JPH0357022B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の利用分野〕 本発明は、エレベーターの扉装置に係り、特
に、扉構造の改良に関する。

〔発明の背景〕

従来の扉装置の構造を、扉二枚をもつ上下開き
の乗場扉装置を例にとつて、第１図により説明す
る。

この乗場扉装置は、第一扉１及び第二扉２によ
り構成している。第一扉１は、他端をウエート３
につながれた二本のチエーン４ａによりスプロケ
ツト５ａ，６を介して吊着されており、閉端では
外力により第一扉が開くことを防ぐため、ロツク
装置７が設けられる。第二扉２は、これに固着さ
れたスプロケツト８ａ，８ｂを、一端を柱体９
に、他端を５ｂを介してウエート３につながれた
チエーン４ｂにより吊着されている。そして、駆
動機（図示せず）に直結された駆動スプロケツト
１０により、電気的指令によりロツク装置７が解
除され、第一扉１，第二扉２は上・下方向に開閉
する。この時、前述の構造により、第一扉は第二
扉２の二倍の速度で開閉するため、第一扉１と第
二扉２の開閉に要する時間は、同一となるように
なつている。

このような上・下開きの扉装置は、主に大形エ
レベーターの、例えば、人荷用、あるいは、荷物
や自動車を輸送するのに用いられているが、次の
ような改善すべき問題があつた。

すなわち、第一扉１は、閉端ではロツク装置に
よりロツクされているため、外力で開けることは
不可能であるが、第二扉２は前述したように、チ
エーン４ｂで吊着されているため、これを持ち上
げ開扉することが可能となる。利用客は、エレベ
ーターの構造について興味を持つている者も多
く、その中で不心得な者が乗場側から第二扉を開
扉し、エレベーターの塔内をのぞきこんだりする
ことがあり、この時、エレベーターの乗かごが接
近してきた場合、これに衝突し重大な人身事故に
つながるケースがある。

乗かごに設置された扉装置でも、例えば、電気
系統の故障により、乗かご内に閉じこめられた状
態になつた利用客が、かご外に脱出しようとした
場合、塔内に転落したり、あるいは、何らかの原
因で突然エレベーターが動き出した場合、塔内機
器と衝突する等の人身事故も発生する危険があ
る。

このような問題点に関して、過去に次のような
扉装置が提案されている。

第２図は、この提案の一実施例を示す扉部分の
拡大図、第３図は、上・下開き扉装置の、扉案内
装置部分の拡大図である。

すなわち、第二扉２の下端に係合子１２を設
け、また、第一扉１の上端には係合片１３を設け
ることにより、扉が閉じている時には、いたずら
等の外力により、第二扉２のみが開扉することを
阻止している。

この提案により、係合子１２と係合片１３の係
合位置は、第一扉１と第二扉２の配置から、図示
したように扉の側方のみに限定される。

通常の上・下扉装置の場合、扉側面には、扉が
上・下方向に移動する際のふらつきを防止するた
めに、案内子１４、あるいは、これと同様の役割
を果たすローラ体（図示せず）が付いており、ま
た、係合子１４に対向するレール１５、さらに
は、レール１５を取り付けるため、柱体９が、扉
側方に配設されている。

従つて、通常開閉時には、係合子１２、及び、
係合片１３は、案内子１４、及び、レール１５、
さらには、柱体９との干渉をさける必要があり、
形状が複雑化するのは明白である。

また、第一扉１と第二扉２の両方に係合子、ま
たは、係合片を設ける必要があるため、ドアの枚
数が多い時には、係合に要する部品数が多いとい
う欠点がある。

〔発明の目的〕

本発明の目的は、第一扉の上部のみに係合体を
突設することにより、人身事故等を防ぐことがで
きる扉装置を提供するにある。

〔発明の概要〕

この目的を達成するために、本発明は、建屋内
の各階出入口に備えられ、端部をコの字状に折り
曲げ、補強部材を中間部に設けた複数の扉を上下
方向に開閉動作するように設けたエレベーターの
扉装置において、下方の扉の上部に係合体を設
け、この係合体が一つの上方の扉の下部に係合す
るように配置し、かつ、この係合体の上方に位置
する扉の補強部材は、係合体が通過する位置に切
欠きを有する構成にしてある。

〔発明の実施例〕

以下、本発明の一実施例を、図面を用いて説明
する。

第４図は、本発明による扉構造を示す扉部分の
拡大図である。

本発明による扉は、第一扉１上部に係合体１１
が取り付けてある。そして係合体１１の先端は中
間部に補強部材１６を有する第二扉２の下方に係
合するようになつており、これにより第二扉２を
持ち上げようとした場合でも、係合体１１と係合
するため、第二扉２はその下方と係合体１１との
小さな隙間Ｇだけしか持ち上げることができなく
なる。もちろん、扉が開扉する際、この係合体１
１が通過する部分は、第二扉２に対して設けられ
る補強部材１６に示されるように、切欠部２ａを
設ける必要がある。なお、第一扉１、第二扉２の
それぞれの上下端部はコの字状に折り曲げてあ
る。

また、係合体１１は第５図に示すように、矢印
方向の力Ｐを受けるが、これは扉を複数で持ち上
げた場合を想定し、持ち上げ力を百数十Kgと考
え、これから第二扉２の重量を差し引き、約百Kg
の外力Ｐに耐えるような強度を持つ必要がある。
そのため、第一扉上部の補強なども考えることが
肝要である。

なお、以上の説明では、係合体１１を一ケ所設
けた構造を例にとつて詳述してきたが、出入口幅
の大きな扉では、複数の係合体を配設することも
考えられる。さらには、係合体１１の形状につい
ても、図示したものに限定するものではなく、第
一扉１から第二扉２側に突出し、第二扉２の下方
と係合するものであればよい。又、補強部材１６
には、この係合体１１の形状に合わせた切欠部２
ａを設ければ良い。

〔発明の効果〕

本発明によれば、上・下開きの扉装置の扉を外
力により開扉することが不可能となり、利用客の
不安全な行動による人身事故を未然に防ぐことが
できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は上・下開きの乗場扉装置を裏側から見
た乗場扉装置の正面図、第２図は従来の扉装置の
一実施例の斜視図、第３図は上・下開き扉装置の
扉案内装置部分の斜視図、第４図は本発明の扉装
置の一実施例の扉の斜視図、第５図は第４図の扉
装置を示す扉の横断面図である。 １……第一扉、２……第二扉、２ａ……切欠
部、１１……係合体。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 建屋内の各階出入口に備えられ、端部をコの
   字状に折り曲げ、補強部材を中間部に設けた複数
   の扉を上下方向に開閉動作するように設けたエレ
   ベーターの扉装置において、下方の扉の上部に係
   合体を設け、この係合体が一つ上方の扉の下部に
   係合するよう配置し、かつ、この係合体の上方に
   位置する扉の補強部材は、係合体が通過する位置
   に切欠きが設けられていることを特徴とするエレ
   ベーターの扉装置。