JPH0375416B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、外層か紙層、中間層が金属箔層、内
層がプラスチツク層であるラミネート板から作ら
れ、重合側面継目をもつ筒状容器に関し、特にそ
の重合側面継目の構造に関する。

（従来技術） この種容器の従来例における重合側面継目構造
を第１〜３図に示す。

第１図の重合継目１は、外層（紙層）２、中間
層（金属箔層）３、内層（プラスチツク層）４か
ら成るラミネート板の所望寸法のブランクを丸
め、その両端縁部５，７を重ねて接着したもので
あるが、その容器内面側端部分５には、外層の紙
層端面と中間層の金属箔層端面とが露出しないよ
う内面保護テープ６が貼着されており、容器外面
側端部分７にも同じ様に外面保護テープ８が貼着
されている。

第１図の内面保護テープ６の使用を避けた構成
例が第２図に示される。これは、重合側面継目１
１を構成する容器内面側端部分５において、中間
層３と内層４とが折り返され、その端面が外層２
の端面と対面する形になつたものである。

上記第１，２図の内面側端部分の紙層、金属箔
層保護のための構成は実開昭55−148023号に示さ
れる。

又、実開昭58−17309号には、第３図示の如く、
紙層２、金属箔層３、プラスチツク層４から成る
ラミネート板素材を紙層が外側になる如く折り返
して重ね合せたものを用い、折り返し端９を内側
端部５とし、他端を外側端部７と、内外端部を重
合し、かつ外側端部７では前記重ね合せた素材の
一方を延出させ、該延出部１０を内側端部５の外
面に接着した重合側面継目が示されている。

（発明が解決しようとする問題点） 上記第３図の容器では、重合側面継目の外面側
で金属箔層が露出していて発錆し易く、特にスチ
ールフオイル層の場合には目立つて発錆するとい
う問題をもつ。

第１，２図の容器は、この問題を外面保護テー
プの貼着で解決しているが美観上好ましくないだ
けでなく、コスト、工程面（重合継目形成後、改
めてテープ貼着工程が必要になる）でも問題があ
る。

又、第１〜３図の重合側面継目の部分とその前
後のラミネート板との厚さの差、即ち段差はラミ
ネート板の厚さと同一である。従つて、この段差
をもつ容器の端部に金属箔とプラスチツクとから
成るラミネート蓋を、該端部をはさんで押し付け
て接着させた場合、この重合継目の部分で蓋の外
側にしわが発生し商品価値を落とすという問題
や、密封不良になり易いという問題がある。

本発明は上記問題を解決したラミネート板製筒
形容器を得ることを目的とする。

（問題を解決するための手段） この発明の筒状容器は上記目的を達成するため
に、ラミネート板の一方の端部分を金属箔層とプ
ラスチツク層とが紙層よりも延出した構成とし、
他方の端部分を紙層が他の二層より延出している
とともに少なくともプラスチツク層を折り返して
金属箔層を抱蔵した折り返し部を有する構成と
し、他方の端部分の紙層と折り返し部との間に挿
入し、かつ該他方の端部分の紙層で一方の端部分
の延出部と紙層を覆い、折り返し部と延出部及び
紙層同士を接着して重合側面形目を形成して成
る。

（作用） この発明の筒状容器の重合側面継目の外面側は
紙層で覆われていて金属箔層の露出はない。従つ
て、外面側で金属箔層の発錆は見られない。又重
合側面形目の最大厚さは、ラミネート板の厚さの
２倍より小さく、即ち従来のものと比べて段差が
小さく、蓋取付けによるしわと発生、密封不良は
皆無になるか又は激減する。

（実施例） 本発明容器の実施例を第４図により説明する。

この実施例の重合側面継目２１は、金属箔層３
とプラスチツク層４とを紙層２よりも延出させた
構成の一方の端部分２２の該延出部２３を、他方
の端部２５（これは紙層２を他の二層、即ち金属
箔層３、プロスチツク層４よりも延出させるとと
もに、プラスチツク層４を折り返して金属箔層３
を抱蔵した折り返し部２４を有する）の当該紙層
２と折り返し部２４との間に挿入し、かつこの端
部分２５の紙層２で一方の端部分２２の延出部２
３と紙層２を覆い、前記折り返し部２４と前記延
出部２３を接着して接着部Ｚと紙層同士を接着し
た接着部Ｙとを有する構成である。

本実施例では、内面層に］ポリエチレン60μ、
中間層に極薄鋼板（スチールフオイル）50μ、外
層にポリエチレン加工紙200ｇ／m²（厚さ約
120μ）を用い、内層と中間層の接着はドライラ
ミネート法で、中間層と外層の接着はホツトメル
ト系接着剤による接着で行つた。

この容器は外面側で極薄鋼板の発錆は見られ
ず、又保護テープがなく美しい外観を呈した。

又、ラミネート板の厚さｔは約230μ、重合側
面継目の折り返し部２４を含む部分の厚さＤは約
400μ、紙層同士接着部Ｙを含む部分の厚さＥは
約350μであり、最大段差は170μでラミネート板
の厚さｔの約75％である。前記従来容器に比べて
最大段差が減少し、蓋取付けによるしわの発生、
密封不良は殆ど発生しなかつた。

本実施例ではプラスチツク層のみを折り返した
が、紙層の厚さが金属箔層とプラスチツク層の合
計厚さより厚いラミネート板を用いるときは、プ
ラスチツク層と金属箔層の両方を折り返しても、
上記効果が得られる。

（効果） 本発明によるときは、容器外側面で金属箔層の
発錆が見られず、美観を損なうことがない。

又、本発明によるときは、重合継目の厚さが漸
変することとなり、従来にみられた蓋取付け部の
シワの発生が防止でき、密封が良好であるという
効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１，２，３図は、従来のラミネート板製筒状
容器例における重合側面継目の構造を示す断面
図。第４図は本発明容器の一例の重合側面継目の
構造を示す断面図。 ２：紙層、３：金属箔層、４：プラスチツク
層、２１：重合側面継目、２２：一方の端部分、
２３：延出部、２４：折り返し部、２５：他方の
端部分、Ｙ：紙層同志の接着部、Ｚ：延出部と折
り返し部の接着部。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 外層が紙層、中間層が金属箔層、内層がプラ
   スチツク層であるラミネート板製の重合側面継目
   をもつ筒状容器において、 ラミネート板の一方の端部分を金属箔層とプラ
   スチツク層とが紙層よりも延出した構成とし、他
   方の端部分を紙層が他の二層よりも延出している
   とともに少なくともプラスチツク層を折り返して
   金属箔層を包蔵した折り返し部を有する構成と
   し、 他方の端部分の紙層と折り返し部との間に前記
   延出部を挿入し、かつ該他方の端部分の紙層で一
   方の端部分の延出部と紙層を覆い、 折り返し部と延出部及び紙層同士を接着して重
   合側面継目を形成したことを特徴とする重合側面
   継目をもつラミネート板製筒状容器。