JPH0365383B2 - - Google Patents

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JPH0365383B2
JPH0365383B2 JP57221664A JP22166482A JPH0365383B2 JP H0365383 B2 JPH0365383 B2 JP H0365383B2 JP 57221664 A JP57221664 A JP 57221664A JP 22166482 A JP22166482 A JP 22166482A JP H0365383 B2 JPH0365383 B2 JP H0365383B2
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  • Coating Of Shaped Articles Made Of Macromolecular Substances (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
本発明は、ポリカーボネート系樹脂基材にポリ
カーボネート系樹脂に対して付着性の良い下塗り
塗料を被覆硬化し、その上に珪素系樹脂を含む上
塗り塗料を被覆硬化してなる耐摩耗性が優れた被
覆ポリカーボネート系樹脂成形物品に関するもの
である。 一般にポリカーボネート系樹脂は、耐衝撃性透
明性にすぐれているため透明プラスチツク材料と
して広く使用されているが、耐摩耗性、耐溶剤性
に乏しく表面に傷がつきやすく、また有機溶剤に
侵されやすいという欠点がある。これらの欠点を
改良する方法として、熱硬化性樹脂で被覆する方
法が種々提案されているが、十分満足できるもの
が得られていないのが現状である。 たとえばメチルトリアルコキシシランとフエニ
ルトリアルコキシシランなどのトリアルコキシシ
ラン、これにエチルシリケート、ブチルシリケー
トなどのテトラアルコキシシランを組み合せたも
の、あるいは他の樹脂塗料との混合物などが知ら
れているが、耐摩耗性、耐熱水性、耐熱性、付着
性及び塗料のポツトライフ等諸物性が全て良好な
ものは得られていない。また特公昭53−15743、
同53−35589にはエポキシ基含有アルコキシシラ
ンにBF3、BF3エーテラート等のルイス酸または
その錯合体、HCl,HBr,HI,HNO3,HClO4
H3PO4等のブレンステツド酸、ナフテン酸コバ
ルト、ナフテン酸亜鉛等の有機酸の金属塩等の硬
化触媒を含有する被覆組成物を塗布、硬化した物
品が開示されているが、これらは塗料のポツトラ
イフが短い、あるいは硬化に長時間を要し、実用
的でない。更にポリカーボネート系基材との付着
性が不良である。特公昭52−39691にはコロイダ
ルシリカとメチルトリメトキシシランの加水分解
物を主成分とするコーテイング組成物が開示され
ており、この硬化塗膜は、充分なる硬度を有して
いるが、可撓性が乏しく、更にプラスチツク製基
材への良好なる付着性を得るのは極めて難しい。
特開昭53−111336にはエポキシ基並びにシラノー
ルおよび/またはシロキサン基の両者または一方
を含有する化合物から選ばれた1種または2種以
上の混合物と1〜100ミリミクロンのシリカ微粒
子およびアルミニウムキレート化合物を含有する
コーテイング組成物が開示されているが、これら
の硬化塗膜は硬度が不充分であり煮沸水浸漬等に
より硬度低下が生じ、またビスフエノールタイプ
のポリカーボネートに対する付着性が不良であ
る。また、特開昭56−92059には熱硬化性アクリ
ルポリマーおよび紫外線吸収性化合物を含む組成
物を下塗り層とし、熱硬化したコロイド状シリカ
充填オルガノポリシロキサンを上塗り層としたポ
リカーボネート物品が開示されているが、これと
ても付着性、耐熱水性、耐候性などは十分満足で
きるものではない。 本発明者らは、このような欠点を除去し耐摩耗
性、耐溶剤性、耐薬品性、耐候性が改善されたポ
リカーボネート系樹脂成形物品を提供することを
目的とし、鋭意研究した結果ポリカーボネート系
樹脂基材に側鎖にアルコキシシリル基を有するア
クリル又はビニル共重合体、硬化触媒、および架
橋剤を含む下塗り塗料を塗布、焼付けることによ
り下塗り層を施し、ポリカーボネート系樹脂基材
に対する上塗り塗膜層の付着性を向上させ、更に
前記下塗り塗膜層の上にコロイダルシリカ含有オ
ルガノポリシロキサンを含む上塗り塗料を塗布
し、焼付けて耐摩耗性を向上させることによりポ
リカーボネート系樹脂成形物品の耐摩耗性、耐溶
剤性、耐薬品性及び耐候性等を改善し得ることを
見出した。 すなわち本発明は、(a)アルコキシシリル基を有
するアクリル又は/及びビニル単量体とこれらの
単量体と共重合可能な他の単量体との共重合体、
(b)硬化触媒、および(C)架橋剤を含む組成物を被覆
硬化して下塗り層となし、コロイダルシリカ含有
オルガノポリシロキサンを含む組成物を被覆硬化
して上塗り層とした耐摩耗性が改善された被覆ポ
リカーボネート系樹脂成形物品を提供するもので
ある。 本発明において、上塗りとして用いるコロイダ
ルシリカ含有オルガノポリシロキサンを含む組成
物とは、下記(A)および(B)から成る群より選ばれる
少なくとも1種、(C)および(D)、 (A) 一般式(1)
【式】 (式中R1はエポキシ基を有する有機基、R2
水素、炭素数1〜6の炭化水素基、R3は炭素数
1〜5の炭化水素基、アルコキシアルキル基また
は炭素数1〜4のアシル基、aは1〜3、bは0
〜2であつてa+b≦3である。) で示されるエポキシ基を有する珪素化合物から選
ばれる1種もしくは2種以上の加水分解物 (B) 一般式(2) R4 c−Si−(OR54-c (2) (式中R4は炭素数1〜6の炭化水素基、メタ
クリロキシ基、アミノ基、メルカプト基、フツ素
または塩素を有する有機基、R5は炭素数1〜5
の炭化水素基、アルコキシアルキル基または炭素
数1〜4のアシル基、cは0〜3である。)で示
される有機珪素化合物の加水分解物 (C) コロイダルシリカ (D) 硬化触媒 を含む組成物であり、好ましくは、 (A) 一般式(1)で示されるエポキシ基を有する珪素
化合物から選ばれる1種もしくは2種以上の加
水分解物100重量部(但し、固型分で計算し、
【式】として計算する。) (B) 一般式(2)で示される有機珪素化合物の加水分
解物56〜550重量部(但し、固型分で計算し、
