JPH0368608A - アクリロニトリル系共重合体およびその製法 - Google Patents

アクリロニトリル系共重合体およびその製法

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JPH0368608A
JPH0368608A JP20386589A JP20386589A JPH0368608A JP H0368608 A JPH0368608 A JP H0368608A JP 20386589 A JP20386589 A JP 20386589A JP 20386589 A JP20386589 A JP 20386589A JP H0368608 A JPH0368608 A JP H0368608A
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JP
Japan
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acrylonitrile copolymer
polymerization
acrylonitrile
compd
formula
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JP20386589A
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English (en)
Inventor
Kunio Hisatani
久谷 邦夫
Hirobumi Ono
博文 小野
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
  • Transition And Organic Metals Composition Catalysts For Addition Polymerization (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、アクリロニトリル(以下、rANJと略記す
る)系共重合体およびその製法に関する。
さらに詳しくは、機械的強度および湿潤状態における耐
熱性などに優れた繊維素材や金属の選択吸着用素材、あ
るいは導電性ポリマー用などとして有用なAN系共重合
体、ならびにそれを工業的有利に製造する方法に関する
〔従来の技術〕
従来、AN系共重合体は、繊維に成形した際のかさ高さ
や、風合い、保温性などに優れるうえに、共重合成分の
種類によっては鮮やかな色調に染色することができ、か
つ染色耐候性にも優れるなどの物性を有することから、
衣料用として広く用いられている。
このAN系共重合体は通常ラジカル重合開始剤を用いて
、ANとコモノマーとを共重合させることにより製造さ
れている。しかしながら、このような方法によって得ら
れるAN系共重合体においては、核磁気共鳴の方法(以
下、rNMRJと略記する)による測定によれば少なく
ともANモノマーユニットのみからなる重合体連鎖部分
に分子構造の規則性は存在しない。この共重合体を溶媒
1こ溶解して繊維やフィルム等に成形した場合、成形品
は結晶性が低くて、機械的特性に関しては十分に満足し
うるものではなく、また、耐熱性、中でも湿潤状態にお
ける耐熱性に劣る。特に繊維は、寸法安定性、引張強度
、弾性率などが不足しているため、高品位織物などの高
級衣料分野への展開が制限されているのみならず、産業
資材・宇宙工学分野等への用途展開も制約されているの
が現状である。
一方、ANのホモポリマーの分野では尿素−ANの包接
化合物にγ線などの活性線を照射すると、立体規則性を
有するポリアクリロニトリル(以下、rPAN Jと略
称する)、いわゆる高立体規則性PANが得られること
が知られている。この方法によれば、これまで得られて
いなかった良好なPANの単結晶が得られることが報告
されている〔「ポリマー・ジャーナル」第19巻、99
7ページ(1987年)〕。また、この方法によって得
らイック・トリアット分¥=25%のPANの水存在下
の融点は183℃であるのに対し同トリアット分率62
%のPANのそれは190℃にもなる。また、その繊維
は熱水中のヤング率が従来のPAN繊維に比して著しく
