JPH036372Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はスロツトマシンの衝撃音発生装置に関
するものである。

所謂ゲーム機械としてのスロツトマシンは歴史
的にかなり古く、これまで種々の形態のものが利
用されてきている。スロツトマシンは一般に第１
図のような外観をもつ。すなわち第１図において
遊戯者はまず、遊戯用メダル又はコインをその投
入口１より投入し、操作ハンドル２を矢印Ｙ方向
に引く。それによりそれぞれ各リール３が高速で
回転し、遊戯者は適宜のタイミングで各リール毎
のストツプボタン４を押圧操作することにより、
あるいはランダムタイマーによつて各リール３が
順次停止する。こうして各リール３が停止される
とその停止位置に応じたリール絵柄の組み合わせ
ができるが、その組み合わせに応じて得点が決定
され、この得点に対応したメダルが払い出し受皿
５に出されることになるものである。

こうしたスロツトマシンのリールの駆動はそれ
まで機械的に、すなわち操作ハンドル２がＹ方向
に所定量操作されると例えばバネなどで衝撃的に
作動する駆動爪が各リールに急激な回転力を与え
て起動されるようになつていたものである。従つ
てその起動時にはリール駆動の衝撃音が生じ、あ
るいは操作ハンドル２を介して遊戯者にその振動
（衝撃）が感じられるものであつた。スロツトマ
シン起動時のこのような衝撃はこれまでスロツト
マシン愛好者にはそのゲーム感覚として定着され
てきており、いわばスロツトマシン独特の持ち味
として認識されているものである。

しかし、最近においてはかかるスロツトマシン
においても電気部品の利用が盛んで、スロツトマ
シンのリールをモータ駆動にて行なうものが実用
化されている。すなわち操作ハンドル２の所定量
操作によつて、リール駆動用モータを駆動させる
方式である。このような方式によれば操作ハンド
ルは単に電気スイツチの投入のために操作される
ことになり、従来の機械的にリール駆動を行なう
もののような起動時の衝撃及び音は何ら生じるこ
とがなく、滑らかに静かに起動されるようにな
る。ところが前述したようにスロツトマシンのゲ
ーム感覚として歴史的に定着してきている起動時
の衝撃及び音が全く失なわれてしまうと、スロツ
トマシンの遊戯者にとつては所謂スロツトマシン
としての魅力の一つが感じられなくなり、これま
で比較的多かつたスロツトマシン愛好者の減少を
招くことにもなりかねない。

本考案はこのような実情を考慮してなされたも
のであり、モータによつてリールを衝撃なく回転
起動させるスロツトマシンにおいても、その起動
時に従来のスロツトマシンのような衝撃音を発生
させることができるスロツトマシンを提供するも
のである。

このために本考案装置ではスロツトマシンの操
作ハンドルの操作により作動部材の復帰バネをチ
ヤージしてゆき、操作ハンドルの適宜操作時点で
この作動部材をその復帰バネによつて急激に復帰
させ、復帰停止ストツパーに衝突させるようにし
てある。そしてこの衝突によつて衝撃音が発生
し、この衝撃が操作ハンドルに伝わるものであ
る。

以下、図面に従い本考案を詳述する。

第２図および第３図は本考案の一実施例をそれ
ぞれ正面図、部分破断側面図として示したもので
ある。なお、図面の煩雑化を避けるため、第２図
では第３図における側板７あるいは枠板７０の図
示を省略し、また第３図では第２図における係合
爪２５、係合解除板６０、あるいはストツパー５
０などの図示を省略してある。

図面において１０はスロツトマシンの操作ハン
ドル（第１図における操作ハンドル２に対応）で
あり、シヤフト１１と一体化されている。このシ
ヤフト１１は適宜の軸受１２を介し、スロツトマ
シンの側板７に回動自在に支持されている。シヤ
フト１１には駆動板２０が一体に固着され、従つ
て起動にあたつて操作ハンドル１０が操作される
と駆動板２０は第２図矢印Ｚ方向へと回動され
る。３０は枠板７０に対し丸ナツト３１により固
定されているボルトであり、この両者間には支持
板３２が固く挟持されている。なお、このボルト
３０はシヤフト１１とその軸心が略一致するよう
にしてあるものとする。そして駆動板２０の一端
に揺動自在に支持された係合爪２５と前記支持板
３２との間にはバネ２８がかけられ、よつて係合
爪２５はその揺動支点２６を中心に時計方向の付
勢が与えられている。丸ナツト３１にはカラー３
３を介して作動板４０が回動自在に取り付けら
れ、この作動板４０はその外周の一部に前記係合
爪２５が係脱する係合部４３、および立下り４１
を備えると共に一体に植立されたピン４２を有し
ている。そしてこのピン４２とスロツトマシン本
体固定部、例えば枠体７０に設けられた支点７１
との間には比較的強い復帰バネ４５がかけられ、
よつて作動板４０には反時計方向への付勢力が与
えられている。５０は作動板４０の復帰ストツパ
ーで、スロツトマシン本体固定部に固着されてお
り、また６０は係合解除板で、これもスロツトマ
シン本体固定部に固着され、立上り６１を備えて
いる。

