JPH0344649B2

JPH0344649B2 -

Info

Publication number: JPH0344649B2
Application number: JP59232297A
Authority: JP
Inventors: Toshiaki Takagi
Original assignee: Terumo Corp
Current assignee: Terumo Corp
Priority date: 1984-11-06
Filing date: 1984-11-06
Publication date: 1991-07-08
Also published as: EP0180951B1; EP0180951A2; US4729672A; EP0180951A3; CA1260291A; JPS61111428A; DE3579667D1

Description

【発明の詳細な説明】発明の背景 (1) 技術分野本発明は水銀体温計とほぼ同等の大きさを持
ち、漏水のない函体構造を有し、体温を、電子的
に検出してデジタル表示する電子体温計に関す
る。 (2) 先行技術及びその問題点電子体温計は、例えば体温情報を電気信号に変
換する測温体と、この測温体の電気信号をデジタ
ル信号に変換する測定部と、このデジタル信号か
ら体温を求める演算部と、この演算部で求めた体
温を表示する表示部と、これら各部に電力を供給
する電池、前記各部を収容する樹脂性の函体から
なる構成である。この種の電子体温計は、LSIやその他の電子回
路素子の小型化に伴ない、かなりの小型化が回路
技術的に可能となつている。そのような電子体温計を病院等で使用する場
合、電子体温計を媒介とする患者相互の感染を防
止する観点から、体温計外表面の消毒、洗浄等の
感染防止処理が不可欠であり、このため消毒、洗
浄を行なえるように防水構造となつている電子体
温計も販売されている。さて、電子体温体の函体には透明な樹脂製の体
温表示窓部及び先端の金属キヤツプ部等の部品と
の接合部分があるため、防水構造とするためには
これら接合部分を水密にする必要がある。そこ
で、本発明者は表示窓部等については多色成形に
より函体と一体的に成形することにより完全な防
水性を実現したが、金属キヤツプを被冠した感温
部の防水性に問題があつた。即ち、従来の金属キヤツプは接着剤を用いて函
体の細径延出部先端に取り付けていたが、接着剤
を金属キヤツプと函体との間に均一かつ平滑に塗
ることが出来ないために、部分的に形成された隙
間から毛菅現象等により水溶液が函体内へ流入若
しくは浸潤してしまうことがあつた。また接着剤の外温変化に対する熱膨張、及び収
縮により金属キヤツプと接着剤との剥離が起こ
り、その微細孔より水溶液が浸潤していた。そして、以上の水溶液の流入若しくは浸潤によ
りサーミスタ等のセンサの水吸湿による不良が発
生することがあつた。また、接着剤を用いるため
組立てが面倒であつた。発明の目的本発明は上述の問題点を解決するためになされ
たものであり、その目的は接着剤を用いず、函体
と、その先端に被冠した金属キヤツプとの間に空
気を封入した室を設けることにより、水が毛管現
象等で浸潤することを防止し、防水性の向上を図
つた電子体温計を提供することにある。上記の目的を達成する本発明の電子体温計は、
金属キヤツプを被冠した感温部を先端に設けた細
径延出部を一端に有する棒状函体内に電子回路素
子および電池を納めた電子体温計において、該函
体細径延出部先端外周に複数の環状リブを形成
し、該環状リブの外径より僅かに小さな内径を有
する金属キヤツプを該リブを覆うよう被冠嵌合
し、前記環状リブおよび金属キヤツプ内表面の間
に空気封入室部を形成することにより、水溶液の
流入を防ぐ構成である。また、本発明は函体は透明性を有する樹脂で成
形した窓部材と不透明樹脂で成形した筺体とが多
色成形で一体的に区分け形成されている構成であ
る。発明の具体的説明及び作用以下、本発明の好適な一実施例を示す図面を用
いて詳細に説明する。第１図〜第５図には、第１の実施例が示され
る。第１図は、第１の実施例の電子体温計１の透視
斜視図である。電子体温計１は函体４を有する。函体４は、窓
部材２と筺体３からなる。図示の例では多色成形機を用いてまず窓部材２
を筒状体として成形し、そして、その外側面を表
示窓２５を残して不透明な樹脂性の筺体３を成形
して覆い、函体４としている。さらに、函体４の一端は長手方向に筺体３を細
径に延出させて先端に感温部およびそれを保護す
る金属性のプローブキヤツプ５１を被冠して設
け、他端は電池ホルダ８５を介して後部キヤツプ
８１と連結する。より具体的には、第２図に示されるように、電
子体温計１は体温情報を電気信号に変換するサー
ミスタ等の測温体９をプローブ先端内に収納す
る。そして、この測温体９は電池７によつて駆動さ
れる演算表示部６等の電子回路素子と接続され
る。演算表示部６は、測温体９の信号をデジタル
化し、これを演算し、表示するものであり、直示
型もしくは予測型等の既知の測定回路を任意に用
いればよい。また、電池７と演算表示部６との間