向上し、かつ湿潤状態における耐熱性が改善されるとい
う特徴を有している。また、このPANの溶液に硫酸銅
などの金属塩を添加すると、金属イオンがAN系共重合
体分子のシアノ基に対してメソ位に選択的に配位するた
め〔「ポリマー・ジャーナル」第18巻、277ページ
(1986年)〕、金属の選択的吸着素材や導電性ポリ
マーの材料としても好適である。
しかしながら、前記のAN−尿素包接化合物にγ線を照
射して、高立体規則性PANを得る方法は、ANと尿素
との特殊な化合物を利用するものであるため他のモノマ
ーを共に包接させて重合することが一般には不可能であ
る。すなわち、この方法によりAN系共重合体を製造す
ることができない。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明は、このように従来のAN系共重合体が有する低
結晶性、低機械的特性、特に湿潤状態における低耐熱性
等の種々の欠点を克服するために、ANモノマーユニッ
トのみからなる連鎖部分の立体規則性の高いAN系共重
合体を得ることを目的としてなされたものである。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らはANの共重合に関する研究を鋭意重ね、特
殊なアニオン重合触媒を用いてANの共重合実験を行う
と、AN系共重合体のANモノマーユニットのみからな
る二連子の立体規則性を飛躍的に高めた共重合体が得ら
れることを見いだした。
即ち、ANを共重合するにあたり以下に述べるような有
機金属化合物を開始剤として重合を行うと、これによっ
て得られるPANAN系共重合体Nモノマーユニットの
みからなる二連子の立体規則性は従来の技術によって得
られるPANAN系共重合体れに比して大幅に向上し、
アイソタクティック・トリアッド分率で0.35から高
いものでは約0.6にもなることが分かった。
すなわち、開始剤として、アルカリ土類金属を含有する
有機金属化合物、あるいは周期律表第1゜■および■族
の金属を二種以上組み合わせたいわゆるアート・コンプ
レックスと呼ばれる有機金属化合物を用いると、顕著に
立体規則性を向上させることができる。また、アルカリ
土類金属を含有する有機金属化合物と遷移金属化合物と
を組合せて用いるいわゆるチーグラー・ナツタ型の開始
剤系を用いても、同様の効果を発現できることが分かっ
た。
以下に、本発明で使用する開始剤の例を挙げるが、これ
らの例は本発明の特許請求の範囲をなんら制限するもの
ではない。
まず、アルカリ土類金属を含む有機金属化合物としては
ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウ
ム、バリウムを含有する有機金属化合物が用いられる。
このうち、有機ベリリウム化合物としては、式R2Be
で表される形のものとしてジエチルベリリウム、ノルマ
ルプロピルベリリウム、ノルマルブチルエチルベリリウ
ム等があり、式RBeXの形で表されるグリニヤール・
タイプのものにフェニルベリリウムクロライド、アリル
ベリリウムブロマイド等がある。また、有機カルシウム
化合物にはジフェニルカルシウム、フェニルエチルカル
シウムなどの式R,Caで表されるものとエチルカルシ
ウムブロマイド、ノルマルブチルカルシウムヨーダイト
などの式RCaXで表されるものがある。勿論、ジエチ
ルストロンチウムおよびジノルマルプロピルバリウムな
ども有効である。
更に、有機マグネシウム化合物も多くの有効な化合物を
有し、例えば、式R2Mg (Rは脂肪族もしくは芳香
族炭化水素またはそれらの組合せからなる炭化水素基)
で表される、ジメチルマグネシウム、ジエチルマグネシ
ウム、ジノルマルプロピルマグネシウム、ジノルマルブ
チルマグネシウム、ジイソアミルマグネシウム、ジノル
マルヘキシルマグネシウム、ジアリルマグネシウム、ジ
フェニルマグネシウムなどの同一炭化水素基を二個有す
る有機マグネシウム化合物、ならびに、メチルエチルマ
グネシウム、ノルマルブチルエチルベリリウム、フェニ
ルエチルマグネシウムなどの二つの異なる炭化水素基を
有する有機マグネシウム化合物が挙げられる。更にいわ
ゆるグリニヤール試薬RMgX (Rは前記と同じ、X
はハロゲンである)といわれるものも開始剤として本発
