてメッキ鋼板に対し所定の入
射角で単色X線を入射した場合に得られる。2種類の所
定の測定角での分析目的元素のに系列の蛍光X線強度又
は強度比の理論計算式のほか、メッキ付着量およびメッ
キ被膜組成を既知とする標準試料を用いて前記理論計算
式を求めたと同じ条件で蛍光X線強度又は強度比を実測
し、この実測値と前記理論計算式とに基づいて実測値を
理論計算値に換算するための変換係数を予め求めておく
以上のようにして理論計算式および変換係数を求めた後
、メッキ付着量およびメッキ被膜組成を未知とするメッ
キ鋼板に対し、前記所望の波長となるように校正された
単色Xiを用い、かつ、前記理論計算式を求めたのと同
じ測定条件を用いて当該メッキ鋼板に照射し、かかるメ
ッキ鋼板から得られる蛍光X線強度又は強度比を測定し
、その後、この蛍光XR強度又は強度比を変換係数を用
いて理論強度又は強度比に変換する。そして、前記理論
計算式より得られる理論強度又は強度比を、前記変換さ
れた理論強度又は強度比に最も近づける、理論計算式中
のパラメータであるメッキ付着量およびメッキ被膜組成
をもって前記被測定メッキ鋼板のメッキ付着量およびメ
ッキ被膜組成とするものである。
次に、請求項2に対応する発明は、メッキ鋼板の測定時
と同じ光学系を用いるとともに単色X線をメッキ鋼板の
代りに高分子材料(例えばアクリルなど)或いはガラス
などの如くコンプトン散乱の大きな散乱板に照射し、か
かる散乱板から得られるコンプトン散乱線の波長を測定
する。このとき、前記単色X線の入射角および受光角か
ら求まるコンプトン散乱による波長シフト量の補正を、
予め求めておいた校正曲線により行うことにより、測定
時に用いる単色X線の波長を間接的に測定し、この測定
値が所望の波長に校正するように光学系を調整する。そ
して、上記調整された光学系を用いてメッキ鋼板に対し
所定の入射角で単色X線を入射した場合に得られる。2
種類の所定の測定角での分析目的元素のに系列の蛍光X
線強度又は強度比の理論計算式のほか、メッキ付着量お
よびメッキ被膜組成を既知とする標準試料を用いて前記
理論計算式を求めたと同じ条件で蛍光X線強度又は強度
比を実測し、この実測値を理論計算値に換算するための
変換計数を予め求めておく。
以上のようにして理論計算式および変換係数を求めた後
、メッキ付着量およびメッキ被膜組成を未知とするメッ
キ鋼板に対し、前記所望の波長となるように校正された
単色X線を用い、かつ、前記理論計算式を求めたのと同
じ測定条件を用いて当該メッキ鋼板に照射し、かかるメ
ッキ鋼板から得られる蛍光X線強度又は強度比を測定し
、その後、この蛍光X線強度又は強度比を変換係数を用
いて理論強度又は強度比に変換する。そして、前記理論
計算式より得られる理論強度又は強度比を、前記変換さ
れた理論強度又は強度比に最も近づける、理論計算式中
のパラメータであるメッキ付着量およびメッキ被膜組成
をもって前記被測定メッキ鋼板のメッキ付着量およびメ
ッキ被膜組成とするものである。
次に、請求項3に対応する発明は、メッキ鋼板の測定時
と同じ光学系を用いるとともに単色X線をメッキ鋼板の
代りに高分子材料(例えばアクリルなど)或いはガラス
などの如くコンプトン散乱の大きな散乱板に照射し、か
かる散乱板から得られるコンプトン散乱線の波長を測定
する。このとき、前記単色X線の入射角および受光角か
ら求まるコンプトン散乱による波長シフト量を理論式に
より補正することにより、測定時に用いる単色X線の波
長を間接的に測定し、この測定値が所望の波長に校正す
るように光学系を調整する。
一方、前記調整された光学系を用いて予めメッキ鋼板に
所定の入射角で単色X線を入射した場合に得られる、2
種類の所定の測定角での分析目的元素のに系列の蛍光X
線強度又は強度比の検量線をメッキ付着量およびメッキ
被膜組成をパラメータとして求めておき、しかる後、メ
ッキ付着量及びメッキ被膜組成を未知とするメッキ鋼板
に対し、前記所望の波長に校正された単色X線を用い、
かつ、前記検量線を求めたのと同じ測定条件を用いて照
射し、かかる被測定メッキ鋼板から得られる蛍光X線強
度又は強度比を測定する。さらに、検量線より得られる
蛍光X線強度又は強度比に最も近づける、検量線中のパ
ラメータであるメッキ付着量およびメッキ被膜組成をも
って前記被測定メッキ鋼板のメッキ付着量およびメッキ
被膜組成とするものである。
次に、請求項4に対応する発明は、メッキ鋼板の測定時
と同じ光学系を用いるとともに単色X線をメッキ鋼板の
代りに同じ位置に高分子材料(アクリルなど)或いはガ
ラスの如くコンプトン散乱の大きな散乱板に照射し、か
かる散乱板から得られるコンプトン散乱線の波長を測定
する。このとき、コンプトン散乱による波長シフト量の
補正を、予め求めておいた校正曲線により行うことによ
り、測定時に用いる単色X線の波長を間接的に測定し、
この測定値が所望の波長に校正するように光学系を調整
する。
一方、ここで調整された光学系を用いて予めメッキ鋼板
に所定の入射角で単色X線を入射した場合に得られる、
2種類の所定の測定角での分析目的元素のに系列の蛍光