R4 c−Si−O4−c/2として計算する。) (C) コロイダルシリカ4〜334重量部(但し、固
型分で計算し、SiO2として計算する。)ただし
(B)と(C)の合計は567重量部を越えず、好ましく
は60〜567重量部である。および (D) 硬化触媒 を含む組成物である。 更に好ましくは、成分(A)100重量部に対し、成
分(B)は105〜430重量部及び成分(C)が16〜200重量
部で成分(B)と成分(C)の合計が121〜473重量部であ
る。成分(B)と成分(C)の合計が60重量部未満である
と、併用する効果が小さくなり、また567重量部
を越えると、硬化塗膜の可撓性が著しく減少し、
更に良好なる付着性を得るのが極めて難しくなつ
てくる。 本発明で使用される一般式(1)で示される成分(A)
のエポキシ基を有する珪素化合物としては、下記
の様なものが挙げられる。グリシドキシ基を1ケ
有する珪素化合物の具体例としては、 グリシドキシメチルトリメトキシシラン グリシドキシメチルトリエトキシシラン β−グリシドキシエチルトリメトキシシラン β−グリシドキシエチルトリエトキシシラン γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン γ−グリシドキシプロピルトリ(メトキシエト
キシ)シラン γ−グリシドキシプロピルトリアセトキシシラ
ン δ−グリシドキシブチルトリメトキシシラン δ−グリシドキシブチルトリエトキシシラン グリシドキシメチルジメトキシシラン グリシドキシメチル(メチル)ジメトキシシラ
ン グリシドキシメチル(エチル)ジメトキシシラ
ン グリシドキシメチル(フエニル)ジメトキシシ
ラン グリシドキシメチル(ビニル)ジメトキシシラ
ン グリシドキシメチル(ジメチル)メトキシシラ
ン β−グリシドキシエチル(メチル)ジメトキシ
シラン β−グリシドキシエチル(エチル)ジメトキシ
シラン β−グリシドキシエチル(ジメチル)メトキシ
シラン γ−グリシドキシプロピル(メチル)ジメトキ
シシラン γ−グリシドキシプロピル(エチル)ジメトキ
シシラン γ−グリシドキシプロピル(ジメチル)メトキ
シシラン δ−グリシドキシブチル(メチル)ジメトキシ
シラン δ−グリシドキシブチル(エチル)ジメトキシ
シラン δ−グリシドキシブチル(ジメチル)メトキシ
シラン グリシドキシ基を2ケまたは3ケ有する珪素化
合物の具体例としては、 ビス(グリシドキシメチル)ジメトキシシラン ビス(グリシドキシメチル)ジエトキシシラン ビス(グリシドキシエチル)ジメトキシシラン ビス(グリシドキシエチル)ジエトキシシラン ビス(グリシドキシプロピル)ジメトキシシラ
ン ビス(グリシドキシプロピル)ジエトキシシラ
ン トリス(グリシドキシメチル)メトキシシラン トリス(グリシドキシメチル)エトキシシラン トリス(グリシドキシエチル)メトキシシラン トリス(グリシドキシエチル)エトキシシラン トリス(グリシドキシプロピル)メトキシシラ
ン トリス(グリシドキシプロピル)エトキシシラ
ン グリシジル基を有する珪素化合物の具体例とし
ては、 グリシジルメトルトリメトキシシラン グリシジルメチルトリエトキシシラン β−グリシジルエチルトリメトキシシラン β−グリシジルエチルトリエトキシシラン γ−グリシジルプロピルトリメトキシシラン γ−グリシジルプロピルトリエトキシシラン γ−グリシジルプロピルトリ(メトキシエトキ
シ)シラン γ−グリシジルプロプルトリアセトキシシラン 脂環式エポキシ基を有する珪素化合物の具体例
としては、 3,4−エポキシシクロヘキシルメチルトリメ
トキシシラン 3,4−エポキシシクロヘキシルメチルトリエ
トキシシラン 3,4−エポキシシクロヘキシルエチルトリメ
トキシシラン 3,4−エポキシシクロヘキシルプロピルトリ
メトキシシラン 3,4−エポキシシクロヘキシルブチルトリメ
トキシシラン を挙げることができる。 本発明で使用される成分(B)である前記一般式(2)
で示される有機珪素化合物としては、下記の様な
ものが挙げられる。すなわち、 トリメチルメトキシシラン、ジメチルジメトキ
シシラン,メチルトリメトキシシラン,テトラエ
トキシシラン,フエニルトリメトキシシラン,フ
エニルメチルジメトキシシラン,ビニルトリエト
キシシラン,ビニルトリス(β−メトキシエトキ
シ)シラン,ビニルトリアセトキシシラン,γ−
メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン,γ
−アミノプロピルトリエトキシシラン,N−(β
−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメト
キシシラン,N−ビス(β−ヒドロキシエチル)
−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン,N−
(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピル(メチ
ル)ジメトキシシラン,γ−クロロプロピルトリ
メトキシシラン,γ−メルカプトプロピルトリメ
トキシシラン,3,3,3−トリフルオロプロピ
ルトリメトキシシラン等がある。これらは単独で
使用してもよく、また2種以上併用してもよい。 成分(C)のコロイダルシリカとは、分散媒、たと
えば水またはアルコール系分散媒に無水珪酸の好
ましくは1〜100ミリミクロンの粒径の超微粒子
を、分散せしめたコロイド溶液であり、周知の方
法で製造され市販されているものである。 これら(B)成分および(C)成分を(A)成分と併用する
ことにより、塗膜の耐候性が向上し、かつ耐候性
テスト後の外観及び硬度が良好となる。 本発明において成分(A)として用いられる前記一
般式(1)で示されるエポキシ基を有する珪素化合物
から選ばれる1種もしくは2種以上の加水分解物
および成分(B)として用いられる前記一般式(2)で示
される有機珪素化合物から選ばれる1種もしくは
2種以上の加水分解物とは、該珪素化合物中のア
ルコキシ基、アルコキシアルコキシ基またはアシ
ロオキシ基の一部または全部が水酸基に置換され
たものおよび置換された水酸基同志が一部自然に
縮合したものを含んでいる。これらの加水分解物
は、公知の様にたとえば水とアルコールのごとき
混合溶媒中、酸の存在下で加水分解することによ
つて得られる。前記一般式(1)および(2)で示される