明の効果を発現するのに有効である。これにはエチルマ
グネシウムクロライド、ノルマルブチルマグネシウムブ
ロマイド、フェニルマグネシウムヨーダイト、ベンジル
マグネシウムフルオライドなどが含まれる。
更には、これらのアルキル基をアミン基、アルコキシ基
、アルキルシリル基、チオアルコキシ基′およびそれら
の複合された置換基にて置き換えた有機マグネシウム化
合物もより高い効果を発揮する。例えば、エチルジエチ
ルアミノマグネシウムのような式R,NMgRで表され
る化合物、およびビス(ジエチルアミノ)マグネシウム
、ビス(ジフェニルアミノ)マグネシウムのような式R
JMgNR2で表される化合物である(これら2つの式
中のRは前記と同様であるが、R2として表される2つ
のRは互いに結合しそれらが結合している窒素原子とと
もに複素環を形成していてもよい);メトキシエチルマ
グネシウムのような式ROMgR(Rは前記と同様)で
表される化合物;ジメトキシマグネシウム、ジェトキシ
マグネシウム、ジノルマルブトキシマグネシウムのよう
な式ROMgOR(Rは前記と同様)で表される化合物
;ビス(トリメチルシリル)マグネシウムのような式R
3StMgStR3(Rは前記と同様)で表される化合
物;トリメチルシリルエチルマグネシウムのような式L
StMgR(Rは前記と同様)で表される化合物;チオ
メトキシエチルマグネシウムのような式R3MgR(R
は前記と同様)で表される化合物;ビス(チオメトキシ
〉マグネシウムのような式R3Mg5R(Rは前記と同
様)で表される化合物;ならびに壮キ寸ビス(トリメチ
ルシリルアミノ)マグネシウムのような式(R3Si)
2NMgN(SiL) 2で表される化合物および式(
R3Si)2NMgR(両式中のRは前記と同様)で表
される化合物などである。
また、これらの有機金属化合物に対して遷移金属化合物
を組み合わせて用いることも可能である。
即ちその遷移金属化合物とは通常チーグラー・ナツタ触
媒と言われている重合開始剤の原料の一部であり、主な
ものとしてはジクロロチタニウム、トリクロロチタニウ
ム、テトラクロロチタニウム、テトラノルマルプロポキ
シチタニウム、テトラヒドロキシチタニウム、ジシクロ
ペンタジェニルジクロロチタニウムなどで代表されるチ
タン化合物やトリクロロバナジウム、テトラクロロバナ
ジウム、オキシトリクロライドバナジウム、アセチルア
セトンバナジウムなどのバナジウム化合物やさらにはト
リクロロチタニウムなど数多くの化合物がある。
更に、周期律表第1.■および■族の金属を二種以上組
み合わせたいわゆるアート・コンプレックスの例として
は、次の一般式で表されるものを挙げることができる。
即ち、M’M’R,l、Hl、。
M’AlR4−、Hn、 M’^IR,−、X、、、 
M”(AIR,−、、H,)2゜M’AIR,−R(N
R2)!、、 LiZnRs−n(NR2)−1および
い22nR*−0(NR,)、である。
ここで、式中のRはたがいに同一でも異なっていてもよ
く、それぞれ脂肪族または芳香族炭化水素もしくはそれ
らの組合せによってなる炭化水素である。Mlはリチウ
ム、ナトリウム、カリウムのうちから選ばれた一種の金
属、M2はマグネシウム、ベリリウム、カルシウム、亜
鉛、カドミウムのうちから選ばれた一種の金属、Xは弗
素、塩素、臭素、沃素のうちから選ばれた一種の元素で
あり、nは零または正の整数で同一分子内における5−
n、4−nあるいは3−nの添え字が負にならない範囲
の値をとるものとする。
具体的に上記一般式で表される有機金属化合物の例を示
すと、弐〇’M”R,、H,の例としては、トリエチル
ナトリウムマグネシウム、メチルジエチルリチウムマグ
ネシウム、ジイソブチルヒドロナトリウムマグネシウム
、ノルマルブチルジヒドロリチウムマグネシウムをあげ
ることができる。
式M’AIR,,,)1.、の例としては、テトラエチ
ルリチウムアルミニウム、トリエチルノルマルフチルリ
チウムアルミニウム、テトラエチルカリウムアルミニウ
ム、テトラエチルナトリウムアルミニウム、トリエチル
ヒドロリチウムアルミニウム、ジフェニルジヒドロリチ
ウムアルミニウム、ベンジルトリヒドロリチウムアルミ
ニウムなどを挙げることができる。
弐M”AIR,、X、の例としては、ペンタエチルマグ
