JPH0329112B2 - - Google Patents

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JPH0329112B2
JPH0329112B2 JP58109059A JP10905983A JPH0329112B2 JP H0329112 B2 JPH0329112 B2 JP H0329112B2 JP 58109059 A JP58109059 A JP 58109059A JP 10905983 A JP10905983 A JP 10905983A JP H0329112 B2 JPH0329112 B2 JP H0329112B2
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Japan
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hydrocarbons
cracked
temperature
oil
decomposition
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JP58109059A
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Toshio Okamoto
Michio Ooshima
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Publication date
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Priority to AU29343/84A priority patent/AU2934384A/en
Priority to CA000456733A priority patent/CA1219005A/en
Priority to US06/621,428 priority patent/US4655904A/en
Publication of JPS601138A publication Critical patent/JPS601138A/ja
Publication of JPH0329112B2 publication Critical patent/JPH0329112B2/ja
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C10PETROLEUM, GAS OR COKE INDUSTRIES; TECHNICAL GASES CONTAINING CARBON MONOXIDE; FUELS; LUBRICANTS; PEAT
    • C10GCRACKING HYDROCARBON OILS; PRODUCTION OF LIQUID HYDROCARBON MIXTURES, e.g. BY DESTRUCTIVE HYDROGENATION, OLIGOMERISATION, POLYMERISATION; RECOVERY OF HYDROCARBON OILS FROM OIL-SHALE, OIL-SAND, OR GASES; REFINING MIXTURES MAINLY CONSISTING OF HYDROCARBONS; REFORMING OF NAPHTHA; MINERAL WAXES
    • C10G9/00Thermal non-catalytic cracking, in the absence of hydrogen, of hydrocarbon oils
    • C10G9/34Thermal non-catalytic cracking, in the absence of hydrogen, of hydrocarbon oils by direct contact with inert preheated fluids, e.g. with molten metals or salts
    • C10G9/36Thermal non-catalytic cracking, in the absence of hydrogen, of hydrocarbon oils by direct contact with inert preheated fluids, e.g. with molten metals or salts with heated gases or vapours
    • C10G9/38Thermal non-catalytic cracking, in the absence of hydrogen, of hydrocarbon oils by direct contact with inert preheated fluids, e.g. with molten metals or salts with heated gases or vapours produced by partial combustion of the material to be cracked or by combustion of another hydrocarbon

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  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Production Of Liquid Hydrocarbon Mixture For Refining Petroleum (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は、炭化水素を熱分解して、オレフイン
及び芳香族炭化水素(以下BTXと略す)を選択
的に製造する方法に関する。更に詳しくは、本発
明は、炭化水素をスチームの存在下に、酸素によ
り燃焼して、スチームを含む高温ガスを生成して
熱分解用熱源とし、このスチームを含む高温ガス
中に、炭化水素をその分解特性にふさわしい分解
条件を有する位置から、供給して熱分解し、オレ
フイン及びBTXを高収率かつ高選択性で得る方
法に関する。 従来、エタン、プロパンをはじめとする軽質の
