JPH0344127B2 - - Google Patents
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- JPH0344127B2 JPH0344127B2 JP58012772A JP1277283A JPH0344127B2 JP H0344127 B2 JPH0344127 B2 JP H0344127B2 JP 58012772 A JP58012772 A JP 58012772A JP 1277283 A JP1277283 A JP 1277283A JP H0344127 B2 JPH0344127 B2 JP H0344127B2
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Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C21—METALLURGY OF IRON
- C21D—MODIFYING THE PHYSICAL STRUCTURE OF FERROUS METALS; GENERAL DEVICES FOR HEAT TREATMENT OF FERROUS OR NON-FERROUS METALS OR ALLOYS; MAKING METAL MALLEABLE, e.g. BY DECARBURISATION OR TEMPERING
- C21D9/00—Heat treatment, e.g. annealing, hardening, quenching or tempering, adapted for particular articles; Furnaces therefor
- C21D9/0093—Heat treatment, e.g. annealing, hardening, quenching or tempering, adapted for particular articles; Furnaces therefor for screws; for bolts
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Description
本発明は耐遅れ破壊特性を有する高張力ボルト
とおよびその製造方法に関する。 近年、高張力ボルトの需要は部材の軽量化等の
必要から急激に増加しつつある。しかるに、JIS
規格で制定されたF13T(引張り強さ130Kgf/mm2
以上)に該当する高張力ボルトは過去の実施例で
遅れ破壊事故が多発したため、現在では使用禁止
措置がとられている。 高張力ボルトの遅れ破壊について材料面からみ
た場合、σBが120〜130Kgf/mm2以上のものに遅れ
破壊現象が発生し、かつ強度レベルが高くなるに
つれて遅れ破壊感受性が著しく増加する。当該遅
れ破壊現象を惹起せしめる要因として、外部環
境が腐蝕性雰囲気である場合に発生する応力腐蝕
割れと、鋼材そのものに起因する水素脆化割れ
との2点が挙げられている。前者は使用状態の問
題として扨措き、後者に限つてさらに言及すれ
ば、鋼材中の水素含有量の多少が水素脆化割れに
大きく関連する事は当然であるが、たとえ水素含
有量が同一であつても強度レベルが高くなるほど
水素脆化割れが発生し易くなり、かつ締付応力が
高いほど短時間でボルトの破断を招来する。この
点に関し、従来、鋼材内部での微視的応力勾配が
高くなるほど水素原子の移動度が高くなり、粒界
等の応力集中部にこれが集結して脆性破壊をおこ
すと云われている。遅れ破壊現象の低減にはSi元
素を鋼材に添加すれば有効であることが試験結果
から判明しているが、Si添加鋼材からなる従来高
張力ボルトも未だ充分信頼を保証される境には達
していない。 本発明者は上記現況に鑑み、引張り強さ130Kg
f/mm2以上の高張力ボルトの実用化に敢て取組む
べく、遅れ破壊現象についてさらに解明を試み
た。これを以下に述べる。 確かに鋼材にSiを添加することは遅れ破壊感受
性を低減する一助とはなる。しかし、Si添加の有
無に拘らず、焼入れ焼戻しして得た鋼材の強度が
120Kgf/mm2以下である場合には遅れ破壊現象は
あまり問題とはされず、強度が120Kgf/mm2を越
えて高強度になるに従つて遅れ破壊感受性が増加
するのは何故か。この観点からすると鋼材の表面
状態も遅れ破壊に無視出来ない大きな影響を及ぼ
していることが明らかとなる。即ち、ボルトに荷
重がかかつた場合、鋼材表面の微細な切欠きやピ
ツト等に応力集中がおこるが、120Kgf/mm2を越
えて高強度になるほど、対応荷重に対して応力集
中の度合が急激に高まり、上記切欠きやピツト等
を核として微細クラツクが発生することによつて
急激に感受性が増加し遅れ破壊現象の発現へと導
くものと判断した。 本発明者は上記判断を基本として従来高張力ボ