X線強度又は強度比の検量線をメッキ付着量又はメッキ
被膜組成をパラメータとして求めておき、しかる後、メ
ッキ付着量及びメッキ被膜組成を未知とするメッキ鋼板
に対し、前記所望とする波長に校正した単色X線を用い
、かつ、前記検量線を求めたのと同じ測定条件を用いて
照射し、かかるメッキ鋼板から得られる蛍光X線強度又
は強度比を測定する。さらに、検量線より得られる蛍光
X線強度又は強度比に最も近づける、検量線中のパラメ
ータであるメッキ付着量およびメッキ被膜組成をもって
前記被測定メッキ鋼板のメッキ付着量およびメッキ被膜
組成とするものである。
次に、請求項5に対応する発明は、X線を発生するX線
発生装置と、このX線発生装置から発生するX線を単色
化するモノクロメータと、このモノクロメータで単色化
されたX線を前記メッキ鋼板に所定の入射角で入射する
とともに所定の受光角で受光するスリット系と、前記メ
ッキ鋼板から発生する分析目的元素のに系列蛍光X線強
度を異なる角度で測定する2個の検出器と、これらの測
定系を、強いコンプトン散乱線を発生する散乱板上と前
記メッキ鋼板上との間を適宜移動させるトラバース機構
と、このトラバース機構による前記測定系の前記散乱板
上への設定時、前記単色X線の入射によって前記散乱板
から散乱された散乱線の波長から理論式を用いて前記散
乱板に入射した単色X線の波長を求める波長変換手段と
、この波長変換手段によって求めた波長が所望の波長と
なるように前記測定系を構成する光学系を調整する波長
調整手段と、この波長調整手段によって調整声れた測定
系で得られるべき理論強度又は強度比の理論計算式を記
憶する手段と、前記波長調整手段によって光学系を調整
した前記測定系を用いて実際に測定された蛍光X線強度
又は強度比を理論強度又は強度比に変換する手段と、こ
の変換された理論強度又は強度比と理論計算式により得
られる理論強度又は強度比の差を最小にするメッキ付着
量およびメッキ被膜組成を求める手段とを備えたもので
ある。
従って、以上のような手段を講じたことにより、メッキ
鋼板の測定時と同じ光学系を用いて、単色X線をコンプ
トン散乱の大きな散乱板に照射してコンプトン散乱線の
波長を測定し、その散乱角から求まるコンプトン散乱に
よる波長シフト量を理論式に基づいて補正することによ
り、測定時に用いるメッキ鋼板に照射する単色X線の波
長を間接的に測定し、その値に応じて前記光学系を調整
して所望の波長に校正する。しかる後、X線発生装置か
ら発生されたX線をスリットを通してモノクロメータで
前記校正された波長の単色X線を得、この単色X線を所
定の入射角でメッキ鋼板へ入射し、これによってメッキ
鋼板から発生する分析目的元素のに系列蛍光X線強度を
2個の検出器を用いて異なる所定の受光角で検出する。
そして、この2個の検出器で測定した蛍光X線強度又は
強度比を理論強度又は強度比に変換し、またメッキ付着
量およびメッキ被膜組成を可変パラメータとして理論計
算式により理論強度又は強度比を計算し、この計算値が
前記変換値に最も近づくパラメータから被測定メッキ鋼
板のメッキ付着量およびメッキ被膜組成を得るものであ
る。
さらに、請求項6に対応する発明は、請求項5の散乱板
に入射した単色X線の波長を理論式に基づいて求める代
わりに、予め求めておいた校正曲線を用いて求める波長
変換手段を設けた構成であり、その他の点を除けば構成
および作用は請求項5と同じである。
さらに、請求項7に対応する発明は、X線発生装置、モ
ノクロメータ、スリット系、2個の検出器および前記理
論式を用いた波長変換手段のほか、メッキ鋼板の測定系
で得られべき理論強度又は強度比の検量線を記憶する手
段と、実際に測定される蛍光X線強度又は強度比の差を
最小とするメッキ付着量およびメッキ被膜組成を求める
手段とを備えたものである。
この装置においては、理論計算式に代えて検量線を用い
て上記とほぼ同一の信号処理手段により、被測定メッキ
鋼板のメッキ付着量およびメッキ被膜組成を測定する。
さらに、請求項8に対応する発明は、メッキ鋼板の測定
系で得られべき理論強度又は強度比の検量線を記憶する
手段を有する点は請求項7と同じであり、特に請求項7
と異なるところは理論式に代えて予め求めておいた校正
曲線を用いて求める波長変換手段を設けたことにあり、
その他の点を除けば構成および作用は請求項7と同じで
ある。
〔実施例〕
以下、本発明の詳細な説明するに先立ち、オンライン測
定に適したものとするために、次のような条件を満たす
測定系で構成するものとする。
(イ) 入射X線は市販のX線管を用いて十分な蛍光X
線強度が得られること。
(ロ) X線入射角、蛍光X線の受光角等の測定角はオ
ンラインで実現可能な測定角、つまり5゜以上とするこ
と。
また、メッキ鋼板から発生する蛍光X線の強度は放射線
検出器で測定するが、望ましくは半導体検出器を用いて
測定する。
以下、Zn−Fe合金メッキ鋼板のメッキ付着量および
メッキ被膜′組成(F%)を測定する方法の実施例につ
いて説明する。
先ず、X線管から発生したX線をモノクロメータに照射
