JPH0355627B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は橋脚、煙突、サイロ等のコンクリート
構造物を構築するときに使用する伸縮リング支持
方式による移動型枠装置に関する。

従来この種のコンクリート構造物を構築する場
合に第１図及び第２図示の如く、所定の高さまで
支保工ａ及び足場ｂを設置し、該支保工ａに型枠
ｃをセツトしてコンクリートを打設し、コンクリ
ート構造物ｄを得ていたが、該構造物ｄが大きな
ものであると、大掛りな支保工ａや型枠ｃ等の本
工事用仮設が必要であり、かくてその組立及び撤
去に手間と時間がかかつて工期が長くなり更に設
備用資材も多く必要とする欠点があつた。

本発明はこれらの欠点を排除し工期を短縮する
と共に設備用資材も少なくした伸縮リング支持方
式による移動型枠装置を提供することを目的とす
るものでその特徴とするところは伸縮可能な連結
手段を介して相互に連結されて環状に形成された
複数の分割リングを上下に設け、上方の複数の分
割リングをそれぞれ進退自在に支持する上方支持
体と下方の複数の分割リングをそれぞれ進退自在
に支持する下方支持体との間に両者の相互位置を
可変する上下動作動手段により連結し、前記上方
支持体にそれぞれ型枠を取付けると共に、前記分
割リングに、コンクリート構造物の側面に押圧し
てこれから反力をとる反力板を設けたことにあ
る。

以下本発明の型枠装置の１実施例を第３図乃至
第５図に従つて説明する。

１は上方支持体、２は下方支持体、３は上下動
作動手段を示し、該上下動作動手段３は前記上方
支持体１から下方に突出したクライミングロツド
３ａ…３ａと、前記下方支持体２に設けられ該ロ
ツド３ａ…３ａをそれぞれ上下方向に移動するジ
ヤツキ３ｂ…３ｂとからなり、該ジヤツキ３ｂ…
３ｂの作動によりクライミングロツド３ａ…３ａ
を上方或いは下方に移動させて上方支持体１と下
方支持体２との間で上下方向の相互位置が変更す
るようにした。

４は分割リング、５，５はその支持構造を示
し、該分割リング４は円弧状に湾曲した支持体か
ら形成され、又前記各支持機構５は、所定箇所に
長孔６，６が形成されていてこれら長孔６，６に
おいて上方或いは下方支持体１或いは２の側面に
突設のピン７，７がそれぞれ嵌合されて支持体１
或いは２から進退自在に設けられており、これら
支持機構５，５の先端に前記分割リング４が固定
されている。

８は連結手段を示し、該連結手段８は電動或い
は油圧等のジヤツキからなり、その一方の作動端
を相隣り合う一方の分割リング４の端部に又他方
の作動端を相隣り合う他方の分割リング４の端部
にそれぞれ連結し、各ジヤツキ８の作動により分
割リング４…４からなる環状リングが伸縮するよ
うにした。

９は反力板を示し、該反力板９は湾曲状の板状
物でその前面が摩擦面に形成されており各分割リ
ング４の前面に固定されている。

１０は型枠、１１，１１はその支持杆を示し、
これらの支持杆１１，１１の根部を前記上方支持
体１の頂部に傾動自在に枢着すると共に、根部が
該上方支持体１の頂部に枢着されている油圧シリ
ンダー１２，１２のロツドの先端を前記支持杆１
１，１１の中間部にそれぞれ枢着し、これらのシ
リンダー１２，１２の駆動により支持杆１１，１
１と共に型枠１０が着脱出来るように直立したり
斜めになつたりするようにした。