珪素化合物を加水分解しないで用いた場合は、硬
化塗膜が白化し、また耐摩耗性も不充分である。 一般式(1)及び(2)で示される珪素化合物を加水分
解物として用いる場合は、別々に加水分解するよ
りは、混合して同時に共加水分解する方が良好な
結果を与える場合が多い。 本発明における上塗り層用のコーテイング組成
物中の成分(D)の硬化触媒としては、次の様な触媒
を用いることができる。すなわち過塩素酸アンモ
ニウム、硝酸アンモニウム、塩化アンモニウム、
硫酸アンモニウム、チオシアン酸アンモニウム、
過塩素酸、塩酸、硝酸、リン酸、硫酸、スルホン
酸、パラトルエンスルホン酸、三フツ化ホウ素及
びその電子供与体との錯体。SnCl4,ZnCl3
FeCl3,AlCl3,SbCl5,TiCl4などのルイス酸及
びその錯体。 酢酸ナトリウム、ナフテン酸亜鉛、ナフテン酸
コバルト、オクチル酸亜鉛、オクチル酸スズ等の
有機酸金属塩。ホウフツ化亜鉛、ホウフツ化スズ
等のホウフツ化金属塩類。ホウ酸エチル、ホウ酸
メチル等のホウ酸有機エステル類。水酸化ナトリ
ウム、水酸化カリウム等のアルカリ類。テトラブ
トキシチタン、テトライソプロポキシチタン等の
チタネートエステル類。クロムアセチルアセトネ
ート、チタニルアセチルアセトネート、アルミニ
ウムアセチルアセトネート、コバルトアセチルア
セトネート、ニツケルアセチルアセトネート等の
金属アセチルアセトネート類。n−ブチルアミ
ン、ジ−n−ブチルアミン、トリ−n−ブチルア
ミン、ジメチルベンジルアミン、トリス−2,
4,6−ジメチルアミノフエノール、グアニジ
ン、ビグアニド、イミダゾール、1,5−ジアザ
ビシクロ(4,3,0)ノネン、1,8−ジアザ
ビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7等のアミ
ン類およびその塩、トリフルオロメチルスルホン
酸アンモニウム、トリフルオロメチルスルホン酸
ナトリウム、トリフルオロメチルスルホン酸カリ
ウム等の高フツ化脂肪族スルホン酸塩、NH4
(CF3SO22C・Br、 K(CF3SO22CH、Ba〔(CF3SO22CH〕2等の高
フツ化脂肪族スルホニル系化合物等が挙げられ
る。 これらの硬化触媒の中で、塗膜の硬度、透明性
等が良好で、しかも塗料液のポツトライフが長い
硬化触媒として過塩素酸アンモニウム、塩化アン
モニウム、硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウ
ム、酢酸ナトリウム、イミダゾール類およびその
塩、トリフルオロメチルスルホン酸アンモニウム
及びビス(トリフルオロメチルスルホニル)ブロ
モメチルアンモニウムに代表される過塩素酸塩、
塩酸塩、硫酸塩、カルボン酸塩、アミン類および
その塩、高フツ化脂肪族スルホン酸塩及び高フツ
化脂肪族スルホニル系化合物が適している。 本発明における上塗り用組成物に含まれる硬化
触媒としては前記各種の硬化触媒のの1種もしく
は2種以上を併用して用いても差し支えない。こ
れら硬化触媒の添加量は、上塗り用コーテイング
組成物の固形分に対して0.05〜10重量部%、より
好ましくは0.1〜5重量%である。 上塗り用組成物に含ませてよい溶剤としては、
アルコール類、ケトン類、エステル類、エーテル
類、セロソルブ類、ハロゲン化物、カルボン酸
類、芳香族化合物等をあげることができ、これら
のうちの1種または2種以上の混合溶剤として用
いることができる。特にメタノール、エタノー
ル、プロパノール、イソプロパノール、ブタノー
ル等の低級アルコール、メチルセロソルブ、エチ
ルセロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ
類:ギ酸、酢酸、プロピオン酸等の低級アルキル
カルボン酸類:トルエン、キシレン等の芳香族化
合物:酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類:
及びアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソ
ブチルケトンなどのケトン類等を単独もしくは混
合溶剤として用いることが好ましい。 更に必要に応じて平滑な塗膜を得るためにフツ
素系界面活性剤、アルキレンオキシドとジメチル
シロキサンとのブロツク共重合体などのフローコ
ントロール剤を添加することができる。これらフ
ローコントロール剤の添加量は、少量で充分であ
り上塗り組成物全体に対し0.01〜5重量%、より
好ましくは0.03〜3重量部%である。また酸化防
止剤、紫外線吸収剤等を少量添加することもでき
る。 上塗り塗料のコーテイングは、通常おこなわれ
ている浸漬法、噴霧法、ローラコーテイング方
法、またはフローコート法等のコーテイング方法
によつて後述の上塗り塗料をあらかじめ塗布焼付
されたポリカーボネート系基材にコーテイング後
70℃以上で基材の変形温度(例えば130℃)以下
の温度で20分〜5時間焼付け、硬化させることに
より耐摩耗性、付着性、耐熱水性、および耐候性
が良好な塗膜が得られる。 この上塗り塗膜の好ましい厚味は、1〜30ミク
ロン、より好ましくは3〜15ミクロンである。1
ミクロン以下であると耐摩耗性が充分でなく、ま
た30ミクロン以上になるとクラツクが発生しやす
くなる。 本発明において、下塗りとして用いるアルコキ
シシリル基を有するアクリル又はビニル単量体
と、それと共重合可能な他の単量体との共重合体
とは、その分子中に、一般式 (式中R6は水素又はメチル基、R7は炭素数1
〜6の炭化水素基、R8は炭素数1〜5の炭化水
素基、アルコキシアルキル基又は炭素数1〜4の
アシル基、dは0、1又は2である。R8は同一
の基であつても良いし、異なる基の混合であつて
も良い。)又は/及び一般式 (式中R9は炭素数1〜6の炭化水素基、R10
炭素数1〜5の炭化水素基、アルコキシアルキル
基又は炭素数1〜4のアシル基、eは0、1又は
2である。R10は同一の基であつても良いし、異
なる基の混合であつても良い。)で示される構造
を有する共重合体であつて、通常一般式(3) 又は/及び一般式(4) (式中、R6,R7,R8,R9,R10,dおよびe
は前記の意味を有する。)で示される単量体とこ
れらの単量体と共重合可能な他の単量体を付加重
合せしめることにより得られる。なおR8,R10
夫々異なる基の混合である場合は異なる基を有す
る単量体を重合せしめて共重合体を得てもよい