したとき、当該モノクロメータから所望とする波長の単
色X線を得る必要から、コンプトン散乱の大きな散乱板
を用いて測定時と同一の光学系を用いて当該光学系の各
要素の位置を調整設定する。この具体的方法は、トラバ
ース機構を用いてメッキ鋼板の測定に使用する光学系を
内蔵する測定ヘッドをメッキ鋼板上から散乱板上の所定
位置に移動設定する。この散乱板は高分子材料(例えば
アクリルなど)或いはガラスなどの如きコンプトン散乱
の大きな材料を用いる。
このようにして光学系を設定した後、測定ヘッドのX線
管から発生したX線をモノクロメータに照射し、このと
きモノクロメータから得られる単色X線を前記散乱板に
照射する。そして、この散乱板から得られるコンプトン
散乱線の波長λCCλ]を測定する。しかる後、散乱板
への単色X線の入射角φおよび散乱線の散乱受光角ψを
用いて以下の理論式により、散乱板への入射X線の波長
λ [入]を求める。
λ−λc −0,0488sln21(φ十ψ)/2+
[λコ・・・(1) そして、この波長λと所望とする波長とのずれ量(波長
シフト量〉を求めた後、このλが所望とする波長となる
ように前記測定ヘッド内の光学系の構成要素であるX線
管、モノクロメータおよびスリット系等の角度および位
置等を調整する。ここで、λが所望とする波長となった
ならば、再びトラバース機構を用いて、前記測定ヘッド
を散乱板上からメッキ鋼板上の所定位置に移動設定し、
メッキ鋼板の本来のall定に入る。なお、説明の便宜
上、1測定角のみの光学系について述べたが、実際には
2つの測定角について所望の波長が得られるように光学
系を調整するものである。
しかして、以上のようにしてモノクロメータから所望の
波長の単色X線を発生するように光学系を調整した後、
X線管からモノクロメータにX線を照射する。そして、
第1図および第2図に示す如くモノクロメータから単色
化された所望の波長λ1.λ2のX線を得た後、被測定
メッキ鋼板11上に入射角φ1.φ2で入射し、このと
きメッキ鋼板11から発生するFeka線の強度および
Znkαの強度を受光角ψ1゜ψ2をもって測定する。
そこで、この測定角(φ1.ψ1)の条件下で測定した
Feka線強度、Znka線強度をそれぞれI↓e+I
Zaとし、また測定角(φ2.ψ2)の条件下で測定し
たFeka線強度、Znka線強度をx、、、xLとし
、X、−1シ、/I)いX2−1≠、/I亜7なる演算
を行う(ステップS2)。さらに、このX、。
X2を用いて理論値Y、、Y2に変換する。ここで、X
、、X2を理論値Y、、Y2に変換するに際し、この理
論値とは測定条件を同じくするX線波長、X線強度、幾
何学的条件等で測定した場合に得られる蛍光X線強度を
、メッキ鋼板のメッキ付着量およびメッキ被膜組成をパ
ラメータとして理論計算式により計算し、この値に基づ
いて前記X、、X2に対応する値として求めたものであ
る。
実際の測定値は検出器の感度特性、スリット系の影響等
によりこれら理論強度とは異なった値となる。
そこで、本発明方法では、以下の理論計算式を用いて実
測値X、、X2を理論値Y、、Y2に変換する(ステッ
プS2)。
Y、ma、X、+b。
Y2mll、x2+b2 なお、上式においてal +  a2 r  bl r
  b2は変換係数であって、これは予めメッキ付着量
およびメッキ被膜組成を既知とする標準試料を用い、前
記理論計算式を求めたのと同じ条件で蛍光X線強度又は
強度比を実測し、この実測値を前記理論計算式を用いて
理論強度又は強度比に換算することにより求める。すな
わち、標準試料のメッキ付着量およびメッキ被膜組成を
用いて理論計算式で計算した値をY、、Ylとし、実測
蛍光X線強度から計算したX、、X、との間に上記式が
成立するように、回帰分析等によって変換係数a。
”2 r  bl +  b2を予め求めておく。
このように理論計算式を使用し、実際の測定系との差を
標準試料を使用して校正する方法を採用したので、少な
い標準試料を用いてメッキ付着量およびメッキ被膜組成
と蛍光X線強度又は強度比の関係式を求めることができ
る。
次に、ステップS2において理論値Y、、Y2を求めた
ならば、引き続き、メッキ付着量およびFe%を可変し
たパラメータPk(k−1)を用いて、既存の蛍光X線
強度計算式から上記Y、、Y2に対応するY、、Yl 
を求める(ステップS3゜S4)。しかる後、ステップ
S5に移行し、ここでは、 (Ys  −Yl  )  2 +  (Yl   Y
l   )  2なる演算を行い、さらにパラメータP
kを変えて同様な演算を行い(ステップS6.S4.S
5)、これら演算値の中で最も小さくなる演算値のとき
のパラメータの値を決定しくステップS7)、この決定
パラメータ値をもってメッキ付着量およびFe%とする
ことにより、メッキ鋼板11のメッキ付着量およびメッ
キ被膜組成を得るものである。
次に、以上ような測定方法を用いたときの分析結果につ
いて具体的に説明する。今、Xlの測定条件として例え
ば入射X線の波長λI −1,26入、測定角(φ1.
