JPH03696Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、接続端子を内装した電気絶縁性を有
する筐体の周囲に金属製カバーを被着した電磁遮
蔽コネクタに関するものである。

［従来の技術］ 従来から、電磁遮蔽コネクタとしては種々の形
式のコネクタが知られているが、概して構造が複
雑であり組立作業が厄介である。例えば、合成樹
脂製の筐体を覆う金属カバーを取り付けるために
は、面倒なねじ止めやかしめ止めが必要であり、
コストも高くなる欠点がある。また、電磁遮蔽効
果についても不十分なものが多く、完全に電磁遮
蔽をなされているものは極めて少ない。

［考案の目的］ 本考案の目的は、高性能な電磁遮蔽効果を有す
るにも拘らず、簡単に組立て得る電磁遮蔽コネク
タを提供することにある。

［考案の概要］ 上述の目的を達成するための本考案の要旨は、
接続端子を収容し電気絶縁性を有する筐体の周囲
に、２個の金属製カバーを重ねて被着したコネク
タにおいて、前記金属製カバーは断面略コ字状の
第１カバーと、角筒状の第２カバーとから成り、
前記筐体の両側面及び背面を前記第１のカバーに
より被覆すると共に、前記筐体と第１のカバーを
係止した結合体の両側面、上面、下面及び背面の
一部を前記第２のカバーにより被覆して係止した
ことを特徴とする電磁遮蔽コネクタである。

［考案の実施例］ 本考案を図示の実施例に基づいて詳細に説明す
る。

第１図、第２図、第３図はそれぞれ本実施例に
係る電磁遮蔽コネクタの正面図、断面図、背面
図、を示しており、電気絶縁性を有する合成樹脂
から成る筐体１の周囲に、銅、真鋳、鋼等の金属
板から成る第１、第２のカバー２，３が順次被着
されている。筐体１の背部には多数の挿入孔４が
設けられており、これらの挿入孔４には筐体１の
後側からＬ字型に屈曲された接続端子５が挿入さ
れており、図示しない係止手段により筐体１に対
し固定されている。また、これらの接続端子５は
筐体１の後側を覆つている第１のカバー２の孔部
６をも通過しており、これらの孔部６と接続端子
５間には、これらの間を絶縁するためのセラミツ
クス製の円筒形絶縁部材７が介挿されている。

本実施例の構造を更に詳しく説明すると、この
電磁遮蔽コネクタは主として第４図、第５図、第
６図にそれぞれ示す筐体１、断面略コ字状の第１
のカバー２、角筒状の第２のカバー３から成り、
筐体１の内部に接続端子５の接続端部が露出する
空間部８を有し、その両側面９には第１のカバー
２を係止するための溝部１０が設けられている。
また、この筐体１の上部には相手側の雄コネクタ
と嵌合し錠止をするための錠止機構を含む錠止部
１１が設けられている。

そして、筐体１の両側壁及び背面を第１のカバ
ー２が覆うようになつている。第１のカバー２の
両側面には、筐体１の溝部１０に係止するための
内側に突出した爪部１２が設けられ、更に第２の
カバー３と係止するための係止孔１３が設けられ
ている。また、この第１のカバー２の後面１４に
は、接続端子５との間に介在する絶縁部材７を取
り付けるための多数個の孔部１５が、筐体１の挿
入孔４に対応して規則正しく穿孔されている。ま
た、両側面の先端部には基板等に挿し込んで姿勢
を安定させたり、アース用端子として使用する突
出片１６が下方に向けて延在されている。

更に、第２のカバー３は筐体１の両側壁・上
面・下面・背面の一部を覆うためのものであつ
て、第１のカバー２の係止孔１３に係合するため
の内側に膨出した凸部１７が形成されており、筐
体１の錠止部１１を覆うために上方に膨らんだ膨
出部１８が設けられている。また、この電磁遮蔽
コネクタをパネル等に固定するためのねじ孔部１
９が、両側面から側方に向けて張り出されてい
る。

従つて、この電磁遮蔽コネクタを組立てるに
は、先ず孔部１５にそれぞれ絶縁部材７を装填し
た第２のカバー３を筐体１の後側から挿し込み、
爪部１２と筐体１の溝部１０により両者を容易に
は分離不能なように組立て、更にこれらの結合体
に対し筐体１の背面側から第２のカバー３を押し
込み、その凸部１７を第１のカバー２の係止孔１
３に嵌合することにより、これら３つの部材１，
２，３が一体となる。そして、接続端子５を筐体
１の後部側から先ず第１のカバー２に取り付けた
絶縁部材７を通し、更に筐体１の挿入孔４を通し
て挿し込むことにより接続端子５を筐体１に固定
する。

このようにして組立てた電磁遮蔽コネクタは、
特に分解の意図のない限り互いに分離不能であ
り、接続端子５の外方への端部に電線を接続し、
相手側の雄コネクタとの結合によつて機能させる
ことができる。また電磁遮蔽についても、金属製
の第１、第２のカバーは筐体１を相手側コネクタ
と嵌合する前面部を除いて完全に覆つているので
その効果は万全である。

なお、実施例は雌型コネクタについて説明した
が、雄コネクタについても同様に、筐体１、第１
のカバー２、第２のカバー３を主たる部品として
構成することができる。

［考案の効果］ 以上説明したように本考案に係る電磁遮蔽コネ
クタは、筐体を２つの金属カバーにより覆うこと
により簡便に組立てることができ、かつ効果的な
電磁遮蔽を行うことができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る電磁遮蔽コネクタの一実施
例を示し、第１図はその正面図、第２図は断面
図、第３図は背面図、第４図は筐体の斜視図、第
５図は第１のカバーの斜視図、第６図は第２のカ
バーの斜視図である。 符号１は筐体、２は第１のカバー、３は第２の
カバー、４は挿入孔、５は接続端子、６は孔部、
７は絶縁部材、１０は溝部、１２は爪部、１３は
係止孔、１７は凸部である。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 接続端子を収容し電気絶縁性を有する筐体の
   周囲に、２個の金属製カバーを重ねて被着した
   コネクタにおいて、前記金属製カバーは断面略
   コ字状の第１カバーと、角筒状の第２カバーと
   から成り、前記筐体の両側面及び背面を前記第
   １のカバーにより被覆すると共に、前記筐体と
   第１のカバーを係止した結合体の両側面、上
   面、下面及び背面の一部を前記第２のカバーに
   より被覆して係止したことを特徴とする電磁遮
   蔽コネクタ。 ２ 前記筐体と第１のカバーとの係止は、前記筐
   体に設けた溝部に前記第１のカバーの爪部を嵌
   合することにより行うようにした実用新案登録
   請求の範囲第１項に記載の電磁遮蔽コネクタ。 ３ 前記結合体と第２のカバーとの係止は、前記
   第１のカバーに設けた係止孔に前記第２のカバ
   ーの凸部を嵌合することにより行うようにした
   実用新案登録請求の範囲第１項に記載の電磁遮
   蔽コネクタ。