JPH03290083A - ベーンポンプ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 この発明は、流体の吐出圧とばねの弾性とを利用してベ
ーンをカムリングの摺動面に密着させるようにしたベー
ンポンプに関する。

従来技術 ベーンポンプは、他のポンプに比して、各部材に高い加
工精度が要求されるものの、吐出圧の脈動が少なく、小
形軽量化が容易であり、また、長期使用に対しても最高
吐出圧の低下が少ない等の利点があり、小形の高性能ポ
ンプとして盛んに利用されている。

従来のベーンポンプは、ベアリングによって回動自在に
支持されるとともに外周部に複数のロータ溝を有するロ
ータと、ロータ溝に出入り自在に収納したベーンと、内
側の摺動面によってベーンの先端をガイドするカムリン
グと、カムリングの両面に取り付けるブシュと、これら
の部材を内装するケーシングとを主要構成部材としてな
る。ロータの外周部と摺動面との間のリング状の偏心し
た隙間は、隣接する２個のベーンとブシュとに囲まれて
ポンプ室を形成している。したがって、このポンプ室は
、ロータの回転とともに移動しながら拡大と縮小とを繰
り返し、吸込口から吸い込んだ流体を加圧して吐出口か
ら吐出することができる。この際、高い吐出圧を得たい
ときには、ベーンの先端を摺動面に密着させて両者の接
触圧を高くし、ポンプ室の密閉性を高める必要があるが
、これには、吐出側とベーンの底部とを連通ずる連通路
を形成し、流体の吐出圧をベーンの底部に導いて、吐出
圧に応じた接触圧を実現できるようにするのが一般的で
ある。また、主要部材は、高い加工精度に仕上げた金属
材料によって構成するのが普通である。

発明が解決しようとする課題 而して、かかる従来技術によるときは、ベーンの先端と
カムリングの摺動面との接触圧は、流体の吐出圧のみを
利用したものであり、内部の流体の圧力分布に大きく依
存するものであるから、たとえば、吸込側の流路抵抗が
大きい場合には、吸込側の圧力低下による気泡がベーン
に絡んでチャタリングを発生し、有害な騒音や振動を発
生するとともに、ベーンの先端と摺動面との接触部から
流体の内部漏れが生じて、所定の吐出量や吐出圧を実現
することができなくなるという問題があった。

そこで、この発明の目的は、かかる従来技術の実情に鑑
み、ベーンの先端をカムリングの摺動面に付勢するばね
を備えることにより、騒音や振動を抑え、ベーンと摺動
面との接触部からの内部漏れを有効に防止して、常に所
定の吐出量や吐出圧を実現することのできるベーンポン
プを提供することにある。

課題を解決するための手段 かかる目的を達成するためのこの発明の構成は、ケーシ
ングに内装されたカムリングと、出入り自在のベーンを
外周部に収納したロータとによってポンプ室を形成し、
流体の吐出圧をベーンの底部に導く連通路を形成すると
ともに、ベーンをカムリングの摺動面に付勢するばねを
備えることをその要旨とする。

カムリングは、ポンプ室に対して摺動面のほぼ接線方向
から流体を送り込む吸込路と、ポンプ室からの流体をほ
ぼ接線方向に送り出す吐出路とを有するようにしてもよ
い。

ケーシングは、吸込路に滑らかに連続する吸込室と、吐
出路に滑らかに連続する吐出室とを備え、吸込室と吸込
路と吐出路と吐出室とは、ロータの軸方向に同一位置に
配置することができる。

また、ロータは、ハウジングを介してマグネットカップ
リングにより駆動してもよい。

なお、ロータは、カムリングを両側から挾み込む一対の
ベアリングによって回転自在に支持し、カムリングとヘ
アリングとベーンとの少なくとも１は、エンジニアリン
グプラスチックスによって形成してもよい。