ガス状炭化水素、及びナフサ、灯軽油等の液状炭
化水素をオレフインに転換する方法として、スチ
ームクラツキングと呼称される管式熱分解法が用
いられている事は、周知の通りである。この方法
では、反応に必要な熱は、外部から管壁を通して
供給されるため、伝熱速度及び反応温度に限界が
あり、通常850℃以下、滞留時間0.1〜0.5秒の反
応条件が採用されている。又、分解苛酷度を上げ
て、より短滞留時間の分解を行うべく、細径管を
使用する方法も提案されているが、この方法では
内径が小さいため、内壁へのコーキングにより、
有効内径が短時間のうちに減少し、その結果、反
応管での圧力損失が増大して炭化水素の分圧が増
加し、エチレンへの選択性が悪化する。このた
め、デコーキングの間隔をせまくする必要があ
る。この事は、分解炉の稼働率低下と、デコーキ
ングに伴う、ヒートサイクル増加のため、装置の
損傷を招来とするという大きな欠点を伴う。一
方、超高温短時間分解が、仮に可能になつたとし
ても、その苛酷度に応じた短時間での急冷(クエ
ンチング)による反応凍結が困難なため、反応部
で一旦確保されたエチレンの選択性も、クエンチ
ヤーでの急冷能力の不足により、大きく阻害され
る事になる。このような装置及び反応条件の制約
から、使用できる原料は、せいぜい軽油迄に限定
され、残油等の重質炭化水素には適用できない。
これは、高温、長時間の反応では重縮合の副反応
が起こり、コーキングが、激しく発生するととも
に、所望のガス化率(反応帯に供給される炭化水
素の量から、BTXを除くC5炭化水素より重質な
炭化水素を量を差引いたものの、供給原料炭化水
素の量に対する重量比)が達成出来ず、その結果
有用成分の収率も低いためである。また、一度原
料が選定されると、その単一原料と製品の要求に
応じて、基本的に固有の分解条件と固有の装置
が、必要となる。このため、原料及び、製品の選
択性が乏しく、融通性に欠けるという難点があ
る。 例えば、現在の代表的なナフサの管式分解炉で
は、エチレン生産に主眼が置かれているため、併
産するプロピレン、C4留分及びBTX等、他の基
礎化学品を、需給バランスに応じた製品収率に任
意に変動させる事は困難である。これは、一方で
は、他の代替原料(例えば、重質炭化水素)の高
苛酷度分解により高収率で得られるエチレンの選
択性をナフサ原料により確保しようとするため、
ナフサが本来有するプロピレン、ブタジエン等
C4留分、BTX製品の大きなポテンシアリテイを
犠牲にしている事がわかる。エチレン収率を増加
しようとすれば、プロピレン、C4留分収率は、
逆に不可避的に減少するというのが熱分解反応の
宿命的現実である。 このような原料及び製品両面からの制約を緩和
する方法として、幾つかの方法が提案されてい
る。その第一の方法は、原油等の液状炭化水素を
燃料として、高温ガスを生成し、これにより、炭
化水素を5〜70バールの加圧下、反応温度1315〜
1375℃、滞留時間3〜10ミリ秒で熱分解する方法
である。この方法では、高温ガスの燃焼帯から反
応帯内に向けて、CO2、N2等のイナートガスを
フイルム状に供給する事により、コーキグの抑制
をはかり、残油のような重質油の分解をも可能に
している。 第二の方法は、水素を一部燃焼して高温の水素
ガスをつくり、水素雰囲気下、反応温度800〜
1800℃、滞留時間1〜10ミリ秒、圧力7〜70バー
ルの加圧下で、重質油を含む各種炭化水素から、
オレフインを製造する方法である。水素大過剰の
雰囲気下で、熱分解を行う事により急速加熱、超
短滞留時間の分解及びコーキングの抑制を行う事
により、重質油の分解をも可能にしているが、水
素のリサイクル及び分離動力、メークアツプ、及
び予熱等のエネルギーが、過大な経済的負担とな
つている。 いずれにしても、これらの方法は共に、重質炭
化水素からも高収率でオレフインを得るために、
極めて苛酷な反応条件を必要としている。その結
果、製品としてのオレフイン構成が極めて、エチ
レン、アセチレン等C2に偏つており、プロピレ
ン、C4留分及びBTXを同時に高収率で、得るよ
うな操作が困難であるという問題がある。 第三の方法は、反応器を二つにわけ、上流高温
側へは、比較的分子量の小さい、パラフイニツク
な炭化水素を供給して、比較的高苛酷度(分解温
度815℃以上、滞留時間20〜150ミリ秒)で熱分解
して、エチレンの選択性を向上し、次いで、下流
低温側で軽油留分を供給して、低苛酷度、長滞留
時間すなわち分解温度815℃以下、滞留時間150〜
2000ミリ秒で熱分解する事により、コーキングを
抑制している。そのためガス化率を犠牲にしてい
る。その目的は、高温側と同様、エチレンの選択
性向上にある。 この方法では、比較的分解容易な、パラフイニ
ツクな原料を高温部に、一方比較的分解困難な芳
香族に富んだ原料を低温部に、供給するという、
エチレンの選択性を目的とした原料配置となつて
いる。 しかし、低温反応域で、芳香族を含有する原料
を低苛酷度で分解しているため、本来ガス化して
有価な製品として評価され得る成分が燃料として
しか活用されていないという問題がある。以上の
如く、第三の方法では、原料及び製品が意図的に
限定されており、原料の選択及び得られる製品構
成の面で柔軟性に欠けるという問題がある。 本発明者等は、同一の反応器を使用して、軽質
炭化水素から、重質炭化水素に亘る、広範囲の炭
化水素から、コーキングを抑制して、所望のオレ
フイン及びBTXを、選択的にかつ高収率で得ら
れるような炭化水素の熱分解法を開発すべく、鋭
意研究を重ねた結果、炭化水素をスチームの存在
下で、酸素より燃焼し、生成するスチームを含む
高温ガス流中に、任意の炭化水素を、原料炭化水
素として、要求される製品の選択性及び原料炭化
水素の特性を考慮して、それに応じた分解条件位
置に、供給して熱分解する事により、軽質ガス又
はナフサのような軽質油から、アスフアルトのよ
うな重質油迄、同一反応器で同時に処理出来、し
かも個々の炭化水素を従来のように単独で、熱分
解した場合よりも、オレフイン及びBTXを高収
率かつ高選択性をもつて生産できる事を見出し、
この知見に基いて、本発明をなすに至つたもので
ある。 すなわち、本発明は、炭化水素を熱分解してオ
レフイン及び芳香炭化水素を製造する方法におい
