JPH03280700A - 3次元立体定位情報の抽出方法と装置 - Google Patents

3次元立体定位情報の抽出方法と装置

Info

Publication number
JPH03280700A
JPH03280700A JP2081849A JP8184990A JPH03280700A JP H03280700 A JPH03280700 A JP H03280700A JP 2081849 A JP2081849 A JP 2081849A JP 8184990 A JP8184990 A JP 8184990A JP H03280700 A JPH03280700 A JP H03280700A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
microphone
head
sound
signal
extracting
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2081849A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3184901B2 (ja
Inventor
Koichi Kikuno
宏一 菊野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Individual
Original Assignee
Individual
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Individual filed Critical Individual
Priority to JP08184990A priority Critical patent/JP3184901B2/ja
Publication of JPH03280700A publication Critical patent/JPH03280700A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3184901B2 publication Critical patent/JP3184901B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Stereophonic System (AREA)
  • Stereophonic Arrangements (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野コ 本発明は人頭の音響的条件を利用した立体音声収録に関
し、特に立体情報の抽出方法とその装置および応用に関
する。
[従来の技術] 従来、模造人頭の周辺に3つ以上のマイクを設ける技術
は昭和五十年以前より種々の提案がなされている。つま
り片耳に対し複数のマイクユニットが備えられている。
但しその目的は指向性のコントロールと、3チャンネル
以上の多チヤンネル再生のための収録方法に大別される
。例えば、前後方向を別々のマイクユニットで収録する
ことにより4チヤンネル収録を可能にした技術。そして
収録の指向状態を異にする複数のマイクを設置りこれら
マイクから得られる複数の信号を合成することにより指
向性の制御をするMSマイク方式。
また、頭部の周囲に沿って大量のマイクを設置した収録
方式などが挙げられる。
[発明が解決しようとする課題] ところが、上記従来の技術で得られるパイノーラル情報
は、正確に模倣した模造人頭によるノーマルな音声収録
との実質的な差異はない。つまり、ノーマルなパイノー
ラル音声収録の音声信号の中で収録方向を限定した情報
が収録できるにとどまる。さらにその原理にも疑問があ
る。
従来の技術では外耳道に入射する音の方向を捕らえるこ
とによりパイノーラル情報の方向限定ができるという理
論の元に考えられている。しかし例えば、後方音源から
の音は耳介を回り込んで横方向から外耳道に入射し、そ
の入射量も多い。さらに、この後方音源からの音の一部
は頭部を逆回りして半周以上の遠い回り込みで前方向か
ら外耳道に入射する。このように耳介の干渉や頭部にお
ける反射、回り込み音など、たいへん複雑な入射方向で
外耳道に入るために外耳道入り口の入射方向は目的の定
位方向の音源に対して1対1の対応は決してしていない
。また、このような多種多様の耳へ到達する回り込み音
の中で不要な音はなく、従って、どの方向の音が欠如し
ても、忠実性は失われることは明かである。そのため、
上記方向限定して収録を行うことを目的とした従来方式
は根本原理からして忠実度の低い不十分な収録方法であ
ることが厚理上指摘できる。
一方、上記従来技術で収録されたソースの用途としでは
収録状態と再生状態を可逆的な条件で満たす4チヤンネ
ル用のヘッドホン再生あるいは、さらに特殊な多チヤン
ネル再生に用途が限られる問題点が指摘できる。たとえ
ば上記外耳道入射方向限定した4チヤンネル収餘音をサ
ラウンドやスピーカでの4チヤンネルに使用することは
可能であるが正確な可逆理論は成立せず、忠実な再生は
困難である。
