JP3489919B2 - ポリエステル系繊維 - Google Patents

ポリエステル系繊維

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、複数の無機微粒子を含
有するポリエステル系繊維に関するものである。更に詳
しくは紡績性に優れ、かつドレープ性、濃染性に富んだ
織物を製造するのに好適なポリエステル系繊維に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】ポリエステル繊維及び織物には合成繊維
特有のギラツキ感やヌメリ感といったものがある。その
改良として例えば特開平6―116825号公報には繊
維中に無機微粒子を含有させ、その繊維からなるポリエ
ステル織物をアルカリ減量することにより、ポリエステ
ル繊維の表面に微細な凹凸をつけ、ヌメリ感やギラツキ
感を押さえることが行われている。この際利用される無
機微粒子としてはポリエステルに分散できるものであれ
ば良いが主に二酸化チタンが多く利用されている。また
これらのポリエステル繊維からなる織物は比重が高くな
るためドレープ性の向上も見られ昨今の多様化した消費
者のニーズとも相まって上述特性の強化を目的に含有量
アップが試みられてきている。
【0003】しかしながらその一方で無機微粒子の含有
量が多くなるとガイド磨耗やスカム付着などを生じ成型
加工工程にて悪影響を及ぼしたり、鮮明性、色の深みと
いった濃染色性能も劣るといった欠点を合せ持つ。また
織物の軽量化を図るためポリエステル繊維を中空化した
場合にはその濃染色性能はさらに低下する。
【0004】すなわち上記の特性を維持しつつ濃染性や
成型加工性(たとえば紡績性)に悪影響を与えないよう
なポリエステル繊維を開発することは大変難しいのが現
状である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、紡績
性がよく且つギラツキ感やヌメリ感がなく、ドレープ
性、濃染性に富んだポリエステル織物に好適なポリエス
テル系繊維を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明者らは鋭意検討を重ね、ポリエステル繊維に
含有させる無機微粒子の種類とその含有量とが、得られ
るポリエステル繊維の紡績性及びポリエステル織物のド
レープ性と濃染性に及ぼす影響を解析した結果、無機微
粒子のポリエステルへの分散性が支配的に作用すること
が判明し、その為には、特定の二種類の無機微粒子を併
用することにより、著しく分散性が向上し、それにより
始めて本目的が達成することを見い出したのである。
【0007】すなわち、本発明は、単糸デニールが1.
5〜4.0デニールで、無機微粒子の硫酸バリウムと二
酸化チタンとが併用され、且つ、下記(1)〜(3)を
同時に満足して配合されていることを特徴とするポリエ
ステル系繊維である。 (1)硫酸バリウム含有量(ポリマー重量比)[Ba]
=1〜5% (2)二酸化チタン含有量(ポリマー重量比)[Ti]
=0.1〜1.5% (3)20≧[Ba]/[Ti]≧2.0
【0008】そもそも二酸化チタンの艶消し効果やその
繊維を用いて得られる織物をアルカリ減量することによ
りドレープ性のある柔らかな製品が得られることは、一
般的に広く知られている。しかし昨今の多様化、高級化
してきている消費者の要求を満たすためにはさらに高い
ドレープ性、そして濃染色性の素材が必要となってきて
いる。ドレープ性を上げるためには二酸化チタンの含有
量を上げれば良いが、含有量が1.5重量%を越える
と、ガイド摩擦やスカム付着などが発生し、著しく紡績
性は悪化してしまう。そこで二酸化チタンとともに他の
無機微粒子を併用添加することが必須である。併用添加
する無機微粒子として硫酸バリウムは二酸化チタンに比
べ、粒子の凝集力が小さく従ってポリマー中での分散性
が良いため比較的多量の二酸化チタンと併用してもガイ
ド摩耗やスカムの発生が少なく紡績工程に悪影響を与え
ぬのみならずさらに良いことには硫酸バリウムを併用添
