JPH0359130A - ポリエステル収縮差混繊糸 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野１ 本発明は透けを防止し、ミルキーな光沢、ふくらみ、ド
レープ性、ソフト感に富み、特に従来技術では創出しえ
なかった、繊細なドライタッチ風合を有する薄地織編物
を構成する糸条として好適であるポリエステル収縮差混
繊糸に関する。

［従来の技術］ 現在、ポリエステル繊維はこのＮ維が持つイージーケア
性などから衣料用途に広く用いられている。この衣料１
１途の中で、特に薄地衣料の分野においては光の透過性
の制御、いわゆる透けの防止が不可欠である。この目的
のために、光遮蔽剤として酸化チタン等の艶消し剤を含
有させたポリエステル繊維が薄地衣料用として広く用い
られて成功をおさめている。また酸化チタン等の粒子は
、単に繊維中の光遮蔽剤とじて動くのみではなく最終製
品である織編物から合成繊維特有のヌメリ感をなくし、
サランとしたドライタッチな風合やミルキーな光沢を付
与する効果を持っている。これは繊維中の艶消し剤が光
を乱反射するとともに、織編物を製造する際に通常行わ
れるアルカリ減量処理によりｍ維表面近辺の艶消し剤が
脱落し繊維の表面にｍ細な凹凸が発現するためであると
考えられている。

ところが、衣料に関する消費者Ｍ識の高揚とともに、こ
れらの特性を満足しただけの織編物ではＩＩ腐なものと
なりつつあり、多様化、高級化に対応できない欠点がク
ローズアップされてきた。特にこれらの織編物にはふく
らみ、ドレープ性といった風合は付与しえなかった。

一方、ポリエステル収縮差混繊糸を用いた織編物は、ふ
くらみとドレープ性およびソフト感を同時に付与するこ
とができることから重要視されており、これに関する技
術としては、特公昭５５−２２５８６号公報、特公昭５
Ｂ−３０６４号公報あるいは特開昭５８−１２０８１６
号公報などに開示されている。これらのポリエステル収
縮差混繊糸はシルキー織編物を目的としたもので、絹の
ような光沢が不可欠であるため、酸化チタン等の艶消し
剤は全く含まないか、含んでいたとしてもわずかな量を
含んだポリエステルが用いられるのが通常であった。こ
のため当然のごとく透けを防止するといった点において
は劣っていた。

この問題を解決する方法として収縮差渡織糸の収縮率の
大なる繊維群にのみ艶消し剤を含有させる技術が特開昭
６１−２７５４３４　＠公報に開示されている。この技
術によれば、収縮率の小なるｍ、ｍ群にはＭＰ！消し剤
を含有させず、含金属リン化合物とアルカリ土類金属化
合物を含有させることにより微細孔を生じせしめ、さら
に収縮率の大なる繊維群に艶消し剤を含有させることに
よって深色性、鮮明性に優れ、ソフトでふくらみがあっ
て、透けのない＃１編物を提供する繊維を創出すること
が可能である。ところがかかる繊維による＃１編物にお
いては織編物表面において浮き上がった状態にある収縮
率の小なるａｉｍ群に艶消し剤が含有されていないため
に、ミルキーな光沢がなく全体的な風合としては満足の
いくものではない。

［発明が解決しようとする課題］ 本発明は、かかる従来技術の問題点を解消し、透けを防
止し、ミルキーな光沢、ふくらみ、ドレープ性、ソフト
感に富み特に従来技術では創出しえなかった繊１８なド
ライタッチ風合を有する薄地織編物を構成する糸条とし
て好適であるポリエステル収縮差混繊糸を得ることを目
的とするものである。

［課題を解決するための手段］ 本発明者らは前記した本発明の目的は、熱収縮率の異な
る少なくとも２種のｇＡＮ群からなり、沸水収縮率が３
２％以下で沸収ＤＦＬが５％以上２８％以下である収縮
差混繊糸であって、該収縮差混繊糸を構成する繊維群の
うち少なくとも最も収縮率の小なる繊ｒｆｆ１群（以下
低収縮糸と称する）の全てが艶消し剤を１．３重量％以
上１０．０重量％以下含有していることを特徴とするポ
リエステル収縮差混繊糸によって達成することができる
ことを見出した。

