JPH035280Y2 - - Google Patents

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JPH035280Y2
JPH035280Y2 JP1987162680U JP16268087U JPH035280Y2 JP H035280 Y2 JPH035280 Y2 JP H035280Y2 JP 1987162680 U JP1987162680 U JP 1987162680U JP 16268087 U JP16268087 U JP 16268087U JP H035280 Y2 JPH035280 Y2 JP H035280Y2
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【考案の詳細な説明】
[産業上の利用分野] 本考案は、焼酎、ウイスキー、ブランデー等の
蒸溜酒の醗酵醪において、この醗酵醪を蒸溜缶内
部で煮沸して得られた酒精蒸気中に含まれるイソ
アミルアルコール、プロパノール、ブタノール、
フルフラール等の高沸点成分を除去する装置を有
する蒸溜酒の単式蒸溜装置に関するものである。 [従来の技術とその問題点] 醗酵醪を煮沸させて発生した酒精蒸気には、酒
の味覚や香りを悪くする、沸点が97℃〜132℃前
後のイソアミルアルコール、プロパノール、ブタ
ノール、フルフラール等の高沸点成分が含まれて
いる。 しかし、従来の単式蒸溜装置は、蒸溜缶で発生
した酒精蒸気を直接擬縮器へ送り込んで冷却し原
酒を得ているため、高沸点成分の除去がされず味
覚や香りのよい製品を得難かつた。 そこで、単式蒸溜装置を用いて高沸点成分の除
去した品質のよい製品を得るために、種々工夫さ
れている。 例えば、その一つの装置としては、蒸溜缶の上
部に精溜棚を設けて、酒精蒸気を精溜棚を経由さ
せて凝縮器へ送ることにより、精溜棚において高
沸点成分を除去する単式蒸溜装置がよく知られて
いる。 しかし、この方法であると装置の構造が複雑に
なるとともに、高沸点成分が精溜棚に残留する傾
向があり、この残留した高沸点成分が次に蒸溜し
た酒精蒸気へ混入して、製品の品質を悪くする場
合が多い。さらに、単式蒸溜装置は、蒸溜缶の内
部に一定量の醗酵醪を収納して煮沸するため、煮
沸とともに醗酵醪より蒸発する酒精蒸気の成分が
変化し、この酒精蒸気中の高沸点成分の量も変化
する。このためこの変化とともに除去する高沸点
成分の量も変化させないと、蒸溜酒の品質が一定
にならないという欠点がある。 [問題点を解決するための手段] 本考案は、上記問題点を解決するために考案さ
れたものであつて、酒成分を含む醗酵醪の原液を
煮沸して酒精蒸気を発生させる蒸溜缶と、酒精蒸
気を冷却して原酒を得る凝縮器とを備えた蒸溜酒
の単式蒸溜装置において、周壁の一部に冷却水が
供給されるジヤケツト部を有し、酒精蒸気中に含
まれる高沸点成分を凝縮して除去するサイクロン
型の補集器を、蒸溜缶から凝縮器に至る経路の途
中に設けるとともに、この補集器から蒸溜缶へ前
記高沸点成分を還流させる経路を設けてなるもの
である。 [作用] 上記構成の単式蒸溜装置において、醗酵醪を蒸
溜缶内部で煮沸して発生した酒精蒸気は補集器内
部に至る。補集器のジヤケツト部内部へ供給され
ている冷却水によつてこの酒精蒸気が冷却される
ことにより、酒精蒸気中の高沸点成分が分離すな
わち液化して、酒精蒸気より除去される。除去さ
れた高沸点成分は、蒸溜缶へ還流経路を経て還流
される。高沸点成分が除去された酒精蒸気は凝縮
器において冷却され原酒となる。 [実施例] 以下、本考案の一実施例を図面に基づいて説明
する。 本考案の減圧式単式蒸溜装置10は以下の構造
を有している。 12は醗酵醪の酒成分を含む原液Aを煮沸して
酒精蒸気を発生させる蒸溜缶、16は酒精蒸気中
の高沸点成分を除去するサイクロン型の補集器、
18は酒精蒸気を凝縮して蒸溜酒を得る凝縮器で
ある。蒸溜缶12と補集器16はスワンネツク状