ネシウムアルミニウム、ペンタノルマルブチルマグネシ
ウムアルミニウム、テトラエチルメチルマグネシウムア
ルミニウム、テトラエチルクロロマグネシウムアルミニ
ウム、ベンジルジエチルジクロロマクネシウムアルミニ
ウム、ジフェニルトリクロロマグネシウムアルミニウム
、ペンタエチル亜鉛アルミニウム、ペンタエチルベリリ
ウムアルミニラム、ペンタエチルカルシウムアルミニウ
ム、ペンタエチルカドミウムアルミニウム、エチルテト
ラクロロマグネシウムアルミニウム、ジエチルトリヒド
ロマグネシウムアルミニウムなどがある。
式M2(AlH3−、、H−) 2の例としては、ビス
(テトラエチルアルミニウム)マグネシウム、ビス(フ
ェニルトリヒドロアルミニウム)マグネシウム、ビス(
テトラヒドロアルミニウム)マグネシウム、ビス(テト
ラエチルアルミニウム)亜鉛、ビス(テトラエチルアル
ミニウム)ベリリウム、ビス(フェニルトリヒドロアル
ミニウム)カルシウム、ビス(テトラエチルアルミニウ
ム〉カドミウムなどが挙げられる。
式M’AlR5−1,(NR2)−の例には、ジフェニ
ルアミノテトラエチルマグネシウムアルミニウム、ビス
(ジフェニルアミノ〉トリエチルマグネシウムアルミニ
ウム、ジエチルアミノトリエチルマグネシウムアルミニ
ウム、ジフェニルアミノテトラエチル亜鉛アルミニウム
、ビス(ジフェニルアミノ)トリエチルベリリウムアル
ミニウム、ジエチルアミノトリエチルカルシウムアルミ
ニウム、ジエチルアミノトリエチルカドミウムアルミニ
ウム等々がある。
式L12nR3−R(NR2) nの例としては、ジフ
ェニルアミノジエチル亜鉛リチウム、ビス(ジフェニル
アミノ)ノルマルブチル亜鉛リチウムなどが挙げられ、
また式L12ZnR4−n(NR2)。の例には、ジノ
ルマルブチルジエチル亜鉛ジリチウム、ジフェニルアミ
ノジノルマルブチルエチル亜鉛ジリチウムなどが挙げら
れる。
次に、重合条件について述べると、重合圧力は大気圧よ
り高い圧力が好ましい。重合温度は室温でも構わないが
望ましくは50℃以上、更に望ましくは100℃以上で
ある。PANあるいはAN系共重合体は一般的に200
℃よりやや低い温度にて分解着色することが知られてお
り、分解着色が起らない温度条件下に重合する。
重合溶媒としては前述の開始剤の重合能を阻害しないも
のであれば各種の有機溶媒を用いることができるが、芳
香族炭化水素基を分子内に含有する有機溶媒を使用する
と、立体規則性がより向上したAN系共重合体が得られ
るので好ましい。本発明の重合機構は未だ十分には明ら
かではないものの、溶媒分子内の芳香族系のπ電子がA
N系共重合体の立体規則性懲戒に対して何等かの重要な
役割を果たしているものと考えられる。本発明の範囲を
限定するものではないが、これらの芳香族炭化水素基含
有有機溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、オ
ルトキシレン、メタキシレン、パラキシレン、ナフタレ
ン、ジフェニルエーテル、ビフェニールなどを挙げるこ
とができる。
本発明でいう、ANのみからなる三連子のアイソタクテ
ィック・トリアッド分率は次のように測定される。即ち
、重水素化ジメチルスルフオキシド(以下、rOMsO
Jと略記する〉中に溶解した溶液の13C−NMII(
質量数13の炭素同位体を利用した核磁気共鳴測定装置
)によって観測される27.9〜29、 lppmの範
囲に現れる三本のメチン基(−CH<)の炭素のピーク
強度から算定される。さらに具体的にはポリマー・ジャ
ーナル17巻1233頁(1985)に記載されている
上山らの方法で帰属したトリアット・タフティシティ−
に基づくピーク同定によって求められる。即ち、13C
−NMRの核磁気共鳴吸収ピーク・チャートにおいてこ
の全メチン・ピーク強度に対するmmのピーク強度の割
合がアイソタクティック・トリアッド分率である。
この測定に際して、装置として、例えば日本電気製フー
リエ交換NMR(FX−200)を使用し、溶媒として
重水素化DMSOを用い、試料濃度を3〜20重量%に
調整する。測定条件としては、温度80℃、観測周波数
幅1000Hz、データ・ポイン) 16 k 、照射
時間6.5μ5(45°パルス)、パルス遅延時間2.