し、同一の基を有する単量体を重合せしめて共重
合体を得た後、アルコールの存在下にエステル交
換することによつても得られる。 一般式(3)で示されるアルコキシシリル基を有す
るアクリル単量体において、一般式中のR7とし
ては例えばメチル、エチル、プロピル、ブチルな
どのアルキル基:フエニルなどのアリール基:ビ
ニル,アリルなどのアルケニル基など:R8とし
ては例えばメチル,エチル,プロピル,ブチルな
どのアルキル基:メトキシエトキシ,エトキシエ
トキシ,ブトキシエトキシなどのアルコキシアル
キル基:アセチルなどのアシル基などが挙げら
れ、R6,R7,R8の種類、dの数によつて種々の
化合物が本発明において使用されるが、具体例と
しては例えば以下の様なものが挙げられる。γ−
(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリエト
キシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピル
メチルジメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロ
キシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−(メ
タ)アクリロキシプロピルジメチルメトキシシラ
ン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルジメチル
エトキシシランなどである。 一般式(4)で示されるアルコキシシリル基を有す
るビニル単量体において、一般式中のR9として
は前記R7と同様の基、R10としては前記R8と同様
の基が挙げられ、R9,R10の種類とeの数によつ
て種々の化合物が本発明において使用されるが、
具体例としては例えば以下の様なものが挙げられ
る。ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエト
キシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキ
シ)シラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニ
ルメチルジメトキシシラン、ビニルメチルジエト
キシシラン、ビニルジメチルメトキシシラン、ビ
ニルジメチルエトキシシランなどである。 一般式(3),(4)で示される単量体と共重合可能な
他の単量体としては下記の様なものが挙げられ
る。(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル
酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)
アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチ
ルヘキシル、ジシクロペンテニル(メタ)アクリ
レート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
ト、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、
ブチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、
グリセロールモノ(メタ)アクリレート、ポリエ
チレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポ
リプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレー
ト、グリシジル(メタ)アクリレート、ジメチル
アミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルア
ミノエチル(メタ)アクリレート、ジブチルアミ
ノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノ
プロピル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノ
プロピル(メタ)アクリレート、ジブチルアミノ
プロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリ
ルアミド、メチロール(メタ)アクリルアミド、
ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、(メタ)
アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、イタコン
酸、スチレン、ビニルトルエン、酢酸ビニル、ア
クリロニトリル、アリルアルコールなどである
が、一般式(3),(4)で示される単量体と共重合可能
なものであればどの様な単量体であつてもよい。 一般式(3),(4)で示される単量体はそれを重合し
て得られる共重合体中に、1〜70重量%好ましく
は2〜40重量%さらに好ましくは2〜30重量%含
まれる。1重量%より少ないと下塗り塗膜とコロ
イダルシリカ含有オルガノポリシロキサンを含む
上塗り塗膜との密着性が低下し、70重量%より多
い場合には下塗り塗膜のポリカーボネート系樹脂
基材への付着性が低下すると共に塗料液の安定性
が低下する。 共重合体の重量平均分子量は1〜30万好ましく
は2〜20万である。1万より小さいとポリカーボ
ネート系樹脂基材への付着性が低下し、30万より
大きいと塗膜の外観が損なわれ好ましくない。 本発明の下塗り用塗料に用いられる硬化触媒と
しては、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、過塩素酸等
の無機酸。ギ酸、酢酸、プロピオン酸、パラトル
エンスルホン酸、シユウ酸等の有機酸。ナフテン
酸亜鉛、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸鉛、オ
クチル酸亜鉛、オクチル酸スズ等の有機酸金属
塩。n−ブチルアミン、ジ−n−ブチルアミン、
ジエタノールアミン、3−トリエトキシシリルプ
ロピルアミン、イミダゾール類等のアミン。三フ
ツ化ホウ素およびその電子供与体との錯体。ホウ
酸メチル、ホウ酸エチル等のホウ酸有機エステル
類。テトラ−n−ブトキシチタンおよびそのオリ
