JPH0328445Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、電子写真複写装置に係り、詳しくは
電荷保持体上の残留トナーをクリーニングするた
めのクリーニング装置に改良を行つた電子写真複
写装置に関する。

〔考案の背景〕

一般に、電子写真複写装置による画像形成プロ
セスは、絶縁性光導電体を感光体として用いた電
荷保持体上に、コロナ帯電と光照射によつて原稿
の画像に対応する静電潜像を形成させ、これを熱
可塑性の着色微紛末を主成分とするトナー現像剤
にて現像することにより可視像（トナー像）を形
成せしめる。この電荷保持体上のトナー像は、普
通紙等の転写材上へ静電的に転写し定着し利用す
る。一方、電荷保持体は転写後クリーニング手段
により残存するトナーが除去され、次の複写像形
成に備える。

ここで上記の転写後の電荷保持体上の残留トナ
ーをクリーニングする方法としては、従来から、
フアーブラシ法、ウエブ法、ブレード法、ローラ
法および磁気ブラシクリーニング法が知られてい
る。フアーブラシ法は比較的高速回転するフアー
ブラシを電荷保持体に接触させてクリーニング
し、クリーニングにより除去したトナーをサクシ
ヨンで吸引して、フイルターボツクスにトナーを
集める方法である。この方法はクリーニング能力
の面では満足すべきものではあるが、装置が大型
になること、騒音が出ること等の欠点があり、現
状ではあまり使用されていない。

その他の方法はサクシヨンを用いていないため
に上記のフアーブラシ法のような欠点はない。特
にブレードクリーニング装置は簡単な構造であ
り、且つ、装置が小型になるという利点を有して
おり、広く使用されている。

しかしながら、フアーブラシ法以外のクリーニ
ング法は何れも電荷保持体上のトナーを摺擦除去
する方法であるので、10数ミクロンの粒径の粉体
であるトナーは、クリーニングに際してその一部
が霧状となつて空気中に浮遊する。この浮遊した
トナーは静電記録装置内にあつて、複写画像形成
上あるいは画像品質上悪影響をもつ。霧状に浮遊
したトナーが静電記録装置内に蔓延しないように
するため、上記クリーニング手段を密閉箱の中に
設け、外部への流出を防止することがなされてい
る。しかしこの密閉箱によつて上記のクリーニン
グ手段を完全に覆つてしまうことは困難で、回転
するドラム状の電荷保持体と密閉箱の外壁部材と
の間には若干の間〓が必要である。従来はこの間
〓をなるべく狭くしたり、間隙部分を長くしてこ
の間隙に沿つて霧状の浮遊したトナーがクリーニ
ング装置の外部に漏れないような構造とするよう
に努めたが、現実には漏れて外部を汚染すること
は避けられなかつた。これはドラム状の電荷保持
体の回転に判つて電荷保持体表面に付着した空気
層が密閉箱状のクリーニング装置内にはいりこむ
ため、僅かではあるがこの密閉箱状をしたクリー
ニング装置内部の気圧が外部より高くなり、この
分の空気が前記の間〓に沿つて流出することとな
るが、その際浮遊したトナーも同時に流出するた
めと思われる。

〔考案の目的〕

本考案はクリーニング装置内の気圧が外部より
高くなることがないようにし、クリーニング装置
外にトナーが流出しないようなクリーニング装置
を備えた電子写真複写装置を提供することを目的
としたものである。

〔考案の構成〕 上記目的は、上面に原稿台とその下にスリツト
露光光学系を設けて感光体ドラム上に像露光を行
い、前記感光体ドラムの側面にはクリーニング装
置を設けて前記感光体ドラム周面のブレードクリ
ーニングを行うようにし、モーターフアンを設け
て複写装置内の排気を行うようにした電子写真複
写装置において、 前記クリーニング装置上面にはフイルタを付した
空気孔部を設けた上面外壁とし、前記スリツト露
光光学系下面には底面カバーを設け、前記底面カ
バーと前記上面外壁とはほぼ平行でその間は空気
通路を形成し、前記モーターフアンの作動によつ
て前記空気通路に生じる空気流により前記フイル
タより前記クリーニング装置内の空気を吸気する
よう構成したことを特徴とする電子写真複写装置
によつて達成される。

〔実施例〕

以下、図面によつて本考案の詳細な説明を行
う。

第１図は本考案のクリーニング装置を取付けた
電子写真複写装置の内部構造の断面図を示すもの
である。矢印方向に回転駆動される感光体ドラム
１の上部には、原稿像の露光を行う像露光部が位
置している。即ち原稿台２上に置かれた原稿は光
学的に走査するスリツト露光がなされて像露光が
行われる。スリツト露光光学系３は露光ランプ４
および第１ミラー５を搭載された第１可動台６を
備え、第１ミラー５の反射光は第１可動台６の1/
２の速度でこれに同期運動される第２可動台７の
第２，第３ミラー８ａ，８ｂにより反射され、レ
ンズ１０に入射される。このレンズ１０は第４ミ
ラー９を介して感光体ドラム１の周面に原稿像を
結像する。

時計方向に回転する感光体ドラム１はまず帯電電
極１１により一様に帯電したのち、スリツト露光
光学系３により潜像を形成する。感光体ドラム１
上の潜像は現像装置１２を通過する際現像されて
トナー像となる。

感光体ドラム１の下部には、転写電極１３およ
び分離電極１４が設けられていて、右方の給紙装
置１５から搬送された転写紙は転写電極１３部に
おいてトナー像が転写され、ついで分離電極１４
において分離されたのち、搬送装置１６によつて
定着装置１７に送られ定着されたのち装置外に排
出される。