て、スチームの存在下に、炭化水素を酸素により
燃焼させ、1300〜3000℃のスチームを含む高温ガ
スを生成せしめ、この高温ガス中に沸点が350℃
以上の炭化水素を含有する重質炭化水素を供給し
て、1000℃以上、100Kg/cm2g以下、5〜20ミリ
秒の条件で熱分解し、更にその後流に沸点が350
℃以下の炭化水素を含有する軽質炭化水素を、沸
点が低い炭化水素程、後流低温側に供給して、反
応器出口温度650℃以上、100Kg/cm2g以下、5〜
1000ミリ秒の条件で熱分解し、反応生成物を急冷
する事を特徴とする、炭化水素から、オレフイン
及び芳香族炭化水素を選択的に製造するための熱
分解法を提供するものである。 以下に、本発明による熱分解法について詳細に
説明する。まず本発明によれば、反応に必要な熱
は、炭化水素をスチームの存在下に、酸素により
燃焼して、発生した高温ガスにより供給され、し
かも内部加熱により供給されるので、外部加熱で
は、達成できないような高温度が容易に得られ、
しかも無駄のない熱の利用が行える。このような
炭化水素の燃焼による内熱式加熱は、従来からも
提案されているが、一般には燃料として用いられ
る炭素水素は、ガス状炭化水素や、灯軽油等のク
リーンオイルが中心である。また、重質油を燃料
として使う方法も提案されているが、燃焼した場
合、コーキング及びスーテイングを生じやすく、
前述したように、大量のCO2、N2等のイナート
ガスの循環が必要となる。本発明では、燃焼を後
流反応器で必要となるスチームも含めて、燃料炭
化水素に対して1〜20(重量比)の多量のスチー
ムの存在下で行う事により、燃焼条件の緩和とス
チームによる固体炭素のリフオーミング効果によ
り、コーキング及びスーテイングを抑制できる。
その結果、軽質ガス又はナフサ等の軽質炭化水素
から、分解油、アスフアルト等の重質炭化水素
迄、任意の炭化水素を燃料として選択できる。ま
た、水素、一酸化炭素等を燃料として用いる事も
できる。 次に、燃焼のための酸素の供給量は、理論当量
以上でも以下でもよいが、酸素の供給量があまり
過剰になると、後流に位置する反応器での有効成
分の損失になるので好ましくない。一方、酸素を
供給量が、理論当量以下の場合には、炭化水素の
燃焼時に生成した水素により、重質炭化水素に相
対的に不足している水素が補給されるため、ガス
化率及び、オレフイン収率が増加すると共に、コ
ーキングが抑制される利点がある。また、燃料の
部分酸化により、メタノール等製造用の合成ガス
を副生品として得る事ができるという有利な場合
もある。 ところで、CO2、N2等の他のガスと異なり加
えられたスチームは、分解ガスの分離精製過程
で、容易に凝縮されて、回収でき精製系の負担の
増加を生じない利点がある。また、本発明に必要
な酸素は、空気からの深冷分離、膜分離、吸着分
離等により得られた、濃度の高い酸素を用いるの
が、普通であるが、アンモニアプラント等との組
合せにより、空気を用いても有益な場合は、この
限りではない。 高温バーナーガス温度(燃焼器での燃焼ガス温
度)については、系外からのスチーム供給量を減
らして、高温度にして反応器に供給する方が、熱
的には有利であるが、2400℃以上になるとO、
OH等の含酸素ラジカル濃度が増加し、それによ
り後流反応器での有価な製品の損失が大きくな
り、アセチレン、CO等が増加し、原料の均一加
熱が難しく、燃焼器構造の安定性等の面から上限
が存在する。 次に、上記燃焼器にて生成した高温ガス中に、
少くとも沸点が350℃以上の炭化水素を含有する
重質炭化水素を供給して、反応器入口温度1000℃
以上、100Kg/cm2g以下、5〜20ミリ秒の高温・
短滞留時間で熱分解する。このような、沸点が
350℃以上の炭化水素を含有する重質炭化水素の
熱分解においては、急速に原料炭化水素を加熱蒸
発させて、ガス化し、スチームで希釈されたガス
相で、エチレン、プロピレン、ブタジエン等の低
分子量のオレフイン等に分解する事が、高ガス化
率及び、オレフイン、BTXを高収率にて生成さ
せるために重要である。逆に、もし十分な加熱速
度が達成されなければ、液相での重縮合を招来
し、その結果、ガス化率、オレフイン収率、
BTX収率は、極めて不満足なものとなる。本発
明では1300〜3000℃、好ましくは、1400〜2400℃
のスチームを含む高温ガスと原料炭化水素とを、
直接接触させ、1000℃以上の高温にする事によ
り、このような重質炭化水素の熱分解に必要な急
速加熱による熱分解が達成できる。この場合、基
本的に沸点が高く、かつアスフアルテン等の分解
困難な多環芳香族成分の含有率が高い原料程、よ
り高温側に供給される。ここで重質炭化水素の熱
分解は、高ガス化率(例えば、70%以上)を得る
ため、高苛酷度で行う必要があり、その結果、得
られる収率分布は、オレフインの中でもエチレン
含有量の高いものとならざるを得ない。一方、こ
の重質炭化水素の熱分解による吸熱反応のため熱
分解後の反応流体の温度は、若干低下するが、未
だ高い温度を保持している。 この温度は、少くとも沸点が低い軽質炭化水素
ならば、容易に分解できる温度である。従つて、
本発明では、上記重質炭化水素の熱分解後の反応
流体に、沸点が350℃以下の炭化水素を含有する
相対的に軽質な炭化水素を、その沸点範囲(ナフ
サ留分、灯油留分等の種類)、量及び又は熱分解
条件を適切にコントロールするように供給して熱
分解し、最終的に得られる総合的なオレフイン、
及びBTX収率分布を所望の構成に自由に調整す
る事、換言すれば、製品の選択性を達成できると
いう大きな特徴を有する。 このような熱分解条件のコントロールは、原料
の供給位置の変更、全圧、滞留時間、温度の変更
により行われる。更に原料炭化水素、及び製品の
フレキシビリテイの観点から、原料炭化水素の分
解条件を最適にするために、各原料炭化水素の供
給位置の間に、又は原料炭化水素と同時に(原料
炭化水素供給の過程におけるコーキング防止機能
を含む)スチーム、水、水素、メタン、硫化水素
等を供給する場合もある。これはコーキング抑制
にも有利である。なお、部分負荷運転によつて生
じる不利益を補うために同様な処置をとることも
出来る。 ところで、上記でいう沸点が350℃以上の炭化
水素を含有する重質炭化水素とは、例えば、分解