の蒸気排出路14aによつて接続され、補集器1
6と凝縮器18は蒸気排出路14bによつて接続
されている。 蒸溜缶12の上部には、醗酵醪の原液Aを供給
する給入口26を設けている。蒸溜缶12の周壁
の構造を二重にすることによりジヤケツト加熱部
28を設け、蒸気給入管30より高温に加熱した
水蒸気をジヤケツト加熱部28へ送り込んで蒸溜
缶12内部を加熱する。また、加熱水蒸気が循環
するコイル式の加熱管32を蒸溜缶12の内部に
設けている。そして、これらジヤケツト加熱部2
8と加熱管32により醗酵醪の原液Aを万遍なく
煮沸する。なお、ジヤケツト加熱部28を循環し
た水蒸気は、蒸気ドレーン34より排出される。 補集器16の周壁を二重構造にしてジヤケツト
冷却部36を設けている。このジヤケツト冷却部
36の内部へ、給水管38より冷却水を供給して
循環させ、これにより補集器16の内部を冷却す
る構造となつている。この冷却水は排水管40よ
り排出できる。また、底部には、酒精蒸気から凝
縮した液体を蒸溜缶12内部へ戻す還流経路42
を設けている。 凝縮器18内部には、冷却管20を設け、酒精
蒸気がこの冷却管20内部を流通する間に冷却水
によつて冷却され凝縮される。また、前記凝縮器
18には、製品タンク22が接続され、凝縮器1
8により凝縮された蒸溜酒はこの製品タンク22
に貯留される。 蒸溜缶12から凝縮器18を経て製品タンク2
2に至る蒸溜経路の一部、例えば、図示の場合に
は製品タンク22の部分に真空ポンプ24を接続
することにより、蒸溜経路を減圧状態にして蒸溜
できるようになつている。 以下、上記の構成を有する蒸溜装置10を用い
ての蒸溜作業を説明する。 蒸溜缶12に所要量の焼酎醪の原液Aを収納し
た状態で加熱源である加熱管32とジヤケツト加
熱部28にゲージ圧力0.3Kg/cm2〜3Kg/cm2の水
蒸気を供給して加熱し、前記原液Aを万遍なく煮
沸する。 煮沸によつて発生した酒精蒸気は蒸気排出路1
4aを通つて補集器16に入る。補集器16内部
はジヤケツト冷却部36内部を流通する冷却水に
よつて冷却されているため、まず、酒精蒸気中の
高沸点成分が凝縮して、酒精蒸気より分縮され
る。高沸点成分としては、沸点が97℃〜132℃前
後のイソアミルアルコール、プロパノール、ブタ
ノール、フルフラール等が主なものである。ま
た、エステル類の中沸点成分、アセトアルデヒド
等の低沸点成分も分縮される。さらに、蒸溜缶1
2より上昇した飛抹も凝縮される。 本考案は単式蒸溜装置であることにより、蒸溜
缶12の内部に一定量の醗酵醪Aを収納して煮沸
している。そのため、煮沸する時間とともに蒸発
する酒精蒸気の成分が変化し、高沸点成分の量も
変化する。このため、除去する高沸点成分の量も
変化させないと得られた焼酎の品質が一定になら
ないので、ジヤケツト冷却部36内部を粒通する
冷却水の量と温度を変化させて除去する高沸点成
分の量を変化させる。この場合、冷却水の量と温
度は簡単に制御できるため、容易に品質のよい焼
酎を得ることができる。 凝縮された液体状の高沸点成分等は、補集器1
6の底部に設けられた還流経路42を経て蒸溜缶
12内部の焼酎醪の原液Aに戻される。そして、
これら高沸点成分等のうち有効酒成分は、再び蒸
溜缶12内部で煮沸され酒精蒸気となることによ
り、焼酎醪の原液Aを無駄なく効率よく蒸溜でき
る。 除去した高沸点成分等は、還流されて補集器1
6に残留せず、次に蒸溜する酒精蒸気に混入して
焼酎の品質を悪くすることがない。 高沸点成分が分縮された酒精蒸気は蒸気排出路
14bを経て凝縮器18に入り、ここで冷却され
て凝縮され蒸溜液、すなわち、焼酎の製品とな
る。 この焼酎の製品は、製品タンク22内に送られ
貯溜される。 この蒸溜経路は真空ポンプ24により真空に近
い減圧状態に保持されていることにより蒸溜缶1
2内部の原液Aは45℃〜60℃の加熱温度で煮沸す
れば蒸溜は良好に行なわれる。 上記補集器16を接続した本考案の蒸溜装置1
0を使用して製造した焼酎と、補集器16を接続