ゴマー、テトライソプロポキシチタンおよびその
オリゴマー、ジイソプロポキシビス(アセチルア
セトネート)チタン、ジ−n−ブトキシビス(ト
リエタノールアミネート)チタン等の有機チタネ
ート類。SnCl4、ZnCl3、FeCl3、AlCl3、SbCl5
TiCl4などのルイス酸およびその錯体。1,5−
ジアザビシクロ(4,3,0)ノネン−5、1,
8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−
7等の2環式アミジンおよびその塩。ジブチルス
ズジラウレート、ジブチルスズマレエート等の有
機スズ化合物。テトラメチルアンモニウムクロラ
イド、トリエチルベンジルアンモニウムブロマイ
ド等の4級アンモニウム塩。クロムアセチルアセ
トネート、チタニルアセチルアセトネート、アル
ミニウムアセチルアセトネート、コバルトアセチ
ルアセトネート、ニツケルアセチルアセトネート
等の金属アセチルアセトネート類等が挙げられ
る。これら硬化触媒の中で、塗膜のポリカーボネ
ート系樹脂基材への付着性が特にすぐれ、しかも
塗料液のポツトライフが長い触媒として、有機
酸、アミン、金属アセチルアセトネート類、有機
チタネート等を挙げることができる。 前記各種の硬化触媒は1種もしくは2種以上を
併用して使用しても差し支えない。硬化触媒の添
加量は前記共重合体に対して0.01〜10重量%好ま
しくは0.1〜5重量%である。 0.01重量%より少ないと硬化触媒としての効果
が認められず、10重量%より多い場合は塗料液の
安定性が低下する。 本発明の下塗り用塗料に用いられる架橋剤とし
ては、エチレングリコール、プロピレングリコー
ル、ブタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペ
ンチルグリコール、ジエチレングリコール、トリ
リエチレングリコール、グリセリン、トリメチロ
ールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタ
エリスリトール、1,4−シクロヘキサンジメタ
ノール、水素添加ビスフエノールAおよびそのエ
チレンオキサイド付加物等の1分子中に少なくと
も2個のアルコール性ヒドロキシル基を有する化
合物。メチルトリメトキシシラン、メチルトリエ
トキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ビニ
ルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピ
ルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリ
エトキシシラン等のシラン化合物またはその加水
分解物、2,4−または/および2,6−トリレ
ンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジ
イソシアネート、イソホロンジイソシアネート等
のジイソシアネート等が挙げられるが、これらの
中で1分子中に少なくとも2個のアルコール性ヒ
ドロキシル基を有する化合物が最も好ましい。こ
れら架橋剤は1種のみ単独で、あるいは2種以上
併用して使用しても差し支えない。 架橋剤の添加量は前記共重合体に対し0.1重量
%〜50重量%であるが、前記共重合体に含まれる
アルコキシシリル基1当量に対し架橋剤の反応基
(たとえば1分子中に少なくとも2個のアルコー
ル性ヒドロキシル基を有する化合物においてはア
ルコール性ヒドロキシル基)が0.1〜1.0当量より
好ましくは0.1〜0.6当量となる様に添加量を決定
するのがより好ましい。 下塗り用塗料とするためには上記した成分にさ
らに溶媒、その他各種添加剤が加えられる。 溶媒としては、メタノール、エタノール、イソ
プロパノール、ブタノール、ダイアセトンアルコ
ールなどのアルコール類;エチルエーテル、エチ
レングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロ
フラン、ジオキサン等のエーテル類;メチルセロ
ソルブ、エチルセロソルブ、イソプロピルセロソ
ルブ、ブチルセロソルブなどのセロソルブ類;酢
酸エチル、酢酸ブチル、エチレングリコールジア
セテート、エチルセロソルブアセテートなどのエ
ステル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチ
ルイソブチルケトン、ジイソプロピルケトンなど
のケトン類;ギ酸、酢酸、プロピオン酸などのカ
ルボン酸類;n−ペンタン、n−ヘキサン、n−
ヘプタン等の脂肪族炭化水素類;ベンゼン、トル
エン、キシレン等の芳香族炭化化水素類;ジクロ
ロメタン、ジクロロエタン、トリクロロエタン、
トリクロロエチレン、1,1,2−トリクロロ−
1,2,2−トリフルオロエタン等のハロゲン化
炭化水素類;ニトロメタン、ニトロエタン、ニト
ロプロパン等のニトロ化合物類;アセトニトリ
ル、プロピオニトリル、ブチロニトリル、ベンゾ
ニトリル等のニトリル類;ホルムアミド、アセト
アミド、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミ
ド類を挙げることができ、これらを混合で用いて
も良い。 添加剤としては、フローコントロール剤、紫外
線吸収剤、紫外線安定剤、酸化防止剤等を挙げる
ことができる。 フローコントロール剤としては、市販のフツ素
系界面活性剤、アルキレンオキサイドとジメチル
シロキサンのブロツク共重合体などが挙げられ、
下塗り組成物中0〜5重量%、より好ましくは0
〜3重量%用いられる。 紫外線吸収剤としては、2−ヒドロキシ−4−
メトキシベンゾフエノン、2−ヒドロキシ−4−
オクトキシベンゾフエノン、2,4−ジヒドロキ
シベンゾフエノン、2,2′−ジヒドロキシ−4−
メトキシベンゾフエノンなどのベンゾフエノン
類;2−(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフエニル)
ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−
5′−t−ブチルフエニル)ベンゾトリアゾール、
2−(2′−ヒドロキシ−5′−オクチルフエニル)
ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′,
5′−ジ−t−ブチルフエニル)ベンゾトリアゾー
