JPH0343664Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、組立てと分解が容易で、かつ確実に
シールドすることができ、たとえば多心シールド
ケーブルの接続に使用して効果的なシールドコネ
クタに関するものである。

〔従来の技術〕

従来のシールドコネクタは、そのシールドケー
スに、シールドケーブルのシールド外皮の端部
を、直接半田付けするか、もしくはシールド外皮
の端部に半田付けした端子をビス止めして、接続
している。

〔考案が解決しようとする問題点〕 そのため、コネクタの組立てや保安点検時の分
解が困難であるとともに、シールドケーブルの端
末処理が面倒である。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は、シールドコネクタを、多数の端子を
植設した端子板と、上下対をなし、相互に嵌合し
て形成した筒状のシールドケースの前部に、上記
端子板を抱持し、上記端子に各心線が接続し、か
つシールドケーブルのシールド外皮に、外方より
圧接する接触舌片を後端中央に連設した金属製の
シールドカバーと、シールドケーブルにおける露
出したシールド外皮と絶縁外皮を抱持するととも
に、シールド外皮の露出した部分に、上記シール
ドカバーの接触舌片が嵌入しうる窓孔もしくは切
欠溝を有し、かつ前端がシールドカバーの後端に
係合するケーブル押えと、上記シールドカバーと
ケーブル押えを外側から抱持するカバーとよりな
るものとすることにより、上述の問題点の解決を
図つたものである。

〔作用〕

本考案のコネクタは、組立てるとシールドカバ
ーの接触舌片が、シールド外皮の露出部に設けた
ケーブル押えの窓孔もしくは切欠溝に嵌入して、
ケーブルのシールド外皮に圧接し、自動的にシー
ルドカバーとシールド外皮が電気的に接続され、
かつ半田付け個所がないので、組立てと分解が、
ともに容易であり、かつシールド外皮の端末処理
が楽である。

〔実施例〕

図面は、本考案の一実施例を示すもので、１
は、多数の端子２を植設した端子板で、前板１ａ
と後板１ｂよりなり、前後両板１ａ，１ｂは、そ
の上下両面（下面は図示省略）要所に設けた係合
片３とフツク４により、一体に結合している。

５は、シールドケーブルで、その端末部は、絶
縁外皮６が切除されて、シールド外皮７の外周面
が所要長露出しており、その先方に多数の心線８
が剥ぎ出され、各心線８は、それぞれ各端子２に
半田付け又は圧着されている。

９，１０は、端子板１と剥ぎ出された多数の心
線を上下より覆う金属製のシールドカバーで、水
平をなす中央片９ａ，１０ａの左右両側端と後端
には、それぞれ互いに対向方向を向く側片９ｂ，
１０ｂと後片９ｃ，１０ｃが曲設されている。

両中央片９ａ，１０ａの左部と右部には、外方
を向く係合凹部１１が穿設され、同じく後端に
は、後方を向く接触舌片１２が連設され、両後片
９ａ，１０ａの中央には、切欠溝１３が切設され
ている。

両シールドカバー９，１０は、その側片９ｂ，
１０ｂ同士と後片９ｃ，１０ｃ同士が嵌合し、前
部に抱持された端子板１の各係合片３は、中央片
９ａ，１０ａの各係合凹部１１に、移動不能に係
合している。

１４，１５は、ほぼ上下対称をなす合成樹脂製
の１対のケーブル押えで、両ケーブル押え１４，
１５の対向面の中央には、前後方向を向き、かつ
互いに同軸をなす前部のシールド外皮溝１６と後
部の絶縁外皮溝１７が形成されている。シールド
外皮溝１６には、窓孔１８が連設され、絶縁外皮
溝１７には、多数の抜け止め突起１９が突設され
ている。

両ケーブル押え１４，１５の前部左右両側面に
は、第１係合溝２０が、また中央部の対向面以外
の外側面には、第２係合溝２１が形成されてい
る。

上方のケーブル押え１４の第２係合溝２１には
通孔２２が穿設され、また対向面には位置決め突
起（図示省略）が突設さている。下方のケーブル
押え１５の対向面には、螺孔２３と位置決め孔２
４が突設されている。