以上のように従来技術では一般的なパイノーラル収録と
同程度の定位情報しか得られず、従って、よく言われる
前後取り違えや、定位の不十分さ、あるいは忠実度の程
度なとが依然として問題視されているのが現状である。
本発明の目的は、上記問題点をなくすために、人体で専
ら生じてパイノーラル収録でしか得られない固有の情報
を抽出しその拍呂情報を巧みに使用することにより、極
めて明確な定位を得ることを目的としている。また、抽
出時に、頭部で生じる固有雑音を抽出しこれを減算や加
算することにより、頭内雑音を取り除いたり、頭内伝播
音を強調することも可能とし、従来にない、明確な定位
を得ることのできるパイノーラルプログラムソースが得
られる。
[課題を解決するための手段] 本発明では上記問題点を解決するために、外耳道入り口
付近に設けた頭部外形で影響された音を専ら収録する第
1マイクから得られる第1の信号と、上記第1マイクよ
り頭部に対して離して設置した頭部外形であまり影響を
受けていない音を専ら収録する第2マイクから得られる
第2の信号とを、差成分を抽出する回路で演算すること
を特徴とする3次元立体定位情報の抽出方法が提供され
る。
また別の目的による本発明は、外耳道入り口付近に設け
た頭部外形で影響された音を専ら収録する第1マイクか
ら得られる第1の信号と、上記第1マイクより頭内部側
へ設置した頭内部を伝播する音声を専ら収録する第3マ
イクから得られる第3の信号とを、差成分を抽出する回
路で演算することを特徴とする3次元立体定位情報の抽
出方法が提供される。
また別の目的による本発明は、外耳道入り口付近に設け
た頭部外形で影響された音を専ら収録する第1マイクと
、上記第1マイクより頭部に対して離して設置して頭部
外形であまり影響を受けていない音を専ら収録する第2
マイクとを備えたことを特徴とする3次元立体定位情報
の抽出装置が提供される。
また別の目的による本発明は、外耳道入り口付近に設け
た頭部外形で影響された音を専ら収録する第1マイクと
、上記第1マイクより頭内部側へ設置して頭内部を伝播
する音声を専ら収録する第3マイクとを備えたことを特
徴とする3次元立体定位情報の抽出装置が提供される。
[作   用   コ 本発明では、パイノーラル収録に適する外耳道入り口付
近に第1のマイクを設置し、−万頭部で専ら生じる干渉
、反射、回折の音が届きにくい位置、例えば外耳道入り
口から真横へ約1 cm以上外側位置に第2のマイクを
設置し、以上2つのマイクの差成分を演算(例えば減算
)して取り出すことにより、頭部で専ら生じる干渉、反
射、回折の音情報だけを抽出することができる。そして
この抽出前を増幅して第1マイクまたは第2マイクの何
れかのマイクから得られた信号に加算することにより定
位が画期的に強調され明確に聴こえるパイノーラル音声
を得ることができる。一方、第1のマイクと波膜位置の
間に中耳用の第3のマイクを設ける。このマイクは頭内
に伝わる種々の音声を収録するマイクであり、第1のマ
イクと第3のマイ°りの差成分を抽出することにより、
頭内に伝わる振動だけを抽出することができる。この袖
呂音を第1のマイクからの信号に戻すことにより、頭内
で生じる雑音を除去したりあるいは、この頭内部に含有
する雑音以外の重要な頭内特有の伝播音を抽出し、この
頭内伝播音を増幅して第1のマイクへ戻すことにより、
従来台まれ難がった定位情報を積極的に含有させた新し
い試みのパイノーラル・プログラムソースが得られる。
さらに、これら人頭内部を伝わる特異な音だけを取り出
して、特殊音声として使用することもできる。なお、こ
の頭内伝播音を拾い出すためには生身の人頭を使用した
外耳道挿入式パイノーラル収録に対して特に有効である
。従って、新しい外耳道挿入式マイクの具体的な形状が
得ることができる。
[実施例コ 以下添付図面に基づいて本発明を説明する。図面中の番
号は同一の内容を示す部材についてはなるべく同一番号
を使用した。
第1図は本発明の第a実施例を示す部分断面左側面図、
第2図は本発明の第a実施例を示す部分断面正面図、第
3図は第a実施例を示す断面図、第4図は第a実施例を
示す部分断面平面図、第5図は第a実施例の模造人頭部
分を除いた斜視図、第6図は収録エリアの説明図である
第1図から第6図に基づいて本発明におけるマイク周辺
の状態を第a実施例として説明する。その後で、第a実
施例のマイクから得られる信号を処理する回路を第す実
施例とし第7図を参照して説明する。さらに、第a実施
例の変形実施例である第C実施例および第d実施例を第
8図から第5図を参照して説明する。
第a実施例: 第a実施例は本発明の音声を収録するマイクロフォンシ
ステムの1実施例である。さて、第a実施例を必要な各
部材の個々の条件及び各部材同士の関連を列記しつつ詳
細に説明する。
模造人頭・・・模造人頭a4は生身の人頭とできる限り
外形および内部を模造することが望ましい。例えば、硬
度や形状を正確に模造した外耳、頭内の音の伝達に極め
て関連の高い頭蓋骨、聴覚伝達路の一部と連結する鼻や
咽喉の空洞部分などが必要に応じて用いられる。従来の
模造人頭と同様に本発明でも聴覚伝達路を特に正確に模
