JPH0345181Y2

JPH0345181Y2 -

Info

Publication number: JPH0345181Y2
Application number: JP15267884U
Authority: JP
Priority date: 1984-10-09
Filing date: 1984-10-09
Publication date: 1991-09-24
Also published as: JPS6167562U

Description

【考案の詳細な説明】（産業の利用分野）本考案は、簡易型のセタン価センサに関する。

（従来技術）一般に、例えばデイーゼルエンジン用軽油燃料
のセタン価は、市中のガソリンスタンド等へ販売
される前に、精油企業の分析室で厳密に測定され
ているので、常に一定であるはずである。

しかし、販売後に粗悪な燃料が混合されると、
セタン価がばらつく恐れがある。

また、原油の品質低下等に起因してセタン価が
低下する傾向にある。

ところで、デイーゼルエンジンにおける燃料噴
射タイミングは、エンジン製造時点での精油企業
におけるセタン価の公称値に基づいて調節されて
いるので、セタン価がばらついたり低下したりす
ると、燃料の着火時期がずれ、安定な運転ができ
なくなるという問題があつた。

（考案の目的）本考案は上記従来の問題点に鑑みてなされたも
ので、燃料の粘度とセタン価は相関関係にある、
つまり、粘度が低いほどセタン価が低く、粘度が
高いほどセタン価が高く、しかもそれは比例関係
にある（第６図参照）という知見に基づき、燃料
容器への燃料の補給時に、注入燃料と残存燃料と
の混合燃料のセタン価を、自動的に測定して、そ
のセタン価に対応するように燃料噴射タイミング
を制御し得るようにすることを目的とするもので
ある。

（考案の構成）このため本考案は、燃料容器内に、燃料の粘度
測定手段と温度測定手段とを設けて、該両手段の
測定信号からセタン価を判定するセタン価判定手
段を備えて構成したものである。

（考案の効果）本考案によれば、粘度測定手段の測定信号に対
して温度測定手段の測定信号の補正をかけて、セ
タン価判定手段でセタン価を判定するようにした
ものであるから、燃料容器内にある燃料のセタン
価を測定することでき、そのセタン価に対応する
ように燃料噴射タイミングを制御できるので、安
定な運転が行なえるようになる。

また、燃料容器内に内蔵できる簡易型であるの
で、いつでもセタン価を測定することができる。

（実施例）第１図及び第２図は、振り子型のセタン価セン
サＡの第１実施例である。

デイーゼルエンジン用軽油燃料１の燃料容器２
には、フイラーキヤツプ３が取付けられたフイラ
ーパイプ４が設けられるとともに、サクシヨンパ
イプ５が設けられている。

該容器２のフイラーキヤツプ３に近い底部２ａ
側には、燃料１が流通する孔６ａが形成されたセ
ンサ収納用枠６が設置され、該枠６内にセタン価
センサＡが収納されている。

該セタン価センサＡは、一端に錘７が取付けら
れた長寸のシヤフト８の他端をピン９により容器
２の側壁に上下揺動自在に枢着した振り子１０を
備え、該振り子１０は、錘７の重力で下方へ揺動
し、第２スイツチ１４をオフする下揺動位置
と、フイラーキヤツプ３との間に連結された耐油
性ワイヤ１２で引き上げられて上方へ揺動し、電
磁石１３に吸着保持される上揺動位置との間の
一定距離ｌの範囲で揺動するように設定されてい
る。

上記フイラーキヤツプ３に対しては、フイラー
キヤツプ３を取外したときにオンして電磁石１３
を励磁する第１スイツチ１１が設けられていて、
電磁石１３は、フイラーキヤツプ３を取付けて第
１スイツチ１１がオフした後、時間計測回路１６
のタイマにより所定時間が経過してから消磁され
るようになつている。

また、上記センサ収納用枠６内には、燃料１の
温度を測定する温度センサ１５が設置されてい
る。

上記第１，第２スイツチ１１，１４及び電磁石
１３は、時間計測回路１６に接続され、該時間計
測回路１６においては、電磁石１３が消磁されて
から第２スイツチ１４が錘７でオフされるまでの
間の時間ｔが計測される。

そして、セタン価判定回路１７において、時間
ｔに基づき燃料１の粘度が算出され、温度センサ
１５からの測定信号で補正がかけられた後、この
粘度測定信号がセタン価に換算され、このセタン
価信号により、燃料噴射制御回路１８を介して燃
料噴射タイミングが調節される。

上記のようにセタン価センサＡを構成すれば、
フイラーキヤツプ３が取付けられた状態では、フ
イラーキヤツプ３により第１スイツチ１１がオフ
され、振り子１０は重力により下揺動位置にあ
つて第２スイツチ１４をオフしている。

燃料１の補給時にフイラーキヤツプ３を取外す
と、第１スイツチ１１がオンされて電磁石１３が
励磁されるとともに、ワイヤ１２で振り子１０が
上揺動位置に上揺動されて、電磁石１３で吸着
保持される。

