JPH0330474Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案はシールド工法のトンネル路に用いるコ
ンクリートセグメントに装着するセグメントのグ
ラウトホール用プラグに関するものである。

〈従来の技術〉 従来、一般に用いられているコンクリートセグ
メントに装着するグラウトホール用プラグは、第
４図に示す如きにネジ込み部とフランジ部をもつ
たプラグ本体と、このフランジ部面に単なるゴム
等よりなるＯリングを載置する構成を採つてな
る。この場合のＯリングは、単にフランジ部とソ
ケツト端間に介在するパツキン使用で安定装着と
ならず、このため止水性を高めようとし、プラグ
本体を強く締付ければ、このＯリングは捩れる等
して確実な止水効果が得られない。従つて、今ま
でのものはソケツト側の水圧がわずかであつても
Ｏリングが変形し出水を招くものであつた。この
ことは、特に近時の地下鉄工事の如きに大なる地
下水圧を受ける深地中の構築に当つて問題とな
る。また、上記構成のプラグは、Ｏリングが不安
定のため所定のつぶししろを取るに際し、極めて
大なるトルクを与えねばならず、作業性にも問題
を残すものである。

〈考案が解決しようとする問題点〉 本考案は上記実情に鑑み、Ｏリングの安定装着
を狙い止水性の高いセグメントのグラウトホール
用プラグを提供することを目的としたものであ
る。

〈問題点を解決するための手段〉 本考案はシールド工法に用いるコンクリートセ
グメント本体に埋設したグラウトホールソケツト
に螺合止栓するプラグにおいて、グラウトホール
に螺合のネジ込み部とその基端にフランジ部及び
撮み部を配したプラグ本体を形成すると共に、こ
のネジ込み部の基部に設けたテーパー状さら部に
Ｏリング用溝を刻設し、該溝にＯリングを嵌着
し、Ｏリングにずれを招かないプラグとしたもの
である。

〈実施例〉 以下、本考案を実施例の図面に基づいて詳述す
れば、次の通りである。

１は所定のネジ山を有するネジ込み部２とその
基部にテーパー状さら部３を配したフランジ部４
及び該フランジ部４の背部中央に方形状撮み部５
を突設してなる合成樹脂製プラグ本体で、該プラ
グ本体１のさら部３のテーパー中間位置にＯリン
グ用溝６を環状に刻設し、該Ｏリング用溝６にゴ
ム等よりなるＯリング７を嵌着し、全体としてグ
ラウトホール用プラグ８とする。この場合、Ｏリ
ング用溝６の深さは、Ｏリング７が1/3〜1/2（断
面）程度突出しえる如くし、且つ所定のつぶしし
ろの巾を有するものである。ちなみに、Ｏリング
７の径は従来のものより小径のものでよい。

いまこの作用を説明すると、先ずトンネル路に
構築してなるコンクリートセグメントＡに配すグ
ラウトホールソケツト９に従来のプラグ同様にネ
ジ込み部２を臨ませ螺挿するものである。この場
合、フランジ部４端の撮み部５は、指で撮んで廻
しても締付工具（図示せず）を用い廻してもよ
い。

ここにおいて、ネジ込み部２が螺挿されこのさ
ら部３のＯリング７がソケツト９の口縁に接触し
ても、該Ｏリング７は溝６に嵌着してなるため、
螺挿動に対し安定性がよく該Ｏリング７に対し不
必要な捩り作用を与えない。勿論、このソケツト
９の口縁には対向するさら部３のテーパーと同等
の傾斜をもつ内テーパー１０が配されているた
め、Ｏリング７の挿入滑りもよい。また、この場
合、Ｏリング用溝６はネジ込み部２の軸方向に対
し直交刻設となつているため、該溝６の基方（フ
ランジ部側）が必然的に段盛部６ａを呈し、Ｏリ
ング７の片面を最大に受止め得、この点からも螺
挿に対する安定性を増すものとなつている。

このように、ソケツト９部に取付くプラグ８は
Ｏリング７に歪を招ことなく強く締付けられる。
この後（使用中）、仮にソケツト９内の水圧が上
昇してもＯリング７が介在しているため、Ｏリン
グ本来の止水効果を発揮するものとなる。このと
き、Ｏリング７に大なる圧力が要因となる所謂は
みだし現象が生じようとしても、前記の如く溝６
のフランジ側はさら部構造からくる段盛部６ａの
ため、該段盛部６ａが一種のバツクアツプリング
作用を果し、はみだしを阻止する。従つて、Ｏリ
ング７が変形することもなく、高圧にも耐える。
ちなみに、前述の形状条件のプラグにあつて、30
Kg／m²まで加圧しても漏水、出水をみなかつた。

〈考案の効果〉 上述のように本考案のコンクリートセグメント
のグラウトホール用プラグは、プラグ本体のネジ
込み部の基部に刻設の溝にＯリングを配す構成と
したことにより、ソケツト（グラウトホール）へ
の螺合に対しＯリングは安定し歪を招かない確実
な止水効果を得、且つこの場合の溝はテーパー状
となるさら部に有するため、該溝の後部が段盛部
となり一種のバツクアツプリング作用を配すの
で、大なる漏水圧が掛かつてもはみ出し現象を招
かず、この点からも長期使用に耐えものとなる。
また、このＯリングは溝嵌合の安定装着でよいた
め、極めて小径のＯリングでよく、組立て装着等
も容易となる。更に、このＯリングはさら部に配
す構造のため、締付け作業も簡単となる等の実用
的効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示すもので、第１図は
斜面図、第２図は断面図、第３図は使用状態の説
明図、第４図は従来品の一部縦断側面図である。 １……プラグ本体、２……ネジ込み部、３……
さら部、４……フランジ部、６……Ｏリング用
溝、７……Ｏリング。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. コンクリートセグメント本体に埋設のグラウト
   ホールソケツトに螺合するネジ込み部とフランジ
   部をもつてなるグラウトホール用プラグにおい
   て、このネジ込み部の基部に前記グラウトホール
   ソケツトの口縁に設けた内テーパーに対応するテ
   ーパー状さら部を形成すると共に、該さら部のテ
   ーパー中間位置に軸方向に直交となるＯリング用
   溝を環状刻設し、該溝にＯリングを嵌着してなる
   セグメントのグラウトホール用プラグ。