困難な、アスフアルテン等多環芳香族を含有する
常圧残油、減圧残油、重油、シエールオイル、オ
リノコタール、石炭液化油、熱分解油、熱分解残
油及びアスフアルテンは皆無に近いが、レジン、
芳香族等を大量に含有する減圧軽油、溶剤脱歴油
等その他重質原油、石炭等を含む。一方沸点が
350℃以下の炭化水素を含有する軽質炭化水素と
は、例えばLPG、ライトナフサ、ナフサ、灯油、
軽油及び分解ガソリン(C5〜200℃留分で、BTX
を除いたもの)等の各種分解油及び改質油等を含
む。但し、後述の如く、メタン、エタン、プロパ
ン等は、その分解機構が異なるので、軽質パラフ
インガスとして、別途区別して操作条件を適用す
る。 以上の分解特性による分類は、あくまで原則で
あつて、例えば、350℃より高い沸点を有する炭
化水素を含む原料炭化水素でも、軽質原油のよう
に大割合の軽質留分を含み比較的分解容易なパラ
フイン成分に富み、かつ、アスフアルテン含有率
の少いものや、沸点が350℃以上の炭化水素を含
んでいるが、実質的には沸点が350℃以下の炭化
水素の分解特性を有するものが、支配的な原料炭
化水素に対しては、沸点が350℃以下の軽質炭化
水素として取扱う。又、系内の燃料バランス上、
燃料油が必須の場合、その他の特殊な条件が存在
する場合には、原料炭化水素が実質的に、沸点が
350℃より高い炭化水素を含む場合であつても、
沸点が350℃以下の軽質炭化水素と同様の分解条
件で、意図的にガス化率を抑制した分解を行う事
もある。 また、原料炭化水素が、沸点が350℃以下の炭
化水素を含む場合でも、レジン等、分解困難な成
分を比較的多量に含有している場合は、製品の選
択性に対する要求を考慮して、重質炭化水素の分
解条件を採用する事がある。 又、沸点が多少違つても、類似の原料は同一分
解条件となる同一位置から供給するのが、実際的
である。場合によつては、原料炭化水素の制約条
件と製品の要求とを合致させるため、同一分解特
性を有するものでも、異なつた分解条件を適用す
る場合がある。 すなわち、炭化水素は原則として、その分解特
性により決まる最適分解条件で分解される事が、
好ましいが、供給原料炭化水素の制約及び所望製
品構成の要求から、必ずしも、最適分解条件が適
用されない場合もある。本発明の方法では原料炭
化水素を多段に反応器に供給する事により、この
ような要請に対しても、容易に適応できる。ま
た、原料炭化水素の分解特性は、主として、その
沸点により判断されるが、更に詳しくはその原料
炭化水素中のパラフイン、芳香族、アスフアルテ
ン等の含有率により、その供給位置及び分解条件
が、設定される。 なお、原料炭化水素として、沸点350℃以上の
成分を含有する炭化水素が利用できない場合で
も、例えば、ナフサを前述の重質炭化水素の分解
条件で、高温・短滞留時間分解を行つて、エチレ
ンの選択性の高い分解を行うと共に、その後流
に、ナフサ、プロパン等を供給して、マイルドな
分解を行う事により、プロピレンやC4留分、
BTXの選択性を増し、トータルシステムとして
は所望の製品構成を自由に達成する事ができる。 更に、本発明は、熱分解により生成した軽質パ
ラフインガス及び分解油を、その分解特性に応じ
た反応器の位置に供給して、ガス化率を高い水準
にて達成する事(例えば、アスフアルトから60%
以上、ナフサから90%以上)を特徴としている。
従来、このような分解油の同一反応器へのリサイ
クルは、一部提案されているが、原料炭化水素と
同一位置、同一分解条件への供給であり、その結
果、収率向上への寄与は、ほとんど期待できな
い。すぬわち、分解油を、バージン原料と同一位
置に供給した場合、分解しやすいバージン原料が
優先的に分解され、分解油は、単に熱履歴を受け
て、重縮合反応により重質炭化水素に転換する。
しかるに、本発明では、分解油を、それ等を製出
した、最初の原料炭化水素より、高苛酷度の分解
が行われるように、供給位置を、最初の原料炭化
水素の供給位置より高温側に設けて、反応器中に
リサイクルして、再原料化する。なお、この分解
油の供給位置は、その分解特性と、所望の製品構
成により決定される。特に、プロピレン、C4
分及びBTX等の製品の選択性を高めるために、
後流での軽質炭化水素の分解条件は、相対的にマ
イルドとなりその結果、分解油の収率が増加し、
ガス化率が低下する。しかし、この分解油は、こ
の分解油を主として製出した最初の原料炭化水素
の供給位置より高温上流側に供給する事により、
容易に分解して、エチレン、BTX等に転化し全
体として、ガス化率、有用成分収率は増大する。
同時に製品の選択性を確保出来る。従来のナフサ
分解では、15〜20%の分解油(BTXを除く)が
生成しているが、本発明の方法によれば、これら
の燃料として使用されている分解油からも50〜60
%が有用な成分(エチレン、BTX等)として回
収できる。また、エタン、プロパン等の軽質パラ
フインガスは850〜1000℃の反応温度域に、供給
しエチレン、プロピレンを目的として分解され
る。又水素キヤリアガスとしての機能をもかねて
重質炭化水素の上部に供給することもある。一
方、水素及びメタンは、製品ガスとして取出して
も良いし、沸点350℃以上の炭化水素を主成分と
する重質炭化水素の供給位置と同一位置又は、そ
の上部に供給して重質炭化水素に不足している水
素の補給を行うと共に有用成分への転化を行う。
更に、後流にナフサ等の水素含有量の多い軽質炭
化水素を供給する事により、後流では、水素分圧
が増加してくる。その結果、上流の重質炭化水素
の分解により生成したラジカルが水素化され、安
定化される事により、スラツジの生成や、反応
器、及び急冷熱交換器でのコーキングが抑制さ
れ、熱分解残油が安定化される。しかし、原料炭
化水素及び分解条件等によつては、上記水素の効
果だけでは熱分解残油の安定化が不充分な場合も
あり、その場合、別途水素で処理するか、前述の
如く水素を追加供給したり、或いは製品分離・精
製系からの水素、メタン等をリサイクルして熱分
解残油の安定化を行う。 又、重質炭化水素を単独で超苛酷度分解して製
出される炭素質の熱分解残油は、原料又は燃料化
のためのハンドリング(含輸送性)、バーナでの
微粒化が場合によつて不可能であつたが、本発明
によれば、後流低温側での軽質炭化水素のマイル