ψ、)−(15@、45’)とし、X2の測定条件とし
て例えば入射X線の波長λ2”0.71入、測定角(φ
2.ψ2)−(75”、60″)とする。なお、Xlに
対してはタングステンターゲットを持つX線管を、X2
に対してはモリブデンターゲットを持つX線管を用いれ
ば、波長λ1.λ2はそれぞれWLβ線。
M o kα線近傍の波長となり、前述した条件(イ)
を満足させることができる。
一方、2つの測定角のうち低角度側の測定角(φ1.ψ
1)は、メッキ被膜に対する減衰が大きく侵入深さが小
さい波長λ1−1.26入を用いているために(15’
 、45@)となり、前述した条件(ロ)を十分に満足
する測定角とすることができ、その結果、メッキ鋼板1
1のバタッキによる測定距離変動および測定角変動の影
響を小さくできる。
なお、XlとX2で、メッキ付着量およびFe%に対す
る特性に差があるほど精度が向上するので、λ2はλ1
に比べてメッキ被膜に対する減衰が小さい波長とし、測
定角(φ2.ψ2)も(φ1.ψ1)に比べて大きい角
度とし、蛍光X線を検出できる最大深さ、つまり分析深
さを大きくした。さらに、測定距離変動を小さくするた
めには、入射X線のビーム径を小さくシ、かつ、検出器
の視野を大きくし、測定距離変動に拘らず入射X線を照
射している全ての部分からの蛍光X線を検出することが
望ましい。そこで、入射側はφ2.0〜5.0+mのピ
ンホールコリメータ、受光側は検出器の窓を開放とする
ことにより実現できる。
さらに、他のもう1つの発明方法としては、理論式を用
いた波長校正に代えて、例えば後述する第8図に示す如
くコンプトン散乱線の波長と散乱前の入射X線の波長と
の関係を定めた校正曲線に基づいて波長校正を行っても
よい。また、多数の標準試料を使用することが可能な場
合、前記理論計算式に代えて標準試料を使用してメッキ
付着量およびメッキ被膜組成と蛍光X線強度又は強度比
の関係式、すなわち検量線を用いて被測定メッキ鋼板1
1のメッキ付着量およびメッキ被膜組成を求めてもよい
次に、本発明装置の実施例について第3図及び第4図を
参照して説明する。第3図は単色X線の波長を所望の波
長となるように測定時の光学系と同一の光学系を調整す
る図であり、第4図はメッキ鋼板の測定の様子を示した
図である。なお、第3図は説明の便宜上、1つの測定角
の調整について示している。
第3図において12は測定ヘッドであって、このヘッド
12には当該測定ヘッド12をメッキ鋼板ll上から校
正位置である散乱板13上へ、或いは散乱板13上から
測定位置であるメッキ鋼板11上へ移動させるトラバー
ス機構14と、X線管21から発生されたX線をコリメ
ータ22を通してモノクロメータ23へ入射して単色X
線を得た後、この単色X線をピンホールコリメータ24
を通して散乱板13に入射し、このとき散乱板13から
得られる散乱線の波長を平板スリット25および検出器
26を検出することにより散乱前の単色X線の波長を求
める波長変換手段15と、この波長変換手段15で得ら
れた波長を所望の波長となるように光学系、つまりX線
管21.コリメータ22.モノクロメータ23等々を位
置及び角度調整することにより波長校正を行う波長調整
機構16とが設けられている。
なお、測定ヘッド12には1つの光学系のみ示したが、
実際は第4図に示す如く2つの光学系が配置され、波長
校正後にトラバース機構14により第4図の如くメッキ
鋼板11上に移動させるようになっている。
すなわち、この測定ヘッド12には所定の方向にX線を
発生する2個のX線管21.31と、このX線管21.
31からコリメータ22.32を介して入射される白色
X線を単色化し、かつ、この単色化処理したX線を所望
の入射角度でメッキ鋼板11へ入射するモノクロメータ
23,33と、この単色X線をメッキ鋼板11へ入射す
るコリメータ24.34と、メッキ鋼板11から得られ
た蛍光X線強度を幅可変の平板スリット25.35を介
して測定する検出器26.36とによって構成されてい
る。なお、コリメータ24は測定距離変動の影響を小さ
くするためにピンホールコリメータが望ましい。また、
これらX線管21,31、モノクロメータ23,33、
コリメータ22゜32.24.34、スリット25,3
5、検出器26.36等は駆動制御部17からの駆動制
御信号で位置調整可能となっている。
18は信号処理手段であって、これは2個の検出器26
.36で測定された蛍光X線強度又は強度比を理論強度
又は強度比、つまり理論値に変換する理論値変換手段1
8a1メッキ付着量およびFe%を可変パラメータとし
て既存の蛍光X線強度計算式により理論値を計算して記
憶する理論値計算手段18b1前記理論値変換手段18
aで得た理論値と理論値計算手段18bで得られた理論
値とが等しくなるパラメータを決定するパラメータ値決
定手段18c等によって構成され、このパラメータ値を
メッキ付着量およびメッキ被膜組成とすることにより、
メッキ鋼板のメッキ付着量およびメッキ被膜組成を得る
ものである。
次に、以上のように構成された装置の動作を説明する。
先ず、波長校正を行う場合には、トラバース機構14に
より測定ヘッド12全体を校正位置である第3図の散乱
板13上に設定した後、X線管21.31から散乱板1
3に照射し、このとき散乱板13から得られるコンプト
ン散乱線を検出器26.36で検出する。そして、この
コンブトン散乱線から波長変換手段15にて前記理論式
を適用してモノクロメータ23,33で単色化されたX
線の波長を求めた後、この波長が所望の波長になるよう
に波長調整機構16で光学系を調整する。この波長校正
終了後、トラバース機構14を用いて測定ヘッド12を
測定位置へ移動する。
しかして、測定時においては、2つのX線管21.31
から白色X線を発生すると、この白色X線はコリメータ
22.32を通り、モノクロメータ23.33で単色化
された後、メッキ鋼板11にそれぞれ入射角φ、−10
°〜30゜φ2=45”〜90″なる角度で照射される
。なお、X線管21としてタングステンターゲットを用
い、これによりモノクロメータ23からメッキ被膜に対
して減衰が大きいWLβ線近傍の波長のX線を取り出し
てメッキ鋼板11への入射X線とし、一方、X線管31
側ではモリブデンターゲットを用い、これによりモノク
ロメータ33からWLβ線に比べてメッキ被膜に対して
減衰がはるかに小さいM o kα線近傍の波長のX線
を取り出してメッキ鋼板11への入射X線とする。
そして、以上のように単色化処理されたX線を照射後、
メッキ鋼板11から発生するZn、Feのka線強度を
それぞれ受光角ψ1−30”〜60°、ψ2−45°〜
90″の角度をもって検出器26.36で検出する。し
かる後、理論値変換手段18aを用いて雨検出器26.
