JPH0341459Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、所定数のコイン状のコンデンサセル
を外装ケース内に収納した電気二重層コンデンサ
に関するものである。

［従来例］ コイン状のコンデンサセルは主としてメモリの
バツクアツプ用電源などとして用いられ、それを
複数個積層することにより所望とする電圧が簡単
に得られるという点では便利であるが、それ自体
には外部端子を備えていないために回路基板など
に実装する際には、セル積層体を絶縁筒などを介
在して有底筒状の金属外装ケース内に収納すると
ともに、そのケース開口部に端子を有する電極板
を置し、同開口部をカシメ加工して、見掛け状は
端子付の電解コンデンサと同様にその外部端子を
利用して回路基板などに実装するようにしてい
る。

［考案が解決しようとする問題点］ しかしながら、従来においては上述のように外
装ケース内にコンデンサセルや電極板などを収納
したのち、最終工程として同ケースの開口部をカ
シメ加工しているが、カシメ時の圧力が強すぎる
とコンデンサセルからの液漏れが生じ、逆にカシ
メ圧が弱いとケース開口部内において電極板が不
用意に回転してしまうなど、総じてこのカシメ工
程では不良率の発生が高く、カシメ圧の調整には
かなりの熟練が要求されている。

なお、この点に関して例えば特願昭58−122840
号（特開昭60−15911号）においては、電極板ま
たは外装ケースとキヤパシタ本体（セル積層体）
との間に金属緩衝材を配置し、その金属緩衝材に
て過大なカシメ圧を吸収するようにしているが、
これによるとキヤパシタ本体と金属緩衝材とを
別々に絶縁筒内に収納し、その筒内においてそれ
らを組合せるものであるため、組立作業が煩雑で
あるとともに、部品を管理するうえで好ましくな
いものである。

この考案は上記した従来の欠点に鑑みなされた
もので、その目的はケースのカシメ時にコンデン
サセルに加えられる機械的ストレスを吸収し得る
金属製バネを有しているにも抱らず、その組立作
業を容易に行い得るようにし、かつケースのカシ
メ時の圧力をさらに小さくしてコンデンサセルに
加えられる機械的ストレスをさらに小さくし得る
構造を備えた電気二重層コンデンサを提供するも
のである。

［問題点を解決するための手段］ 上記目的を達成するために、この考案において
は、複数のコイン状セルに電気絶縁性の熱収縮性
スリーブにて一体的に積層するに際し、それらの
間のいずれか一箇所に金属製バネを介装するよう
に、かつ外装ケースの開口部に複数の突片を一体
的に形成している。

［作用］ 金属製バネは熱収縮性スリーブにて一体的に積
層保持されたセル積層体内に設けられているた
め、組立に際してコンデンサセルと金属製バネと
を別々に取扱う必要がない。また、ケース開口部
のカシメ時に発生する機械的ストレスは上記金属
製バネにて吸収され、セル積層体に過大な圧力が
加えられることはない。さらに、外装ケースのカ
シメに際しては突片のみを折曲げればよいので大
きなカシメ圧を必要としない。

［実施例］ 以下に、本考案に係る実施例を添付の図面とと
もに詳細に説明する。

第１図に示すように、電気二重層コンデンサは
有底筒状の金属製外装ケース１を備えており、そ
の開口部には複数の突片１ａが一体的に形成され
ている。この外装ケース１内には例えば３個のコ
イン状コンデンサセル２を積層した状態でその周
囲を電気絶縁性の熱収縮性スリーブ３にて被覆し
てなるセル積層体４が収納されるのであるが、こ
の考案においてはこのセル積層体４のコンデンサ
セル２間に金属製バネ５が介装されている。この
金属製バネ５はコンデンサセル２，２間のいずれ
は一箇所に配置されていればよい。なお、この実
施例では金属製バネ５は第２図に示されているよ
うに、通称皿バネと呼ばれている截頭円錐状体か
らなるが、単なる板バネであつてもよい。

このセル積層体４の上部には封口部材が配置さ
れる。すなわち、この封口部材は外部端子６ａを
有する第１電極板６と、同様に外部端子７ａを有
する第２電極板７とを電気絶縁板８を挟んで対設
したものからなり、この場合第１電極板６がセル
積層体５の一方の電極面に接触するように配置さ
れる。そして、外装ケース１の開口部の突片１ａ
が第２電極板７に接触するようにカシメ加工され
るものであるが、このカシメに際しては突片１ａ
のみを折曲げればよいので大きなカシメ圧を必要
としない。また、その際に発生する機械的ストレ
スは上記セル積層体４内に設けられている金属製
バネ５により吸収されるため、コンデンサセル２
に大きな圧力は加わらず、したがつてコンデンサ
セル２から電解液が漏れ出るおそれはない。さら
に、この金属製バネ５が圧縮される際の反発力に
て第１電極板６とセル積層体４との間、および第
２電極板７とケース開口部のカシメ部分の突片１
ａとの間の圧接力が高められる封口部材がケース
１の開口内において不用意に回転するようなこと
もない。

［考案の効果］ 上記した実施例の説明から明らかなように、本
考案によれば、熱収縮性スリーブ３にて積層保持
されるセル積層体４内に金属製バネ５を介装させ
るようにしたことにより、金属製バネ５とセル積
層体４とを一個の部品として取扱うことができる
ため、組立作業性がよい。また、金属製バネ５の
弾性によりコンデンサセル２を過大なカシメ圧よ
り効果的に保護し得るとともに、ケース１の開口
部内における封口部材の回転をも防止することが
できる。さらに、外装ケースのカシメに際しては
突片のみを折曲げればよいので、大きなカシメ圧
を必要としないものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示した分解斜視
図、第２図は同実施例に用いられている金属製バ
ネの斜視図である。 図中、１……外装ケース、１ａ……突片、２…
…コンデンサセル、３……スリーブ、４……セル
積層体、５……金属製バネ、６，７……電極板、
８……絶縁板。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 有底筒状の金属製外装ケース内にコイン状コ
   ンデンサセルのセル積層体を収納するととも
   に、セル積層体上に電気絶縁板を介して第１電
   極板と第２電極板を対設してなる封口部材を第
   １電極板がセル積層体の一方の電極に接するよ
   うに配置し、外装ケースの開口部を第２電極板
   に接するように内方にカシメ加工してなる電気
   二重層コンデンサにおいて、上記セル積層体は
   複数の上記コイン状コンデンサセルをそれらの
   間のいずれか一箇所に金属製バネを介装して積
   層するとともにその周囲を電気絶縁製の熱収縮
   性スリーブにて一体的に被覆したものからな
   り、上記外装ケースの開口部には複数の突片を
   一体的に形成し、この突片を上記第２電極板に
   接するようにカシメ加工してなることを特徴と
   する電気二重層コンデンサ。 (2) 実用新案登録請求の範囲(1)において、金属製
   バネは截頭円錐状体を呈する皿バネであること
   を特徴とする電気二重層コンデンサ。