ドな分解により得られた分解油と、上流高温側で
の熱分解により得られた炭素質の熱分解残油が混
合される事によりハンドリング及びバーナでの微
粒化が非常に容易となつた。軽質炭化水素からの
分解油には、揮発分、水素供与物質が共に豊富な
ため、固体状の熱分解残油は、より安定にスラリ
ー化されると共に、揮発分の増加により、バーナ
での沸騰噴霧が容易となり、微粒化促進による有
効成分への再原料化に有利な条件が整つた。 更に、本発明は、以下の特有な作用効果を奏す
る。すなわち、前述の如く、より分解しやすい
350℃以下の低沸点炭化水素を含む軽質炭化水素
を供給する事により、より重質な炭化水素の熱分
解を達成するために投入された熱量を、軽質炭化
水素の反応吸熱により有効に回収できると共に、
高温上流側からの重質炭化水素の分解ガスを含む
反応流体を、軽質炭化水素の吸熱反応によりすみ
やかに冷却して、過分解による有価な製品の損失
を抑制する事が出来る。 また、本発明では前述のように、分解のために
供給される熱エネルギーを最大限に活用して、炭
化水素の熱分解を行うため、製品に対する燃焼ガ
ス量を著しく低減でき、その結果分解ガスの分離
精製動力を、従来の類似技術に比べて、大きく低
減できる。換言すれば、単位製品あたりの、燃
料、酸素等のユーテイリテイが大幅に低下する。 以上説明したように、本発明は、重質炭化水素
と、軽質炭化水素では、分解特性に著しく差があ
る事に着目し、各々の炭化水素を要求される製品
構成に従つて、その分解特性に最も適した条件で
分解する事を特徴としている。すなわち、常圧残
油、減圧残油等の高沸点重質炭化水素では、オレ
フイン生成反応と競争的に液相での重縮合反応が
生ずるためガス化率及び、オレフイン収率を高め
るためには、液相での滞留時間をできるだけ短く
する必要がある。従つて、高温・超短時間の加熱
による分解が、極めて重要である。しかし、この
ような高温では、生成したプロピレン、C4成分
は、短滞留時間にもかかわらず、更に分解され
て、エチレン化し、製品構成に占めるエチレンの
比率が、極めて高くなる。逆に、プロピレン、
C4成分の選択性を増加させようとすれば、ガス
化率は低下し、その結果、プロピレン、C4成分
は若干増加するが、エチレン収率は著しく低下す
る。従つて、重質炭化水素の分解条件は、主とし
て、エチレンへの選択性を高める条件で分解する
事が望ましい。 一方、ナフサのような軽質炭化水素では、容易
にガス化し、気相でのアセチレン、エチレン、ブ
タジエン等の重縮合又は、原料パラフイン等の環
化脱水素反応によりBTX及び分解油が生成する。
従つて、重質炭化水素に比べて、加熱速度等の影
響は小さく、反応条件も比較的幅広く考える事が
できる。例えば、高温分解では、パラフイン鎖の
クラツキングによる、低級オレフインの生成が主
となり、その結果、環化脱水素反応によるBTX
及び分解油の収率は低下する。また、気相低級オ
レフイン及びアセチレンの重縮合によるBTXの
生成は、滞留時間を長くする事により、増加する
が、短滞留時間では、BTXの収率は低下してく
る。また、低級オレフインに占めるプロピレン、
C4成分の割合は、高苛酷度(高温長滞留時間)
分解程、エチレンへの分解が生じるため、低下し
エチレンへの選択性が増大する。一方、軽質炭化
水素の場合は低温下での分解でも、重質炭化水素
の場合とは異なり、高いガス化率が得られる。し
かもその製品構成は、プロピレン、C4成分の比
率が増大すると共に、これらの分解による相対的
に価値の低いメタンの生成が減少し、有価なC2
〜C4の合計のオレフイン収率は逆に増加する。 また、低温分解では、相対的に環化脱水素反応
によるBTX及び分解油の収率が増加する。この
分解油収率の増加は、そのままでは、ガス化率の
低下をもたらすが、本発明では、分解油の生成条
件よりも、高温側へ供給する事により、エチレ
ン、BTX等に転化し、全体として通常の高温で
の一段分解に比べて、ガス化率、有用成分収率、
選択性を向上できる。 本発明は、上記軽質炭化水素と重質炭化水素の
分解特性に着目し重質炭化水素は、高温・高苛酷
度分解により、高いガス化率及びオレフイン収率
(主としてエチレン)が得られるように分解し、
次に、軽質炭化水素を、C3、C4オレフイン及び
BTXが高い選択性で得られるように、低温・長
滞留時間で分解して、所望の製品構成に調整する
事を特徴としている。しかも、このC3、C4オレ
フイン及びBTXへの選択性が高い分解条件は、
前述したように、比較的低温のため、重質炭化水
素の熱分解のために、反応器に投入された過剰熱
量の有効利用という形で、容易に得られる。更
に、原料炭化水素の分解により生成した分解油
を、その原料炭化水素より、高温の反応条件で分
解する事により、従来燃料としてしか評価されて
いない成分を有価なBTX成分やエチレンに転化
できる。例えば、アントラセン等の縮合芳香環も
高温分解により、メタン、エチレン、BTX等に
なり高い有価成分への転化率が達成できる。この
効果は、特に水素分圧が高い程著しい。 このように、本発明は、原料炭化水素を有効に
活用するため、原料炭化水素をその分解特性に応
じて、多段に反応器に供給し、高温側では高苛酷
度分解により、高ガス化率及び高エチレン収率を
達成し、次にこの後流で、C3、C4オレフイン及
びBTXへの選択性が高くなるように炭化水素を
分解して、高温側での高苛酷度分解によつて得ら
れたエチレン主体の分解ガスと低温側で得られた
C3、C4オレフイン及びBTX成分の含有率の高い
分解ガスとに調整し、所望の製品構成を選択的に
得る事を特徴としている。従つて、前述のように
必ずしも沸点350℃以上の重質炭化水素をバージ
ン原料として供給する必要はなく、例えば、ナフ
サ、灯油等を、上流で高温分解し、エチレンに富
んだ分解ガスとし、後流で、LPG、ナフサ等C3
C4オレフイン及びBTXへの高いポテンシヤルを
もつ炭化水素を、C3、C4オレフイン及びBTXの
選択性が高い条件で分解して、製品構成を調整す
る事もできる。 従つて本発明の技術思想に従えば、ナフサのよ
うな単一原料を二分して高温分解と低温分解をし
てもよいし、バージンナフサを全量低温分解し、
生成分解油を上記の目的に合うように高温で分解
する事も出来る。逆に減圧軽油のように沸点が