581サンプリング時間8.1s、積算回数64X10
〜64 X100に設定する。
本発明のAN系共重合体中のAN含有率は、この共重合
体の立体規則性の効果を十分に発現するためには50重
量%以上であることが必要である。
この含有率が50%より低下すると、ΔN部分の立体規
則性が如何に向上しても共重合体全体としての物性(例
えば、水共存下の融点など)は立体規則性のない場合の
共重合体並に低下する。
本発明のAN系共重合体の製造において、ANと共重合
すべきコモノマーとしては、一般にはANと共重合可能
なるエチレン系不飽和モノマーであればよいが、AN部
分の立体規則性の効果をより大きく発現させるためには
コモノマー分子内にハロゲン原子を含有しないものが望
ましい。コモノマーとしては、例えばメタクリロニトリ
ル(以下、rMAN Jと略記する)、クロトンニトリ
ル、アリルニトリルなどのニトリル基含有モノエチレン
系不飽和モノマーや、アクリル酸メチル(以下、rMA
Jと略記する)、メタクリル酸メチルなどのアクリ、ル
酸系モノエチレン系不飽和モノマーエチレン、アセチレ
ン、プロピレン、ブタジェン、スチレンなどの炭化水素
系エチレン系不飽和モノマー、酢酸ビニル、イソ酪酸ビ
ニルなどのビニルエステル類等が挙げられる。
本発明のAN系共重合体は10.000以上、好ましく
は10.000〜約500.000の粘度平均分子量を
有する。分子量が10.000未満であると、繊維や膜
などへの成形が困難であるか、または成形できても実用
上十分な強度をもつものが得られない。
粘度平均分子量は、25℃ジメチルスルフオキシドに測
定すべき共重合体を溶解し、常法により固有粘度〔η〕
を求めた後、次に示す立体規則性の高いホモポリアクリ
ロニトリルの粘度式を近似的に用いて算出する。
Cη)= 0.204xM’−” 本発明のAN系共重合体の顕著な特性は水共存下の高い
融点などにみられるが、この融点の測定は示差走査熱量
計(以下、DSCと略記する)を用いて行われる。標準
的には乾燥試料約3mgおよびそれと同重量の純水とを
試料として用い、これを例えばセイコー電子社製5SC
5000熱分析システムDSC−200により、昇温速
度5℃/分で加熱して測定する。その際の融点は第1図
のように吸熱ピークとして現われ、この吸熱ピークの発
現する温度を水共存下の融点と定義する。DSCによる
測定法の詳細は、例えば、繊維学会編「繊維・高分子測
定法の技術」 (朝食書店、1985)の229ページ
に記載されている。
〔発明の効果〕
本発明の、ANのみからなる三連子のアイソタクティッ
ク・トリアッド分率が0.35以上のAN系共重合体は
、水存在下での融点が上昇するなど結晶性が高い。この
共重合体から得られる繊維は機械的強度および湿潤状態
での耐熱性に優れ、例えば、一般の衣料分野はもちろん
、高級衣料分野、産業資材分野、宇宙工学分野などにお
いて有用である。
さらに、本発明の共重合体は、金属イオンを選択的に配
位する性質を有しているので、金属の選択的吸着素材と
して有用であり、また金属を配位した重合体は、導電性
ポリマーとしても効果が期待される。
〔実施例〕
以下、実施例に従って、本発明をさらに詳細に説明する
が、本発明はこれらの例によって対等限定されるもので
はない。
実施例1 蒸発成分を凝縮しそれを還流できるように組まれた第2
図のような装置において、まず300ccの三つロフラ
スコ5を窒素置換し、これにキシレン(三種の異性体混
合物)を50cc入れて温度を120℃に調節した。重
合開始剤としてジノルマルヘキシルマグネシウムの1.
0モル濃度へブタン溶液1、0 ccを添加してl0分
間放置した。次に、へNO35ccおよびMANを9.