36で得られた蛍光X線強度等に基づいて前記X、、X
2を求めた後、これを理論値に変換し、パラメータ値決
定手段118Cに送出する。一方、理論値計算手段18
bではメッキ付着量およびFe%を順次可変パラメータ
としながら既存の蛍光X線強度計算式により理論値を求
めながらパラメータ値決定手段18cに送出する。そこ
で、このパラメータ値決定手段18cでは、理論値変換
手段18aから送られてくる理論値と理論値計算手段1
8bによってパラメータを変えて得られる理論値とを用
いて所定の演算を実行し、両理論値が等しくなるときの
パラメータ値を決定し、このパラメータ値からメッキ鋼
板11のメッキ付着量およびメッキ被膜組成を得るもの
である。
ちなみに、第5図はある特定の散乱角について、理論式
によるコンプトン散乱線の波長と散乱前の入射X線の波
長との関係を実測値と共に示した図であるが、この実測
値がほぼ適正値を示していることが分かる。また、第6
図および第7図は、第4図の装置を用いて得られた分析
結果を示す図である。なお、この第6図および第7図は
第3図の波長校正手段、つまりモノクロメータ23,3
3、散乱板13、波長変換手段15、波長調整機構16
等を用いることにより、波長λl−1.26入、λ2−
0.71λとし、かつ、それぞれのDJ定角を(φ1.
ψ、)−(15°、45°)(<62 、  ψ2)−
(75’ 、60’ )とシタ例であって、そのうち第
6図はメッキ付着量、第7図はメッキ被膜組成を示す。
従って、これらの図から明らかなように、測定距離変動
、測定角度変動および温湿度変動等を加わる実ラインで
あるにも拘らず、測定時間10秒という短い時間で高精
度に測定できる。また、この分析値はFeまたはZnの
蛍光X線強度ではなく、FeおよびZnの蛍光X線の強
度比から求めたが、この強度比を取ることにより温湿度
変動、経時変化の影響を低減できる。
なお、上記実施例の装置では、波長校正として理論式に
よりコンプトンシフトの補正を行ったが、この理論式に
代えて予め例えば第8図に示す如くコンプトン散乱線の
波長と散乱前の入射X線の波長との関係を定めた校正曲
線に基づいて波長校正を行ってもよい。また、上記実施
例の装置ではメッキ付着量およびメッキ被膜組成を求め
るに際して理論計算式を用いたが、それに代えて検量線
を用いて行ってもよい。
その他、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々変形
して実施できる。
〔発明の効果〕
以上説明したように本発明によれば次に述べるように種
々の効果を奏する。
先ず、請求項1〜4の発明においては、波長校正手段を
用いて波長校正を行うようにしたので、オンライン測定
において単色X線の波長を高精度に設定でき、精度の良
い測定を行なうことが可能となり、また単色化処理によ
ってメッキ被膜による吸収の大きな波長のX線を取り出
してメッキ鋼板に照射するので、従来に比べて大きな測
定角で蛍光xI11強度を測定でき、メッキ鋼板のバタ
ッキによる測定距離変動および測定角変動の影響が少な
く、かつ、入射X線のスペクトル変動の影響が小さく、
また波長積分を必要としないので測定精度の向上および
測定時間の短縮化を図ることができる。また、測定上必
要な標準試料は実測値から理論値への変換パラメータを
求めるために数種類でよく、オンラインに適するものと
することができる。
次に、請求項5〜8の発明においては、単色X線の波長
を簡単、かつ、精度よく校正でき、しかも非常に簡単な
構成によりオンラインでメッキ鋼板のメッキ付着量およ
びメッキ被膜組成を高精度に測定でき、メッキ製品の品
質向上に大きく貢献させることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明方法を用いたときのXfiとメッキ鋼板
との関係を示す図、第2図は同じく本発明方法による分
析動作を説明する図、第3図は本発明装置による波長校
正時の構成を示す図、第4図は測定時の本発明装置の構
成を示す図、第5図はある特定の散乱角におけるコンプ
トン散乱線の波長と単色化された入射X線の波長との理
論的関係を示す図、第6図および第7図は本発明装置を
用いて得られる分析結果を示す図、第8図はコンプトン
散乱線の波長から単色化された入射X線の波長を求める
校正曲線図である。 11・・・メッキ鋼板、12・・・測定ヘッド、21゜
31−X II管(X線発生装置)  23.33−・
・モノクロメータ、26.36・・・検出器、14・・
・トラバース機構、15・・・波長変換手段、16・・
・波長調整機構、17・・・駆動制御部、18・・・信
号処理手段、18a・・・理論値変換手段、18b・・
・理論値計算手段、18c・・・パラメータ値決定手段

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)以下の(a)〜(e)の工程から成る被測定メッ
    キ鋼板のメッキ付着量およびメッキ被膜組成の測定方法
    。 (a)メッキ鋼板の測定時と同じ光学系を用いて、コン
    プトン散乱の大きな材料の散乱板に単色X線を照射し、
    このとき散乱板から散乱するコンプトン散乱線の波長か
    ら理論式に基づいて前記単色X線の波長を間接的に測定
    し、この測定波長が所望の波長となるように前記光学系
    を調整する波長校正工程、 (b)この波長校正工程で調整された光学系を用いてメ
    ッキ鋼板に所定の入射角で単色のX線を入射した場合に
    得られる2種類の所定の測定角での、分析目的元素のK
    系列の蛍光X線強度又は強度比の理論計算式を予め定め
    ておく工程、 (c)メッキ付着量およびメッキ被膜組成が既知の標準
    試料を用い、前記理論計算式を求めたのと同じ条件で、
    蛍光X線強度又は強度比を実測し、この実測値と前記理