ルトに存する欠点を解消する目的で本発明をなし
たものであつて、これにより遅れ破壊感受性を大
巾に低減するとともに従来品に比べより高強度の
高張力ボルトを提供するものである。 本願第1発明の要旨は、 (1) 重量%でC;0.3〜0.6、Si;1.2以上を必須含
有成分とする低合金鋼を素材とした、 (2) 表面層が微細パーライト組織となり、 (3) 中心部が引張り強さ150Kgf/mm2以上である
マルテンサイト組織となつていて、 (4) 端部に転造ねじを有する熱処理棒材の引張り
強さが130Kgf/mm2以上であることを特徴とす
る 耐遅れ破壊特性を有する高張力ボルトにある。 而して本願第1発明高張力ボルトを製造する方
法である本願第2発明の要旨は、 (1) 、重量%でC;0.3〜0.6、Si;1.2以上を必須
含有成分とする低合金鋼棒材に、 (2) 全断面にわたる焼入れ焼戻しを施して当該棒
材の引張り強さを150Kgf/mm2以上に仕上げ、 (3) ついで棒材の表面層のみを上記焼戻し温度よ
り高温の所定温度まで高周波誘導加熱手段をも
つて急速加熱のうえ急速冷却して再焼戻し処理
することにより微細パーライト組織としたの
ち、 (4) 棒材端部に転造ねじ加工を施し、 (5) 引張り強さが130Kgf/mm2以上のボルトとす
ることを特徴とする 耐遅れ破壊特性を有する高張力ボルトの製造方法
にある。 これを以下に詳述する。 本発明に用いる素材鋼材としては低合金鋼では
あるが、下記元素を所定重量%含有していること
を必須条件とするものである。 C;0.3〜0.6% C含有量の少いほど基本的には
遅れ破壊を惹起しにくいとされてはいるが、
引張り強さ150Kgf/mm2以上を保有させるた
めの焼入れ性を確保するには0.3%以下では
十分ではなく、また0.6%以上は不要である。 Si;1.2%以上 フエライト強化元素として、ま
た前述の如く内蔵水素原子の移動を拘束する
ものとして添加するが、その含有量について
は下記の試験データによるものである。 即ち第1表に示す含有成分の9.5mmφ熱間圧延
鋼棒を酸洗、中和後9.1mmφに冷間引抜きし、つ
いで高周波誘導加熱により焼入れ焼戻しを行つて
150Kgf/mm2レベルの引張り強さおよびその他プ
レストレストコンクリート用鋼棒として要求され
る所要機械的性質を満足する試験材としたうえ、
試験材それぞれに対して行つた応力腐蝕割れ試験
および水素チヤージによる遅れ破壊試験の結果か
ら求めた鋼材中のSi含有量と破断時間との関係を
示す第1図aおよびbに示される線図から効果の
顕著なる1.2%Si以上を請求の範囲とした。
とおよびその製造方法に関する。 近年、高張力ボルトの需要は部材の軽量化等の
必要から急激に増加しつつある。しかるに、JIS
規格で制定されたF13T(引張り強さ130Kgf/mm2
以上)に該当する高張力ボルトは過去の実施例で
遅れ破壊事故が多発したため、現在では使用禁止
措置がとられている。 高張力ボルトの遅れ破壊について材料面からみ
た場合、σBが120〜130Kgf/mm2以上のものに遅れ
破壊現象が発生し、かつ強度レベルが高くなるに
つれて遅れ破壊感受性が著しく増加する。当該遅
れ破壊現象を惹起せしめる要因として、外部環
境が腐蝕性雰囲気である場合に発生する応力腐蝕
割れと、鋼材そのものに起因する水素脆化割れ
との2点が挙げられている。前者は使用状態の問
題として扨措き、後者に限つてさらに言及すれ
ば、鋼材中の水素含有量の多少が水素脆化割れに
大きく関連する事は当然であるが、たとえ水素含
有量が同一であつても強度レベルが高くなるほど
水素脆化割れが発生し易くなり、かつ締付応力が
高いほど短時間でボルトの破断を招来する。この
点に関し、従来、鋼材内部での微視的応力勾配が
高くなるほど水素原子の移動度が高くなり、粒界
等の応力集中部にこれが集結して脆性破壊をおこ
すと云われている。遅れ破壊現象の低減にはSi元
素を鋼材に添加すれば有効であることが試験結果
から判明しているが、Si添加鋼材からなる従来高
張力ボルトも未だ充分信頼を保証される境には達
していない。 本発明者は上記現況に鑑み、引張り強さ130Kg
f/mm2以上の高張力ボルトの実用化に敢て取組む
べく、遅れ破壊現象についてさらに解明を試み
た。これを以下に述べる。 確かに鋼材にSiを添加することは遅れ破壊感受
性を低減する一助とはなる。しかし、Si添加の有
無に拘らず、焼入れ焼戻しして得た鋼材の強度が
120Kgf/mm2以下である場合には遅れ破壊現象は
あまり問題とはされず、強度が120Kgf/mm2を越
えて高強度になるに従つて遅れ破壊感受性が増加
するのは何故か。この観点からすると鋼材の表面
状態も遅れ破壊に無視出来ない大きな影響を及ぼ
していることが明らかとなる。即ち、ボルトに荷
重がかかつた場合、鋼材表面の微細な切欠きやピ