350℃以上の成分で構成される重質炭化水素でも、
C3、C4成分、及びBTXへの選択性が高い原料
を、高温及び低温分解する事も本発明の技術思想
に合致するものである。以上のような組合せは、
具体的には、原料炭化水素の入手性を需給動向に
基ずく製品構成とにより決定される。 特に重質炭化水素は、高いガス化率を得るため
には、高温従つて高いエネルギ投入量を必要と
し、しかも製品構成が極めてエチレンに偏倚して
いるため製品のフレキシビリテイに欠けるという
問題があつた。本発明によれば、製品当りのエネ
ルギ投入量の低下と、製品構成面の多様化が達成
出来、これ等重質原料炭化水素も有効に活用出来
る。 次に、本発明の方法を実施態様例により、詳細
に説明する。第1図は、本発明の方法を工業的に
適用した場合の一実施態様例の例示図である。こ
れは、単に説明のためであつて何ら本発明を制限
するものではない。第1図において、まず、燃料
炭化水素1を所定の圧力まで加圧し、燃焼帯2に
供給する。更に燃焼帯2には酸素製造装置3か
ら、酸素4が供給され、予め加熱されて、ライン
5から供給されるスチームの存在下で、燃料炭化
水素1を燃焼し、1300〜3000℃の高温燃焼ガス流
6をつくる。スチームは単独でも、あるいは酸素
4や燃料1と混合して供給したり、燃焼帯2の器
壁の保護及びコーキング抑制のために、器壁に沿
つて供給する方法がある。燃焼帯2から出た高温
燃焼ガス流6は、次に反応帯8に入る。反応帯8
には、まず、沸点が350℃以上の炭化水素を主成
分とするバージン重質炭化水素7が供給され、前
述の高温燃焼ガス流6と直接接触して混合し、急
速に加熱され分解する。その結果、オレフイン
(特にエチレン)を大割合に含有する高温反応流
体9が生成する。次にこの高温反応流体9は、反
応器に順次供給される高沸点分解油(沸点200〜
530℃)10、分解ガソリン(C5〜200℃)11、
エタン、プロパン、ブタン等の軽質パラフインガ
ス12及び、沸点350℃以下のバージン軽質炭化
水素13と接触しながら、これらの炭化水素を順
次熱分解する。同時に、高温反応流体9は、冷却
され、初期に燃焼帯2に投入された熱量が、有効
に前記炭化水素の熱分解の反応熱として利用され
る。次に、反応帯8から出た反応流体14は、急
冷装置15に入り、急冷されると共に熱回収され
る。該急冷装置15としては、例えば管内外の二
流体間で熱交換する間接急冷熱交換器等がある。
急冷装置15を出た、反応流体16は次に、ガソ
リン分留塔17に入り、分解ガス及びスチーム2
1と分解残油(200℃+)19とに分離される。
ここで回収された分解残油19は、蒸留装置32
により高沸点分解油10と燃料油(530℃+)2
0に分離され、高沸点分解油10は、バージン重
質炭化水素7の供給位置の後流にリサイクルされ
て、再び分解される。一方、燃料油20は、プロ
セススチーム等の熱源又は、燃焼帯2への供給燃
料1として用いられる。分解ガス及びスチーム2
1は、更に、高温分離系22により分解ガス2
6、プロセス水23、BTX24及び、BTX24
を分離した後の分解ガソリン25に分離される。
分解ガス26は、更に酸性ガス分離装置27によ
り、CO2及びH2S34を除去後、ライン28をへ
て、製品分離精製装置29に導入される。該製品
分離精製装置29では、水素及びメタン30、エ
チレン、プロピレン、ブタジエン等のオレフイン
18、エタン、プロパン、ブタン等の軽質パラフ
インガス12及び、C5より重質の成分31に分
離される。このうち、水素及びメタン30は、製
品又は燃料33として抜き出すか、又は反応帯8
の上部の重質炭化水素7の供給位置か、その上部
に、軽質パラフインガス12は、中間の温度域
850〜1000℃の領域にエチレン、プロピレン等を
高収率でうるか、重質炭化水素への水素供与ガス
の機能もかねて、メタンと混合して又C5より重
質の成分31は、BTX24を分離後高温分離系
22からの分解ガソリン25と共に、ライン11
より高沸点分解油10と軽質炭化水素13の供給
位置の間にリサイクルされて、更に分解される。 ここで、用いられる燃料炭化水素1には特に制
限はなく、例えば上記分解残油の他に、軽質炭化
水素ガス、ナフサ、灯軽油等の軽質炭化水素から
常圧残油、減圧残油、重油、シエールオイル、ビ
チユーメン、石炭液化油、石炭等の重質炭化水
素、各種分解油及び非炭化水素のCO、H2等プロ
セスに応じて幅広く選択できる。しかし、基本的
には、有価製品への転換が相対的に困難なもの、
価値が低いものを優先的に燃料として使用する事
が好ましい。 また、沸点が350℃以上の炭化水素を主成分と
するバージン重質炭化水素7の例としては、減圧
軽油、常圧残油、減圧残油等の石油系炭化水素、
シエールオイル、ビチユーメン、石炭液化油、石
炭等基本的に制約がない。一方、軽質炭化水素1
3の例としては、LPG、ナフサ、灯油、軽油、
パラフイニツク原油、パラフイニツク常圧残油等
が使用される。 また、分解油をリサイクルする供給位置は、バ
ージン原料炭化水素、分解油性状、製品構成の要
求等により最終的には決定され、例えばバージン
原料重質炭化水素7として、常圧残油を用いた場
合には、高沸点分解油10はバージン重質炭化水
素7の上流に供給する事が好ましい。また、バー
ジン重質炭化水素7として減圧残油を用いた場合
には、バージン重質炭化水素7の供給位置の後流
に供給される。 また、高沸点分解油を更に分離して、例えば
200℃〜350℃留分と350℃〜530℃留分とにわけ
て、供給しても良い。 以上第1図には、沸点が350℃以上の炭化水素
を主成分とする重質炭化水素と、沸点が350℃以
下の炭化水素を主成分とする軽質炭化水素を原料
として供給する場合の実施態様例を示したが、前
述のように沸点が350℃以上の成分を含む重質炭
化水素を原料として供給することなく、例えば、
原料としてナフサのみを用いた場合でも、第1図
のバージン重質炭化水素7の供給削除する事によ
り、同様の効果を発揮する事ができるし、バージ
ン原料重質炭化水素7の代わりに、ナフサを供給
し、分解油をその上流にリサイクルする事もでき
る。 以上、詳細に説明したように、本発明は従来技
術を凌駕する以下の特徴を有する。すなわち、炭
化水素をスチームの共存下で、酸素により燃焼
し、反応に必要な熱を供給すると共に、反応器内