作用 而して、この構成によるときは、ベーンは、吐出圧を利
用する外に、ばねによって機械的に摺動面に付勢されて
いるから、気泡の発生等により流体の圧力分布が変動し
たとしても、常に一定以上の接触圧を維持して摺動面と
の密着を確実なものとすることができ、したがって、ベ
ーンのチャタリング等の発生を防止して、接触部からの
流体の内部漏れを有効に防ぐことができる。

流体が、ポンプ室に対してほぼ接線方向に流入、流出す
るようにし、また、吸込路と吐出路とに滑らかに連続す
る吸込室と吐出室とをケーシングに形成し、さらに、こ
れらをロータの軸方向に同一位置に配置するときは、吸
込口から吐出口に至る流体の流れがほぼ二次元的に規制
されるから、流体の流れに無理がなく、したがって、流
体の流路抵抗を小さくして、不要な圧力損失を最少にす
ることができる。

ケーシングを介して、マグネットカップリングによりロ
ータを駆動するときは、ロータを駆動するための駆動軸
がケーシングを貫通する場合と異なり、ケーシングを静
的に閉じることができるので、ケーシングの密閉性が低
下するおそれがない。

カムリング、ベアリング、ベーン等の摺動部材をエンジ
ニアリングプラスチックスで形成するときは、軽量化が
容易であり、また、エンジニアリングプラスチックスの
種類を適当に選択することにより、耐薬品性、耐久性、
高度の洗浄度等の特殊機能を容易に実現することができ
る。

実施例 以下、図面を以って実施例を説明する。

ベーンポンプは、ケーシング１１と、ケーシング１１に
内装するカムリング２１、ベアリング２２．２２、ロー
タ３１、ベーン３２．３２・・・とを備えてなる（第１
図、第２図）。

ケーシング１１は、前面側（第２図の右側をいう、以下
同じ）のフロントカバー１３とともに、連結ポルト１４
ａ１１４ａ・・・、オーリング１２ａを介して後面側（
同図の左側をいう、以下同じ）のハウジング１２に一体
に組み付けられている。

ハウジング１２は、ハツト形に形成され、その鍔部１２
ｂを貫通する固定ポルｔ−１２ｃ、１２ｃ・・・を介し
て、モータＭの環状ブラケットＭ１の端面に取り付けら
れている。

ケーシング１１は、ハウジング１２との連結部に内向き
のフランジｌｌａを有する略円筒状に形成され、その内
周面の左右の上方に吸込室１１ｂと吐出室１１ｃとを有
しく第３図）、両者の側壁１１ｂｌ　、１ｌｃｌは、緩
やかな曲面に形成されている。なお、吸込室１１ｂと吐
出室１１ｃとは、雌ねじを螺刻した吸込口１１ｂ２、吐
出口１１ｃ２を介して外部に開口している。また、フラ
ンジ１１ａの吐出室１１Ｃ側には、フランジｌｌａを貫
通する透孔Ｐ１が形成されている（第４図）。

カムリング２１は、その両側から挾み込む一対のベアリ
ング２２．２２とともにケーシング１１に内装され（第
１図、第２図）、それぞれの上端部に形成した切欠部２
１ａ、２２ａ、２２ａに挿着するノックピン２３を介し
て、ケーシング１１に対し位置決め固定されている。な
お、後面側のベアリング２２とケーシング１１のフラン
ジ１１ａとの間には、切欠部２４ａを有するガスケット
２４か介装され、また、前面側のベアリング２２の段部
２２ｄには、フロントカバー１３との間にオーリング１
３ａが装着されている。

ベアリング２２．２２は、厚肉の環状に形成され、内側
の軸受面２２ｂ、２２ｂと、カムリング２１を挾み込む
側面２２Ｃ１２２Ｃとは、十分に平滑に仕上げであるも
のとする。また、ベアリング２２．２２とガスケット２
４とには、ノ＼ウジング１１の透孔Ｐ１に対応する位置
に、それぞれ透孔Ｐ２　、Ｐ２　、Ｐｇが形成されてい
る（第４図）。