ツト等に応力集中がおこるが、120Kgf/mm2を越
えて高強度になるほど、対応荷重に対して応力集
中の度合が急激に高まり、上記切欠きやピツト等
を核として微細クラツクが発生することによつて
急激に感受性が増加し遅れ破壊現象の発現へと導
くものと判断した。 本発明者は上記判断を基本として従来高張力ボ
ルトに存する欠点を解消する目的で本発明をなし
たものであつて、これにより遅れ破壊感受性を大
巾に低減するとともに従来品に比べより高強度の
高張力ボルトを提供するものである。 本願第1発明の要旨は、 (1) 重量%でC;0.3〜0.6、Si;1.2以上を必須含
有成分とする低合金鋼を素材とした、 (2) 表面層が微細パーライト組織となり、 (3) 中心部が引張り強さ150Kgf/mm2以上である
マルテンサイト組織となつていて、 (4) 端部に転造ねじを有する熱処理棒材の引張り
強さが130Kgf/mm2以上であることを特徴とす
る 耐遅れ破壊特性を有する高張力ボルトにある。 而して本願第1発明高張力ボルトを製造する方
法である本願第2発明の要旨は、 (1) 、重量%でC;0.3〜0.6、Si;1.2以上を必須
含有成分とする低合金鋼棒材に、 (2) 全断面にわたる焼入れ焼戻しを施して当該棒
材の引張り強さを150Kgf/mm2以上に仕上げ、 (3) ついで棒材の表面層のみを上記焼戻し温度よ
り高温の所定温度まで高周波誘導加熱手段をも
つて急速加熱のうえ急速冷却して再焼戻し処理
することにより微細パーライト組織としたの
ち、 (4) 棒材端部に転造ねじ加工を施し、 (5) 引張り強さが130Kgf/mm2以上のボルトとす
ることを特徴とする 耐遅れ破壊特性を有する高張力ボルトの製造方法
にある。 これを以下に詳述する。 本発明に用いる素材鋼材としては低合金鋼では
あるが、下記元素を所定重量%含有していること
を必須条件とするものである。 C;0.3〜0.6% C含有量の少いほど基本的には
遅れ破壊を惹起しにくいとされてはいるが、
引張り強さ150Kgf/mm2以上を保有させるた
めの焼入れ性を確保するには0.3%以下では
十分ではなく、また0.6%以上は不要である。 Si;1.2%以上 フエライト強化元素として、ま
た前述の如く内蔵水素原子の移動を拘束する
ものとして添加するが、その含有量について
は下記の試験データによるものである。 即ち第1表に示す含有成分の9.5mmφ熱間圧延
鋼棒を酸洗、中和後9.1mmφに冷間引抜きし、つ
いで高周波誘導加熱により焼入れ焼戻しを行つて
150Kgf/mm2レベルの引張り強さおよびその他プ
レストレストコンクリート用鋼棒として要求され
る所要機械的性質を満足する試験材としたうえ、
試験材それぞれに対して行つた応力腐蝕割れ試験
および水素チヤージによる遅れ破壊試験の結果か
ら求めた鋼材中のSi含有量と破断時間との関係を
示す第1図aおよびbに示される線図から効果の
顕著なる1.2%Si以上を請求の範囲とした。
【表】
【表】
而して本発明の高張力ボルトは上記必須成分を
含有する低合金鋼からなる熱処理棒材の端部に転
造ねじを有しているものであるが、表面層は微細
パーライト組織で例えば引張り強さ100Kgf/mm2
程度となつており、当該表面層を除く中心までの
残余の部分は引張り強さ150Kgf/mm2以上とした
マルテンサイト組織となつていて、総合的にみれ
ば引張り強さ130Kgf/mm2以上のボルトとなつて
いることが特長とされる。これは、前述発明者の
考察結果から導いた判断にもとづき、鋼棒材の表
面にたとえ微細な切欠きやピツト等が存在してい
ても、当該鋼棒材の表面が100Kgf/mm2程度の強
度としておけば、応力集中の度合が低くなるので
上記切欠きやピツト等を核とした微細クラツクの
発生が阻止され、遅れ破壊感受性が低減されるこ
ととなり、かつ当該鋼棒材の上記表面層を除く中
心までの残余の部分を引張り強さ150Kgf/mm2以
上に保持しておけば、ボルトの強度を130Kgf/
mm2以上とすることが可能となるからである。かく
して鋼棒材内部組織上からはSi元素の添加によつ
て内蔵水素原子の移動を拘束し、表面では強度を
押えることによつて応力集中の度合を低くした、
両者の相乗効果が引張り強さ130Kgf/mm2以上を
保証し、かつ耐遅れ破壊特性にすぐれた高張力ボ
ルトをもたらすものである。 本発明にかかる高張力ボルトをその強度に相当
する荷重−伸び曲線で示せば、第2図aの如くな
る。図において縦軸には荷重を応力に換算した値
Kgf/mm2を、横軸には伸び%をとつて引張り強さ
130Kgf/mm2レベルのボルトの中心部のみ、表面
層のみおよび両者を総合したボルト自体それぞれ
の荷重−伸び曲線をA,BおよびCとして模式的
に表わした。また、本発明にかかる高張力ボルト
の断面硬さ分布を第2図bに示す。図において縦
軸に硬さHRCを、横軸に棒材の中心から両外周ま