本発明において、目標としているミルキーな光沢と従来
技術にはない繊細なドライタッチ風合を有し、なおかつ
透けが防止された薄地織編物を得るためには収縮差ａｌ
ｔ糸を構成する低収縮糸の全てに艶消し剤を含有させる
ことが必要である。ただし艶消し剤含有量は１．３重層
％以上１０．０重量％以下であることが必要である。艶
消し剤含有量が１．３重量％に満たないとミルキーな光
沢、繊１なドライタッチ風合および透けの防止（以下防
透は性と称する）のいずれの特性も満足しえない。なお
艶消し剤含有屋が２．０重量％以上になると特にミルキ
ーな光沢がよりマイルドになって好ましい。他方艶消し
剤含有量が１０重量％を超えると、糸強度が低く製織時
もしくは製編時に毛羽などが発生し易くなる。

また製糸工程における操業性の面からも、艶消し剤含有
量が１０１ｉ最％を超えると紡糸時の濾材の目詰まりが
著しくなるために、長時間安定な紡糸が困難になる。な
お艶消し剤の含有量が７重量％以下となると糸の強度低
下がほとんどなくなるのでより好ましい。

本発明の目標とする防透は性は、織編物を構成する収縮
差混繊糸の一部の単糸群が、特定量の艶消し剤を含有さ
せることにより達成できる。

ここにおいて、収縮差混繊糸の全ての繊維に艶消し剤を
１．３重量％以上１０．０重量％以下含有させると防透
は性がさらに良好となり好ましい。

ただし低収縮糸の場合と同様に艶消し剤含有量が１．３
重量％以下ではほとんど防透は性の効果はなく、また艶
消し剤含有量が１０重量％を超えると、糸強度が低く製
編織時に毛羽などが発生し易く、また操業性の面からも
艶消し剤含有量が１０重量％を超えると紡糸時の濾材の
目詰まりが著しくなるために、長時間安定な紡糸が困難
になる。このため艶消し剤含有屋は１０重量％以下が好
ましい。また艶消し剤の含有量が７重量％以下となると
糸の強度低下がほとんどなくな゛るのでざらに好ましい
。

本発明において目標としているソフト感を付与させるに
は、収縮差混繊糸の洲本収縮率（以下ＢＷＳと称するン
が３２％以下である必要がある。ＢＷＳが３２％を越え
た場合には、得られた織編物は粗硬感が強すぎて商品価
値のないものとなる。なあ、ソフト感をより高度なもの
とするために、ＢＷＳは２８％以下が好ましい。

本発明において、目標としている豊かなふくらみおよび
繊細なドライタッチ風合を付与させるには、収縮差混繊
糸の沸収ＤＦＬ　（以下ＤＦＬと称する）が５％以上２
８％以下である必要がある。特にｖａｎなドライタッチ
風合を織編物に付与させるには、既に述べたとおり収縮
差混繊糸を構成する低収縮糸の全てに艶消し剤を特定量
含有させただけでは必要条件を満たしたにすぎず、更に
ＤＥＬが５％以上２８％以下である必要がある。ＤＦＬ
が５％未満の場合、得られた織編物は十分なふくらみの
ないペーパーライクなものになってしまい、またドライ
タッチ風合も通常糸と変わらないものとなってしまい本
発明る繊細なドライタッチ風合は付与し得ない。

ここにおいてＤＦＬが９％以上となるとふくらみがより
豊かになって好ましい。他方ＤＦＬが２８％を越えると
織編物の表面で低収縮糸が座屈してしまい、表面外観を
均斉としがたくなりふくらみのみならず、Ｗ！編物の全
般的な風合の低下が顕著になり、本発明の目的とする高
度な風合を有する織編物を得ることが不可能である。

