JPH0368826B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、主として感圧接着型ラベルの連続体
等のような長尺材に印刷をするに適する、オフセ
ツト多色印刷機に関するものである。

従来の多色印刷機としては、第３図に示す如
く、版胴１０１、ゴム胴１０２及び圧胴１０３か
らなる１ユニツト１０４…で１色を刷る機構のも
のを２または４基と連結して順次に紙を通して２
色又は４色の印刷をするものがあるが、その色数
が多くなればそれだけユニツト１０４数を増加す
る必要性があり、ゆえに広い据え着け場所を必要
とする。しかも、各ユニツト１０４…の版胴は印
刷する毎に１回転するように構成されているため
に、１回の印刷に対して版に１回だけインキが着
肉されることになる。従つて、印刷した時に、色
ムラ（いわゆるオバケ現象）ができる可能性が大
となる。

本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、
印刷機本体の小型化を図り、しかも、色ムラ等が
できる可能性が極めて少ないオフセツト多色印刷
機を提供せんとするものである。

以下、本発明を図面に示した実施例に従つて詳
細に説明する。

第１図は、本発明の実施例たる印刷装置を利用
した感圧接着型ラベルの連続体のオフセツト印刷
機の斜視図である。

１は、被印刷材たるラベルの連続体であり、紙
等の帯状の台紙の表面にシリコーン樹脂等を塗布
してなる剥離剤層が形成された剥離シート２の表
面に、その裏面に感圧型接着剤を塗布してなるラ
ベル３を、その粘着剤層面において適宜な間隔を
おいて仮着してなる。かかるラベルの連続体１
は、ワイデイングリール４に捲装されており、ワ
イデイングリール４より連続送りで、送り出され
たラベルの連続体１は、必要な印刷送り量を得る
べきための戻し機構を有する進退装置５を経て、
送り装置６へと順次移送されるが、その間に本発
明に係る印刷装置７が設けられている。

印刷装置７は、回転軸８に固定されたブランケ
ツト胴９の周囲に、４組の版胴１０が設けられ、
それぞれに凸版１１が円周面に取着され、各版胴
１０にはインキ装置１２が付設され、ブランケツ
ト胴９の下面には圧胴１３が圧設されている。そ
して、４組の版胴１０の径は、略々同一であり、
ブランケツト胴９の径の四分の一の長さである。

ブランケツト胴９は、その外周に、２個のゴム
のシートよりなるブランケツト９ａ，９ｂが捲装
されてなる。そして、ブランケツト胴９におい
て、ブランケツト９ａ，９ｂの長さは、版胴１０
における版面の長さと等しく形成され、他の部分
は一段低くなつている。ブランケツト９ａ，９ｂ
の一端はブランケツト胴９に固定され、他端はま
き込み固定してこれを緊張させている。

４組の版胴１０ａ，１０ｂ，１０ｃ，１０ｄ
は、インキ装置１２と協働して色分解した適当な
色を各版胴１０ａ，１０ｂ，１０ｃ，１０ｄにて
印刷するように形成されており、凸版１１が付着
されている。

そして、ブランケツト胴９を回転させてブラン
ケツト９ａ，９ｂに、第１版胴１０ａにより第１
色にて版胴１０ａの版の画線を転移させ、引き続
き第２版胴１０ｂにより該版胴１０の版の画線を
第２色により転移させ、以下、順次第３版胴１０
ｃ及び第４版胴１０ｄによつて所定の画線を転移
させ、ブランケツト胴９の１回転の間に、ブラン
ケツト９ａ，９ｂの同一箇所に重ねて４色の転移
を完成する。

そして、圧胴１３をブランケツト胴９のブラン
ケツト９ａ，９ｂに圧接回転させると、その間を
通過するラベル連続体１のラベル３の表面に、プ
ラケツト胴９の表面に形成された所定の多色の画
線（鏡像）が転移印刷される。