せず蒸気排出器14a,14bとを直接接続した
従来の蒸溜装置によつて製造した焼酎とにおい
て、これら焼酎に含まれる高沸点成分、中沸点成
分とをそれぞれ比較分析した結果を第1表に示
す。
【表】
【表】 第1表において、イソアミルアルコール、プロ
パノール、ブタノールは、フーゼル油に含まれて
いることにより、これら高沸点成分は油脂酸化指
標値によつて示す。紫外部吸光度は、10m/m石
英セル、波長275nmにて測定し、また、油脂酸化
指標値は、2−チオバルピツール酸による発色を
10m/m石英セル、波長530nmにて測定されたも
のである。 第1表より本考案の酒精装置10の方が補集器
16を備えていない従来の蒸溜装置より酒精蒸気
中の高沸点成分、中沸点成分、低沸点成分をよく
除去でき、そのため、味覚と香りがよい焼酎を得
ることができる。 なお、本実施例では、真空ポンプ24を備えた
減圧式の単式蒸溜装置について説明したが、これ
に限らず本考案は、常圧式の単式蒸溜装置に用い
ても減圧式と同様に良好なる結果が得られる。こ
の場合、蒸溜缶内部の醗酵醪の原液Aを加熱する
手段は、前記実施例のジヤケツト加熱部28と加
熱管32に代えて、原液Aに加熱水蒸気を直接吹
き込む手段にする。 さらに、本実施例では焼酎の蒸溜装置について
説明したが、これに限らず、ウイスキー、ブラン
デー等の蒸溜酒の単式蒸溜装置に使用してもよ
い。 [考案の効果] 上記で説明したように、本考案の蒸溜酒の単式
蒸溜装置は、醗酵醪を煮沸して発生した酒精蒸気
より高沸点成分を補集器において効率よく取り除
いて、味覚と香りがよい原酒を得ることができ、
また、除去した高沸点成分等は、蒸溜缶へ還流さ
れて補集器には残留せず、次に蒸溜する酒精蒸気
に混入して焼酎の品質を悪くすることがない。 また、構造も蒸溜缶と凝縮器との間にジヤケツ
ト部を装備した補集器を設けるだけの簡単な構造
であるとともに、前記ジヤケツト部へ供給する冷
却水の温度と量により、簡単に高沸点成分を除去
する量を調節できる。
【図面の簡単な説明】
図は本考案の蒸溜装置を示し、一部を断面にし
た略示図である。 符号の説明、A……醗酵醪の原液、10……単
式蒸溜装置、12……蒸溜缶、16……補集器、
18……凝縮器、20……ジヤケツト冷却部、4
2……還流経路。

Claims (1)

  1. 【実用新案登録請求の範囲】 酒成分を含む醗酵醪の原液を煮沸して酒精蒸気
    を発生させる蒸溜缶と、酒精蒸気を冷却して原酒
    を得る凝縮器とを備えた蒸溜酒の単式蒸溜装置に
    おいて、 周壁の一部に冷却水が供給されるジヤケツト部
    を有し、酒精蒸気中に含まれる高沸点成分を擬縮
    して除去するサイクロン型の補集器を、蒸溜缶か
    ら擬縮器に至る経路の途中に設けるとともに、こ
    の補集器から蒸溜缶へ前記高沸点成分を還流させ
    る経路を設けてなることを特徴とする蒸溜酒の単
    式蒸溜装置。
JP1987162680U 1987-10-23 1987-10-23 Expired JPH035280Y2 (ja)

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Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6137908A (ja) * 1984-07-27 1986-02-22 Nippon Steel Corp 転炉操業法
JPS62208266A (ja) * 1986-03-07 1987-09-12 Chem Plant:Kk 焼酎蒸溜廃液の減圧連続式濃縮処理装置

Patent Citations (2)

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JPH0166899U (ja) 1989-04-28

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