5 cc滴下して30分重合させた。
これに、適当量の塩酸メタノール混合溶液を加えて重合
反応を終了させ、以下、濾過と水洗を繰り返して後、乾
燥標量した結果収量は0.8gであった。
共重合体の粘度平均分子量は105.000であった。
この共重合体を重水素化DMSOに5重量%溶解して、
”C−NMR測定を行ったところ、ANのみからなる三
連子のアイソタクティック・トリアッド分率は0.52
であった。また共重合体中のモノマーユニット含有率は
、やはり”C−NMRのシアノ基のビ−ク面積比から算
出するとANが55%、MANが45%であった。
これをセイコー電子社giSSC5000熱分析システ
ムDSC−200を用いて、本文中に記述した方法によ
って測定したこの試料の水共存下の融点は171℃であ
った。
比較例1 実施例■と同様の図2のような装置を用いた。
キシレン300ccに開始剤のアゾビスイソブチロニト
リル0.1gを溶解して供給し温度を50℃に調製した
後、AN5.OccおよびMAN 5.Qccを滴下し
て2時間の重合を行った。
ここで得られた共重合体を濾過と水洗とを繰り返して後
、乾燥様量した結果収量は3.4gであった。
共重合体の粘度平均分子量は86.000であった。
この共重合体を実施例1と同様に13C−NMR測定を
行ったところ、ANのみからなる二連子のアイソタクテ
ィック・トリアッド分率は0.26であった。
また共重合体中のモノマーユニット含有率は、ANが5
7%、MANが43%であった。
DSCを用いて測定したこの試料の水共存下の融点は1
68℃であった。
実施例2 実施例1と同様の装置で、仕込モノマーをAN2、0 
cc、 MA 8. Occとした以外は実施例1とま
ったく同様の操作によって重合を行った。これに、適当
量の塩酸メタノール混合溶液を加えて重合反応を終了さ
せ、以下濾過と水洗を繰り返して後、乾燥様量した結果
収量は1.4gであった。
共重合体の粘度平均分子量は79.000であった。
この共重合体を重水素化DMSOに5重量%溶解して、
” C−NMR測定を行ったところ、ANのみからなる
二連子のアイソタクティック・トリアッド分率は0.5
2であった。また共重合体中のモノマーユニット含有率
は、ANが85%、MAが15%であった。
この試料の水共存下の融点は159℃であった。
比較例2 仕込モノマーをAN 7.0cc、 MA 3、Qcc
とした以外は比較例1とまったく同様の操作によって重
合を行った。収量は3.5gであった。
共重合体の粘度平均分子量は67、000であり、AN
のみからなる二連子のアイソタクティック・トリアッド
分率は0゜27、共重合体中のモノマーユニット含有率
は、ANが82%、MAが18%であった。
この試料の水共存下の融点は153℃であった。
比較例3 仕込モノマーをAN 3. OccSMA 7. Oc
cとした以外は比較例1とまったく同様の操作によって
重合を行った。収量は3,1gであった。
共重合体の粘度平均分子量は108.000であり、A
Nのみからなる二連子のアイソタクティック・トリアッ
ド分率は0.26であり、共重合体中のモノマーユニッ
ト含有率は、ANが42%、MAが58%であった。
また、この試料の水共存下の融点は150℃であった。
実施例3〜11 重合開始剤を変化させ、その他の操作は実施例1とまっ
たく同様にして行った結果を表1に示す。
実施例12および13 有機金属化合物としてジノルマルヘキシルマグネシウム
を固定してこれを実施例1と同量用い、これに対して等
モルの遷移金属化合物を使用して重合を行った結果を表
2に示す。
la”F余日 56一 実施例14 重合溶媒をキシレンのかわりにノルマルトリデカンを用
いた以外はすべて実施例工に準じて行った結果、共重合
体の収量は0.7g、粘度平均分子量は73.000で
あり、ANのみからなる二連子のアイソタクティック・
トリアッド分率は0.43であり、共重合体中のモノマ
ーユニット含有率は、ANが58%、MANが42%で
あった。
また、この試料の水共存下の融点は169℃であった。
実施例15 重合溶媒をキシレンのかわりにノルマルトリデカンを用
いた以外はすべて実施例2に準じて行った結果、共重合
体の収量は0.7g、粘度平均分子量は169.000
であり、ANのみからなる二連子のアイソタクティック
・トリアッド分率は0.44であり、共重合体中のモノ
マーユニット含有率は、ANが83%、MAが17%で
あった。
また、この試料の水共存下の融点は157℃であった。
実施例16 重合圧力を4気圧とし、重合温度を150℃とした以外
はすべて実施例2に準じて行った結果、共重合体の収量
は1.6g、粘度平均分子量は147.000であり、
ANのみからなる二連子のアイソタクティック・トリア
ッド分率は0.55であり、共重合体中のモノマーユニ
ット含有率は、ANが56%、MAが44%であった。
さらに、この試料の水共存下の融点は155℃であった
実施例17 重合温度を55℃とした以外はすべて実施例2に従って
重合を行った結果、共重合体の収量は0.8g1粘度平