ここにおいて、ＤＥＬが２３％以下の場合、ｔａＩＩｌ
なドライタッチ風合がより高度なものとなって好ましい
。なおりＷＳ、ＤＦＬの測定法に関しては後述する。

本発明の特徴は収縮差混繊糸の低収縮糸に艶消し剤を含
有せしめた点にある。収縮差混繊糸中の低収縮糸は織編
物の表面において浮き上がった状態にあり、これは織編
物中の通常糸に比べ特異的な状態にあるといえる。本発
明の目標とする繊細なドライタッチ風合は、艶消し剤に
より微細な凹凸を有した繊維を織編物の表面上でこのよ
うな特異的な状態にすることにより創出することが可能
である。この原因は明らかではないが、アルカリ減量処
理による艶消し剤の脱落により微細な凹凸を有し、この
ために触ったときの単位繊度あたりの接触面積が小さく
、また艶消し剤の表面凝着エネルギーが小さいために、
単糸の表面摩擦特性が大きく変化しているＩＩＡＭが織
編物の表面において浮き上がり、比較的動きやすい状態
にあるために起こるものと考えられる。

本発明の収縮差混繊糸はｗ４維形成性の優れたポリエス
テルからなることが必要で、好ましくはポリエチレンテ
レフタレートが良い。このポリエステルあるいはポリエ
チレンテレフタレートは製造工程において副生成される
範囲内でジエチレングリコールなどを主鎖に含んでいて
もかまわない。特に収縮差混繊糸の製造方法の中で生産
性の点で最も優れた紡糸混繊方式をとることが可能とな
るので、低収縮糸をポリエステルとし、収縮率の最も大
なるＲ維群（以下高収縮糸と称する）を第三成分を共重
合せしめた共重合ポリエステルとすることが好ましい。

ここにおいて安定な製糸が可能であって、なおかつ既に
述べた収縮差混繊糸の収縮特性が容易に得られるため、
共重合量は５モル％以上１８モル％以下とすることがよ
り好ましい。

更に、この高収縮系に用いられる共重合ポリエステルを
、特定の共重合ポリエステルとすることにより、アルカ
リ減量処理を単位表面積当たりのアルカリ減量速度比で
低収縮糸よりも高収縮糸の方が１．３以上３．１以下大
きくすると好ましい。高収縮糸と低収縮糸との間に、こ
のようなアルカリ減量速度差を有する収縮差混繊糸は、
織編物の仕上げ工程において通常行なわれるアルカリ減
量処理により、繊細なドライタッチ風合とドレープ性を
同時に最も良好な状態とすることが容易になる。

なお、高収縮系と低収縮糸とのアルカリ減量速度の違い
の尺度である、単位表面積当たりのアルカリ減量速度比
の測定法に関しては後述する。

通常、収縮差混繊糸の高収縮糸に用いられる共重合ポリ
エステルの第三成分としては、シュウ酸、セバシン酸、
フタル酸、イソフタル酸などのジカルボン酸類、ジエチ
レングリコール、ポリエチレングリコール、ネオペンチ
ルグリコール等のグ１）コール類の他、ビスフェノール
Ａ、ビスフェノールスルフォン等や、これらのうちの２
種以上の第三成分を同時に共重合させたものが挙げられ
る。本発明における特定の共重合ポリエステルとしては
、これらの共重合ポリエステルのうちアルカリ減量速度
がポリエステルのアルカリ減量速度よりも単位表面積当
たりのアルカリ減量速度比で１．３以上３．１以下大ぎ
くするものを好適に選択できる。特にビスフェノールＡ
　１．０モル％以上とイソフタルｆｉ３．０モル％以上
をともに、第三成分を共重合した共重合ポリエステルを
高収縮糸とする収縮差混繊糸は、製糸が容易であり、最
終製品である＃１編物のふくらみがより高度なものとな
るので好ましい。

ざらに、ビスフェノールＡ　１．０モル％以上４．８モ
ル％以下とイソフタルｍ３．０モル％以上をともに第三
成分として共重合した共重合ポリエステルを高収縮糸と
する収縮差混繊糸は、最終製品である織編物の退色堅牢
度が良好となり好ましい。なお高収縮糸と低収縮糸を構
成する共重合ポリエステルおよびポリエステルの固有粘
度の差は０．０３以下であることが好ましく、高収縮系
がより高い固有粘度であることがより好ましい。この差
が０．０３を越えると、収縮差混繊糸にクルミが発生し
製糸性および製織性、製編性が悪化する傾向がある。こ
こにおいて、固有粘度は２５°Ｃオルソクロロフェノー
ル中で測定した１直である。