での距離mmをとし、引張り強さ130Kgf/mm2レベ
ルのボルトの硬さ分布曲線を模式的に表わした。 ところで上記特性を有する本発明にかかる高張
力ボルトの製造方法を以下に詳述する。 まず重量%でC;0.3〜0.6%、Si;1.2%以上を
必須含有成分とする低合金鋼からなる棒材を通常
の前処理…即ち酸洗・中和および引抜きしたの
ち、当該棒材を全断面にわたり焼入れ焼戻しして
引張り強さ150Kgf/mm2以上に仕上げる。ついで
焼入れ焼戻し済の棒材の表面層のみを高周波誘導
加熱手段を用いて上記焼入れ時に施した焼戻し温
度より高い所定温度まで急速加熱のうえ、急速冷
却して再焼戻し処理する。再焼戻し処理が施され
る上記表面層の厚みは棒材の径の大小に関係なく
例えば1mm以下、技術的に可能であれば後工程で
施されるねじ転造でねじ底に再焼戻し層が残留す
る程度に薄いほど好ましく、薄くすることにより
ボルトの強度をより高く維持しうることとなる。
而して上記再焼戻しの目的とするところは棒材の
表面層のみの強度を例えば100Kgf/mm2程度に低
下せしめた微細パーライト組織となすことにある
し、そのため当該再焼戻し加熱温度は、勿論鋼種
によつて異るため一率には論じられないが、焼入
時の焼戻し温度より少くとも100℃以上高温とな
る。かくして得た熱処理棒材を所定長さとしてそ
の端部に転造によるねじ加工を施し製品とする。
ねじ加工を転造によるのは棒材強度から切削より
も転造の方が加工容易であるのは勿論有効断面積
が切削ねじ加工に比し大きくとれ、かつ転造加工
による組織の強化が得られるので、平行部の強度
に比べて低下するねじ部のそれを最小限とすると
ともに、遅れ破壊感受性の低減に資する。上記製
造方法によつて得たボルトは130Kgf/mm2以上の
引張り強さを有する耐遅れ破壊性に極めて富んで
いる。 本発明によつて例えば150Kgf/mm2あるいは180
Kgf/mm2以上の超高強度の高張力ボルトその他の
緊張材を得たいときには、棒材を最初に焼入れす
る際の加熱手段を急速加熱例えば高周波誘導加熱
あるいは直接通電加熱とし急速冷却し、また焼戻
しも同様の手段による急速加熱・急速冷却によれ
ば鋼材組織の粗大化が阻止されるので、例えば
180Kgf/mm2あるいは200Kgf/mm2以上に仕上げて
も伸び・絞り等の他の高張力ボルト等の緊張材に
必要とされる諸性質を満足する焼入れ済棒材が得
られ、当該焼入れ済棒材の表面層を上記と同様に
再焼戻しして製品とすればよい。 本発明において、ねじ部の強度を平行部のそれ
とほぼ等しく保つて、より高強度のボルトを得た
い場合には、棒材端部に転造ねじ加工を施したの
ち300〜350℃でのブルーイング処理をすればよ
い。 本発明者は本発明の効果を証するため次の実験
を行つた。 実験例 1 (1) 供試体の作成 a素材;JIS規格S35C相当鋼成分に特にSiを1.5重
量%となるように調整した熱間圧延線材9.5φ
と、SCM440H相当熱間圧延線材9.5φとを用
い、それぞれを酸洗・中和のうえ冷間引抜きに
より9.2φとして、Si添加材はこれを2分して供
試体()および()とし、SCM440H材は
そのまま供試体()とした。各供試体の微量
含有成分は第2表のとおりであつた。
含有する低合金鋼からなる熱処理棒材の端部に転
造ねじを有しているものであるが、表面層は微細
パーライト組織で例えば引張り強さ100Kgf/mm2
程度となつており、当該表面層を除く中心までの
残余の部分は引張り強さ150Kgf/mm2以上とした
マルテンサイト組織となつていて、総合的にみれ
ば引張り強さ130Kgf/mm2以上のボルトとなつて
いることが特長とされる。これは、前述発明者の
考察結果から導いた判断にもとづき、鋼棒材の表
面にたとえ微細な切欠きやピツト等が存在してい
ても、当該鋼棒材の表面が100Kgf/mm2程度の強
度としておけば、応力集中の度合が低くなるので
上記切欠きやピツト等を核とした微細クラツクの
発生が阻止され、遅れ破壊感受性が低減されるこ
ととなり、かつ当該鋼棒材の上記表面層を除く中
心までの残余の部分を引張り強さ150Kgf/mm2以
上に保持しておけば、ボルトの強度を130Kgf/
mm2以上とすることが可能となるからである。かく
して鋼棒材内部組織上からはSi元素の添加によつ
て内蔵水素原子の移動を拘束し、表面では強度を
押えることによつて応力集中の度合を低くした、
両者の相乗効果が引張り強さ130Kgf/mm2以上を
保証し、かつ耐遅れ破壊特性にすぐれた高張力ボ
ルトをもたらすものである。 本発明にかかる高張力ボルトをその強度に相当
する荷重−伸び曲線で示せば、第2図aの如くな
る。図において縦軸には荷重を応力に換算した値
Kgf/mm2を、横軸には伸び%をとつて引張り強さ
130Kgf/mm2レベルのボルトの中心部のみ、表面