ル、2−(2′−ヒドロキシ−ジ−t−ブチルフエ
ニル)−5−クロロベンゾトリアゾールなどのベ
ンゾトリアゾール類;エチル−2−シアノ−3,
3′−ジフエニルアクリレートなどのシアノアクリ
レート類が挙げられ、下塗り組成物中のアクリル
共重合体又はビニル共重合体100重量部に対して
1〜200重量部用いられる。 上記した成分からなる下塗り組成物をポリカー
ボネート樹脂成形物品の表面に塗布し、得られる
塗膜を該樹脂成形物品の熱変形温度より低い温度
で焼付けることにより下塗り塗膜が得られる。 塗布方法は通常行われている浸漬法、噴霧法、
ローラーコート法、フローコート法などであり、
焼付けは70〜130℃で20分〜5時間行う。得られ
る下塗り塗膜の好ましい厚みは0.1〜5ミクロン
であり、所望の厚みが得られる様に塗布方法、条
件に応じて、上述した溶媒により下塗り組成物の
固型分が調整されるが、下塗り組成物の固型分は
おおむね1〜20重量%である。 本発明が適用できるポリカーボネート系樹脂と
しては、例えば、4,4′−イソプロピリデンジフ
エノールポリカーボネートのようなビスフエノー
ル型ポリカーボネートの他、米国特許第3305520
号およびクリストフアー、フオツクス共著「ポリ
カーボネート」第161〜176頁(1962年発行)に記
載されている他のポリカーボネート類、ジエチレ
ングリコールビスアリルカーボネート等が挙げら
れる。 これらは種々の成形品として、例えばメガネレ
ンズ、スキーゴーグル、ドアー、自動車用窓、間
仕切り等として使用される。 前記本発明による被覆ポリカーボネート系樹脂
成形物品は、必要によりその塗膜層を染色して着
色することができる。その染色方法としては、例
えば水に一般の分散染料、分散剤およびPH調整液
等を添加した染浴中で、85〜95℃の温度で5〜30
分間の条件で浸漬処理することにより行なわれ
る。この様にして耐摩耗性に優れた染色物品が得
られる。 以下実施例により本発明を更に詳しく説明する
が、本発明はこれらの実施例によつて限定される
ものではない。なお実施例中の部、%はそれぞれ
重量部、重量%を示す。 また塗膜の性能評価は次の方法にておこなつ
た。すなわち、 耐摩耗性:#0000スチールウールで摩擦し傷のつ
きにくさを調べ次の様に判定した。 A;強く摩擦しても傷がつかない。 B;強く摩擦すると少し傷がつく。 C;弱い摩擦でも傷がつく。 付着性:いわゆるクロスカツトテープテストで塗
膜表面にナイフで1mm間隔で縦横に各11本の平
行線を入れて100個のマス目をクロスツトし、
その上にセロフアン粘着テープを付着させた
後、テープを剥離して100個のマス目の中で剥
離しないマス目の個数をもつて表示した。 耐熱水性:煮沸水中に1時間浸漬後の塗膜の状態
を調べた。 耐熱性:120℃の熱風乾燥炉中に100時間保存後の
塗膜の状態を調べた。 耐薬品性:下記薬品に室温で100時間浸漬後の塗
膜の状態を調べた。 3%硫酸,1%水酸化ナトリウム,95%エタ
ノール,アセトン,酢酸エチル、,塩化炭素,
トルエン,n−ヘプタン,10%食塩水。 実施例 1 上塗り塗料および下塗り塗料の調製をそれぞれ
次の様におこなつた。 (1) 上塗り塗料の調製;γ−グリシドキシプロピ
ルトリメトキシシラン80部、メチルトリメトキ
シシラン144部、コロイダルシリカ(日産化学
工業(株)製、スノーテツクス−C,固形分20%)
71部および0.1規定塩酸水溶液170部を混合し、
80〜85℃で2時間還流して加水分解を行なつ
た。 得られた溶液は として計算されたγ−グリシドキシプロピルト
リメトキシシラン加水分解物12.2%,
CH3SiO1.5として計算されたメチルトリメトキ
シシラン加水分解物15.3%及びSiO2として計算
されたコロイダルシリカ3.1%を含んでいた。 この様にして得られた3元共加水分解物溶液
410部にエチルセロソルブ73部、過塩素酸アン
モニウム1.3部、フローコントロール剤少々を
添加し上塗り塗料とした。 (2) 下塗り塗料の調製;エチルセロソルブ400部、
メタアクリル酸エチル190部、γ−メタクリロ
キシプロピルトリメトキシシラン10部の混合物
を窒素雰囲気下で75℃に保ちつつベンゾイルパ
ーオキサイド1.0部をエチルセロソルブ200部に
溶かした溶液を2時間かかつて加え、さらに6
時間同温度に保つた。その後、エチルセロソル
ブ1486部、アルミニウムアセチルアセトネート
2部、1,6−ヘキサンジオール2.4部、2,
4−ジヒドロキシベンゾフエノン20部を加え下
塗り塗料とした。 あらかじめ洗浄したポリカーボネート基材にこ
の下塗り塗料を塗布し、熱風乾燥炉で、130℃、
30分間加熱乾燥した。 次にこの様にして得られた下塗り層で被覆され
たポリカーボネートに前記(1)で調整した上塗り塗
料を塗布し、熱風乾燥炉で130℃、60分間加熱乾
燥し硬化させた。 この様にして得られた被覆ポリカーボネート成
形物品は、透明で耐摩耗性はA、付着性は100/
100、耐熱水性及び耐熱性は良好で、しかも耐熱
水性テスト後の耐摩耗性、付着性はそれぞれA、
100/100と良好であつた。 更にサンシヤインウエザオメーターテスト1500
時間後の外観、硬度、付着性は極めて良好であつ
た。また耐薬品性はいずれの薬品においても良好
でテスト後の外観に異常は認められなかつた。 比較例 1 実施例1において、アルミニウムアセチルアセ
トネートおよび1,6−ヘキサンジオールを使用
せずに下塗り用塗料を作成した以外は、実施例1
と同様に行なつた。この様にして得られた被覆ポ
リカーボネート成形物品は透明で耐摩耗性はA、
付着性は100/100、耐熱水性および耐熱性は良好
であつたが、サンシヤインウエザオメーター1000
時間で付着性は0/100であつた。 比較例 2 エチルセロソルブ400部、メタアクリル酸エチ
ル200部の混合物を窒素雰囲気下で75℃に保ちつ
つベンゾイルパーオキサイド1.0部をエチルセロ
ソルブ200部に溶かした溶液を2時間かかつて加
え、さらに6時間同温度に保つた。その後エチル
セロソルブ1400部、2,4−ジヒドロキシベンゾ
フエノン20部を加えて下塗り塗料とした。 あらかじめ洗浄したポリカーボネート基材にこ
の下塗り塗料を塗布し、熱風乾燥炉で130℃、30
分加熱乾燥した。 次にこの様にして得られた下塗り層で被覆され
たポリカーボネートに実施例1で用いた上塗り塗