１３はコンクリート打設のための足場、１４は
型枠１０の据付、脱型のため等の上部作業台、１
５はジヤツキの作動、コンクリートの保守点検等
のための吊足場を示す。

次に上記実施例装置を例えば煙突に使用した場
合を第６図乃至第１２図に従つて説明する。

最初に移動型枠装置を取付けるためにその取付
けに必要な高さまでは、第６図示の如く通常の方
法で地上から足場１６と型枠１７を組んでコンク
リート躯体Ａを構築する。その後型枠１７の脱型
と足場１６の撤去後上方支持体１と下方支持体２
とを必要台数配置して分割リング４…４をジヤツ
キ８により互いに連結し、コンクリート躯体Ａの
外側の分割リング４…４からなる上下の環状リン
グ４…４からなる上下の環状リングについてはジ
ヤツキ８によりこれら環状リングを縮めて反力板
９…９がコンクリート躯体Ａの外周面を押圧して
反力をとり、又コンクリート躯体Ａの内側の分割
リング４…４からなる上下の環状リングについて
はジヤツキ８によりこれら環状リングを伸ばして
反力板９…９がコンクリート躯体Ａの内周面を押
圧して反力をとり、更に型枠１０を直立にして第
７図示の状態にする。そしてコンクリート打設後
コンクリート躯体Ａの外側の下方の環状リングに
ついてはジヤツキ８により伸ばし又コンクリート
躯体Ａの内側の下方の環丈リングについてはジヤ
ツキ８により縮めてそれぞれの反力板９…９をコ
ンクリート躯体Ａの側面から離して上下動作動手
段３…３の作動により下方支持体２…２と共に下
方のリング４…４を上動し第８図の状態にする。
そして下方のリング４…４が所定の高さになつた
ら下方の環状リングにおいてコンクリート躯体Ａ
の外側のものを縮め又内側のものを伸ばして反力
板９…９により反力をとり、更に油圧シリンダー
１２…１２の作動により型枠１０を傾斜させて脱
型をし、上方の内外の環状リングを緩めてこれら
リングを上方支持体１…１と共に上方に移動し第
９図示の状態にする。そして上方のリング４，４
が所定の高さになつたらコンクリート躯体Ａの外
側の環状リングを縮めると共に内側の環状リング
を伸ばして反力板９…９により反力をとるように
し、更に型枠１０…１０を直立させて第１０図示
の状態にする。その後前述の手順を繰り返して段
１１図及び第１２図示の如くコンクリート躯体Ａ
を順次上方に形成していく。

尚、第６図示の通常の方法の代りに第１３図示
の如く最初から移動型枠装置に必要台数を取付け
てもよい。このとき分割リング４…４の個所に型
枠１８を取付けておき、コンクリート躯体Ａの構
築後該型枠１８を外す。

このように本発明によると複数の分割リングに
より形成された上下の還状リングを伸縮させて反
力板を介してコンクリート構造物から反力をとり
乍ら上下動作動手段の作動により上方の支持体と
共に型枠を上方に順次移動するようにしたので、
従来のような大掛りな支保工や型枠等の仮設が不
必要となり工期の短縮が図れると共に設備が簡単
で資材も少なくて済み、更にコンクリート打設を
ユニツト毎に分割することができて夜間及び休日
作業が制限される場合でも問題がなく、又養生期
間が必要に応じてとれるためコンクリートの品質
面で有利であり、更にアンカーボルトの埋込み等
がないため作業の手間が省ける等の効果を有す
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の支保工、型枠等の縦断面図、第
２図はその平面図、第３図は本発明装置の１実施
例の縦断面図、第４図はその−線截断面図、
第５図は第３図の−線截断面図、第６図乃至
第１０図は当該装置の使用によるコンクリート躯
体の築造を示す概略説明図、第１１図はその築造
が進行した状態での当該装置の使用を示す概略断
面図、第１２図はそのXII−XII線截断面図、第１３
図は第６図に対応する別の築造を示す概略説明図
である。 １…上方支持体、２…下方支持体、３…上下動
作動手段、４…分割リング、８…連結手段、９…
反力板。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 伸縮可能な連結手段を介して相互に連結され
   て環状に形成された複数の分割リングを上下に設
   け、上方の複数の分割リングをそれぞれ進退自在
   に支持する上方支持体と下方の複数の分割リング
   をそれぞれ進退自在に支持する下方支持体との間
   に両者の相互位置を可変する上下動作動手段によ
   り連結し、前記上方支持体にそれぞれ型枠を取付
   けると共に、前記分割リングに、コンクリート構
   造物の側面に押圧してこれから反力をとる反力板
   を設けて成るコンクリート構造物構築用移動型枠
   装置。