JPH0339441Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案は人の体型、特に肥満や鳩胸の人の体型
に適合する和服の着物やコート等に関するもので
ある。

〈従来の技術とその問題点〉 従来、和服の着物やコートは、各部分に必要な
標準の長方形の布を用い、袖の丸み部等わずかな
箇所を除いてほとんど直線縫いにより縫い合わせ
た標準寸法形状のものであり、肥満や鳩胸等の人
の体型の場合、衣服の衿、袵等の相互の合わせ幅
を標準より小さく調節することにより、着衣して
いた。

しかしながらこの物では胸部や腹部等の最大周
囲の体部のみが合致し、他の衣服部位はこの最大
周囲の体部幅に合わせて横幅が平行に広がるた
め、不快な着衣感を生じるばかりでなく、着衣時
の姿容の不均合な感じを与えていた。

そこで様々な体型のすべてに合致するように採
寸するとなると、仮縫等多くの労力が要求される
という問題が生じてくる。

〈考案が解決しようとする問題点〉 本考案が解決しようとする問題点は、標準規格
化された和服の必要最低箇所の形状を変えるだけ
で、肥満体や鳩胸等の人の体型に合致し、着心地
が良いと同時に着衣時の外見上の印象の良い和服
を提供することにある。

〈問題点を解決するための手段〉 上記問題点を解決するために本考案が講じる技
術的手段は、身頃部下端位置を変えずに、該下端
位置より身頃部側部を外方に拡げたことを特徴と
する。

〈作用〉 身頃部下端位置を変えずに、該下端位置より側
部を外方に拡げた身頃部の内側に、着衣者である
肥満や鳩胸等の人の胸部や腹部等の体部が納ま
る。

〈実施例〉 本考案の実施例を図面に基づいて説明すると、
Ａは肥満体用和服本体であり、第１図及び第２図
はこの本体Ａが着物の場合、第３図はコートの場
合を夫々示す。また２点鎖線は標準規格化された
従来の和服の場合を示す。

第１図は第１実施例であり、上記本体Ａの外側
下端である身頃部下端位置ａ，ａを変えずに、該
下端位置ａ，ａより身八つ部２，２に亘る身頃部
１，１両側部ｂ，ｂに、外方へ略円弧状に拡げた
膨出部ｃ，ｃを延設したものである。

膨出部ｃ，ｃは身八つ部幅ｄ，ｄを従来と変え
ずに、厚手のボール紙等で作成された型紙等の適
宜な手段を用いて設けるが、最大膨出部１０，１
０の膨出幅ｅ，ｅは例えば身八つ部２，２位置よ
り１〜1.5cm拡大することにより両側で２〜３cm
広くなり、その着心地が著しく向上する。

なお最大膨出部１０，１０の上下方向位置は着
衣者の身長、腹部の位置等の条件により適宜に設
定する。

またその膨出幅ｅ，ｅは、着衣者の肥満度の条
件に適合させて設定するも任意である。

第２図は本考案の第２実施例であり、第１実施
例の場合と同様に上記本体Ａの身頃部下端位置
ａ，ａを変えずに、該下端位置ａ，ａより身八つ
部２，２に亘る身頃部１，１両側部ｂ，ｂに、外
方へ略円弧状に拡げた上述の膨出部ｃ，ｃを延設
すると共に、袵幅ｆ，ｆを従来と変えずに左右両
合褄幅ｇ，ｇを従来より適宜な拡大幅ｈ，ｈ部分
だけ拡げたものである。

この拡大幅ｈ，ｈは、袵幅ｆ，ｆに対して例え
ば0.5cm程度に設定するものであるが、着衣者の
肥満度等の条件に適合させて任意に設定すること
もできる。

この第２実施例は、胸部と腹部が共に肥満の人
と、腹部のみ肥満の人の両体型の人に適用が可能
である。

なお第１、第２実施例において、衿付部３，３
を従来より内側に位置させることにより、更に胸
部が大きい体型の人等に適している。

第３図は本考案の第３実施例であり、前記本体
Ａの身頃部下端位置ａ，ａを変えずに、該下端位
置ａ，ａより身八つ部２，２に亘る身頃部１，１
両側部ｂ，ｂに、外方へ略円弧状に拡げた前述の
膨出部ｃ，ｃを延設すると共に、立衿４上部の衿
幅ｉを、下端の衿幅ｊを変えずに従来より適宜な
拡大幅ｋ，ｋ分だけ広げたものである。

この第３実施例は、和服コートにおいて胸部と
腹部が共に肥満の人と、鳩胸の人の両者に適用が
可能である。

なお上記拡大幅ｋ，ｋは例えば１〜４cm程度に
設定し着衣者の胸部の大きさ等の条件により適宜
に設定することも可能である。

又着衣者の体型により、上記衿幅ｉを従来と変
えずに膨出部ｃ，ｃのみを設けることも勿論任意
である。

また膨出部ｃ，ｃは、身八つ部２，２より下方
から形成させてもよい。

以上のこれら実施例において、身頃部下端位置
ａ，ａを変えずに、身八つ部２，２より外方へ水
平に適宜な膨出幅ｅ，ｅの前記最大膨出部１０，
１０を設け、ここから前記下端位置ａ，ａまでは
略直線状に形成することも可能であり、この場合
は肩裄や胸幅寸法の長い体型の人等に適してい
る。

〈考案の効果〉 本考案は叙上の如く構成したため、身頃部下端
位置を変えずに該下端位置より側部を外方に拡げ
た身頃部の内側に、着衣者である肥満や鳩胸等の
人の胸部や腹部な等の体部が納まる。

従つて従来の標準規格化されたものと異なり、
これらの着衣者の体型に合致し、着心地が良い。

また上述の如く着衣者の体型に合致しているた
め、姿容が従来の如く不均合な感じを与えること
はなく、その外見上の印象も良くなる。

依つて所期の目的を達成し得る。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示し、第１図は第１実
施例の正面図、第２図は第２実施例の正面図、第
３図は第３実施例の正面図である。 図中、Ａ：肥満体用和服、ａ，ａ：身頃部下端
位置、ｂ，ｂ：側部、１，１：身頃部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 身頃部下端位置を変えずに、該下端位置より身
   頃部側部を外方に拡げて成る肥満体用和服。