層のみおよび両者を総合したボルト自体それぞれ
の荷重−伸び曲線をA,BおよびCとして模式的
に表わした。また、本発明にかかる高張力ボルト
の断面硬さ分布を第2図bに示す。図において縦
軸に硬さHRCを、横軸に棒材の中心から両外周ま
での距離mmをとし、引張り強さ130Kgf/mm2レベ
ルのボルトの硬さ分布曲線を模式的に表わした。 ところで上記特性を有する本発明にかかる高張
力ボルトの製造方法を以下に詳述する。 まず重量%でC;0.3〜0.6%、Si;1.2%以上を
必須含有成分とする低合金鋼からなる棒材を通常
の前処理…即ち酸洗・中和および引抜きしたの
ち、当該棒材を全断面にわたり焼入れ焼戻しして
引張り強さ150Kgf/mm2以上に仕上げる。ついで
焼入れ焼戻し済の棒材の表面層のみを高周波誘導
加熱手段を用いて上記焼入れ時に施した焼戻し温
度より高い所定温度まで急速加熱のうえ、急速冷
却して再焼戻し処理する。再焼戻し処理が施され
る上記表面層の厚みは棒材の径の大小に関係なく
例えば1mm以下、技術的に可能であれば後工程で
施されるねじ転造でねじ底に再焼戻し層が残留す
る程度に薄いほど好ましく、薄くすることにより
ボルトの強度をより高く維持しうることとなる。
而して上記再焼戻しの目的とするところは棒材の
表面層のみの強度を例えば100Kgf/mm2程度に低
下せしめた微細パーライト組織となすことにある
し、そのため当該再焼戻し加熱温度は、勿論鋼種
によつて異るため一率には論じられないが、焼入
時の焼戻し温度より少くとも100℃以上高温とな
る。かくして得た熱処理棒材を所定長さとしてそ
の端部に転造によるねじ加工を施し製品とする。
ねじ加工を転造によるのは棒材強度から切削より
も転造の方が加工容易であるのは勿論有効断面積
が切削ねじ加工に比し大きくとれ、かつ転造加工
による組織の強化が得られるので、平行部の強度
に比べて低下するねじ部のそれを最小限とすると
ともに、遅れ破壊感受性の低減に資する。上記製
造方法によつて得たボルトは130Kgf/mm2以上の
引張り強さを有する耐遅れ破壊性に極めて富んで
いる。 本発明によつて例えば150Kgf/mm2あるいは180
Kgf/mm2以上の超高強度の高張力ボルトその他の
緊張材を得たいときには、棒材を最初に焼入れす
る際の加熱手段を急速加熱例えば高周波誘導加熱
あるいは直接通電加熱とし急速冷却し、また焼戻
しも同様の手段による急速加熱・急速冷却によれ
ば鋼材組織の粗大化が阻止されるので、例えば
180Kgf/mm2あるいは200Kgf/mm2以上に仕上げて
も伸び・絞り等の他の高張力ボルト等の緊張材に
必要とされる諸性質を満足する焼入れ済棒材が得
られ、当該焼入れ済棒材の表面層を上記と同様に
再焼戻しして製品とすればよい。 本発明において、ねじ部の強度を平行部のそれ
とほぼ等しく保つて、より高強度のボルトを得た
い場合には、棒材端部に転造ねじ加工を施したの
ち300〜350℃でのブルーイング処理をすればよ
い。 本発明者は本発明の効果を証するため次の実験
を行つた。 実験例 1 (1) 供試体の作成 a素材;JIS規格S35C相当鋼成分に特にSiを1.5重
量%となるように調整した熱間圧延線材9.5φ
と、SCM440H相当熱間圧延線材9.5φとを用
い、それぞれを酸洗・中和のうえ冷間引抜きに
より9.2φとして、Si添加材はこれを2分して供
試体()および()とし、SCM440H材は
そのまま供試体()とした。各供試体の微量
含有成分は第2表のとおりであつた。
【表】
b 熱処理;線材供試体()には本発明の製造
方法を実施した。即ち焼入れ焼戻しには高周波
誘導加熱手段を用いて焼入れ焼戻し処理を施し
たうえで、高周波誘導加熱手段で再焼戻しを施
したが、当該熱処理において供試体()を2
分割してイおよびロとしたうえで焼入れ焼戻し
を行い、供試体()−イは引張り強さ170Kg
f/mm2に仕上げ、また供試体()−ロは引張
り強さ150Kgf/mm2に仕上げたうえで、それぞ
れの供試体()−イおよび()−ロを所定温
度の再焼戻し処理に付し、引張り強さ150Kg
f/mm2および130Kgf/mm2相当とした。それぞ
れについての焼戻し温度および再焼戻し温度は
下記のとおりである。 供試体 ()−イ ()−ロ 焼戻し温度 530℃ 580℃ 再焼戻し温度 720℃ 720℃ 線材供試体()および()にはそれぞれ同
じく高周波誘導加熱手段を用いて焼入れ焼戻し
処理を施したが、それぞれの供試体()およ
び()をそれぞれを2分割して熱処理し、そ
れぞれ引張り強さ150Kgf/mm2と130Kgf/mm2の
供試体()−イと()−ロおよび()−イ
と()−ロに仕上げ、それぞれを所定長さに
切断のうえ供試体とした。 (2) 遅れ破壊試験 上記供試体それぞれを下記試験条件のもとにロ
ダンアンモン溶液による遅れ破壊試験に付し、
