JPH051913A

JPH051913A - 傾斜検出装置

Info

Publication number: JPH051913A
Application number: JP15446591A
Authority: JP
Inventors: Hidetoshi Kinoshita; 秀俊木下
Original assignee: Shimadzu Corp
Current assignee: Shimadzu Corp
Priority date: 1991-06-26
Filing date: 1991-06-26
Publication date: 1993-01-08
Anticipated expiration: 2014-06-28
Also published as: JP2913906B2

Abstract

(57)【要約】【目的】任意の方向の傾斜角度を精度良く検出でき、
傾斜方向によってオン・オフ動作する設定角度を任意に
設定できる傾斜検出装置を提供することを目的とする。【構成】スチールボール６は永久磁石２により磁化さ
れたスチールボール３のまわりに回動自在に磁力によっ
て接合されている。磁気制御板８はホール素子７から偏
心させて接合しているので、ホール素子７を通過する磁
束がある決められた値となる傾斜角は傾斜方向によって
異なる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ある部材または構造体
等が水平状態から一定角度以上傾斜したときにその傾斜
を検出するための傾斜検出装置に関する。このような傾
斜検出装置は、たとえば高所作業車が３°以上傾斜した
とき、または建設作業車が13.5°以上傾斜したときに警
告を発する場合等に使用される。

【０００２】

【従来の技術】この種の従来の傾斜検出装置としては第
４(a) 〜６(b) 図に示すものが知られている。第４(a)
，４(b) 図に示す傾斜検出装置は、密封容器０１の中
に水銀０２と端子０３，０４とを封入した水銀スイッチ
である。この水銀スイッチは第４(a) 図に示す水平状態
ではオフであるが、第４(b) 図に示す左下がりの傾斜状
態では端子０３，０４間を水銀０２が接続してオンにな
る。したがって、左下がりに所定角度以上傾斜した場合
には、それを検出することができる。

【０００３】第５(a) ，５(b) 図に示す傾斜検出装置
は、リードスイッチ０５と容器０６内に封入された磁性
流体０７および磁性流体０７中に浮かんだ磁石０８とか
ら構成されている。この傾斜検出装置を支持する部材が
水平な状態（第５(a) 図参照）ではリードスイッチ０５
は、磁石０８が接近した状態に在るのでオンであるが、
傾斜状態（第５(b) 図参照）ではリードスイッチ０５は
磁石０８が離れた遠方位置に在るのでオフである。

【０００４】第６(a) ，６(b) 図に示す傾斜検出装置
は、回動軸０９周りに揺動自在に支持された振子０１０
に所定の形状のスリット０１１を形成し、このスリット
０１１を挟んで発光素子０１２および受光素子０１３を
対向配置したものである。この第６(a) ，６(b) 図に示
す傾斜検出装置では、振子０１０が回動軸０９周りに所
定角度以上回転すると受光素子０１３が発光素子０１２
の光を受光しなくなる。また、本出願人は特願平３−３
３２７５号において、これらの傾斜検出装置とは異った
構造の傾斜検出装置を提案している。第７図(a) 〜(d)
にこの傾斜検出装置を示す。本傾斜検出装置は、永久磁
石０１４によって磁化されたスチールボール０１５を支
点として、他のスチールボール０１６を支点回りに回動
自在に接合し、容器０１７の下部にホール素子０１８を
配置したものである。第７(a) 、７(c) 図に示すように
容器０１７が水平な状態では、ホール素子０１８を通過
する磁束は最大でありホール素子０１８の出力電圧は最
大となる。一方、第７(b),７(d) 図に示すように容器０
１７がθだけ傾いた状態ではホール素子０１８を通過す
る磁束は小さくなり、ホール素子０１８の出力電圧は小
さくなる。このようにしてホール素子０１８の出力の大
小で傾斜角度θを検出することができる。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】ところが、前記第４
(a) ，４(b)図に示した傾斜検出装置は、製品のバラツ
キが大きく、一定の傾斜角度で固定する（車体等に取り
付ける）のが難しい。また、一方向の傾斜しか検出する
ことができず、水銀による公害を引き起こすおそれがあ
る。

【０００６】また、前記第５(a) ，５(b) 図に示した磁
性流体を用いた傾斜検出装置は、リードスイッチ製品の
バラツキが大きく、リードスイッチがON,OFFする動作タ
イミングのヒステリシスも大きい。したがって、小さな
傾斜角度を正確に検出することは困難である。また、温
度特性も悪い。

【０００７】また、第６(a) ，６(b) 図に示す傾斜検出
装置は前記振子を支持する回転軸周りの傾斜角度は検出
できるが、前記回転軸に垂直な軸周りの傾斜は検出する
ことができないという問題点がある。

【０００８】さらに、これらの傾斜検出装置はON,OFF動
作する設定角度を傾斜方向によって変えることができな
い。また、第７(a) 〜(d) 図に示す傾斜検出装置も、ホ
ール素子の断面が円形をしているので、容器がどの方向
にθだけ傾いても、ホール素子を通過する磁束は同一で
あり、ホール素子の出力電圧も同一となってしまう。し
たがって、ある設定電圧を設定し、ホール素子の出力電
圧と比較することにより傾斜検出器をON,OFF動作させよ
うとすると、傾斜方向によってON,OFF動作する設定角度
を変えることができない。

