JPH0334950Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は電気素子用放熱器に関する。更に、詳
しくは、金属製基板にフイン取付板を立設し、該
フイン取付板に複数のフインを取着してあり、ト
ランジスタ、ダイオード、サイリスタ等の発熱部
品を上記金属製基板に取付け、発熱部品の内部で
発生した熱を放熱する電気素子用放熱器に関する
ものである。

〔従来の技術〕

金属製基板に複数のフインを設け、トランジス
タ等の発熱部品を上記金属製基板に取付けて、発
熱部品から発生した熱を放熱する電気素子用放熱
器としては、従来から種々の構造のものが提供さ
れている。例えば、熱伝導軸に多数枚のフインを
適宜間隔に嵌挿し、ロウ付けしたり、ステーの締
付けによつて上記フインを固定するものが知られ
ている（実開昭53−51951号公報、実開昭58−
196850号公報参照）。

しかしながら、上記の従来品は、フイン取付板
にフインを取着する際、フインの間隔位置を決め
るのが容易ではなく、しかも、特別の治具を使用
しなければならないという欠点があつた。また、
熱伝導軸とフインとの接触部分が少なく、放熱効
率も劣るという問題点を有していた。

〔考案が解決しようとする課題〕

本考案は、上述のような従来の欠点を解消した
もので、金属製基板に立設したフイン取付板に膨
出部と切込溝を形成した拡開片とを設けると共
に、、複数のフインにはフイン取付板の断面外周
形状にほぼ合致した切欠孔を設け、それぞれのフ
インをフイン取付板の外周で切込溝の位置に嵌挿
して拡開片を拡開することにより、フイン取付板
とフインとが密着状態に固着されて、放熱効率が
良好であり、共振音も発生することがなく、組立
を簡単に行えるようにした電気素子用放熱器を提
供するものである。

〔課題を解決するための手段〕

本考案は、発熱部品を取付ける金属製基板にフ
イン取付板を立設し、該フイン取付板に複数のフ
インを設けた電気素子用放熱器であり、上記フイ
ン取付板には膨出部と所定間隔に切込溝を形成し
た拡開片とを長手方向に設けてある。一方、複数
のフインにはフイン取付板の断面外周形状にほぼ
合致した切欠孔を穿設してある。このフインをフ
イン取付板の外周で切込溝の位置に嵌挿し、フイ
ン取付板の拡開片を拡開することによつてフイン
を取着したことを特徴としている。

〔考案の作用〕

本考案の電気素子用放熱器は、金属製基板にフ
イン取付板を立設し、該フイン取付板に複数のフ
インを取着してあり、上記金属基板にトランジス
タ等の発熱部品を取付けて、発熱部品からの熱を
放熱する。上記フイン取付板には、膨出部と切込
溝を形成した拡開片とを設けてあり、該他フイン
取付板の断面外周形状にほぼ合致した切欠孔を穿
設したフインをフイン取付板の外周で切込溝の位
置に嵌挿し、また、フイン取付板の拡開片を拡開
するから、フインとフイン取付板とが充分に接触
するので、熱伝導性が良好となる。また、フイン
とフイン取付板とが嵌合状態となつて接触するの
で、治具を使用しなくてもフインがフイン取付板
よりみだりに抜き出ることがないばかりか、フイ
ンの位置決めが容易である。更に、フイン取付板
の拡開片を拡開すると、該拡開片とフインの切欠
孔とによつて通路が形成され、その内部を冷媒が
通過するようになる。

