JPH035967Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、自動販売機などに使用される紙幣鑑
別機における紙幣の搬送装置に関する。

〔従来の技術〕

第１図は従来の紙幣鑑別機を示す概略構成図で
ある。図において、紙幣鑑別機３は、ほぼ水平方
向に紙幣を挿入させ且つ搬送する挿入口５および
搬送機構４からなる。搬送機構４は、水平方向に
設けられた無端ベルト６、このベルト６を駆動す
るプーリ７、従動プーリ７Ａ、プーリ７に回転を
与えるモータ１２、ベルト６に外周面が押圧され
る従動搬送体、即ち押えローラ８ないし８Ｃ、ア
イドラ９，９Ａ、紙幣搬送用ガイド板１０および
紙幣鑑別センサ１１，１１Ａとからなる。

この紙幣鑑別機３は、紙幣を水平方向に搬送す
るので、奥行き寸法が大きくなり、この紙幣鑑別
機３を内蔵する自動販売機の奥行き方向に突出部
が生ずるという欠点がある。

第２図は従来の他の紙幣鑑別機を示す概略構成
図である。図において、第１図と同一の機能を有
する部分には同一の符号を付して示してあり、紙
幣鑑別機３Ａは、ほぼ水平方向に紙幣を挿入させ
る挿入口５Ａおよび上下方向に形成された縦形搬
送機構４Ａからなる。

第４図Ａは、第２図のＡ１−Ａ１断面図であ
り、２組のプーリ７，７により駆動される無端ベ
ルト６，６およびベルト６，６を押圧する押えロ
ーラ８，８が並列に設けられ、２枚のガイド板１
０，１０Ａにより形成される小間隙の間を紙幣１
３が搬送される。

〔考案が解決しようとする課題〕

この紙幣鑑別機３Ａは、搬送機構４Ａの縦形化
により奥行き寸法が小さく、薄形化されたもので
あるが、第３図の紙幣の挿入状態説明図（第２図
と同一の機能を有する部分には同一の符号を付し
て示してある）に示すように、挿入口５Ａの長さ
が短か過ぎる場合には同図Ｂのように紙幣が斜め
に挿入されて適正な鑑別が行えない恐れがあるの
で、これを防止するため同図Ａのように挿入ガイ
ドのための所要の長さを必要とする。

この紙幣鑑別機３Ａの挿入口５Ａは紙幣を水平
方向に挿入させるものであるので、この紙幣鑑別
機３Ａを自動販売機に取り付けた場合、挿入口５
Ａが自動販売機の前面に長く突出するという欠点
がある。

また、無端ベルト６，６の張力の不均衡による
搬送力の相違等により、紙幣１３の搬送に片寄り
が生じることがあるが、この場合、紙幣１３がプ
ーリ７，７の部分で搬送方向を直角に変える際に
紙幣１３の端部はガイド板１０Ａのの側壁にせり
上り、このせり上り部分が方向を変えつつ搬送さ
れると、第４図Ｂに示すように折り曲げられて凹
凸を有する折り曲げ部分１３Ａを生じてガイド板
１０，１０Ａ間の小間隙を塞ぎ、詰まり（ジヤ
ム）を発生させるという欠点がある。

本考案は、上述の点に鑑み、紙幣を斜め上方へ
挿入させるようにし、下方へ方向変換して搬送す
ることにより、挿入口の前方への突出寸法を短く
すると共に、方向変換の際の紙幣の搬送に片寄り
を生じた場合の詰まりの発生を防止できるように
した紙幣鑑別機の搬送装置を提供することを目的
とする。

〔課題を解決するための手段〕

本考案は、上述の目的を達成するため、挿入さ
れる紙幣を略45度の傾斜角度をもつて斜め上方へ
案内するガイド口を有する挿入口と、該ガイド口
により斜め上方へ案内された挿入紙幣を下方へ搬
送するように湾曲されると共に当該紙幣の通過す
る小間隙をあけて設けられ当該紙幣の搬送を紙幣
面の両側でガイドするガイド板および当該ガイド
板の両側部を搬送方向に直交する断面形状で内面
がそれぞれＵ字状となるように閉鎖する閉鎖部を
有する搬送機構とを備えることを特徴としてい
る。

〔作用〕

本考案においては、紙幣を略45度の傾斜角度を
もつて斜め上方へ案内するようにしたので、水平
方向へ案内する場合の略1.4分の１の前方への突
出寸法で挿入ガイドのための所要の長さを得るこ
とができる。傾斜角度をもつときつくすれば前方
への突出寸法をより短くできるが、紙幣の挿入し
易さを勘案すると略45度とするのがよい。

また、斜め上方へ案内された挿入紙幣はガイド
板によりガイドされ下方へ方向変換されて搬送さ
れるのであるが、そこで紙幣の搬送に片寄りが生
じた場合、紙幣の先端が閉鎖部内面に当接するこ
とになり、そこはＵ字状となつているので、当接
した先端は閉鎖部内面に沿つて180度曲げられ方
向変換されつつ搬送されるに従つて完全に折り曲
げられる。従つて、ガイド板の間の小間隙を塞ぐ
ことがなく、詰まりが防止される。