    論計算式とから前記実測値を理論計算値に換算する変換
    係数を予め求めておく工程、 (d)前記理論計算式を求めたのと同じ条件で、メッキ
    付着量およびメッキ被膜組成が未知のメッキ鋼板から得
    られる前記蛍光X線強度又は強度比を測定し、前記変換
    係数を使用して理論強度又は強度比に変換する工程、 (e)前記理論計算式から得られる理論強度又は強度比
    を、前記変換された理論強度又は強度比に最も近づける
    、理論計算式中のパラメータであるメッキ付着量および
    被膜組成を、前記被測定メッキ鋼板のメッキ付着量およ
    びメッキ被膜組成とする工程。
  2. (2)以下の(a)〜(e)の工程から成る被測定メッ
    キ鋼板のメッキ付着量およびメッキ被膜組成の測定方法
    。 (a)メッキ鋼板の測定時と同じ光学系を用いて、コン
    プトン散乱の大きな材料の散乱板に照射し、このとき散
    乱板から散乱するコンプトン散乱線の波長から予め求め
    ておいた校正曲線に基づいて前記単色X線の波長を間接
    的に測定し、この測定波長が所望の波長となるように前
    記光学系を調整する波長校正工程、 (b)この波長校正工程で調整された光学系を用いてメ
    ッキ鋼板に所定の入射角で単色のX線を入射した場合に
    得られる2種類の所定の測定角での、分析目的元素のK
    系列の蛍光X線強度又は強度比の理論計算式を予め定め
    ておく工程、 (c)メッキ付着量およびメッキ被膜組成が既知の標準
    試料を用い、前記理論計算式を求めたのと同じ条件で、
    蛍光X線強度又は強度比を実測し、この実測値と前記理
    論計算式とから前記実測値を理論計算値に換算する変換
    係数を予め求めておく工程、 (d)前記理論計算式を求めたのと同じ条件で、メッキ
    付着量およびメッキ被膜組成が未知のメッキ鋼板から得
    られる前記蛍光X線強度又は強度比を測定し、前記変換
    係数を使用して理論強度又は強度比に変換する工程、 (e)理論計算式から得られる理論強度又は強度比を、
    前記変換された理論強度又は強度比に最も近づける、理
    論計算式中のパラメータであるメッキ付着量および被膜
    組成を、前記被測定メッキ鋼板のメッキ付着量およびメ
    ッキ被膜組成とする工程。
  3. (3)以下の(a)〜(d)の工程から成る被測定メッ
    キ鋼板のメッキ付着量およびメッキ被膜組成の測定方法
    。 (a)メッキ鋼板の測定時と同じ光学系を用いて、コン
    プトン散乱の大きな材料の散乱板に単色X線を照射し、
    このとき散乱板から散乱するコンプトン散乱線の波長か
    ら理論式に基づいて前記単色X線の波長を間接的に測定
    し、この測定波長が所望の波長となるように前記光学系
    を調整する波長校正工程、 (b)この波長校正工程で調整された光学系を用いてメ
    ッキ鋼板に所定の入射角で単色のX線を入射した場合に
    得られる2種類の所定の測定角での、分析目的元素のK
    系列の蛍光X線強度又は強度比の検量線をメッキ付着量
    およびメッキ被膜組成をパラメータとして予め求めてお
    く工程、(c)前記検量線を求めたのと同じ条件で、メ
    ッキ付着量およびメッキ被膜組成が未知のメッキ鋼板か
    ら得られる前記蛍光X線強度又は強度比を測定する工程
    、 (d)前記検量線から得られる蛍光X線強度又は強度比
    を、前記測定された蛍光X線強度又は強度比に最も近づ
    ける、検量線中のパラメータであるメッキ付着量および
    メッキ被膜組成を、前記被測定メッキ鋼板のメッキ付着
    量およびメッキ被膜組成とする工程。
  4. (4)以下の(a)〜(d)の工程から成る被測定メッ
    キ鋼板のメッキ付着量およびメッキ被膜組成の測定方法
    。 (a)メッキ鋼板の測定時と同じ光学系を用いて、コン
    プトン散乱の大きな材料の散乱板に照射し、このとき散
    乱板から散乱するコンプトン散乱線の波長から予め求め
    ておいた校正曲線に基づいて前記単色X線の波長を間接
    的に測定し、この測定波長が所望の波長となるように前
    記光学系を調整する波長校正工程、 (b)この波長校正工程で調整された光学系を用いてメ
    ッキ鋼板に所定の入射角で単色のX線を入射した場合に
    得られる2種類の所定の測定角での、分析目的元素のK
    系列の蛍光X線強度又は強度比の検量線をメッキ付着量
    およびメッキ被膜組成をパラメータとして予め求めてお
    く工程、(c)前記検量線を求めたのと同じ条件で、メ
    ッキ付着量およびメッキ被膜組成が未知の被測定メッキ
    鋼板から得られる前記蛍光X線強度又は強度比を測定す
    る工程、 (d)前記検量線から得られる蛍光X線強度又は強度比
    を、前記測定された蛍光X線強度又は強度比に最も近づ
    ける、検量線中のパラメータであるメッキ付着量および
    メッキ被膜組成を、前記被測定メッキ鋼板のメッキ付着
    量およびメッキ被膜組成とする工程。
  5. (5)X線を発生するX線発生装置と、このX線発生装
    置から発生するX線を単色化するモノクロメータと、こ
    のモノクロメータで単色化されたX線を前記メッキ鋼板
    に所定の入射角で入射するとともに所定の受光角で受光
    するスリット系と、前記メッキ鋼板から発生する分析目
    的元素のK系列蛍光X線強度を異なる角度で測定する2
    個の検出器と、これらの測定系を、強いコンプトン散乱
    線を発生する散乱板上と前記メッキ鋼板上との間を適宜
    移動させるトラバース機構と、このトラバース機構によ
    る前記測定系の前記散乱板上への設定時、前記単色X線
    の入射によって前記散乱板から散乱された散乱線の波長