破断時間を測定した。 浸漬溶液;NH4SCN 20% 溶液温度;50℃ 供試体への負荷加重;母材(焼入れ焼戻し後
の線材供試体)実荷重の80% (3) 試験結果 第3図に示すとおりであつた。第3図は縦軸
に破断時間hrを、横軸に母材の引張り強さKg
f/mm2をとつた座標上に各供試体それぞれの破
断時間をプロツトし、かつ種別ごとの傾向曲線
を画いた。()は本発明を実施した供試体の、
また()および()はそれぞれ従来方法に
よる供試体の傾向曲線であつて、本発明供試体
()は引張り強さ130Kgf/mm2レベルで供試体
()の4倍弱、供試体()に対しても5割
増の破断に至るまでの経過時間があり、150Kg
f/mm2レベルでは供試体()および()に
対してそれぞれ5倍および2.5倍の破断に至る
までの経過時間があることが看取される。 本発明者はさらに上記実施例1に引続いて次の
実験を行つた。 実験例 2 (1) 供試体 実験例1に使用した熱処理線材 ()−イ,()−ロ,()−イ, ()−ロ,()−イ,()−ロ および、上記(),()とは焼入れ工程までが
同じであるが、第3表の如く()については焼
戻し工程と再表層焼戻し工程とが異なる()−
ハ,()については焼戻し工程が異なる()−
ハ、を用いて所定長さに切断のうえ、供試体外周
に転造ダイスを用いてM1O×1.25メートル細目
ねじを冷間塑性加工した。
方法を実施した。即ち焼入れ焼戻しには高周波
誘導加熱手段を用いて焼入れ焼戻し処理を施し
たうえで、高周波誘導加熱手段で再焼戻しを施
したが、当該熱処理において供試体()を2
分割してイおよびロとしたうえで焼入れ焼戻し
を行い、供試体()−イは引張り強さ170Kg
f/mm2に仕上げ、また供試体()−ロは引張
り強さ150Kgf/mm2に仕上げたうえで、それぞ
れの供試体()−イおよび()−ロを所定温
度の再焼戻し処理に付し、引張り強さ150Kg
f/mm2および130Kgf/mm2相当とした。それぞ
れについての焼戻し温度および再焼戻し温度は
下記のとおりである。 供試体 ()−イ ()−ロ 焼戻し温度 530℃ 580℃ 再焼戻し温度 720℃ 720℃ 線材供試体()および()にはそれぞれ同
じく高周波誘導加熱手段を用いて焼入れ焼戻し
処理を施したが、それぞれの供試体()およ
び()をそれぞれを2分割して熱処理し、そ
れぞれ引張り強さ150Kgf/mm2と130Kgf/mm2の
供試体()−イと()−ロおよび()−イ
と()−ロに仕上げ、それぞれを所定長さに
切断のうえ供試体とした。 (2) 遅れ破壊試験 上記供試体それぞれを下記試験条件のもとにロ
ダンアンモン溶液による遅れ破壊試験に付し、
破断時間を測定した。 浸漬溶液;NH4SCN 20% 溶液温度;50℃ 供試体への負荷加重;母材(焼入れ焼戻し後
の線材供試体)実荷重の80% (3) 試験結果 第3図に示すとおりであつた。第3図は縦軸
に破断時間hrを、横軸に母材の引張り強さKg
f/mm2をとつた座標上に各供試体それぞれの破
断時間をプロツトし、かつ種別ごとの傾向曲線
を画いた。()は本発明を実施した供試体の、
また()および()はそれぞれ従来方法に
よる供試体の傾向曲線であつて、本発明供試体
()は引張り強さ130Kgf/mm2レベルで供試体
()の4倍弱、供試体()に対しても5割
増の破断に至るまでの経過時間があり、150Kg
f/mm2レベルでは供試体()および()に
対してそれぞれ5倍および2.5倍の破断に至る
までの経過時間があることが看取される。 本発明者はさらに上記実施例1に引続いて次の
実験を行つた。 実験例 2 (1) 供試体 実験例1に使用した熱処理線材 ()−イ,()−ロ,()−イ, ()−ロ,()−イ,()−ロ および、上記(),()とは焼入れ工程までが
同じであるが、第3表の如く()については焼
戻し工程と再表層焼戻し工程とが異なる()−
ハ,()については焼戻し工程が異なる()−
ハ、を用いて所定長さに切断のうえ、供試体外周
に転造ダイスを用いてM1O×1.25メートル細目
ねじを冷間塑性加工した。
【表】
(2) 遅れ破壊試験
実験例1と同一試験方法による
(3) 試験結果
第4図に示す通りであつた。第4図は縦軸に破
断時間hrを、横軸に母材の引張り強さKgf/mm2を
とつた座標上に各供試体(N=3)をそれぞれの
断時間をプロツトし傾向線図を求めた。()は
本発明を実施した供試体の、()および()
はそれぞれ従来方法による供試体の試験結果を示
している。 第4図から本発明供試体()は引張り強さ
130Kgf/mm2は勿論のこと、150Kgf/mm2も冷間転
造ねじ加工によつて、さらに耐遅れ破壊特性が増
加したことが証明された。ただ引張り強さ165Kg
f/mm2レベルのものについては結果にばらつきが
大きく、160Kgf/mm2前後に限界点があるものの
ように看取された。 上記実験結果から、本発明はSi元素を不可避成