進退装置５は、三本のローラ１４，１５，１６
よりなり、前ローラ１４の下面を経て、変位ロー
ラ１５の上面そして後ローラ１６の下面を経て、
ラベルの連続体１を送るように、前ローラ１４と
後ローラ１６の間に、変位ローラ１５が垂直方向
に昇降自在に設けられてなる。

又、ラベル連続体１を、印刷装置７を経て、次
の捲き取り工程（図示せず）に移送する送り装置
６は、その周面に吸引孔１７が貫設された送りロ
ーラ１８を真空吸引装置１９に連設してなり、真
空吸引装置１９にて該送りローラ１８の吸引孔１
７よりラベル連続体１の剥離シート２を吸引し、
且つ、該送りローラ１８を回転させて、ラベル連
続体１を適宜なスピードで送るように構成されて
いる。

ところが、ブランケツト胴９の径や回転速度、
そしてラベル３間の間隔や移送速度との間に相違
があるので、ブランケツト胴９のブランケツト９
ａ，９ｂの位置と次に送られてくるラベル３の位
置関係との間にズレが生じる。すなわち、ラベル
３の長さ及びラベル３間の長さよりも、ブランケ
ツト胴９の外周長の方が長い場合は、半回転して
次にブランケツト９ａ，９ｂが印刷すべきラベル
３よりも遅れて回転してくることになり、ラベル
３の方が一歩先に進むことになる。そこで、ブラ
ンケツト胴９による１回の印刷が終了すると、ブ
ランケツト胴９の表面はブランケツト９ａ，９ｂ
部分より一段低くなつているので、前記進退装置
５の変位ローラ１５を、ラベル連続体１の進行方
向とは異なる略々直交する方向たる上方に上昇移
動させ、ラベル連続体１を、ラベル間の距離、そ
して、次の印刷すべきブランケツト胴９のブラン
ケツト９ｂの画線までの距離等を勘案して、必要
な印刷送り量だけ引き戻す。すなわち、送り装置
６の吸引力より、変位ローラ１５の引戻力の方が
大となるように構成し、変位ローラ１５の上昇に
よりラベル連続体１を反対方向に引き戻すのであ
る。そして、所定幅だけ引き戻し、ブランケツト
胴９の次の版模様を有するブランケツト９ｂの画
線の位置と、ラベル連続体１のラベル３の印刷位
置とが一致する箇所まで引き戻すと、変位ローラ
１５の上昇運動を停止し、送り装置６によりラベ
ル連続体１を移送方向に移送させ、それに伴い、
ラベル連続体１の移送スピードに合わせて変位ロ
ーラ１５を初期位置まで下降させ、次の上昇運動
開始時まで待機させる。

そして、次のラベル３に対する印刷を印刷装置
７にて終了すれば、また先のとおりの作動を繰り
返すのである。

なお、圧胴１３は、ブランケツト胴９側に常に
圧接されるのではなく、ブランケツト胴９に向け
て進退自在となしておけば、見当合わせ等が正確
にできず、失敗をした場合にも、即座にブランケ
ツト胴９より引き離し、次に進んできたラベル３
に印刷されるのを防ぐことができる。

本発明は、上記実施例に限定されることなく、
かかる事項に基づきなされる変更仕様、応用なら
びに変形等は本発明の技術的思想に包含されるも
のであることはいうまでもない。

例えば、必要印刷量を得るべきための戻し機構
として、第２図に示す如く、一対の変位ローラ１
５ａと１５ｂと前ローラ１４′と後ローラ１６′を
有してなる進退装置５′を用いてもよい。該進退
装置５′は、印刷装置７′のブランケツト胴９の印
刷部位を挾んで、その下方に前ローラ１４′と後
ローラ１６′とが所定間隔をおいて配設され、且
つ、該前ローラ１４′の上方で被印刷材１′の進行
方向とは逆の後方に、前変位ローラ１５ａが設け
られるとともに後ローラ１６′の上方で被印刷材
１′の進行方向とは順な前方に、後変位ローラ１
５ｂが設けられている。