加することにより、アルカリ減量時超微細な凹凸が繊維
表面に形成され、得られた凹凸のサイズが光波長オーダ
ーになるため、染色織物は色の深みが増し、濃染化効果
が発現するのである。すなわち二酸化チタンと硫酸バリ
ウムを併用添加したポリエステル繊維を使用することに
より始めて、濃染色を実現しドレープ性、防透け性を兼
ね備えた、ポリエステル織物が得られるのである。
【0009】ポリエステルに添加する二酸化チタンと硫
酸バリウムの含有比率(ポリマー重量比)は二酸化チタ
ン[Ti]が0.1〜1.5重量%、硫酸バリウム[B
a]が1〜5重量%且つ[Ba]/[Ti]=2〜20
の範囲であることが必要である。二酸化チタンが1.5
重量%を越えるとガイド磨耗やスカムの付着などにより
紡績性を悪化させ、0.1重量%未満では硫酸バリウム
を併用しても艶消し効果やドレープ性に支障を来す。一
方、硫酸バリウムが5重量%を越えると無機微粒子の分
酸性が悪くなるため紡糸が困難となり、1重量%未満で
は二酸化チタンの含有比率が0.1〜1.5重量%であ
っても、ドレープ性や防透け性が不充分となるばかりで
はなく濃染化効果が発現し難い。又[Ba]/[Ti]
の比率はポリマー中での両者の分散性の目安のみならず
アルカリ減量後の繊維表面での凹凸形成に関係し、この
値が2未満であったり20を越えた場合紡糸性が不良に
なるのみならず、濃染化の効果が少ない。
【0010】また二酸化チタン、硫酸バリウムのそれぞ
れの平均粒径は分散性、紡糸性の点から0.3〜0.6
μmの範囲が好ましい。ポリエステルに含有させる方法
としては、重縮合反応槽の前で添加しても、紡糸前で添
加してもよい。
【0011】本発明のポリエステル繊維は、上述した2
種の無機微粒子を所定量含有したポリエステルを用い公
知の紡糸装置を用いて紡糸し、延伸、捲縮、熱固定を行
いスクエアーカットまたはバイアスカットして短繊維と
して紡績工程に供することができる。この際、短繊維デ
ニールは、衣料用として1.5〜4.0デニールとする
ことが必要である。短繊維デニールが1.5デニール未
満では、紡績性が悪くなり、また4.0デニールを越え
ると硬くなりドレープ性、風合いが悪化する。また織物
の軽量化及び保温性を狙い該繊維を中空化する場合、中
空率として5〜30%とすることが好ましい。中空率が
5%未満であると織物の軽量化効果が減少し、30%を
越えると中空潰れが生じるため不適である。
【0012】上記のような要件を満足するポリエステル
繊維を通常の紡績工程を通じて紡績糸とすることは可能
であるが、該繊維は30重量%、好ましくは50重量%
以上含んでいることが必要である。該繊維の含有量が少
ないと本発明の効果のすべてを満足することはできな
い。紡績糸を構成する他の繊維としては、通常のポリエ
ステル繊維、その他の合成繊維、天然繊維、半合成繊維
があげられるが、好ましくはポリエステル繊維がよい。
又該紡績糸の太さは英式綿番手で20〜100番手であ
ることが衣料用として好適である。また本発明のポリエ
ステル繊維を使用して製造した織物は、構成する繊維中
30重量%以上、好ましくは50重量%が該繊維にて占
められていることが重要である。さらにその製法は従来
技術を採用することができ、もちろん織物の種類、織り
密度、組織、目付等も種々変更可能である。そして本発
明の効果が達成される範囲であれば本発明の紡績糸と通
常のポリエステル繊維、その他の合成繊維、天然繊維、
半合成繊維などからなる紡績糸を様々な形態で併用して
織物としてもよい。またアルカリ減量処理に関しても基
本的に従来の処理方法が採用できる。
【0013】本発明において使用されるポリエステルと
しては、テレフタル酸またはそのエステル形成性誘導体
とエチレングリコールや1,4―ブタンジオールとの重
合体、すなわちポリエチレンテレフタレートまたはポリ
ブチレンテレフタレートあるいはそれらを主体とする共
重合体が好ましく用いられる。共重合酸成分としてはイ
ソフタル酸、スルホイソフタル酸、5―ナトリウムスル
ホイソフタル酸、ジフェニルジカルボン酸、ナフタレン