両ケーブル押さえ１４，１５は、その第１係合
溝２０が、両シールドカバー９，１０の後片９
ｃ，１０ｃの内端に係合し、かつ位置決め孔２４
と位置決め突起が係合して、両シールド外皮溝１
６と絶縁外皮溝１７が、それぞれ切欠溝１３を挿
通するシールドケーブル５のシールド外皮７と絶
縁外皮６を上下より挟持して、対向面が重合して
いる。通孔２２へ挿通したビス２５を螺孔２３に
螺締することにより、抜け止め突起１９が絶縁外
皮６に食い込んで、ケーブル５を強固に抱持して
いる。

なお、両ケーブル押え１４，１５は、インサー
ト成形により、一体構造でシールドケーブル５の
端部に固設しておいてもよい。

前記両シールドカバー９，１０の接触舌片１２
は、組み立て時に両ケーブル押さえ１４，１５の
窓孔１８に嵌入して、露出されたシールド外皮７
に当接し、両シールドカバー９，１０とシールド
外皮７は、電気的に接続される。

２６，２７は、合成樹脂製の上下１組のカバー
で、その中央後部には、後方を向く手掛部２８が
連設され、下方のカバー２７の左右両側面にはフ
ツク２９が、また上方のカバー２６の左右両側面
には、フツク２９に対応する係合突起３０が形成
されている。

両カバー２６，２７は、上方と下方より両シー
ルドカバー９，１０の前部を除く大部分に外嵌し
て、両手掛部２８は、両ケーブル押え１４，１５
の第２係合溝２１に嵌合し、フツク２６が係合突
起３０に弾性係合することにより、両シールドカ
バー９，１０と両ケーブル押え１４，１５を一体
に抱持するとともに、両接触舌片１２をシールド
外皮７に圧接させている。

第３図に示す前後方向を向く通孔３１は、両カ
バー２６，２７を結合して形成したもので、図示
する一方のコネクタを、図示を省略した他方のコ
ネクタに結合して、両コネクタをビス３２をもつ
て締結するためのものである。

なお、上述のコネクタは、両ケーブル押え１
４，１５に導電性合成樹脂を使用すれば、両シー
ルドカバー９，１０とシールド外皮７の電気的接
続、並びにケーブル押通部のシールド効果がより
確実となる。

〔考案の効果〕 本考案のコネクタは、シールド外皮を特別な端
末処理を行なうことなく、単に所要長露出させ
て、シールドケーブルを組み付けることができ、
組み付け終つたコネクタのシールドカバーは、シ
ールドケーブルのシールド外皮に自動的に接続さ
れるので、組み付けと保安点検の際の分解がとも
に容易で、多心シールドケーブルの接続に使用し
て、甚だ便利である。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案コネクタの分解斜視図、第２
図は、同じ中央縦断側面図、第３図は、第２図の
Ａ−Ａ線断面図である。 １……端子板、１ａ……前板、１ｂ……後板、
２……端子、３……係合片、４……フツク、５…
…シールドケーブル、６……絶縁外皮、７……シ
ールド外皮、８……心線、９，１０……シールド
カバー、９ａ，１０ａ……中央片、９ｂ，１０ｂ
……側片、９ｃ，１０ｃ……後片、１１……係合
凹部、１２……接触舌片、１３……切欠溝、１
４，１５……ケーブル押え、１６……シールド外
皮溝、１７……絶縁外皮溝、１８……窓孔、１９
……抜け止め突起、２０……第１係合溝、２１…
…第２係合溝、２２……通孔、２３……螺孔、２
４……位置決め孔、２５……ビス、２６，２７…
…カバー、２８……手掛部、２９……フツク、３
０……係合突起、３１……通孔、３２……ビス。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 多数の端子を植設した端子板と、上下対をな
   し、相互に嵌合して形成した筒状のシールドケー
   スの前部に、上記端子板を抱持し、上記端子に各
   心線が接続し、かつシールドケーブルのシールド
   外皮に、外方より圧接する接触舌片を後端中央に
   連設した金属製のシールドカバーと、シールドケ
   ーブルにおける露出したシールド外皮と絶縁外皮
   を抱持するとともに、シールド外皮の露出した部
   分に、上記シールドカバーの接触舌片が嵌入しう
   る窓孔もしくは切欠溝を有し、かつ前端がシール
   ドカバーの後端に係合するケーブル押えと、上記
   シールドカバーとケーブル押えを外側から抱持す
   るカバーとによりなるシールドコネクタ。