分とするボルトに対してはもとより、Si添加材か
らなるボルトに対しても耐遅れ破壊性にすぐれ、
特に高強度になるほどその耐遅れ破壊特性が顕著
となることが確認された。 尚第5図は本発明にかかる供試体()−イの
母材断面の硬さ(HRC)測定結果を示す硬さ分
布曲線図である。 従来、ボルトの特定部分(非ねじ部)に軟化表
層部を形成するものが提案されているが、ボルト
一本一本の非ねじ部分の表面層に再焼戻し処理
(急速高温加熱冷却処理)を施すのは、手間がか
かる上、その為の処理装置も必要とするという欠
点がある。 本発明にかかる高張力ボルトは上述の如く従来
品に比べて高強度になればなるほど遅れ破壊感受
性が低減する傾向にあり、本発明は従来品が遅れ
破壊事故多発によつて使用禁止となつている
F13Tまたはそれ以上の強度のボルト使用解禁の
可能性が期待される耐遅れ破壊特性を有する高張
力ボルトおよびその製造方法として建設業界その
他関係業界の部材軽量化要請に充分に応えうるも
のである上、素材全長の表面層に再焼戻し処理を
施すから、ボルト一本一本の非ねじ部分の表面層
に再焼戻し処理を施す場合に比して手間が少なく
て済み、実用的であるという利点がある。
断時間hrを、横軸に母材の引張り強さKgf/mm2を
とつた座標上に各供試体(N=3)をそれぞれの
断時間をプロツトし傾向線図を求めた。()は
本発明を実施した供試体の、()および()
はそれぞれ従来方法による供試体の試験結果を示
している。 第4図から本発明供試体()は引張り強さ
130Kgf/mm2は勿論のこと、150Kgf/mm2も冷間転
造ねじ加工によつて、さらに耐遅れ破壊特性が増
加したことが証明された。ただ引張り強さ165Kg
f/mm2レベルのものについては結果にばらつきが
大きく、160Kgf/mm2前後に限界点があるものの
ように看取された。 上記実験結果から、本発明はSi元素を不可避成
分とするボルトに対してはもとより、Si添加材か
らなるボルトに対しても耐遅れ破壊性にすぐれ、
特に高強度になるほどその耐遅れ破壊特性が顕著
となることが確認された。 尚第5図は本発明にかかる供試体()−イの
母材断面の硬さ(HRC)測定結果を示す硬さ分
布曲線図である。 従来、ボルトの特定部分(非ねじ部)に軟化表
層部を形成するものが提案されているが、ボルト
一本一本の非ねじ部分の表面層に再焼戻し処理
(急速高温加熱冷却処理)を施すのは、手間がか
かる上、その為の処理装置も必要とするという欠
点がある。 本発明にかかる高張力ボルトは上述の如く従来
品に比べて高強度になればなるほど遅れ破壊感受
性が低減する傾向にあり、本発明は従来品が遅れ
破壊事故多発によつて使用禁止となつている
F13Tまたはそれ以上の強度のボルト使用解禁の
可能性が期待される耐遅れ破壊特性を有する高張
力ボルトおよびその製造方法として建設業界その
他関係業界の部材軽量化要請に充分に応えうるも
のである上、素材全長の表面層に再焼戻し処理を
施すから、ボルト一本一本の非ねじ部分の表面層
に再焼戻し処理を施す場合に比して手間が少なく
て済み、実用的であるという利点がある。
第1図aおよびbはそれぞれ耐遅れ破壊性低減
の目安となる鋼材中のSi含有量と応力腐蝕割れ破
断時間および水素チヤージによる水素脆化破断時
間との関係を示す線図、第2図aおよびbはそれ
ぞれ本発明高張力ボルトの強度を模式的に示す荷
重−伸び曲線図および硬さ分布曲線図、第3図お
よび第4図はそれぞれ実験例1および実験例2に
おける各供試体の耐遅れ破壊感受性を試験するロ
ダンアンモン溶液による試験結果を示す線図、第
5図は本発明にかかる供試体()−イの母材断
面硬さ分布曲線図である。
の目安となる鋼材中のSi含有量と応力腐蝕割れ破
断時間および水素チヤージによる水素脆化破断時
間との関係を示す線図、第2図aおよびbはそれ
ぞれ本発明高張力ボルトの強度を模式的に示す荷
重−伸び曲線図および硬さ分布曲線図、第3図お
よび第4図はそれぞれ実験例1および実験例2に
おける各供試体の耐遅れ破壊感受性を試験するロ
ダンアンモン溶液による試験結果を示す線図、第
5図は本発明にかかる供試体()−イの母材断
面硬さ分布曲線図である。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 重量%でC;0.3〜0.6、Si;1.2以上を必須含
有成分とする低合金を素材とした、全長にわたる
表面積が微細パーライト組織であり中心部が引張
り強さ150Kgf/mm2以上であるマルテンサイト組
織となつていて、端部に転造ねじを有する熱処理
棒材の引張り強さが130Kgf/mm2以上であること
を特徴とする耐遅れ破壊特性を有する高張力ボル
ト。 2 重量%でC;0.3〜0.6、Si;1.2以上を必須含
有成分とする低合金鋼棒材に、全断面にわたる焼
入れ焼戻しを施して当該棒材の引張り強さを150