ジカルボン酸などの芳香族ジカルボル酸、シュウ酸、ア
ジピン酸、セバシン酸、ドデカン二酸等の脂肪族ジカル
ボン酸、p―オキシ安息香酸、p―β―オキシエトキシ
安息香酸などのオキシカルボン酸が、ジオール成分とし
ては1,3―プロパンジオール、1,6―ヘキサンジオ
ール、ネオペンチルグリコールなどの脂肪族ジオール、
1,4―ビス(β―オキシエトキシ)ベンゼンなどの芳
香族ジオール、ポリエチレングリコール、ポリブチレン
グリコール等のポリアルキレングリコール等があげられ
る。これらの第3成分は単独あるいは2種以上を同時に
共重合されたものでもよい。
【0014】
【発明の効果】本発明のポリエステル繊維を利用するこ
とにより、ギラツキ感やヌメリ感が無く、紡績性、ドレ
ープ性、濃染性に富んだポリエステル織物が得られる。
【0015】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的
に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるもの
ではない。なお、実施例における摩耗性の評価は下記の
方法に従う。
【0016】LAWSON―HEMPILL社製の糸摩
耗試験器を用いて、以下の通りである。
【0017】紡績糸の編み針(KFPS46.58G1
2)に通し、角度30度、張力20gで編み針の穴と接
触させ、1000mの走行後の編み針の穴の摩耗状態を
以下の基準により判定した。 ◎:摩耗痕が全く見られないか糸導が判る程度の僅かな
摩耗が見られる。 ○:糸の入り側のみに摩耗痕が見られる。 △:糸の入り側に摩耗痕が見られ、出側にも僅かな摩耗
が見られる。 ×:糸の入り側と出側にはっきりと摩耗痕が見られる。
【0018】[実施例1〜6、比較例1〜7]二酸化チ
タン、硫酸バリウムを所定比率含有するポリエチレンテ
レフタレートを常法に従い溶融紡糸し延伸、捲縮付与、
熱処理して、短繊維デニールが異なるポリエステル短繊
維を得た。短繊維を100%使い、常法に従い英式番手
30′sの紡績糸を製造し、これを平織織物にし、アル
カリ減量処理した。表1に原綿物性を表2に各々の評価
結果を示す。
【0019】
【表1】
【0020】
【表2】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI D06M 11/38 D06M 11/38 // D06M 101:38 101:38 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D01F 6/62 D03D 15/00 D03D 27/00

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 単糸デニールが1.5〜4.0デニール
    で、無機微粒子の硫酸バリウムと二酸化チタンとが併用
    され、且つ、下記(1)〜(3)を同時に満足して配合
    されていることを特徴とするポリエステル系繊維。 (1)硫酸バリウム含有量(ポリマー重量比)[Ba]
    =1〜5% (2)二酸化チタン含有量(ポリマー重量比)[Ti]
    =0.1〜1.5% (3)20≧[Ba]/[Ti]≧2.0
  2. 【請求項2】 横断面における中空率が5〜30%であ
    る請求項1記載のポリエステル系繊維。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のポリエステル系繊維を3
    0重量%以上含むことを特徴とするポリエステル系紡績
    糸。
  4. 【請求項4】 太さが20〜100英式綿番手である請
    求項3記載のポリエステル系紡績糸。
  5. 【請求項5】 請求項1記載のポリエステル系繊維を3
    0重量%以上含むことを特徴とするポリエステル系織
    物。
  6. 【請求項6】 アルカリ減量処理されている請求項5記
    載のポリエステル系織物。
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