〔実施例〕

次に本考案の実施例を添附の図面において説明
する。

第１図は分解斜視図、第２図は第１図−線
断面図、第３図は第１図−線断面図、第４図
は別の実施例を示す金属製基板の斜視図である。

本考案に係る電気素子用放熱器は、第１図乃至
第３図に示す如く、金属製基板１の下面に発熱部
品２が取付けられ、該金属製基板１の上面中央に
は金属製基板１の長手方向に沿つてフイン取付板
３を立設してある。金属製基板１及びフイン取付
板３は、例えば、アルミニウム合金、銅等の熱良
導部材からなり、押出成形により一体に形成され
る。また、このフイン取付板３は複数のフイン４
を取着するためのもので、その長手方向に沿つて
膨出部５と拡開片６が設けられている。膨出部５
は中空円筒状のものを例示してある。拡開片６は
断面略Ｙ字状を呈し、適宜間隔に切込溝７を形成
したのものを例示してあるが、これに限定されな
い。拡開することができ、拡開したときにフイン
４の切欠孔８の一部分に接触するものであれば、
図示していないが、他の断面形状を有する拡開片
であつてもよい。また、切込溝７は取付るフイン
４の間隔に形成してあつて、この位置にフイン４
が嵌挿される。一方、フイン４は、上記金属製基
板１及びフイン取付板３と同様に、アルミニウム
合金、銅等の熱良導部材、或は鉄等からなり、そ
の中央部に上記フイン取付板３の断面外周形状に
ほぼ合致した切欠孔８を穿設してある。このフイ
ン４をフイン取付板３の一端部からその外周に、
しかも、上記切込溝７の位置に嵌挿する。この
際、フイン４の間隔を一定に保持するためのスペ
ーサを必要としない。このようにしてフイン４を
フイン取付板３に嵌挿し、フイン取付板３の拡開
片６を拡開してある。

なお、フイン４を一層強固に取着するにはロウ
付、溶着、その他いずれの手段を用いてもよい。
また、フイン取付板３の拡開片６を拡開するに
は、拡開片６を外側に折り曲げるようにすればよ
い。

第４図は別の実施例で、フイン取付板３に中空
菱形の膨出部５と、その上縁部に断面Ｙ字状の拡
開片６とを設けたものを示してある。しかし、本
考案は上述のものに限定されない。例えば、フイ
ン取付板に膨出部と拡開片とが設けてあり、フイ
ンにはフイン取付板の断面外周形状にほぼ合致し
た切欠孔を穿設してあれば、それらの形状や大き
さ等は問わない。

上述のような本考案は、金属製基板１にトラン
ジスタ等の発熱部品２を取付ける。この発熱部品
２から発生する熱は金属製基板１、フイン取付板
３、フイン４に順次伝達されて放熱する。金属製
基板１に立設してあるフイン取付板３と該フイン
取付板３に嵌挿してあるフイン４とは充分に接触
して熱伝導性がよいし、フイン４がフイン取付板
３から離脱せず、それらの位置決めし易く、フイ
ン４の取着が容易である。また、フイン取付板３
の拡開片６内及びフイン４の切欠孔８内を冷媒が
通過する。

〔考案の効果〕

以上のように本考案によれば、フイン取付板と
フインとが充分に接触し密着状態になつて熱伝導
性が良く、しかも、冷媒がフイン取付板の拡開片
内及びフインの切欠孔内を通過するから、放熱効
率が極めて良好な電気素子用放熱器である。ま
た、フインとフイン取付板とが嵌合状態となつて
接触するので、治具を使用しなくてもフインがフ
イン取付板よりみだりに抜き出ず、フインの位置
決めも容易であるから、衝撃等があつてもフイン
がフイン取付板から離脱することもなく、上記密
着状態を保持し得ると共に、組立が簡単であり、
共振音も発生しない電気素子用放熱器である。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る電気素子用放熱器の実施例
を示し、第１図は分解斜視図、第２図は第１図
−線断面図、第３図は第１図−線断面図、
第４図は別の実施例を示す金属製基板の斜視図で
ある。 図中、１は金属製基板、２は発熱部品、３はフ
イン取付板、４はフイン、５は膨出部、６は拡開
片、７は切込溝、８は切欠孔を示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 発熱部品を取付ける金属製基板にフイン取付板
   を立設し、該フイン取付板に複数のフインを設け
   た電気素子用放熱器において、上記フイン取付板
   には膨出部と所定間隔に切込溝を形成した拡開片
   とを長手方向に沿い設け、複数のフインにはフイ
   ン取付板の断面外周形状にほぼ合致した切欠孔を
   設け、該フインをフイン取付板の外周で切込溝の
   位置に嵌挿すると共に、上記フイン取付板の拡開
   片を拡開してなる電気素子用放熱器。