にはマグネツト・リード・リレーを利用したスイ
ツチ等を配置することができる。これら測温体９、演算表示部６、電池７は、本
発明の函体４中に収納されるものである。そして、函体４の先端部には、ステンレス等の
金属製のプローブキヤツプ５１が被嵌され、測温
体９の周囲の函体４先端部内にはポツテイング材
５５が充填される。このポツテイング材５５は測
温体９とプローブキヤツプ５１間の熱伝導を向上
させるためのものである。さらに、函体４の後端部には、電池７が収納さ
せるが、電池７は、電池ホルダー８５に収納し
て、これを後部キヤツプ８１及び函体４後端部と
を接着剤により接着する構造とされる。また、樹
脂に組合せ選択することにより、超音波溶着等の
接着方法も可能である。このような場合、函体４を構成する筺体３、そ
して後部キヤツプ８１、電池ホルダー８５は、ポ
リフエニレンオキサイド等のポリエーテル；ポリ
エチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタ
レート等のポリエステル；ポリアセタール；ポリ
メチルメタクリレート等のアクリル樹脂；ABS
樹脂等のポリスチレン系樹脂；ポリー２−メチル
ペンテン、ポリプロピレン等のポリオレフイン；
ポリカーボネート等の不透明もしくは着色により
不透明化された樹脂から形成される。また、窓部材２は、透明樹脂であるポリスチレ
ン等のポリスチレン系；ポリ−２−メチルペンテ
ン、ポリプロピレン等のポリオレフイン；ポリメ
チルメタクリレート等のアクリル樹脂；セルロー
スアセテート等のセルロースエステル；ポリエチ
レンテレフタレート等のポリエステル等から形成
される。また、プローブキヤツプ５１は、ステンレス、
アルミニウム等の金属から形成される。このような場合、窓部材２と不透明樹脂性の筺
体３とは、筺体３が窓部材２の表示窓２５に液密
に接して一体化されているものであればよい。従つて、上記のように、窓部材２を筒状体とす
ることなく、板状とすることもできる。ただ、後述のように、両者の一体化はいわゆる
成形機を用いて二色成形にすることが好ましいの
で、この時には、窓部材２は筒状体とすることが
液密に接する範囲が広くなるので好ましく、これ
により、防水性が極めて高いものとなる。さらに、好ましくは筒状体として成形される窓
部材２の外側面に形成される表示窓２５は、第２
図〜第４図に示される様に、筒状体の外方に突出
する台部状に形成することが好ましい。これにより、表示窓２５の周縁には段差係止部
が形成され、不透明樹脂性筺体３との接合が極め
て良好となる。このような函体４を成形するには、多色成形
機、本実施例では二色成形機を用い、まず、筒状
体の窓部材２を成形し、続いて外表面を覆う筺体
３を成形する事により、窓部材２と筺体３との接
合部分が液密に接合し漏水が防止されている。次に、第５図ち第６図を参照して電子体温計１
の先端部に設けられているプローブキヤツプ５１
の取り付け構造について説明する。函体４の細径に延出させて成る前端部５のプロ
ーブキヤプ５１が嵌合する先端部４Ａの外周には
第５図示の如く、函体前方から後方に向かうに従
い次第に拡大するテーパ状のリブ４Ｂが３段形成
されている。このリブ４Ｂの外縁部４Ｃの外径は
プローブキヤツプ５１の内径より僅かに大きくし
てある。第６図はこの先端部４Ａにプローブキヤツプ５
１を被冠嵌合した状態を示す。プローブキヤツプ
５１をリブを覆うように被冠嵌合すると、図示の
如くリブ４Ｂの外縁部４Ｃがプローブキヤツプ５
１の内面に押しつぶされた状態で隙間なく圧接す
る。そして、このリブ４Ｂの圧接によりプローブ
キヤツプ５１と先端部４Ａの間には図示の如く空
気封入室部６０が形成される。このような構造に
よりプローブキヤツプ５１は先端部４Ａに対し液
密に接続されるものであり、空気封入室部６０の
空気が置換されない限り毛管現象等により液体が
浸潤・流入することはない。また、プローブキヤ
ツプ５１内に充填したポツテイング剤５５によつ
てさらに密封性が強化される。以上によりプローブキヤツプ５１の接合部分の
防水性が図られるものである。なお、上記のリブ４Ｂは空気の封入を行なうた
め、少なくとも２段以上必要である。また、リブ
４Ｂの数が多い程空気封入室部６０が多く形成さ
れ、より優れた密封がなされる。ここで、上記プローブキヤツプ５１の接続に関
して行なつた実験例を示す。第１の実験例、本発明の電子体温計をエタ−ノ
ール、ハイパールN20、ヂアミトール（塩化ベザ
ルコニウム）、ヒビテン（グレコン酸クロルヘキ
シジン）、テキサント（次亜鉛素酸ナトリウム）、
ミルトン等の薬品の水溶液に２週間漬けて、プロ
ーブキヤツプ５１からの液体の浸潤によるサーミ
スタ不良の実験を行つた。結果は何れも故障や精
度不良は見られなかつた。第２の実験例、本発明品と電子回路は同一でキ
ヤツプの接に接着剤を用いた従来品のサンプルと
を各々100本を55度Ｃの0.02％ヒビテン水溶液に
５分間漬け、その後引き上げて５分間乾燥するこ
とを繰り返し、密封性、及び防水性を電子体温計
の故障発生数（精度不良を含む）から判断する実
験を行つた。実験結果を以下に示す。