料を塗布し、130℃、60分加熱乾燥し硬化させた。 この様にして得られた被覆ポリカーボネート成
形物品は透明で耐摩耗性はA、付着性は100/100
であつたが、耐熱水性テスト後の付着性は0/
100であつた。 比較例 3 下塗り塗料の調製を次の様に行なつた。 ブチルセロソルブ600部を窒素雰囲気下で100℃
に保ちつつ、メタアクリル酸メチル100部、メタ
アクリル酸エチル100部、メタアクリル酸3部、
アゾビスイソブチロニトリル0.5部の混合物を2
時間かかつて加え、さらに2時間同温度に保つ
た。その後、ブチルセロソルブ200部に溶解した
アゾビスイソブチロニトリル0.5部を同温度で1
時間かかつて加えさらに3時間同温度に保つた。
こうして得られた共重合体溶液80部にブチルセロ
ソルブ320部、ヘキサキスメトキシメチルメラミ
ン1部、パラトルエンスルホン酸0.06部、2,4
−ジヒドロキシベンゾフエノン36部を加えて下塗
り塗料とした。 あらかじめ洗浄したポリカーボネート基材にこ
の下塗り塗料を塗布し、熱風乾燥炉で、125℃、
30分加熱乾燥した。 次にこの様にして得られた下塗り層で被覆され
たポリカーボネートに実施例1で用いた上塗り塗
料を塗布し、130℃、60分加熱乾燥し硬化させた。 この様にして得られた被覆ポリカーボネート成
形物品は透明で耐摩耗性はA、付着性は100/100
であつたが、耐熱水性テスト後の付着性は0/
100であつた。 実施例 2 上塗り塗料及び下塗り塗料の調製をそれぞれ次
の様に行なつた。 (1) 上塗り塗料の調製;γ−グリシドキシプロピ
ルトリメトキシシラン60部、メチルトリメトキ
シシラン173部、コロイダルシリカ(日産化学
工業(株)製、スノーテツクス−C、固形分20%)
71部および0.1規定酢酸水溶液190部を混合し、
80〜85℃で2時間還流して加水分解を行なつ
た。 得られた溶液は として計算されたγ−グリシドキシプロピルト
リメトキシシラン加水分解物8.6%、CH3SiO1.5
として計算されたメチルトリメトキシシラン加
水分解物17.3%及びSiO2として計算されたコロ
イダルシリカ2.9%を含んでいた。 この様にして得られた3元共加水分解物溶液
450部にエチルセロソルブ42部、過塩素酸アン
モニウム0.8、塩化アンモニウム0.5部、フロー
コントロール剤少々を添加し上塗り塗料とし
た。 (2) 下塗り塗料の調製;ブチルセロソルブ300部
を窒素雰囲気下で100℃に保ちつつメタアクリ
ル酸メチル160部、γ−メタクリロキシプロピ
ルトリメトキシシラン40部、ベンゾイルパーオ
キサイド2.0部の混合物を3時間かかつて加え、
さらに3時間同温度に保つた後エチレングリコ
ールジアセテート360部を加えた。こうして得
られた共重合体215部にパラトルエンスルホン
酸0.1部、ネオペンチルグリコール1.0部、2−
(2′−ヒドロキシ−5′−オクチルフエニル)ベ
ンゾトリアゾール5.0部およびブチルセロソル
ブ285部を加えて下塗り塗料とした。 あらかじめ洗浄したポリカーボネート基材に
この下塗り塗料を塗布し、熱風乾燥炉で、130
℃、30分間加熱乾燥した。 次にこの様にして得られた下塗り層で被覆さ
れたポリカーボネートに前記(1)で調製した上塗
り塗料を塗布し、熱風乾燥炉で130℃、60分間
加熱乾燥して硬化させた。 この様にして得られた被覆ポリカーボネート
成形物品は、透明で耐摩耗性はA、付着性は
100/100、耐熱水性テスト後の耐摩耗性、付着
性もそれぞれA、100/100と良好であつた。更
にサンシヤインウエザオメーターテスト1500時
間後の外観、硬度、付着性は極めて良好であつ
た。 実施例 3 下塗り塗料の調製を次の様に行なつた。 実施例2の下塗り塗料に用いた共重合体215部
にナフテン酸コバルト(コバルト6%含有品)
1.7部、トリメチロールプロパン3.6部、2−ヒド
ロキシ−4−メトキシベンゾフエノン20部および
ブチルセロソルブ285部を加えて下塗り塗料とし
た。 あらかじめ洗浄したポリカーボネート基材にこ
の下塗り塗料を塗布し、熱風乾燥炉で120℃、30
分加熱乾燥した。 次にこの様にして得られた下塗り層で被覆され
たポリカーボネートに実施例2で用いた上塗り塗
料を塗布し、熱風乾燥炉で130℃、60分間加熱乾
燥して硬化させた。 この様にして得られた被覆ポリカーボネート成
形物品は、透明で耐摩耗性はA、付着性は100/
100、耐熱水性テスト後の耐摩耗性、付着性はそ
れぞれA、100/100と良好であつた。更にサンシ
ヤインウエザオメーターテスト2000時間後の外
観、耐摩耗性、付着性は良好であつた。 実施例 4 上塗り塗料および下塗り塗料の調製を次の様に
行なつた。 (1) 上塗り塗料の調製 イソプロピルアルコール77部にγ−グリシド
キシプロピルトリメトキシシラン60部、メチル
トリメトキシシラン115部、コロイダルシリカ
(日産化学工業(株)製、スノーテツクス−C、固
形分20%)213部及び1規定塩酸5部を添加し、
80〜85℃で2時間還流して加水分解を行なつ
た。得られた溶液は、 として計算されたγ−グリシドキシプロピルト
リメトキシシラン加水分解物9.1%、CH3SiO1.5
として計算されたメチルトリメトキシシラン加
水分解物12.1%及びSiO2として計算されたコロ
イダルシリカ9.1%を含んでいた。 この様にして得られた3元共加水分解物溶液
417部にエチルセロソルブ66部、酢酸ナトリウ
ム0.6部、フローコントロール剤少々を添加し
て上塗り塗料とした。 (2) 下塗り塗料の調製;酢酸n−ブチル320部を
窒素雰囲気下90℃に保ちつつメタアクリル酸メ
チル90部、γ−メタクリロキシプロピルメチル
ジメトキシシラン10部、アゾビスイソブチロニ
トリル0.8部の混合物を2時間かかつて加え、
さらに同温度に5時間保つた。その後ブチルセ
ロソルブ760部、ジ−n−ブチルアミンの10%
水溶液5部、ジエチレングリコール1.1部、2
−(2′−ヒドロキシ−5′−t−ブチルフエニル)
ベンゾトリアゾール20部を加え下塗り塗料とし
た。 あらかじめ洗浄したポリカーボネート基材に
この下塗り塗料を塗布し、熱風乾燥炉で、130
℃、30分間加熱乾燥した。 次にこの様にして得られた下塗り層で被覆さ
れたポリカーボネートに前記(1)で調製した上塗
り塗料を塗布し、熱風乾燥炉で130℃、60分間
加熱乾燥して硬化させた。 この様にして得られた被覆ポリカーボネート
成形物品は、透明で耐摩耗性はA、付着性は