本発明に用いられる艶消し剤としては、酸化チタン、酸
化ジルコニウム、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム
、酸化ケイ素、酸化アンチモン、酸化亜鉛、タングステ
ン酸鉛、タングステン酸カルシウム、炭酸カルシウム等
、本発明の効果を発現し、ポリエステルに安定して分散
できるものであればいずれもかまわないが、分散性の面
から、酸化チタン、酸化ケイ素、酸化亜鉛、炭酸カルシ
ウムが好ましい。

添加する艶消し剤の平均粒径は、分散性の観点から、１
μｍ以下が好ましく、更に好ましくは０．７μＩｌｌ以
下である。更に製糸性の観点から最大粒径は、５μｆｆ
ｉ以下が好ましく、更に好ましくは３μｍ以下である。

本発明の収縮差混繊糸は、熱収縮率の異なる少なくとも
２種のｍ雄部からなることが必要であるが、製糸が容易
なことから２種のｌ！維群であることが好ましい。また
、収縮差混繊糸中の低収縮糸の単糸数は、高収縮糸の単
糸数以上とすると、ふくらみ及びａｍなドライタッチ風
合がさらに良好となって好ましい。また単糸の断面形状
に関しては高収縮糸は特に限定はないが、低収縮糸はミ
ルキーな光沢を付与する上で三角断面、Ｔ壁断面、三葉
断面などの異形断面であることが好ましい。

本発明の収縮差混繊糸は、例えば、特公昭５１−３０６
２０号公報や特開昭４９−７２４４９号公報などに示さ
れるような通常の混繊紡糸と延伸により得られる。この
製糸工程において、製編織における工程通過性を向上さ
せるために流体交絡処理を付与することが好ましい。た
だし交絡点がｔｊｆｉｆｍ物表面における低収縮糸の浮
き上がりをおさえるために、過度の交絡は風合の低下を
もたらす。

好ましい交絡度の範囲は５〜６０コ／ｍである。

交絡度が５コ／ｍに達しない場合、工程通過性を向上の
程度が実用のレベルに達しないため好ましくない。なお
、交絡度の測定法は特開昭４８−２８７０８号公報に示
された方法に従う。

ここで、本発明における収縮差混繊糸の糸特性の測定法
に関して述べる。

■沈水収縮率（ＢＷＳ＞ 収縮差混繊糸を１００　ｍＱ／ｄの荷重下で試料長（Ｌ
ｏ＞を測定したのち無荷重の状態で２０分間沸水処理を
行なう。処理後１００　ｍＭｄの荷重下で試料長（Ｌｌ
〉を測定する。ＢＷＳは■式で表される。

ＢＷＳ＝　（Ｌ　ｏ−１１）　／Ｌ　ｏ　ｘｌｏｏ（％
〉■ ■沸収ＤＦＬ　（ＤＥＬ＞ 収縮差混繊糸を高収縮糸と低収縮糸とに分けた後、それ
ぞれ１００　ｍＭｄの荷重下で試料長（Ｌｈｏ、Ｌｐ　
ｏ）を測定し、無荷重の状態で２０分聞沸水処理を行な
う。処理後１００　ｍｇ／ｄの荷重下で試料長（Ｌｈ＋
、Ｌｌ＋）を測定する。■の方法に従ってそれぞれの導
水収縮率（ＢＷＳｈ、ＢＷＳｌ）を算出する。

ＤＦＬは■式で表される。

ＤＦＬ＝　（ＢＷＳｈ−ＢＷＳｘ　）／　（１００−Ｂ
ＷＳｈ）Ｘ１００　　（％〉・・・・・・■■単単位面
面積当りのアルカリ減量速度比■の処理の後、試料を無
荷重の状態で用乾し、次いで２ｍＭｄの荷重下で１７０
℃の乾熱処理を３分間行う。この処理の後、試料の断面
写真をｉ彰する。次いで３．５％の水酸化ナトリウム水
溶液で沸りｎ！温度にて処理し、１５％〜３０％減量す
る。さらにその試料断面写真を撮影して、断面積の変化
から高収縮糸と低収縮糸のアルカリ減量速度比を算出す
る。さらに高収縮糸と低収縮糸の単糸繊度比、密度比か
らアルカリ減Ｈ！１理前の両者の表面積比を算出する。