Kgf/mm2以上に仕上げ、ついで棒材の全長にわた
る表面層のみに上記焼戻し温度よの高温の所定温
度まで高周波誘導加熱手段をもつて急速加熱のう
え急速冷却して再焼戻し処理することにより微細
パーライト組織としたのち、棒材端部に転造ねじ
加工を施し、引張り強さが130Kgf/mm2以上のボ
ルトとすることを特徴とする耐遅れ破壊特性を有
する高張力ボルトの製造方法。 3 再焼戻し処理により微細パーライト組織とし
て転造ねじ加工を施したのち、ブルーイング処理
をし、引張り強さが130Kgf/mm2以上のボルトと
することを特徴とする特許請求の範囲第2項記載
の耐遅れ破壊特性を有する高張力ボルトの製造方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1277283A JPS59226116A (ja) | 1983-01-31 | 1983-01-31 | 耐遅れ破壊特性を有する高張力ボルトおよびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1277283A JPS59226116A (ja) | 1983-01-31 | 1983-01-31 | 耐遅れ破壊特性を有する高張力ボルトおよびその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS59226116A JPS59226116A (ja) | 1984-12-19 |
JPH0344127B2 true JPH0344127B2 (ja) | 1991-07-05 |
Family
ID=11814693
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1277283A Granted JPS59226116A (ja) | 1983-01-31 | 1983-01-31 | 耐遅れ破壊特性を有する高張力ボルトおよびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS59226116A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2005083141A1 (ja) * | 2004-03-02 | 2005-09-09 | Honda Motor Co., Ltd. | 耐遅れ破壊特性及び耐リラクセーション特性に優れた高強度ボルト |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5467026B2 (ja) * | 2010-10-21 | 2014-04-09 | 新日鐵住金株式会社 | Pc鋼材の遅れ破壊特性評価方法 |
ES2786191T3 (es) * | 2016-07-29 | 2020-10-09 | Kamax Holding Gmbh & Co Kg | Tornillo de alta resistencia con una capa de recocido |
WO2023243730A1 (ja) * | 2022-06-17 | 2023-12-21 | 濱中ナット株式会社 | 表層部に高周波焼き戻し調質層を有する中炭素クロムモリブデン鋼からなる高強度鋼製部材及びその製造方法 |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS4870616A (ja) * | 1971-12-27 | 1973-09-25 | ||
JPS4943816A (ja) * | 1972-09-01 | 1974-04-25 |
-
1983
- 1983-01-31 JP JP1277283A patent/JPS59226116A/ja active Granted
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS4870616A (ja) * | 1971-12-27 | 1973-09-25 | ||
JPS4943816A (ja) * | 1972-09-01 | 1974-04-25 |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2005083141A1 (ja) * | 2004-03-02 | 2005-09-09 | Honda Motor Co., Ltd. | 耐遅れ破壊特性及び耐リラクセーション特性に優れた高強度ボルト |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS59226116A (ja) | 1984-12-19 |
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