【０００９】本発明は、これらの問題点を解決するため
に創案されたものであり、安全かつ任意の方向の傾斜角
度を精度良く検出できるとともに、傾斜方向によってO
N,OFF動作する設定角度を任意に設定することができる
傾斜検出装置を提供することを目的とする。

【００１０】

【課題を解決するための手段】上記の問題点を解決する
ために、本発明の傾斜検出装置は次のような構成を有す
る。すなわち、磁極をなす支持部材を支点として、この
支点まわりに回動自在に接合された磁性体振子と、前記
支持部材が固定される容器と、前記容器に固定され、前
記磁性体振子の位置により異なる検出信号を出力する磁
気センサと、前記磁性体振子と前記磁気センサの間にあ
って、磁気抵抗の分布を制御するたるの磁性体からなる
磁気制御板を備えた。

【００１１】

【作用】前述の構成を備えた本発明の傾斜検出装置は、
前記容器を建設車輌の車体等の構造体に固定して使用さ
れる。前記磁性体振子は前記支持部材に接合されている
ので磁化され、その周囲にある定まった磁界を形成す
る。前記容器が前記車体等とともに水平に保持されてい
る状態と、前記容器が前記車体等とともに傾斜した状態
では、前記容器に固定された前記磁気センサと、常に垂
下している前記磁性体振子との相対的位置関係が変化
し、前記磁気センサを通過する磁束が変化し、前記磁気
センサの検出信号が変化する。この検出信号の変化によ
り、前記容器を固定した車体等の傾斜が検出される。

【００１２】さらに、前記磁性体振子と前記磁気センサ
の間に磁気制御板が設置されているので、前記磁性体振
子と前記磁気センサ間の磁気抵抗を任意に設定すること
ができ、前記磁気センサを通過する磁束を制御できる。
これにより前記磁気センサを通過する磁束の大きさが同
じになるような傾斜角度を、傾斜方向によって変化させ
ることができる。

【００１３】

【実施例】本発明の一実施例を第１図ないし第３図にて
説明する。第１図は傾斜検出装置が水平な状態であり、
カラー１には永久磁石２とスチールボール３が埋設さ
れ、これにより支持部材４を形成している。支持部材４
は円筒状の容器５の上部に固定されている。スチールボ
ール６は、永久磁石２によって磁化されたスチールボー
ル３に吸引され、スチールボール３のまわりに回動自在
に接合されている。容器５の下部には断面円形のホール
素子７が固定され、ホール素子７には湾曲したキー形状
の磁性体からなる磁気制御板８が偏心して接合されてい
る。磁気制御板８とスチールボール６の間には、スチー
ルボール６が衝撃により落下した時、ホール素子７や磁
気制御板８の破損を防ぐと同時に、スチールボール６が
すぐスチールボール３に復帰できるよう、非磁性体のガ
ード９が設けられている。なお、容器５の材質は特に限
定されないが、磁性体にした場合、永久磁石２と容器５
とホール素子７を結ぶ磁気抵抗の低い磁路が形成され、
ホール素子７を通過する磁束が大きくなるので、ホール
素子の検出出力を大きくすることができるとともに、傾
斜検出器内部を外部磁界から磁気しゃへいすることがで
きる。本実施例は容器５を図示しない車両等に固定して
使用される。

【００１４】次に本実施例の作用について説明する。な
お、説明の便宜上、傾斜検出装置が固定されている車両
の向きを図の向きに前後左右とする。図示しない車両等
が傾斜すると、容器５が傾斜し、スチールボール６がス
チールボール３と接触したまま安定するまでなめらかに
移動する。するとスチールボール６とホール素子７の相
対位置関係が変化するので、ホール素子７を通過する磁
束の大きさが変化する。ホール素子７の出力電圧はホー
ル素子７を通過する磁束の大きさに比例するので、ホー
ル素子７の出力電圧が傾斜角度の変化にともなって変化
する。なお、本実施例はある設定角度以上傾斜した時に
ON動作するような傾斜検出器であり、その回路構成とし
ては、ホール素子７の出力電圧をある設定電圧と比較す
る比較回路を設け、ホール素子７の出力電圧が設定電圧
より小さくなった時、比較回路からの出力をONとするよ
うに構成すれば良い。