    から理論式を用いて前記散乱板に入射した単色X線の波
    長を求める波長変換手段と、この波長変換手段によって
    求めた波長が所望の波長となるように前記測定系を構成
    する光学系を調整する波長調整手段と、この波長調整手
    段によって調整された測定系で得られるべき理論強度又
    は強度比の理論計算式を記憶する手段と、前記波長調整
    手段によって光学系を調整した前記測定系を用いて実際
    に測定された蛍光X線強度又は強度比を理論強度又は強
    度比に変換する手段と、この変換された理論強度又は強
    度比と理論計算式により得られる理論強度又は強度比の
    差を最小にするメッキ付着量およびメッキ被膜組成を求
    める手段とを有してなるメッキ鋼板のメッキ付着量およ
    びメッキ被膜組成の測定装置。
  6. (6)X線を発生するX線発生装置と、このX線発生装
    置から発生するX線を単色化するモノクロメータと、こ
    のモノクロメータで単色化されたX線を前記メッキ鋼板
    に所定の入射角で入射するとともに所定の受光角で受光
    するスリット系と、前記メッキ鋼板から発生する分析目
    的元素のK系列蛍光X線強度を異なる角度で測定する2
    個の検出器と、これらの測定系を、強いコンプトン散乱
    線を発生する散乱板上と前記メッキ鋼板上との間を適宜
    移動させるトラバース機構と、このトラバース機構によ
    る前記測定系の前記散乱板上への設定時、前記単色X線
    の入射によって前記散乱板から散乱された散乱線の波長
    から予め求めておいた校正曲線を用いて前記散乱板に入
    射した単色X線の波長を求める波長変換手段と、この波
    長変換手段によって求めた波長が所望の波長となるよう
    に前記測定系を構成する光学系を調整する波長調整手段
    と、この波長調整手段によって調整された測定系で得ら
    れるべき理論強度又は強度比の理論計算式を記憶する手
    段と、前記波長調整手段によって光学系を調整した前記
    測定系を用いて実際に測定された蛍光X線強度または強
    度比を理論強度又は強度比に変換する手段と、この変換
    された理論強度又は強度比と理論計算式により得られる
    理論強度又は強度比との差を最小にするメッキ付着量お
    よびメッキ被膜組成を求める手段とを有してなるメッキ
    鋼板のメッキ付着量およびメッキ被膜組成の測定装置。
  7. (7)X線を発生するX線発生装置と、このX線発生装
    置から発生するX線を単色化するモノクロメータと、こ
    のモノクロメータで単色化されたX線を前記メッキ鋼板
    に所定の入射角で投射するとともに所定の受光角で受光
    するスリット系と、前記メッキ鋼板から発生する分析目
    的元素のK系列蛍光X線強度を異なる角度で測定する2
    個の検出器と、これらの測定系を、強いコンプトン散乱
    線を発生する散乱板上と前記メッキ鋼板上との間を適宜
    移動させるトラバース機構と、このトラバース機構によ
    る前記測定系の前記散乱板上への設定時、前記単色X線
    の入射によって前記散乱板から散乱された散乱線の波長
    から理論式を用いて前記散乱板に入射した単色X線の波
    長を求める波長変換手段と、この波長変換手段によって
    求めた波長が所望の波長となるように前記測定系を構成
    する光学系を調整する波長調整手段と、この波長調整手
    段によって調整された測定系で得られるべき理論強度又
    は強度比の検量線を記憶する手段と、前記波長調整手段
    によって光学系を調整した前記測定系を用いて実際に測
    定された蛍光X線強度又は強度比と検量線より得られる
    蛍光X線強度又は強度比の差を最小にするメッキ付着量
    およびメッキ被膜組成を求める手段とを有してなるメッ
    キ鋼板のメッキ付着量およびメッキ被膜組成の測定装置
  8. (8)X線を発生するX線発生装置と、このX線発生装
    置から発生するX線を単色化するモノクロメータと、こ
    のモノクロメータで単色化されたX線を前記メッキ鋼板
    に所定の入射角で投射するとともに所定の受光角で受光
    するスリット系と、前記メッキ鋼板から発生する分析目
    的元素のK系列蛍光X線強度を異なる角度で測定する2
    個の検出器と、これらの測定系を、強いコンプトン散乱
    線を発生する散乱板上と前記メッキ鋼板上との間を適宜
    移動させるトラバース機構と、このトラバース機構によ
    る前記測定系の前記散乱板上への設定時、前記単色X線
    の入射によって前記散乱板から散乱された散乱線の波長
    から予め求めておいた校正曲線を用いて前記散乱板に入
    射した単色X線の波長を求める波長変換手段と、この波
    長変換手段によって求めた波長が所望の波長となるよう
    に前記測定系を構成する光学系を調整する波長調整手段
    と、この波長調整手段によって調整された測定系で得ら
    れるべき理論強度又は強度比の検量線を記憶する手段と
    、前記波長調整手段によって光学系を調整した前記測定
    系を用いて実際に測定される蛍光X線強度又は強度比と
    検量線より得られる蛍光X線強度又は強度比の差を最小
    にするメッキ付着量及びメッキ被膜組成を求める手段と
    を有してなるメッキ鋼板のメッキ付着量およびメッキ被
    膜組成の測定装置。
  9. (9)スリット系は、入射側にピンホールコリメータ、
    受光側に幅可変の平板スリットを有してなる請求項5な
    いし請求項8の何かに記載のメッキ鋼板のメッキ付着量
    およびメッキ被膜組成の測定装置。