以上の構成をもつ本考案装置によれば、次のよ
うな作用が得られる。まず、遊戯者が操作レバー
１０を操作することにより駆動板２０が第２図矢
印Ｚ方向へと回動してゆくが、この際係合爪２５
がバネ２８の作用下に作動板４０の係合部４３に
係合しているため、同時に作動板４０も復帰バネ
４５を蓄勢しつつ回動されてゆく。この状態を第
４図に示した。この時、バネ２８もチヤージされ
てゆく。

そしてさらに操作ハンドル１０の操作が進行し
てゆくと駆動板２０に枢着された係合爪２５の一
端が、係合解除板６０の立上り６１に当接し、さ
らに若干のハンドル操作によつて係合爪２５は反
時計方向に揺動される。この瞬間、係合爪２５は
作動板４０の係合部４３から脱し、このため作動
板４０は復帰バネ４５の付勢力によつて急激に反
時計方向へと復帰回動する。この復帰は作動板４
０の立下り４１が復帰ストツパー５０に衝突して
停止されるが、この衝突により衝撃音および振動
が発生されることになるものである。これと同時
に操作ハンドル１０に連動するスイツチがオンし
てリールの回転が開始する。そして、遊戯者は、
スロツトマシンが起動されたことを動作的、感覚
的に知得して操作ハンドルから力を抜くと、図示
せぬバネあるいはバネ２８などにより操作ハンド
ルおよび駆動板２０は第２図に示した初期位置へ
と復帰してゆくことになる。この際すでに作動板
４０は初期位置に戻つているので、係合爪２５は
バネ２８の作用により作動板４０の孔状外周に接
しながら戻つてゆき、第２図の初期状態に至るも
のである。なお、作動板４０の復帰のタイミング
は、係合解除板６０の位置調整により適宜設定可
能となつている。

また本考案は必ずしもこの実施例のみに限定さ
れるものではなく、例えば操作ハンドル２からの
駆動力でラツクを直線運動させ、これに追従して
駆動板及び作動板を直線移動させる構成にしてお
き、これらの直線運動の間に作動板に掛けられて
いる復帰バネを蓄勢し、操作ハンドルの所定量回
動位置で係合爪を解除して作動板を復帰バネの付
勢で急激に戻してもよい。さらに、操作ハンドル
が所定量回動位置に達するまでの間、作動板の復
帰を阻止している係合爪をプランジヤーの駆動で
係合解除させる構成にし、操作ハンドルが所定量
回動位置に達したことを電気的に検知して、その
電気信号でプランジヤーを駆動して作動板を復帰
バネの付勢で急激に復帰させてもよい。

このように、本考案によれば、スロツトマシン
においてリールの駆動が例えばモータによるもの
であつても、従来の機械駆動式のもののように、
スロツトマシン独特のゲーム感覚が得られること
になる。そして、そのための衝撃音、及び振動の
発生が、作動部材の復帰バネの蓄勢力によるの
で、操作ハンドルの操作のし方によらずほぼ一定
のものとなるものである。

また、操作ハンドルのシヤフトに対して各構成
部材を同軸的にまとめれば、操作ハンドルに連動
する他の構造、例えばリール駆動装置、との関連
においてスペース、配置構成上有利である。

【図面の簡単な説明】

第１図はスロツトマシンを示す外観図である。
第２図は本考案の一実施例を示す正面図である。
第３図は第２図に示した本考案の一実施例におけ
る部分破断側面図である。第４図は第２図に示し
た本考案の一実施例の動作過程の一例を示す正面
図である。 ２……操作ハンドル、２０……駆動板、２５…
…係合爪、４０……作動板、４３……係合部、４
５……復帰バネ、５０……復帰ストツパー、６０
……係合解除板。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 操作ハンドルが初期位置から一定量操作され
   たことを電気的に検出してモータを駆動し、こ
   れによりリールを回転させるようにしたスロツ
   トマシンにおいて、 前記操作ハンドルに連動して変位する駆動部
   材と、操作ハンドルが初期位置から前記一定量
   操作位置まで操作される間、前記駆動部材に係
   合して従動する作動部材と、操作ハンドルが前
   記一定量操作位置に達すると駆動部材と作動部
   材との係合を解除する係合解除手段と、前記作
   動部材に一端が掛けられ、作動部材が駆動部材
   に従動する方向での移動で蓄勢され、駆動部材
   との係合の解除で急激に復帰する復帰バネと、
   この復帰バネの付勢力によつて急激に戻される
   作動部材を受け止め、その衝突によつて衝撃音
   を発生するストツパーとを備えたことを特徴と
   するスロツトマシンの衝撃音発生装置。 (2) 操作ハンドルと一体に回動されるシヤフトに
   前記駆動部材を固定して駆動部材を操作ハンド
   ルと一体的に回動させるとともに、前記シヤフ
   トに作動部材を回動自在に軸着したことを特徴
   とする実用新案登録請求の範囲第１項記載のス
   ロツトマシンの衝撃音発生装置。