そして、燃料１を注入し終つて、フイラーキヤ
ツプ３を取付けると第１スイツチ１１がオフさ
れ、タイマにより所定時間の経過後、電磁石１３
が消磁される。

そうすると、振り子１０は、錘７の重力により
燃料１の粘度に応じた速度で下揺動位置に下揺
動して、第２スイツチ１４をオフする。

第２スイツチ１４のオフにより、タイマがオフ
されるとともに、時間計測回路１６で、電磁石１
３の消磁から第２スイツチ１４がオフされるまで
の時間ｔが計測され、ついで、セタン価判定回路
１７で、時間ｔに基づき燃料１の粘度が算出さ
れ、温度補正後の粘度測定信号がセタン価に換算
される。

そして、上述のように、このセタン価信号によ
り、燃料噴射制御回路１８を介して燃料噴射タイ
ミングが調節されるようになる。

第３図〜第５図ｂは、ボール型のセタン価セン
サＢの第２実施例である。

第１実施例と同一構成、作用の箇所は同一番号
を付して説明を省略する。

第３図〜第５図ａにおいて、センサ収納用枠６
内に収納されたセタン価センサＢは、両端が閉塞
され、上側壁に燃料１が流通するスリツト２１ａ
が形成された長寸のパイプ２１を備え、該パイプ
２１内にはボール２２が転動自在に嵌入され、該
パイプ２１の一端はピン９により容器２の側壁に
上下揺動自在に枢着されている。

そして、パイプ２１は、パイプ２１の重力で下
方へ揺動し、ストツパ台２３に当て止められる下
揺動位置と、フイラーキヤツプ３との間に連結
された耐油性ワイヤ１２で引き上げられて水平位
置よりやや上方へ揺動される上揺動位置との間
で揺動するように設定されている。

該パイプ２１の一端には、電磁石２４と、上揺
動位置の揺動角を検出してオンする第１スイツ
チ２５が設けられ、該第１スイツチ２５がオンす
ると電磁石２４が励磁され、第１スイツチ２５が
オフした後、時間計測回路１６のタイマにより所
定時間が経過してから消磁されるようになつてい
る。

上記パイプ２１の他端には、下揺動位置で、
右転動したボール２２が当接したときにオフする
第２スイツチ２６が設けられている。

従つて、ボール２２は、電磁石２４に吸着保持
される左転動位置と、第２スイツチ２６に当接す
る右転動位置との間の一定距離ｌの範囲で転動す
るように設定されている。

上記のようにセタン価センサＢを構成すれば、
第５図ａのように、フイラーキヤツプ３が取付け
られた状態では、パイプ２１は重力により下揺動
位置にあつて第２スイツチ２６をオフしてい
る。

燃料１の補給時にフイラーキヤツプ３を取外す
と、第５図ｂのようにワイヤ１２でパイプ２１が
上揺動位置に上揺動されて、ボール２２が右転
動し、第１スイツチ２５がオンされて電磁石２４
が励磁され、ボール２２は電磁石２４で吸着保持
される。

そして、第５図ｃのように、燃料１を注入し終
つて、フイラーキヤツプ３を取付けると、パイプ
２１は重力により下揺動位置に下揺動し、第１
スイツチ２５がオフされ、タイマにより所定時間
の経過後、電磁石２４が消磁される。

そうすると、第５図ｄのように、ボール２２は
燃料１の粘度に応じた速度で下揺動位置に右転
動して、第２スイツチ２６をオフする。

第２スイツチ２６のオフにより、タイマがオフ
されるとともに、時間計測回路１６で、電磁石２
４の消磁から第２スイツチ２６がオフされるまで
の時間ｔが計測され、ついで、セタン価判定回路
１７で、時間ｔに基づき燃料１の粘度が算出さ
れ、温度補正後の粘度測定信号がセタン価に換算
される。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る第１実施例の振り子型セ
タン価センサを備えた燃料容器の側面図、第２図
は第１図のセタン価センサの拡大側面図、第３図
は第２実施例のボール型セタン価センサを備えた
燃料容器の側面図、第４図ａはパイプの平面図、
第４図ｂは第４図ａの−断面図、第５図ａ〜
第５図ｄは第３図のセタン価センサの作動過程を
示す拡大側面図、第６図は燃料の粘度とセタン価
との関係を示すグラフである。Ａ，Ｂ……セタン価センサ、２……燃料容器、
３……フイラーキヤツプ、１０……振り子、１
１，２６……第２スイツチ、１２……ワイヤ、１
３，２４……電磁石、１４，２５……第１スイツ
チ、１５……温度センサ、１６……時間計測回
路、１７……セタン価判定回路、１８……燃料噴
射制御回路、２１……パイプ、２２……ボール、
ｌ……一定距離、……下揺動位置、……上揺
動位置。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】 (1) 燃料のセタン価を測定するセタン価センサで
あつて、燃料容器内に、燃料の粘度測定手段と温度測
定手段とを設けて、該両手段の測定信号からセ
タン価を判定するセタン価判定手段を備えてな
ることを特徴とするセタン価センサ。 (2) 上記粘度測定手段が、一定距離を重力により
落下する錘の落下時間を計測する機構で構成さ
れていることを特徴とする実用新案登録請求の
範囲第(1)項記載のセタン価センサ。