カムリング２１は、はぼ環状に形成され、その外周面２
１ｂに対し、内側の摺動面２１ｃは、下方にいくぶん偏
心して形成されている（第１図、第３図）。すなわち、
カムリング２１は、その直径方向の上部の肉厚をｄｌ、
下部の肉厚をｄ２とすると、ｄｌ　＞ｄ２となるように
形成しであるものとする。カムリング２１の左右には、
カムリング２１を直径方向に貫通して、ケーシング１１
の吸込室１１ｂ、吐出室１１Ｃにそれぞれ連続する吸込
路２１ｄと吐出路２１ｅとか形成されている。

吸込路２１ｄと吐出路２１ｅとは、外側に向けて開拡す
るように形成され（第３図、第５図）、前者と吸込室１
１ｂとの接合部、後者と吐出室１１Ｃとの接合部の形状
は、それぞれほぼ同形に形成されているものとする。ま
た、吸込路２１ｄの下部と、吐出路２１ｅの下部とは、
それぞれ摺動面２１ｃに対し、はぼ接線方向に傾斜する
傾斜面２１ｄ１．２１ｅｌとなっており、前者は吸込室
１１ｂの側壁１１ｂ１に対して滑らかに連続し、後者は
吐出室１１ｃの側壁１１ｃ１に対して滑らかに連続して
いる。

ロータ３１は、ベーン３２．３２・・・ト、従動マグネ
ット３３と、ボルト部材３４とともに一体に組み立てら
れている（第１図、第２図）。ただし、従動マグネット
３３は、ハウジング１２を介して、その外側に対向する
駆動マグネット３５と対をなしてマグネットカップリン
グを形成しているものとする。ロータ３１は、ベアリン
グ２２．２２の軸受面２２ｂ、２２ｂによって回転自在
に支持され、ベアリング２２．２２間には、大径の外周
部３１ａが形成されている（第１図、第３図）。ロータ
３１の軸心ＣＬは、ヘアリング２２．２２、カムリング
２１の外周面２１ｂのそれと一致しており、したがって
、外周部３１ａと摺動面２１ｃとの間には、直径方向の
幅が連続的に変化する環状の隙間が形成されている。ま
た、外周部３１ａには、円周方向を等分するようにして
、ロータ溝３１ｂ、３１ｂ・・・が形成され、ロータ溝
３１ｂ１３１ｂ・・・は、放射状の透孔Ｐ４　、Ｐ４・
・・を介して、ロータ３１を軸心ＣＬ方向に貫通する透
孔Ｐ５に連通している。

ベーン３２．３２・・・は、ロータ溝３１ｂ、３１ｂ・
・・に出入り自在に収納されている。各ベー７３２の内
側には、ベーン３２を摺動面２１ｃに付勢するばね３２
ａが装着されている。なお、ばね３２ａは、１個のベー
ン３２に対して、１以上の任意本数を使用することがで
きる。また、適当なばね定数のばね３２ａを選定するこ
とにより、ベーン３２と摺動面２１ｃとの接触圧を調節
するとよい。ベーン３２．３２・・・の両端面は、ベア
リング２２．２２の側面２２ｃ、２２ｃに摺接するよう
にしてあり、したがって、これらの側面２２ｃ、２２ｃ
と、ロータ３１の外周部３１ａと、摺動面２１ｃと、隣
接する２個のべ一７３２．３２とによって囲まれる隙間
には、ポンプ室Ｒ，Ｒ・・・が形成されている。

なお、ケーシング１１の吸込［：１１　ｌ　ｂ２と吐出
口１１ｃ２との間には、吸込室１１ｂ、吸込路２１（１
、ポンプ室Ｒ，Ｒ・・・、吐出路２１ｅ、吐出室１１ｃ
からなる流体通路が形成されるが、この流体通路は、ロ
ータ３１の軸方向にほぼ同一位置に配置しであるものと
する。