均分子量は95.000であり、ANのみからなる二連
子のアイソタクティック・トリアッド分率は0.57で
あり、共重合体中のモノマーユニット含有率は、ANが
57%、MAが43%であった。
さらに、この試料の水共存下の融点は155℃であった
実施例18 重合温度を38℃とした以外はすべて実施例2に従って
重合を行った結果、共重合体の収量は0.5g、粘度平
均分子量は70.000であり、ANのみからなる二連
子のアイソタクティック・トリアッド分率は0.39で
あり、共重合体中の七ノマーユニット含有率は、ANが
56%、MAが44%であった。
さらに、この試料の水共存下の融点は153℃であった
【図面の簡単な説明】
第1図は、水共存下の融点の測定に用いる示差走査熱量
計・吸発熱曲線を示し、横軸は対象とする系の温度、縦
軸は上方が発熱、下方が吸熱を示す。 第2図は重合装置の概要を示す図である。 1・・・磁気回転器、  2・・・断熱材、3・・・磁
気回転子、  4・・・温度調節可能な油浴、5・・・
三つロフラスコ、 6・・・滴下ロート、  7・・・冷却管、8・・・窒
素供給用ゴムホース、 9・・・排気用ゴムホース、 IO・・・流動パラフィン浴。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)アクリロニトリルを50重量%以上含有する共重
    合体において、アクリロニトリル・モノマーユニットの
    みからなる三連子のアイソタクティック・トリアッド分
    率が0.35以上であって、粘度平均分子量が10,0
    00以上であるアクリロニトリル系共重合体。
  2. (2)有機溶媒中で重合してアクリロニトリル系共重合
    体を得るに際し、アルカリ土類金属を含有する有機金属
    化合物を単独で用いるかまたはこれと遷移金属化合物と
    の組合せ、または、周期律表第 I 、IIおよびIII族の金
    属を二種以上含む有機金属化合物を開始剤系として用い
    重合することを特徴とする請求項1記載のアクリロニト
    リル系共重合体の製法。
  3. (3)アルカリ土類金属を含有する有機金属化合物とし
    て、R_2Mg、RMgX、R_2NMgR、R_2N
    MgNR_2、(R_3Si)_2NMgR、(R_3
    Si)_2NMgN(SiR_3)_2、R_3SiM
    gR、R_3SiMgSiR_3、ROMgR、ROM
    gOR、RSMgRおよびRSMgSRで表されるマグ
    ネシウム化合物;式R_2BeおよびRBeXで表され
    るベリリウム化合物;ならびに式R_2CaおよびRC
    aXで表されるカルシウム化合物の中から選ばれた少な
    くとも一種を用いる請求項2記載のアクリロニトリル系
    共重合体の製法。 ここで、式中のRはたがいに同一でも異なっていてもよ
    く、それぞれ脂肪族または芳香族炭化水素もしくはそれ
    らの組合せによってなる炭化水素であり、また式R_2
    NMgRおよびR_2NMgNR_2で表される化合物
    においてはR_2として表される二個のRはたがいに結
    合しそれらが結合している窒素原子とともに複素環を形
    成していてもよい。
  4. (4)有機溶媒中での重合でアクリロニトリル系共重合
    体を得るに際し、式M^1M^2R_3_−_nH_n
    、M^1AlR_4_−_nH_n、M^2AlR_5
    _−_nX_n、M^2(AlR_4_−_nH_n)
    _2、M^2AlR_5_−_n(NR_2)_n、L
    iZnR_3_−_n(NR_2)_n、およびLi_
    2ZnR_4_−_n(NR_2)_nで表される有機
    金属化合物の中から選ばれた少なくとも一種を用いる請
    求項2記載のアクリロニトリル系共重合体の製法。 ここで、式中のRはたがいに同一でも異なっていてもよ
    く、それぞれ脂肪族または芳香族炭化水素もしくはそれ
    らの組合せによってなる炭化水素である。また、M^1
    はリチウム、ナトリウム、カリウムのうちから選ばれた
    一種の金属、M^2はマグネシウム、ベリリウム、カル
    シウム、亜鉛、カドミウムのうちから選ばれた一種の金
    属、Xは弗素、塩素、臭素、沃素のうちから選ばれた一
    種の元素であり、更に、nは零または正の整数で同一分
    子内における5−n、4−nあるいは3−nの添え字が
    負にならない範囲の値をとるものとする。
  5. (5)有機溶媒として、芳香族炭化水素基を分子内に有
    する有機化合物を用いる請求項2記載のアクリロニトリ
    ル系共重合体の製法。
  6. (6)大気圧より高い圧力下に重合する請求項2記載の
    アクリロニトリル系共重合体の製法。
  7. (7)50℃より高い温度で重合する請求項2記載のア
    クリロニトリル系共重合体の製法。
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