JPH0340628Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案はサーマルプリンターで転像をフイルム
に穿孔し、この穿孔されたフイルムを有する原紙
にインキをなじませるまでに過剰のインキ供給を
必要とする印刷機で印刷する感熱孔版印刷方式に
最適な感熱孔版原紙に関するものである。

（従来の技術） 近年、感熱孔版印刷システムの製方法として、
熱可塑性樹脂フイルムと多孔性支持体を貼り合わ
せた感熱孔版原紙の熱可塑性樹脂フイルムに、該
熱可塑性樹脂フイルムと当接摺動するサーマルヘ
ツドの選択された発熱素子の加熱により、反転像
を穿孔する方式が発明されており、又、製版され
た原紙を使用して印刷物を得る為の印刷機とし
て、原紙にインキをなじませる為のインキ供給を
自動的にコントロールできるタイプと原紙にイン
キをなじませるまでに過剰のインキ供給を必要と
するタイプが存在する。

（考案が解決しようとする問題点） 前記した発熱素子によつて反転像を穿孔させて
製版した感熱孔版原紙を使用して印刷を行なう
際、前記した原紙インキをなじませる為のインキ
供給を自動的にコントロールできるタイプの印刷
機の場合は、、製版後台紙を剥離して印刷機のイ
ンキドラムに巻き付け印刷を行なえば良い、然し
乍ら、後者の原紙にインキをなじませるまでに過
剰のインキ供給を必要とするタイプの印刷機の場
合には、製版後、台紙を剥離して印刷機のインキ
ドラムに巻き付け印刷を行なうと、過剰のインキ
により、正常印字までは用紙が無駄になる。又用
紙を使用しないと印刷機のプレスロール（印刷用
紙を原紙に押しつける為のロール）を汚洗してし
まい、原紙とプレスロールとの接触を防止する為
の台紙が必要不可欠である。然し乍ら、前記した
製版方法の場合、製版時、発熱素子と熱可塑性樹
脂フイルムとが当接する為台紙は多孔性のフイル
ム支持体側に存在しなくてはならず、逆にインキ
供給時、プレスロール原紙との接触を防止する為
に熱可塑性樹脂フイルム側に存在しなければなら
ないといつた問題点を有している。

（問題点を解決する為の手段） そこで本考案は前記問題点を解決すべく、製版
時、多孔性のフイルム支持体側に台紙が存在し、
インキ供給時、熱可塑性樹脂フイルム側に台紙が
存在し、しかも印刷時には台紙が剥離可能であ
り、インキドラムへの係合用透孔を有する感熱孔
版原紙の台紙の構造に工夫を施したものである。

（実施例） 以下、添付図面に従い本考案を説明する。熱可
塑性樹脂フイルム１と多孔性のフイルム支持体２
とを貼り合わせた感熱孔版原紙３の端部は、台紙
４の端部と接着されており、該台紙４は台紙４の
接着部分から折曲線５を経て形成される折り代６
と、該折り代６とミシン目よりなる切り取り線７
を介して連設される剥離部８とからなり、該台紙
４の折り代６の折曲線５を中心として対称に透孔
９が穿たれている。

尚、熱可塑性樹脂フイルム１の材質としてはポ
リエステル樹脂フイルムなどの熱可塑性樹脂より
なるフイルムが使用でき、多孔性のフイルム支持
体２の材質としては、、こうぞ、みつまた、マニ
ラ麻などの天然繊維、レーヨン、ビニロン、ポリ
エステルなどの化学繊維を天然繊維と混合して製
造される薄葉紙や、更にはこれらの薄葉紙にビス
コースなどの樹脂により耐水加工したものが使用
できる。又、熱可塑性樹脂フイルム１と多孔性の
フイルム支持体２とを貼り合わせる方法は、酢酸
ビニル系、塩化ビニル系、合成ゴム系、天然ゴム
系、エステル系などの接着剤を熱可塑性樹脂フイ
ルム１あるいは多孔性のフイルム支持体２に塗布
することにより貼り合わせる方法や、特開昭58−
188696号のようにグラビア印刷法を利用した貼り
合わせ方法や、更に特公昭55−47997号のように
合成樹脂液を多孔性のフイルム支持体２に含浸さ
せることにより貼り合わせる方法がある。次に感
熱孔版原紙３と台紙４との貼り合せは感熱孔版原
紙３と台紙４の端部同士を一般の接着剤等により
接着すれば良い。又切り取り線７はミシン目に限
らず、肉薄部などで形成してもよく、透孔９の形
状及び個数は印刷機により種々選択されるもので
あり、折曲線５に対して対称であればよい。

（作用） 次に本考案の作用について説明するが、本考案
の感熱孔版原紙は台紙４の折り代６の略中心に折
曲線５が形成されているので、製版する時には第
２図に示す如く、台紙４の剥離部８が感熱孔版原
紙３の多孔性のフイルム支持体２側に位置するよ
うに折曲線５より折曲して熱可塑性樹脂フイルム
１をサーマルプリンターの発熱素子（図示せず）
に当接させて反転像の製版を行なう。次に印刷機
に設置し、インキをなじませる時には第３図に示
す如く、台紙４の剥離部８が感熱孔版原紙３の熱
可塑性樹脂フイルム１側に位置するように折曲線
５より折曲して、多孔性のフイルム支持体２が印
刷機のインキドラム（図示せず）に当接するよう
に透孔９を利用してインキドラムに係合してから
感熱孔版原紙をインキドラムに巻き付け、インキ
を供給してインキをなじませる。次に印刷時には
第４図に示す如くに台紙４の剥離部８をミシン目
よりなる切り取り線７より切り離し、感熱孔版原
紙３の熱可塑性樹脂フイルム１を印刷用紙（図示
せず）と当接させて正転像の印刷を行なう。

（効果） 以上の如く、本考案の感熱孔版原紙はサーマル
プリンターで反転像をフイルムに穿孔させて正転
像の印刷物を得る感熱孔版印刷方式のいずれの方
式にも適用可能であり特に原紙にインキをなじま
せるまでに過剰のインキ供給を必要とする印刷機
の使用をも可能とした優れたものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の感熱孔版原紙の斜視図、第２
図は本考案の原紙の製版時の状態を示す斜視図、
第３図は本考案の原紙のインキなじませ時の状態
を示す斜視図、第４図は本考案の原紙の印刷時の
状態を示す斜視図である。 １……熱可塑性樹脂フイルム、２……多孔性の
フイルム支持体、３……感熱孔版原紙、４……台
紙、５……折曲線、６……折り代、７……切り取
り線、８……剥離部、９……透孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 熱可塑性樹脂フイルムと多孔性のフイルム支持
   体とを貼り合わせた感熱孔版原紙の端部と台紙の
   端部とを接着した感熱孔版原紙であつて、台紙の
   接着部分から折曲線を経て形成される折り代と、
   該折り代と切り取り線を介して連設される剥離部
   とを有する台紙と、該台紙の折り代の折曲線を中
   心として対称に穿たれた透孔とを有し、感熱孔版
   原紙の任意の側に台紙を設置することができるこ
   とを特徴とする感熱孔版原紙。