この２つの比から単位表面積当りのアルカリ減量速度比
率を算出する。

［実施例］ 以下、具体例をあげて本発明を説明する。

実施例１ テレフタル酸／エチレングリコールスラリを用いてエス
テル化反応を行なった後、平均粒径０．５μｍで最大粒
径２μｍの酸化チタンのエチレングリコール溶液（１３
，５ＣＩ／１００ｍＱ）を添ハＵし、通常の重合反応を
行ない酸化チタン含有量の異なるポリエチレンテレフタ
レートのチップ（チップＩ＞８種を得た。他方テレフタ
ル酸／エチレングリコール及びイソフタル酸／エチレン
グリコールスラリを用い、エステル化反応を行なった後
、ビスフェノール八と平均粒径０．５μｍで最大粒径２
μｍの酸化チタンのエチレンクリ］　−ル溶液（１３，
５ｇ／１００ｍＱ）を添７ＪＯｔ、、通常の重合反応を
行ない酸化チタン含有量の異なるイソフタル酸１０．５
モル％、ビスフェノールＡ３．５モル％共重合ポリエチ
レンテレフタレートのチップ（チップＩＩ）２種を得た
。このようにして得られたチップ■とチップ■を表１の
水準ＮＱ１〜水準Ｎα９に示す種々の組合せ、吐出孔径
の異なる紡糸口金を装着した紡糸閑により、紡糸温度２
９０℃、紡糸速度１３００　ｍ７分で混繊未延伸糸を紡
糸した、さらにこの混繊未延伸糸を延伸速度８００　ｍ
７分でホットロール（温度９０’Ｃ）−熱板（温度１０
０℃〜１８０℃）の方式により延伸し、表１水ｌＮ０１
〜水準ＮＱ９に示す収縮特性をもつ７５デニール３６フ
イラメント（高収縮糸二三角断面、３７，５デニール１
８フイラメント、低収縮糸二三角断面、３７．５デニー
ル１８フイラメント）の収縮差混繊糸を得た。なお延伸
の際にはエア交絡を施し２０コ／ｍの交絡を付与させ、
延伸倍率は延伸糸の伸度が３０％〜４０％の範囲になる
ように調整した。また高収縮糸の固有粘度は０．８５で
、低収縮糸の固有粘度は０．６４であった。

なお表１には単位表面積当たりのアルカリ減量速度比の
測定結果も示した。

この糸を経糸及び緯糸として用い、織り密度をそれぞれ
１０５本／インチ、８５本／インチで製織し平織物とし
た後、９８℃熱水でリラックス精練、１７０℃で仕上げ
セットし、更に減量率２３〜２５％のアルカリ減量処理
を行ない織布とした。

この織布を用いてふくらみ、ソフト感、！ａ細なドライ
タッチ風合、ミルキーな光沢、ドレープ性を官能評価に
より判定した。

なお、防透は性の判定は、スガ試験機株式会社製ＳＭカ
ラーコンピューターを用いて、この織布の背後に、白色
体及び黒色体を置いて測定したそれぞれのＬ値の差を３
ランクに分は防透は性の尺度とした。

表１において、水準Ｎα１．２および９は本発明の効果
を確認するための比較例である。

比較例である水１ｌＰ＝Ｎα１ではａｉｍなドライタッ
チ風合、ミルキーな光沢、防透は性が満足できるもので
はない。これは低収縮糸中の酸化チタン量が少なすぎる
ためである。

比較例である水準Ｎα２においても、繊ＩＢなドライタ
ッチ風合、ミルキーな光沢が満足できるものではない。

これも低収縮糸中の酸化チタン量が少なすぎるためであ
る。

比較例である水準Ｎα９は、表１に示した項目において
は良好であるが、織布の引き裂き強力が低く、また製織
時に発生した多数の毛羽のために品位が低下し、商品価
値のないものとなってしまった。また、紡糸時の濾材層
の目詰まりによる濾圧上昇が大きく、５時間以上の安定
な紡糸が困難であった。