ロータ３１の前面側には切欠溝３１ｄを形成しく第１図
、第２図）、また、後面側には、雌ねし部３１ｃに螺合
するボルト部材３４とワシャ３４ａとを介して、リング
状の従動マグネット３３か取り付けられている。ボルト
部材３４の中心部には、ロータ３１の透孔Ｐ５に連通ず
る透孔Ｐ６が形成されている。

駆動マグネット３５は、ハウジング１２を介して、従動
マグネット３３と磁気的に連結されている。駆動マグネ
ット３５は、取付部材３６を介してモータＭの出力軸Ｍ
２に固定されている。ただし、取付部材３６は、止めね
じ３６ａを出力軸Ｍ２のノツチＭ３に締め付けることに
より固定されている。

なお、ハウジング１１、ベアリング２２．２２、ロータ
３１等にそれぞれ形成した透孔Ｐｉ　、Ｐ２・・・は、
ロータ３１とフロントカバー１３との間の隙間、ボルト
部材３４とハウジング１２との間の隙間を介して互いに
連通しく第４図）、その一端は、吐出室１１ｃの側にお
いて、ロータ３１とカムリング２１との間の隙間に開口
しく第３図）、他端は、ロータ３１内の放射状の透孔Ｐ
４　、Ｐ４・・・を介し、ロータ溝３１ｂ、３，１．ｂ
・・・に開口する。

すなわち、透孔ＰＩ　、Ｐ２・・・は、ロータ３１か回
転するとき、吐出室１１ｃにおける流体の吐出圧をベー
ン３２．３２・・・の底部３２ｂ、３２ｂ・・・に導く
連通路を形成し、このときの吐出圧は、第４図の点線Ｓ
ｌ　、Ｓ２の向きに沿って各ベーン３２の底部３２ｂに
伝達されるものとする。

いま、所定の流体を吸込口１１ｂ２から吸い込んで、吐
出口１１Ｃ２から吐出する場合を考える。

モータＭを回転駆動し、駆動マグネット３５、従動マグ
ネット３３を介してロータ３１を第３図の矢印に方向に
回転すると、ベーン３２．３２・・・は、ばね３２ａ、
３２ａ・・・によって付勢されているから、カムリング
２１の摺動面２１ｃに摺接しながら、ロータ溝３１ｂ、
３１ｂ・・・に出入りする。

したがって、隣接する２個のベーン３２．３２によって
区画されるポンプ室Ｒの容積は、吸込室１１ｂ、吸込路
２１ｄに対応する位置から、吐出路２１ｅ、吐出室１１
ｃに対応する位置に移動する間に、連続的に増加し、減
少する。そこで、吸込口１１ｂ２からの流体は、吸込室
１１ｂと吸込路２１ｄとを経てポンプ室Ｒに送り込まれ
、所定の吐出圧に加圧された上、吐出路２１ｅ、吐出室
１１ｃに吐出されることになり、各ポンプ室Ｒについて
、この動作が連続的に繰り返されるから、全体として滑
らかなポンプ作用を実現することができる。

ここで、吸込室１１ｂと吸込路２１ｄ、吐出路２１ｅと
吐出室１１ｃは、それぞれ滑らかに連続し、しかも、吸
込路２１ｄの傾斜面２１ｄｌ、吐出路２１ｅの傾斜面２
１ｅ１は、カムリング２１の摺動面２１ｃのほぼ接線方
向に形成されているから、吸込室１１ｂから吐出室１１
ｃに至る流体の流れは、極めて円滑である。

一方、ベーン３２．３２・・・は、高圧の吐出圧が、連
通路を介して底部３２ｂ、３２ｂ・・・に加圧されるの
で、その先端は、吐出圧に応じた接触圧で摺動面２１ｃ
に密着される。また、ベーン３２．３２・・・は、ばね
３２　ａ　ｓ　３２　ａ・・・によっても摺動面２１Ｃ
に付勢されているので、内部の流体の圧力分布が大きく
変動して吐出圧による接触圧が十分でないときでも、不
用意に摺動面２１ｃから離れてしまうおそれがない。