JP1210643A 1989-08-17 1989-08-17 メッキ鋼板のメッキ付着量およびメッキ被膜組成の測定方法およびその測定装置 Pending JPH0375549A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1210643A JPH0375549A (ja) 1989-08-17 1989-08-17 メッキ鋼板のメッキ付着量およびメッキ被膜組成の測定方法およびその測定装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1210643A JPH0375549A (ja) 1989-08-17 1989-08-17 メッキ鋼板のメッキ付着量およびメッキ被膜組成の測定方法およびその測定装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0375549A true JPH0375549A (ja) 1991-03-29

Family

ID=16592707

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1210643A Pending JPH0375549A (ja) 1989-08-17 1989-08-17 メッキ鋼板のメッキ付着量およびメッキ被膜組成の測定方法およびその測定装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0375549A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5521437A (en) * 1993-07-05 1996-05-28 Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha Semiconductor power module having an improved composite board and method of fabricating the same

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5521437A (en) * 1993-07-05 1996-05-28 Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha Semiconductor power module having an improved composite board and method of fabricating the same

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR900008955B1 (ko) 합금피막의 피막두께 및 조성 측정방법
RU2390764C2 (ru) Рентгеновский флуоресцентный спектрометр
EP0389774B1 (en) Method of measuring plating amount and plating film composition of plated steel plate and apparatus therefor
CN107110798B (zh) 掠入射荧光x射线分析装置和方法
Kulow et al. A new experimental setup for time-and laterally-resolved X-ray absorption fine structure spectroscopy in a ‘single shot’
US20090268877A1 (en) Method and system for calibrating an x-ray photoelectron spectroscopy measurement
TWI329736B (en) X-ray scattering with a polychromatic source
US5579362A (en) Method of and apparatus for the quantitative measurement of paint coating
JPH0660879B2 (ja) 被膜の厚みと組成の同時分析法
JPH0375549A (ja) メッキ鋼板のメッキ付着量およびメッキ被膜組成の測定方法およびその測定装置
EP1521947B1 (en) Scatter spectra method for x-ray fluorescent analysis with optical components
JP2006313132A (ja) 試料分析方法およびx線分析装置
JPH02257045A (ja) メッキ鋼板のメッキ付着量およびメッキ被膜組成の測定方法およびその測定装置
JPS61210932A (ja) 積層体の螢光x線分析方法及び装置
JPH0576574B2 (ja)
JPH0288952A (ja) 組織を分析する方法および装置
Malzer 3D micro X-ray fluorescence analysis
KR100489298B1 (ko) ×선 회절을 이용한 합금화 용융 아연 도금 강판의합금화도 측정 방법
JPS649575B2 (ja)
JPS6188128A (ja) 合金被膜の膜厚及び組成測定方法
JPH02302654A (ja) 2層メッキ鋼板のメッキ付着量およびメッキ被膜組成の測定方法およびその測定装置
JPH0335149A (ja) メッキ鋼板のメッキ付着量およびメッキ被膜組成の測定方法およびその測定装置
JP2563016B2 (ja) 有効波長を用いた蛍光x線分析方法および装置
JPH07167804A (ja) 2層めっき鋼板のオンライン分析方法及びオンライン分析装置
JPH06331576A (ja) 鉄上の鉄亜鉛合金メッキ層の分析方法