そして、被印刷材１′は、前ローラ１４′に捲か
れてその下端より前変位ローラ１５ａを経て、印
刷装置７′へと送られ、更に進んで後変位ローラ
１５ｂに捲かれてその下端より反対方向たる後方
に進み、後ローラ１６′にて再び方向転換されて
前方の送り装置６′に進むように送られる。

印刷装置７′にて、被印刷材１′に印刷される場
合は、前ローラ１４′の後方位置に設けられた適
宜なストツプ装置２０にて被印刷材１′の進行が
停止され、それと同時に前後の変位ローラ１５
ａ，１５ｂが同一間隔を保持した状態にて、水平
に移動し、ブランケツト胴９′の回転に伴いブラ
ンケツト９a′，９b′に着肉された画線を被印刷材
１′表面に転移し、かかる印刷が終了すると前後
の変位ローラ１５ａ，１５ｂはその進行を停止
し、再び前後の変位ローラ１５ａ，１５ｂは、そ
の進行方向を変え後方に逆に移動し、初期の位置
まで戻る。そこで、前後の変位ローラ１５ａ，１
５ｂはその移動動作を停止し、ストツプ装置２０
のストツプ機構が外れ、被印刷材１′が順の方向
に移送される。この間の被印刷材１′の移送量は、
先に印刷された印刷部分の長さ、一方のブランケ
ツト９ａともう一方のブランケツト９ｂ間の距離
（印刷部分の終端と次に印刷されるべき印刷部分
の始端との距離）等を考慮して決定せられるべき
である。

本発明は、上記のように構成され、印刷装置
は、複数個の版胴を、該版胴径がブランケツト胴
径の整数倍であり、ブランケツト胴の周囲に、適
宜な間隔をおいて設け、該ブランケツト胴のブラ
ンケツト部に版胴の数だけ画線を順次転移して重
ね、かかる画線をもつてラベル等の被印刷材に印
刷するように構成しているので、印刷ユニツトを
複数基列設した従来の多色印刷機に比較して、印
刷速度は速いにも拘わらず小型化することがで
き、印刷機の設置場所も従来機に比して狭い場所
で足りる。

そして、版胴径よりブランケツト胴径の方が大
きいため、版胴径とブランケツト胴径の比に対応
して、ブランケツト胴１回転中に版胴が回転する
ことになり、従つて１回の印刷のために、版胴に
整数回（２回以上）インキ装置にて着肉すること
になり、版面全体に亘つて満遍なくインキが着肉
され、色ムラ等が生じるおそれが少ない。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明の実施例たる印刷装置を利用
した感圧接着型ラベルの連続体のオフセツト印刷
機の斜視図であり、第２図は変形例たる印刷機の
正面図である。第３図は従来例の説明図である。 １……ラベルの連続体、１′……被印刷材、２
……剥離シート、３……ラベル、４……ワインデ
イングリール、５，５′……進退装置、６，６′…
…送り装置、７，７′……印刷装置、８……回転
軸、９，９′……ブランケツト胴、１０……版胴、
１１……凸版、１２……インキ装置、１３……圧
胴、１４，１４′……前ローラ、１５ａ，１５ｂ
……変位ローラ、１６，１６′……後ローラ、１
７……吸引孔、１８……送りローラ、１９……真
空吸引装置。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 凸版オフセツト印刷機において、被印刷材が
   適宜な印刷送り量を得るべきための戻し機構を有
   し、且つ、その周面の一部にブランケツト部が設
   けられたブランケツト胴の周囲に、該ブランケツ
   ト胴が一回転する間に見当合わせられた複数の画
   線をブランケツト部に複数回転移すべく、適宜な
   間隔をおいて複数の凸版印刷用版胴が設けられ、
   且つ、ブランケツト胴の一回転の間に被印刷材に
   複数回の印刷を施すべく、ブランケツト胴に複数
   のブランケツト部が設けられたことを特徴とす
   る、オフセツト多色印刷機。