〔実施例〕

次に、本考案の実施例を図面を参照して説明す
る。

第５図は、本考案の一実施例の紙幣鑑別機の概
略構成図で、第２図と同一の機能を有する部分に
は同一の符号を付して示してある。図において、
紙幣鑑別機３Ｂは、挿入口５Ｂおよび縦形搬送機
構４Ｂからなる。挿入口５Ｂには、下端点ｂから
斜め上方へ約45度の傾斜角度を有するガイド口５
Ｃが設けられ、紙幣１３はこのガイド口５Ｃを経
て、搬送機構４Ｂへ供給される。紙幣１３が斜め
に挿入されないようにするためには、挿入口５Ｂ
の下端点ｂから、搬送機構４Ｂのプーリ７および
押えローラ８の接触点ａまでの長さが所要寸法以
上であることが必要であるが、約45度の傾斜角度
を有するガイド口５Ｃを設けたので、この所要寸
法を得るのに、挿入口５Ｂが前方へ突出する寸法
は第２図のものと比較して短くて済む。

また、１５は、ガイド口５Ｃにより斜め上方へ
案内された挿入紙幣１３を下方へ搬送するように
湾曲されると共にこの紙幣１３の通過する小間隙
をあけて設けられこの紙幣１３の搬送を紙幣面の
両側でガイドするガイド板を有する搬送通路であ
る。

第６図は、第５図の紙幣鑑別機３Ｂを自動販売
機に搭載した場合の概略構成図で、同図Ａは正面
図、同図Ｂは側面図である。図において１は自動
販売機、２は自動販売機の前面扉、１４は紙幣収
納箱で、縦形搬送機構４Ｂを用いることにより紙
幣鑑別機３Ｂおよび紙幣収納箱１４を、前面扉２
の厚さ寸法内に設けることを可能としている。ま
た、上述したように、挿入口５Ｂが前方へ突出す
る寸法を短くしたので、挿入口５Ｂの前面扉２の
表面から突出する寸法も短い。

第７図Ａは、第５図のＡ２−Ａ２断面図であ
り、搬送機構４Ｂを構成する搬送通路１５は、紙
幣１３が通過する小間隙１８あけて設けられた２
枚のガイド板１６，１６Ａと、この２枚のガイド
板１６，１６Ａの内面を両側部においてそれぞれ
Ｕ字状の曲面となるように接続することにより小
間隙１８を閉鎖する閉鎖部１７，１７Ａとを備
え、ガイド板１６，１６Ａは、ガイド口５Ｃによ
り斜め上方へ案内された挿入紙幣１３を下方へ搬
送するように湾曲されたこの紙幣１３の搬送を紙
幣面の両側でガイドする。紙幣１３はこの小間隙
１８内を２組の無端ベルト６，６と押えローラ
８，８との接触点ａ，ａから90度以上に大きく搬
送方向を変えて搬送される（第５図参照）。

いま、斜め上方へ案内された挿入紙幣１３はガ
イド板１６，１６Ａによりガイドされ下方へ方向
変換されて搬送されるのであるが、そこで紙幣１
３の搬送に片寄りが生じた場合、紙幣１３の先端
が閉鎖部１７または１７Ａ内面に当接することに
なり、そこはＵ字状となつているので、当接した
先端は溝部内面に沿つて180度曲げられる。そし
て方向変換されつつ搬送されるに従つて第７図Ｂ
に示すように完全に折り曲げられるので、小間隙
１８を塞ぐ突つ掛り部分がなく、詰まりが防止さ
れる。

〔考案の効果〕

以上のような本考案によれば、紙幣を斜め上方
へ挿入させるようにし、下方へ方向変換して搬送
することにより、挿入口の前方への突出寸法を短
くすると共に、方向変換の際の紙幣の搬送に片寄
りが生じた場合の詰まりの発生を防止できるよう
にしたので、奥行き寸法の短縮が可能となり、自
動販売機等のように奥行き寸法の限られたスペー
ス内への搭載が可能となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の紙幣鑑別機の概略構成図、第２
図は従来の他の紙幣鑑別機の概略構成図、第３図
は紙幣の挿入状態説明図、第４図Ａは第２図のＡ
１−Ａ１断面図、第４図Ｂは第２図のものの紙幣
の折り曲がり状態を示す図、第５図は本考案の一
実施例の紙幣鑑別機の概略構成図、第６図は第５
図の紙幣鑑別機を自動販売機に搭載した状態を示
す図、第７図Ａは第５図のＡ２−Ａ２断面図、第
７図Ｂは第５図のものの紙幣の折り曲がり状態を
示す図である。 １：自動販売機、３Ｂ：紙幣鑑別機、４Ｂ：搬
送機構、５Ｂ：挿入口、５Ｃ：ガイド口、６：無
端ベルト、７，７Ａ：プーリ、８ないし８Ｄ：押
えローラ、１１，１１Ａ：鑑別センサ、１３：紙
幣、１５：搬送通路、１６，１６Ａ：ガイド板、
１７，１７Ａ：閉鎖部、１８：小間隙。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 挿入される紙幣を略45度の傾斜角度をもつて斜
   め上方へ案内するガイド口を有する挿入口と、該
   ガイド口により斜め上方へ案内された挿入紙幣を
   下方へ搬送するように湾曲されると共に当該紙幣
   の通過する小間隙をあけて設けられ当該紙幣の搬
   送を紙幣面の両側でガイドするガイド板および当
   該ガイド板の両側部を搬送方向に直交する断面形
   状で内面がそれぞれＵ字状となるように閉鎖する
   閉鎖部を有する搬送機構とを備えることを特徴と
   する紙幣鑑別機の搬送装置。