【表】この実験結果により、本発明によれば優れた防
水性と耐久性が得られることが解る。発明の具体的効果本発明によれば、金属キヤツプと函体の接合部
分に環状の空気封入室部を有するので、毛管現象
等によつて、消毒等の際に液体が流入することが
防止され、液体流入による精度不良がなくなる。また、従来のように接着剤を用いず、圧入する
だけなので組立てが容易となる。さらに、表示窓
部と筺体とを多色成形により一体的に形成したの
で防水に優れた電子体温計を提供することができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の電子体温計の透視斜図、第２
図は第１図の長手方向の断面図、第３図は第２図
に示される函体の成形工程完了後の断面図、第４
図は第３図のＣ−Ｃ線断面図、第５図は第１図の
電子体温計の函体先端部の拡大断面図、第６図は
第１図の函端先端部にプローブキヤツプを圧入し
た状態の拡大断面図である。主要な参照番号の説明、１……電子体温計、２
……透明樹脂性窓部材、２５……表示窓、３……
不透明樹脂性筺体、４……函体、４Ａ……先端
部、４Ｂ……リブ、５……細径延出先端部、５１
……プローブキヤツプ。

Claims

【特許請求の範囲】１金属キヤツプを被冠した感温部を先端に設け
た細径延出部を一端に有する棒状函体内に電子回
路素子および電池を納めた電子体温計において、
該函体細径延出部先端外周に複数の環状リブを形
成し、該環状リブの外径より僅かに小さな内径を
有する金属キヤツプを該リブを覆うよう被冠嵌合
し、前記環状リブおよび金属キヤツプ内表面の間
に空気封入室部を形成することにより、水溶液の
函体内への流入を防ぐことを特徴とする電子体温
計。２函体は透明性を有する樹脂で成形した窓部材
と不透明樹脂で成形した筺体とが多色成形で一体
的に区分け形成されていることを特徴とする特許
請求の範囲第１項記載の電子体温計。