に、沸点350℃以上の炭化水素を含有する重質炭
化水素をまず供給して、該炭化水素を熱分解し、
更に、その後流に沸点350℃以下の炭化水素を含
有する軽質炭化水素を供給して同じく熱分解する
ことにより以下の効果を奏する。 (1) 任意の重質炭化水素、任意の軽質炭化水素、
及びそれ等の分解油を分解特性に最も適した条
件で熱分解する事が出来、その結果高ガス化率
の下、高収率にて、任意の比率で、エチレン、
プロピレン、C4留分及びBTX等を得る事が出
来る。 (2) 生成した分解油、及びオレフイン以外の分解
ガスでもその性状に応じた分解条件に合わせて
供給分解する事により、有効活用される。その
結果、従来燃料としてしか利用出来なかつた分
解油も、BTX及びオレフイン等の有用成分に
転換出来る。 (3) 重質炭化水素の熱分解では、ガス化率を最大
限にあげるため、高温・短滞留時間で高苛酷度
分解をする必要がある。その結果として高いオ
レフイン収率が期待出来る。しかし一方では、
製品当りのエネルギ原単位の増加と、オレフイ
ン収率に占めるエチレンの比率が高くなるとい
う問題がある。本発明によれば、製品構成の柔
軟性を上げるために後流で分解される軽質炭化
水素の反応熱として、高温分解部に供給された
エネルギが有効に活用出来る。 このため、全体としては製品構成の柔軟性が
増加すると共に製品当りのエネルギ原単位も大
幅に低減出来る。 (4) 製品あたりの燃料、酸素等のユーテイリテイ
ーが大幅に減少し、その結果、燃焼ガス量も大
幅に低下し、分解ガスの分離・精製コストを著
しく低減出来る。 (5) 軽質炭化水素の熱分解により生成する水素メ
タン等により、上流で、重質炭化水素の熱分解
により生成したラジカルが安定化され、スラツ
ジの生成や、反応器及び急冷熱交換器でのコー
キングを抑制できる。更に、コーキング物質が
軽質炭化水素の分解ガスにより希釈される効果
も効果的に加算されて、間接急冷熱交換器によ
る熱回収が容易に出来る。 (6) 分解容易な軽質炭化水素の分解により、上流
高温ガスは、効果的に急冷される。 (7) 通常燃料として使用される水素及びメタンを
本発明では、重質炭化水素の熱分解に活用する
事により、重質炭化水素に不足している水素が
補給され、重質炭化水素のガス化率、オレフイ
ン収率が増加する。 実施例 1 以下、実施例について述べるが、これらは、単
に説明のためであつて、何ら本発明を制限するも
のではない。本実施例は、燃料として、中東系の
減圧残油(比重1.02、S分4.3%、流動点40℃)
を使用し、まず反応器の上方に設けられた燃焼器
で、500℃以上に予熱したスチームを周囲から吹
き込みながら、上記減圧残油を酸素にて燃焼し、
スチームを含む高温ガスを発生させた。更に、こ
の高温ガスは、燃焼器の直下部に設けられた反応
器に入り、反応器側壁に設置された複数のバーナ
ーから供給される原料炭化水素と均一に混合さ
れ、該原料炭化水素を熱分解した後、反応生成物
を水にて、外部から間接的に冷却し、反応生成物
の組成を測定した。反応器側壁には、任意の原料
炭化水素に対して、任意の分解条件を達成できる
ように反応流体の流れ方向に、多数のノズルを設
置し、供給原料炭化水素又は分解油の性状の差に
より、これらの供給位置を変更して試験を行つ
た。 また、滞留時間は、反応器の容積と反応条件よ
り計算により求めた。 第一表は、原料炭化水素として、中東系ナフサ
(沸点範囲40〜180℃)を用いて、圧力10バールで
分解した場合の分解条件と製品収率の関係を示し
たものである。
【表】 第一表において、比較例1は、従来用いられて
いる管式分解炉により、ナフサを分解した時の最
も平均的な収率を示したものである。また比較例
2及び実施例1は、当該反応装置で、ナフサの分
解により得られた分解ガソリン及び、分解残油を
反応装置にリサイクルし、原料ナフサと共に分解
した結果である。比較例2は、分解ガソリン及び
分解残油を、原料ナフサの供給位置と略同一位置
にリサイクルして分解した場合であり、実施例1
は、分解残油、分解ガソリン、ナフサの順に供給
位置をかえて分解した場合である。また、分解ガ
ソリン及び分解残油のリサイクル量はそれぞれ
0.148Kg/Kg原料ナフサ及び0.044Kg/Kg原料ナフ
サであつた。反応器出口温度は、比較例2及び実
施例1とも750〜800℃であつた。また、実施例1
での分解残油及び分解ガソリンの分解温度は、分
解残油が1400℃前後、分解ガソリンが1300℃前後
で、いずれも反応器に供給してから、次の炭化水
素が供給する迄の滞留時間は約5ミリ秒で行つ
た。実施例1より、明らかなように分解油及び分
解ガソリンを原料ナフサより苛酷な条件で分解す
る事により、比較例2に示される、原料ナフサと
同一条件で分解する場合に比べて、C3及びC4
分の収率を維持しながら、エチレン収率を増加さ
せると共に、高いガス化率を達成できる事がわか
る。また、実施例1を比較例1と比較するとCH4
の生成が抑制され、C3、C4成分及びBTX収率が
増加し、しかも全体として、ガス化率も著しく改
善される。一方単に、原料ナフサと同一分解条件
にリサイクルした場合(比較例2)では、ガス化
率及びBTX収率は若干増加するが、分解ガソリ
ンは、主としてより重質な取扱いにくい、重質な
分解残油に変化している。 実施例 次に第二表は、原料として、実施例1において
燃料に用いているのと同一の減圧残油を重質炭化
水素とし、実施例で使用したナフサを軽質炭化
水素として使用し、実施例と同一の装置により
熱分解した結果を示すものである。
【表】
【表】 第二表において比較例3は、減圧残油のみを、
初期温度1150℃付近で、分解した場合の熱分解結
果を示したものである。この時、反応器出口温度
は、1060〜1070℃の高温であるため、水を反応器
内に直接吹き込んで急冷し、反応生成物の組成を
測定した。実施例2は、水を吹き込むかわりに、
ナフサをその分解条件が実施例1に略等しくなる
ように供給して、分解した時の熱分解結果を示し
たものである。このように減圧残油を熱分解した
後の高温ガスを利用して、原料減圧残油に匹敵す
る量のナフサが分解でき、その結果、製品構成が
著しく改善される事がわかる。一方、減圧残油を
単独に、初期温度950℃で分解した場合には、そ