本発明の実施例である水準１’ＩＱ３〜水準Ｎα８は、
良好な風合が得られている。ただし水準ＮＱ７および水
準Ｎα８の織布においては収縮差混繊糸の強度低下によ
ると考えられる引き裂き強力の若干の低下が見られた。

（以下余白） 実施例２ テレフタル酸／エチレングリコール及びイソフタル酸／
エチレングリコールスラリを用い、エステル化反応を行
なった後、ビスフェノール八と平均粒径０．５μｍで最
大粒径２μｍの酸化チタンのエチレングリコール）８液
（１３，５ＣＩ／１００ｍＱ＞を添加して通常の重合反
応を行ない、酸化チタンを３．Ｆ４１％含んだ４種の共
重合ポリエチレンテレフタレートのチップ（チップ■）
を得た。これら種々のチップ■と実施例１水準Ｎα５の
チップエ（酸化チタン３．５重量％含有）とを表２に示
す組合せで、実施例１の方法により製糸、製織し織布と
し同様の評価を行なった。

ただし、水準Ｎｏ、１９については、アルカリ減員率を
１９％におさえ、他の工程は実施例１の方法に従い同様
の評価を行なった。

表２において、水準Ｎ（１１０，１６および１７は本発
明の効果を確認するための比較例である。

比較例である水準Ｎα１０は１！細なドライタッチ及び
ふくらみが満足できるものではない。これはＤＦＬが不
足しているためである。

比較例である水準Ｎ０１６は、繊細なドライタッチ及び
ふくらみが満足できるものではない。

また織物表面において低収縮糸が座屈がみられ、風合が
かなり悪化していた。これはＤＦＬが大きすぎるためで
ある。

比較例である水ＩＮα１７は、繊細なドライタッチ、ふ
くらみ及びソフト感が満足できるものではない。また水
準Ｎα１６と同様に織物表面において低収縮糸が座屈が
みられ、風合がかなり悪化していた。これはＤＦＬ、Ｂ
ＳＷが大きすぎるためである。

本発明の実施例である水準Ｎα１１〜１５．１８および
１９は、いずれも良好な風合を有している。特に水準Ｎ
α１２は良い風合を持った織物であった。水準Ｎα１８
はほぼ良好な風合を持った織物であったが、若干繊細な
ドライタッチが低下ぎみであった。

なお、水準Ｎｏ、１３〜１９は他の水準に比べ退色堅牢
度が若干低下した。

［発明の効果コ 本発明は収縮差混繊糸の収縮特性を特定するとともに、
低収縮糸群に艶消し剤を含有せしめることによって、透
けを防止し、ミルキーな光沢、ふくらみ、ドレープ性、
ソフト感に富み独特なハリ、コシをもっており、特に従
来技術では創出しえなかったしっとりした繊細なドライ
タッチ風合を有する織編物を構成する糸条として好適な
ポリエステル収縮差混繊糸とするものである。すなわち
、従来技術では酸化チタン等の粒子を添加させた。＊維
をアルカリ減退処理することでドライタッチ風合を得る
ことはできたもののサラッとしたタッチのものしか得ら
れず、本発明の収縮差混繊糸により得られるしつとりし
た繊細なタッチは、従来技術からは予期できない新しい
風合である。

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. （１）熱収縮率の異なる少なくとも２種の繊維群からな
   り、沸水収縮率が３２％以下で沸収ＤＦＬが５％以上２
   ８％以下である収縮差混繊糸であって、該収縮差混繊糸
   を構成する繊維群のうち少なくとも最も収縮率の小なる
   繊維群の全てが艶消し剤を１．３重量％以上１０．０重
   量％以下含有していることを特徴とするポリエステル収
   縮差混繊糸。
2. （２）収縮差混繊糸を構成する全ての繊維群が艶消し剤
   を１．３重量％以上１０．０重量％以下含有しているこ
   とを特徴とする請求項（１）記載のポリエステル収縮差
   混繊糸。
3. （３）収縮差混繊糸を構成する収縮率の最も小なる繊維
   群はポリエステルとし、収縮率の最も大なる繊維群は第
   三成分を５モル％以上１８モル％以下共重合した共重合
   ポリエステルとすることを特徴とする請求項（１）また
   は（２）記載のポリエステル収縮差混繊糸。