一方、転写をおえて僅かの残留トナーが付着し
た感光体ドラム１は本考案によるクリーニング装
置１８によつてクリーニングされる。

以上説明した電子写真複写装置は、装置内に定
着装置１７や露光ランプ４等熱源となるものを多
く有している。従つて装置を密閉構造として長時
間連続使用するときは装置内の温度は上昇し、例
えばセレン等を感光体として用いた感光体ドラム
１では性能を著しく劣化させることとなる。よつ
て電子写真複写装置内に排気用のモータフアン１
９を設けて、内部の空気を外部に排出するように
している。矢印Ａで示したのはモータフアン１９
によつて生じる空気流である。

第２図は本考案の電子写真複写装置に用いられ
るクリーニング装置１８を示したもので、矢印方
向に回転する感光体ドラム１に対して、弾性をも
つた弾性ブレード１８１によつて、感光体ドラム
１の母線に対して一様な圧接力によつて摺接する
ようにしたもので、ブレード材質としては、ウレ
タンやシリコン等の合成ゴムまたは天然ゴムが用
いられる。この弾性ブレード１８１によつて掻き
落とされた残留トナーは捕集ブレード１８２上を
落下して、トナー溜り１８３に集められる。トナ
ー溜り１８３に溜つたトナーは回転するスパイラ
ルスクリユ１８４によつて一方向に搬送・回収さ
れるようになつている。１８５は外壁で、外壁１
８５によつて包囲したトナーが外部に飛散しない
ようにしていた。また外壁１８５と回転する感光
体ドラム１との間は間〓１８６ａ，１８６ｂがあ
る。

本考案は、前記のスリツト露光光学系３をカバ
ーし、防塵効果を有するようにした光学系の底面
カバー３０と、之とほぼ平行に位置したクリーニ
ング装置１８の上面をなす上面外壁１８５ａには
ガラス繊維等を用いたフイルタ１８７によつてカ
バーした空気孔部１８８に設けるようにしたもの
で、上記の平行な底面カバー３０と上面外壁１８
５ａとの間は煙突状の空気の通路をなしていて、
モータフアン１９の回転によつて適当な風速の空
気流を形成するようにし、フイルタ１８７を通し
てクリーニング装置内より空気を吸引するように
したものである。

このような構造とするときは、従来の霧状の浮
遊したトナーが間〓１８６ｂ等から流出したもの
が、流出しないようになつた。これは、空気孔部
１８８を通してクリーニング装置１８内の僅かに
高くなつた気圧分の空気がフイルタ１８７を通し
て空気流の方へ流出するためと思われる。このこ
とは長時間複写を行うとフイルタ１８７がトナー
によつて汚れることによつて実証された。また同
時に本考案により静電記録装置内のトナーの飛散
が大幅に減少する効果も認められた。

なお本実施例ではたまたま電子写真複写装置の
機内全般の温度上昇を防ぐ目的で設けられたモー
タフアンによる空気流を利用しているが、別に新
たに感光ドラム冷却用のモータフアンを設けて、
前記の底面カバー３０とクリーニング装置１８の
上面をなす上面外壁１８５ａとの間に空気流があ
るようにすることも可能であつて、空気流はフイ
ルタを付した空気抜き穴部の効果を発揮する上に
必要で、何れも本考案に含まれる。

〔考案の効果〕

本考案の電子写真複写装置は、クリーニング装
置内気圧を、その上面を通過する空気流を用いた
極めて穏やかな手段によつて僅かに減圧し、トナ
ーのクリーニング装置外への飛散を防止するよう
にしたものである。従来、直接吸気フアンを用い
てクリーニング装置内に浮遊するトナーを吸出す
るようにした装置はあるが、この場合にはフイル
タに必要以上の多量のトナーが付着し、しばしば
フイルタ交換を必要とした。

本考案はかかる欠点を除去してクリーニング装
置から離れた電子写真複写装置内に設けたモータ
フアンによつてクリーニング装置からのトナーの
漏洩をも防止する優れた効果を有したものであ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の電子写真複写装置の断面図を
示し、第２図は本考案による電子写真複写装置内
に設けたクリーニング装置の内部構造の断面図を
示す。 １……感光体ドラム、３……スリツト露光光学
系、１８……クリーニング装置、３０……底面カ
バー、１８１……弾性ブレード、１８２……捕集
ブレード、１８３……トナー溜り、１８４……ス
パイラルスクリユ、１８５……外壁、１８７……
フイルタ、１８８……空気孔部、１８５ａ……上
面外壁。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 上面に原稿台２とその下にスリツト露光光学系
   ３を設けて感光体ドラム１上に像露光を行い、前
   記感光体ドラム１の側面にはクリーニング装置１
   ８を設けて前記感光体ドラム１周面のブレード１
   ８１クリーニングを行うようにし、モーターフア
   ン１９を設けて複写装置内の排気を行うようにし
   た電子写真複写装置において、 前記クリーニング装置１８上面にはフイルタ１
   ８７を付した空気孔部１８８を設けた上面外壁１
   ８５ａとし、 前記スリツト露光光学系３下面には底面カバー
   ３０を設け、 前記底面カバー３０と前記上面外壁１８５ａと
   はほぼ平行でその間は空気通路を形成し、 前記モーターフアン１９の作動によつて前記空
   気通路に生じる空気流により前記フイルタ１８７
   より前記クリーニング装置１８内の空気を吸気す
   るように構成したことを特徴とする電子写真複写
   装置。