のガス化率は30wt%と、比較例3に示す高温分
解の約50%に比べて著しく低下した。以上の結果
より、重質炭化炭素から高いガス化率を得るため
には、1000℃以上の高温で、分解する必要があ
り、その結果、重質炭化炭水の分解後のガスは、
かなり高温で存在するが、ナフサのような軽質炭
化水素を供給して、容易に熱分解でき、その結
果、燃料投入量に対する製品収率が、比較例3に
比べて、著しく増加する事がわかる。又、スチー
ム/原料炭化水素(Kg/Kg)も、比較例3の2.2
が実施例2に示すように1.3迄低下する。実施例
3は、実施例2で生成した分解残油を蒸留により
分離し、530℃以下の留分を高沸点分解油として、
原料減圧残油の供給後約10ミリ秒の位置に、更に
それから約5ミリ秒後に分解ガソリンを供給し、
更にその5ミリ秒後にナフサを供給して熱分解し
たものである。なお、この時は、分解残油の内
530℃以上の留分を、減圧残油のかわりに燃料と
して使用した。高沸点分解油の分解温度は、約
1080℃、分解ガソリンの分解温度は約1050℃で、
ナフサの分解条件は、実施例1と略同一であつ
た。分解ガソリン及び高沸点分解油をリサイクル
する事により、エチレン収率及びBTX収率が、
更に増加する事がわかる。 以上、詳細に説明したように、本発明を有効な
らしめる範囲は、次の通りである。 まず反応器へ供給される炭化水素は、軽質炭化
水素から重質炭化水素まで、幅広く選択できる
が、少くとも、二段以上の多段に反応器に供給さ
れる必要がある。特に、その炭化水素が沸点350
℃以上の重質炭化水素を含む場合には、少くと
も、分解の初期温度が1000℃以上である事が好ま
しい。分解初期温度が1000℃以下であると、この
ような重質炭化水素では、ガス化率が著しく低下
し、重質な分解残油が増加し、このような重質炭
化水素を原料とする利点が大幅に失われる。また
反応器出口温度は、少くとも650℃以上ある事が
好ましい。反応器出口温度が650℃より低下する
と、ガス成分への分解速度が著しく低下すると共
に、コーキングが進行し、高いガス化率を得る事
が困難になる。 次に滞留時間であるが、高温部に供給される原
料程、短い滞留時間で良く、1000℃以上で、重質
原料炭化水素を分解する場合には5〜20ミリ秒が
好ましい。即ち、上記反応条件では、反応は20ミ
リ秒内にほゞ完了し、これ以上の反応時間の増加
は、オレフインの分解によるオレフイン収率の低
下、熱損失による有効利用熱量の低下をもたら
す。一方、5ミリ秒以下では、ガス化率の達成が
不十分となる。しかし、入口温度が極めて高い条
件及び、分解油等のように量が比較的少ない場合
には、5ミリ秒以下の滞留時間でも十分な分解性
能が得られる。一方、軽質炭化水素の後流での熱
分解に要する滞留時間は5〜1000ミリ秒の条件で
行う事が好ましい。すなわち、5ミリ秒以下で
は、分解収率が不十分であり、逆に1000ミリ秒以
上では生成したオレフインの過分解により収率の
低下が起るためである。なお、最適滞留時間は、
原料、温度、圧力、製品構成により決まり、高
温、高圧程上記範囲内で短滞留時間の分解を行う
事が好ましい。 反応圧力は、供給原料、反応条件、反応器以降
での分解ガスの処理条件等により決定される。す
なわち、分解条件が高温になる程アセチレンの生
成が増大するが、このアセチレンの生成はより有
用なエチレンの生成より大きな吸熱反応であるた
め、所望のエチレン系オレフイン製品当りのエネ
ルギ投入量の増加をもたらす。従つてアセチレン
の生成を抑制するため、反応圧力を増加する必要
がある。一方反応圧力の増加は、炭化水素分圧の
増加を招来し、その結果、コーキングが促進され
る。従つて反応圧力を増加させると共に、滞留時
間を短かくしてコーキングの抑制をはかる必要が
ある。反応圧力は、又分解ガスの処理条件とも関
連があり、通常のオレフインブラントとして運転
される場合は、分離精製系の圧力である30〜40
Kg/cm2gを念頭に上記原料、及び分解条件等を考
慮して最終的に決められるが、一方燃焼帯で部分
燃焼を行い、合成ガスを併産するような場合に
は、合成ガスの用途をも念頭において反応圧力を
決める。従つてオレフインブラントとして操作す
る場合は、50Kg/cm2g以下、合成ガスを併産する
場合には、その主要な用途の一つであるメタノー
ルの合成条件から考え100Kg/cm2g以下で分解す
る事が好ましい。一方反応圧力が2Kg/cm2g以下
では、高温分解部でのアセチレンの生成が、顕著
になるので、少くとも2Kg/cm2g以上で分解する
事が好ましい。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施態様例の例示図である。 2……燃焼帯、8……反応帯、15……急冷装
置、17……ガソリン分留塔、22……高温分離
系、27……酸性ガス分離装置、29……製品分
離精製装置、32……蒸留装置。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 炭化水素を熱分解して、オレフイン及び芳香
    族炭化水素を選択的に製造する方法において、ス
    チームの存在下に、炭化水素を酸素により燃焼さ
    せ、1300〜3000℃のスチームを含む高温ガスを生
    成せしめ、この高温ガス中に、沸点が、350℃以
    上の炭化水素を含有する重質炭化水素を供給し
    て、1000℃以上、100Kg/cm2g以下、5〜20ミリ
    秒の条件で熱分解し、更に、その後流に、沸点が
    350℃以下の炭化水素を含有する軽質炭化水素を、
    沸点が低い炭化水素程、後流の低温側に供給し
    て、反応器出口温度650℃以上、100Kg/cm2g以
    下、5〜1000ミリ秒の条件で熱分解し、反応生成
    物を急冷する事を特徴とする炭化水素から、オレ
    フイン及び芳香族炭化水素を選択的に製造するた
    めの熱分解法。
JP58109059A 1983-06-07 1983-06-17 炭化水素からオレフイン、および芳香族炭化水素を選択的に製造するための熱分解法 Granted JPS601138A (ja)

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