【００１５】次に、本実施例の傾斜検出装置がON,OFF動
作する動作点について説明する。車両が水平な状態では
第１図に示すようにスチールボール３と６およびホール
素子７の軸線は一致し、磁束は磁気制御板８を通って第
１図(c) のようにホール素子７を通過する。車両が右に
θ₁だけ傾斜し、スチールボール３と６の軸線が磁気制
御板８の右端に一致するまで傾斜した場合を第２図に示
す。このときホール素子７を通過する磁束は第２図(c)
に示すように第１図の場合より若干減少する。このとき
ホール素子７の出力電圧を設定電圧とすると、車両がこ
れより右に傾いた時、磁気制御板８のある部分は空間に
比べて磁気抵抗がきわめて小さいのでホール素子７を通
過する磁束は急激に減少し、その出力電圧も減少するの
で、傾斜検出器はONとなる。一方、第３図のように車両
が左にθ₁より小さいθ₂だけ傾斜した時、スチールボ
ール３と６の軸線が磁気制御板８の左端に一致するので
ホール素子７の出力電圧は設定電圧と等しくなる。車両
がこれより左に傾斜した時、傾斜検出器はONとなる。し
たがって、本実施例では車両が右に傾いた時はθ₁以上
傾いた時にONとなり、左に傾いた時はθ₂以上傾いた時
にONとなる。このようにしてON,OFF動作する設定角度
を、傾斜方向に応じて大きさを変えて設定することがで
きる。

【００１６】なお、本実施例ではスチールボール３と６
の軸線が磁気制御板８の左端または右端と接した時のホ
ール素子７の出力電圧を設定電圧としたが、これはスチ
ールボール６がこの位置を境として回動したときに、ホ
ール素子７の出力電圧が急変するためであって、設定電
圧は任意に設定しても良い。また、本実施例では湾曲し
たキー形状の磁気制御板８を用いたが、ホール素子７と
同心の断面円形でないものを用いれば、ON,OFF動作する
設定角度を任意に設定することができる。また、逆に断
面円形でないホール素子に断面円形の磁気制御板を取り
つけて、すべての傾斜方向について設定角度を同じにす
ることも可能である。

【００１７】また、上記実施例では磁気センサとしてホ
ール素子を用いたが、磁気抵抗素子を用いて、その抵抗
値の変化を検出するようにしても良い。また、スチール
ボール６が微小な振動等に敏感に反応し過ぎるので、ダ
ンパ効果を持たせたい場合には、スチールボール６の動
く空間にシリコンオイル等の流体を満たしておけば良
い。

【００１８】さらに、本実施例では支持部材として永久
磁石にスチールボールを固着させ、磁性体振子としてス
チールボールを用いたが、磁石に電磁石を用いても良
く、支持部材全体を磁石で構成しても良い。また、磁性
体振子も、支持部材のまわりに回動自在であり、その周
囲に異った強さの磁界を形成すればどのような形状でも
かまわない。

【００１９】

【効果】本発明の傾斜検出装置は次のような効果を有す
る。１．磁気制御板により磁気センサを通過する磁束をコン
トロールすることができるので、傾斜方向によってON,O
FF動作する設定角度を任意に設定することができる。２．構造が簡単なため、生産しやすく安価である。３．リードスイッチ等の接触によるON,OFF動作がないの
で、動作が確実で、経年変化も少ない。４．１つの磁気センサーで全周方向の傾斜を検出でき
る。５．傾斜の検出に磁界の変化を利用しているため、公害
の恐れがなく温度特性も良い。６．磁性体振子と支持部材との間に軸受けなどの複雑な
接合機構を有していないので、磁性体振子がスムーズに
動き、ON,OFF動作タイミングのヒステリシスが少ない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の傾斜検出装置の一実施例を示し、(a)
はその水平状態における縦断面図、(b) は(a) における
Ａ−Ａ断面図、(c) は(a) におけるホール素子を通過す
る磁束分布を示す図である。

【図２】第１図に示す傾斜検出装置が右方向にθ₁だけ
傾斜した状態を示し、(a) はその縦断面図、(b) は(a)
におけるＡ−Ａ断面図、(c) は(a) におけるホール素子
を通過する磁束分布を示す図である。

【図３】第１図に示す傾斜検出装置が左方向にθ₂だけ
傾斜した状態を示し、(a) はその縦断面図、(b) は(a)
におけるＡ−Ａ断面図、(c) は(a) におけるホール素子
を通過する磁束分布を示す図である。

【図４】水銀スイッチを用いた従来の傾斜検出装置を表
し、(a) はその水平状態における縦断面図、(b) はその
傾斜状態における縦断面図である。

【図５】リードスイッチと磁性流体を用いた従来の傾斜
検出装置を表し、(a) はその水平状態における縦断面
図、(b) はθだけ傾斜させたときの縦断面図である。

【図６】振子と発光素子および受光素子を用いた従来の
傾斜検出装置を表し、(a) はその正面図、(b) はその側
面図である。

【図７】磁性体振子とホール素子を用いた従来の傾斜検
出装置を表し、(a)はその水平状態における縦断面図、
(b) はθだけ傾斜した時の縦断面図、(c) は(a) におけ
るＡ−Ａ横断面図、(d) は(b) におけるＡ−Ａ横断面図
である。

【符号の説明】

２：永久磁石３，６：スチールボール４：支持部材７：ホール素子８：磁気制御板

Claims

【特許請求の範囲】【請求項１】磁極をなす支持部材を支点として、この
支点まわりに回動自在に接合された磁性体振子と、前記
支持部材が固定される容器と、前記容器に固定され、前
記磁性体振子の位置により異なる検出信号を出力する磁
気センサと、前記磁性体振子と前記磁気センサの間にあ
って、磁束密度の分布を制御するための磁性体からなる
磁気制御板を備えた傾斜検出装置。