100/100、耐熱水性テスト後の耐摩耗性、付着
性もそれぞれA,100/100と良好であつた。更
にサンシヤインウエザーメーターテスト1500時
間後の外観、硬度、付着性は極めて良好であつ
た。 実施例 5 実施例3の下塗り塗料の調製において、γ−メ
タクリロキシプロピルメチルジメトキシシランの
替わりにビニルトリエトキシシランを用いる以外
は全く実施例3と同様に行なつた。 得られた被覆ポリカーボネート成形物品は透明
で耐熱水性テスト後の耐摩耗性、付着性はそれぞ
れA、100/100であつた。更にサンシヤインウエ
ザオメーターテスト1500時間後の外観、耐摩耗
性、付着性は極めて良好であつた。 実施例 6 上塗り塗料および下塗り塗料の調製を次の通り
行なつた。 (1) 上塗り塗料の調製;γ−グリシドキシプロピ
ルトリメトキシシラン80部、メチルトリメトキ
シシラン86部、コロイダルシリカ(日産化学工
業(株)製、スノーテツクス−C、固形分20%)
213部、イソプロピルアルコール90部及び0.1規
定塩酸水溶液35部を添加し80〜85℃で2時間還
流して加水分解を行なつた。得られた溶液は、 として計算されたγ−グリシドキシプロピルト
リメトキシシラン加水分解物11.3%、
CH3SiO1.5として計算されたメチルトリメトキ
シシラン加水分解物8.5%及びSiO2として計算
されたコロイダルシリカ8.5%を含んでいた。 この様にして得られた3元共加水分解物溶液
417部にエチルセロソルブ66部、2−エチル−
4−メチルイミダゾール1.8部、フローコント
ロール剤少々を添加し、上塗り塗料とした。 (2) 下塗り塗料の調製;エチルセロソルブ400部、
メタアクリル酸エチル140部、メタアクリル酸
グリシジル40部、γ−メタクリロキシプロピル
トリメトキシシラン20部の混合物を窒素雰囲気
下80℃に保ちつつベンゾイルパーオキサイド
1.0部をエチルセロソルブ200部に溶かした溶液
を2時間かかつて加え、さらに8時間同温度に
保つた。その後エチルセロソルブ1400部、テト
ライソプロポキシチタン4部、ジエタノールア
ミン1.4部を加え下塗り塗料とした。 あらかじめ洗浄したポリカーボネート基材にこ
の下塗り塗料を塗布し、熱風乾燥炉で、130℃、
30分加熱乾燥した。 次にこのようにして得られた下塗り層で被覆さ
れたポリカーボネートに前記(1)で調製した上塗り
塗料を塗布し、熱風乾燥炉で120℃、60分間加熱
乾燥して硬化させた。 この様にして得られた被覆ポリカーボネート成
形物品は、透明で耐熱水性テスト後の耐摩耗性、
付着性は各々A、100/100と良好であつた。更に
サンシヤインウエザオメーター1000時間後の外
観、硬度、付着性は極めて良好であつたが、1500
時間後には付着性が80/100に低下した。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 (a)アルコキシシリル基を有するアクリル又
    は/及びビニル単量体とこれらの単量体と共重合
    可能な他の単量体との共重合体、(b)前記共重合体
    に対して0.01〜10重量%の硬化触媒、および(c)前
    記共重合体に対して0.1〜50重量%の架橋剤を含
    む組成物を被覆硬化して下塗り層となし、コロイ
    ダルシリカ含有オルガノポリシロキサンを含む組
    成物を被覆硬化して上塗り層とした耐摩耗性が改
    善された被覆ポリカーボネート系樹脂成形物品。 2 前記コロイダルシリカ含有オルガノポリシロ
    キサンを含む組成物が、下記(A)および(B)から成る
    群より選ばれる少なくとも1種、(C)および(D)、 (A) 一般式(1) 【式】 (式中R1はエポキシ基を有する有機基、R2
    水素、炭素数1〜6の炭化水素基、R3は炭素数
    1〜5の炭化水素基、アルコキシアルキル基また
    は炭素数1〜4のアシル基、aは1〜3、bは0
    〜2であつてa+b≦3である。) で示されるエポキシ基を有する珪素化合物から選
    ばれる1種もしくは2種以上の加水分解物 (B) 一般式(2) R4 c−Si−(OR54-c (2) (式中R4は炭素数1〜6の炭化水素基、メタ
    クリロキシ基、アミノ基、メルカプト基、フツ素
    または塩素を有する有機基、R5は炭素数1〜5
    の炭化水素基、アルコキシアルキル基または炭素
    数1〜4のアシル基、cは0〜3である。) で示される有機珪素化合物の加水分解物 (C) コロイダルシリカ および (D) 硬化触媒 を含む組成物である特許請求の範囲第1項記載の
    被覆ポリカーボネート系樹脂成形物品。 3 前記コロイダルシリカ含有オルガノポリシロ
    キサンを含む組成物が、前記(A)加水分解物100重
    量部(但し、固型分で計算し、
    【式】として計算する。)、前記(B)加 水分解物56〜550重量部(但し、固型分で計算し
    R4 c−Si−O4−c/2として計算する。)、前記(C)コ ロイダルシリカ4〜334重量部(但し、固型分で
    計算しSiO2として計算する。)ただし(B)と(C)の合
    計は567重量部を越えない、および前記(D)硬化触
    媒を含む組成物である特許請求の範囲第2項記載
    の被覆ポリカーボネート系樹脂成形物品。 4 前記(B)加水分解物の含有量が105〜430重量部
    であり、前記(C)コロイダルシリカの含有量が16〜
    200重量部であり、(B)と(C)の合計が473重量部を越
    えない特許請求の範囲第3項記載の被覆ポリカー
    ボネート系樹脂成形物品。 5 前記(b)硬化触媒が有機酸、アミン、金属アセ
    チルアセトネート類、有機チタネート類から選ば
    れる硬化触媒である特許請求の範囲第1項記載の
    被覆ポリカーボネート系樹脂成形物品。 6 前記(c)架橋剤が1分子中に少なくとも2個の
    アルコール性ヒドロキシル基を有する化合物であ
    る特許請求の範囲第1項記載の被覆ポリカーボネ
    ート系樹脂成形物品。
JP57221664A 1982-12-16 1982-12-16 被覆ポリカ−ボネ−ト系樹脂成形物品 Granted JPS59109528A (ja)

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