なお、カムリング２１、ベアリング２２．２２、ベーン
３２．３２・・・等の摺動部材や、ケーシング１１、ハ
ウジング１２等の構造部材は、その全部または一部のも
のを、たとえば、ＰＰ５（ポリフェニレンサルファイド
）やＰＥＥＫ（ポリエーテルエーテルケトン）等のエン
ジニアリングプラスチックスによって形成することがで
きる。殊に、これらの高級エンジニアリングプラスチッ
クスにより、摺動部材の少なくとも１を形成するときは
、その特性に応じ、耐薬品性、耐久性、耐高温性等の特
殊機能を容易に実現することができる。

この発明に係るベーンポンプは、ばね３２ａ１Ｂ２ａ・
・・により、ベーン３２．３２・・・の作動を確実にし
たので、吸込圧力が負圧となる場合にも安定に動作する
ことができ、ハウジング１２と、駆動マグネット３５、
従動マグネット３３によるマグネットカップリングとに
より、完全な密閉性を実現しているので、たとえば、医
療用の各種吸入ポンプ、透析ポンプ等に好適に使用する
ことができる。

発明の詳細 な説明したように、この発明によれば、流体の吐出圧と
ばねの弾性とを併せ利用してベーンをカムリングの摺動
面に押圧することにより、内部の流体の圧力分布が異常
に変化したとしても、ばねは、ベーンに対し、必要最小
の接触圧を維持することができるので、ベーンのチャタ
リング等の発生をよく防止して、騒音や振動を低く抑え
るとともに、接触部における流体の内部漏れを有効に防
ぎ、常時、所定の吐出圧と吐出量とを安定して得ること
ができるという優れた効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第５図は実施例を示し、第１図は分解斜視
説明図、第２図は縦断面説明図、第３図は第２図のＸ−
Ｘ線矢視相当図、第４図は第３図のＹ−Ｙ線矢視相当の
要部拡大模式図、第５図は第４図のＺ−Ｚ線矢視相当図
である。 Ｒ・・・ポンプ室 １１・・・ケーシング １１ｂ・・・吸込室 １２・・・ハウジング ２１・・・カムリング ２１ｄ・・・吸込路 ２２・・・ベアリング ３１・・・ロータ ３２・・・ベーン ３２ａ・・・ばね　　３２ｂ・・・底部２１ｃ・・・摺
動面 ２１ｅ・・・吐出路 １１ｃ・・・吐出室 ３１ａ・・・外周部

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １）ケーシングに内装されたカムリングと、出入り自在
   のベーンを外周部に収納したロータとによってポンプ室
   を形成するベーンポンプにおいて、流体の吐出圧を前記
   ベーンの底部に導く連通路を形成するとともに、前記ベ
   ーンを前記カムリングの摺動面に付勢するばねを備える
   ことを特徴とするベーンポンプ。 ２）前記カムリングは、前記ポンプ室に対して前記摺動
   面のほぼ接線方向から流体を送り込む吸込路と、前記ポ
   ンプ室からの流体をほぼ接線方向に送り出す吐出路とを
   有することを特徴とする特許請求の範囲第１項記載のベ
   ーンポンプ。 ３）前記ケーシングは、前記吸込路に滑らかに連続する
   吸込室と、前記吐出路に滑らかに連続する吐出室とを備
   え、前記吸込室と吸込路と吐出路と吐出室とは、前記ロ
   ータの軸方向に同一位置に配置することを特徴とする特
   許請求の範囲第１項または第２項記載のベーンポンプ。 ４）前記ロータは、ハウジングを介してマグネットカッ
   プリングにより駆動することを特徴とする特許請求の範
   囲第１項ないし第３項のいずれか記載のベーンポンプ。 ５）前記ロータは、前記カムリングを両側から挾み込む
   一対のベアリングによって回転自在に支持され、前記カ
   ムリングとベアリングとベーンとの少なくとも１は、エ
   ンジニアリングプラスチックスによって形成することを
   特徴とする特許請求の範囲第１項ないし第４項のいずれ
   か記載のベーンポンプ。