造している。
中でも外耳と外耳道は重要である。また、第a実施例で
はさらに鼓膜および過半付近の音響伝達状態を素材の伝
達速度を選択することにより模造している。
第1マイク・・・第1マイクa1は、模造人頭a4の頭
部外形で影響された音を専ら収録するために設けられな
マイクである。この目的とする音とは、外耳で集められ
た音が主だったものである。さらに外耳で集められる音
の中には、音源からの直接音を集音するのみならず、音
源から頭部全体に当たって反射したり、干渉したり、回
り込んだりした頭部外周に渦巻く種々の音を集める役割
を持っている。またさらにこれら集められた音のフォー
カスは外耳道入り口となる。そのためこの第a実施例で
は外耳道入り口へ第1マイクa1を設置した。
しかし、外耳の内側に第1マイクalを設置しさえすれ
ば集音効率の違いはあるものの目的の頭部外形で影響さ
れた音を収録することができ得る。
第2マイク・・・第2マイクは、模造人頭a4の頭部外
形で影響されてない音を専ら収録するために設けられた
マイクである。この影響とは第1マイクa1で説明した
頭部環境で生じる影響を意味する。
この目的を達成するためには、最7ノ)限つぎの関係を
成り立たせる必要がある。
模造人頭a4の頭部外形で影響された音と、頭部外形で
影響されずにマイクへ到達した音の頭部影響音の含有率
に関して、第2マイクで収録された音声信号は第1マイ
クa1で収録された音声信号より含有率が少ない。
さらに、上記関係を成り立たせるために取る手段が下記
の2通りが挙げられる。
#手段:収録目的とする残響を含む音源方向が単一方向
の場合もしくは単一方向に限定した場合は、第1マイク
と上記音源との距離を◇とし、第2マイクと上記音源と
の距離を口とした場合、◇と口の差を大きくとることが
できる。なぜなら、音の到来方向が単一方向という条件
で、上記距離差は上記何れかのマイクをデイレイするこ
とにより補正でき、実質的に距離差をなくすことができ
るためである。ただし、下記の■■■の条件を満たす必
要がある。
■・・◇と口の距離差は、離れ過ぎると空気中の伝播ロ
スにより第1マイクa1と第2マイクa5の収録された
結果の音響特性差が大きく生じるために好ましくない。
例えば30cm以内にとどめておけば問題がない。
■・・・第2マイクは第1マイクa1より模造人頭Mに
対して離して位置決めする。
■・・・第1マイクa1と第2マイクは共に同一の指向
性をもつマイクユニットを使用し、さらに頭部を基準に
してそれぞれのマイクの設置向きを同一にする。これら
条件は第1マイクa1から得られる信号と第2マイクか
ら得られる信号を演算する際に、指向性の条件を同一に
する必要があるためである。なぜなら指向性の異なる信
号同士を演算させても、従来のMS型のように単に上記
2つのマイクの合成指向特性が変化するだけにとどまる
からである。また、共に無指向性のマイクを使用した場
合では、マイクユニットの向きはあまり影響されないの
で、これらマイクユニットの向きは厳密に合わせる必要
はない。さらに、上記指向性の一致は上記演算しようと
する周波数帯域に限って必要であり、それ以外の周波数
帯域において特に一致させる必要はない。例えば、演算
目的の周波数帯域を100Hz 〜11 k Hzとす
れば、11kHzから上と100Hzから下の周波数帯
域において指向性の状態は如何様でも本発明の構成は取
れ得る。
以上の#手段で述べた第2マイクは、図面と対応させる
と第2マイクa5となる。
Σ手段:収録目的とする音源が残響の有無に関わらず複
数方向にある場合は■■■の条件を満たす必要がある。
■・・・第2マイクは第1マイクa1より模造人頭ml
に対して離して位置決めする。
■・・・第2マイクと第1マイクa1との距離は、抽出
したい周波数範囲の上限の波長の半分以下に設定するこ
とが望ましい。
上記■と■の条件は#手段と8手段は共に関係する条件
であり、収録音源の種類を予め定めない場合においては
、■■の条件を共に満たすように第1マイクa1と第2
マイクa2を位置決めすれば好ましいことがわかる。
上記■の条件は、上記■のデイレイ処理ができないため
に生じる制約である。また、なぜデイレイ処理ができな
いかというと、収録目的の音の到来方向が1つであれば
、デイレイ処理により位相ずれを正確になおすことが可
能であるが、複数の到来方向の違う複数の音に対しては
デイレイ処理による位相ずれを合わせることが不可能で
あるためである。そのために、上記■で述べたように抽
出したい上限の周波数の半波長以内にそれぞれのマイク
ユニットを位置決めしなければならない。
以上の8手段で述べた第2マイクは、各図中の第2マイ
クa2である。また、第1マイクa1と第2マイクa2
の位置関係をより詳細に説明する。第1マイクa1の位
置が仮に外耳を除く頭部表面からAcmの隔たりを持っ
て設置しであるなら、第2マイクa2の位置はAcmよ
りさらに隔たりを大きくした位置(A+Δ)cmに設け
ることが必要である。これにより、少なくとも第1マイ
クa1より第2マイクa2の方が模造人頭a4での影響
が少ない音が収録できる。
さて、パイノーラル音声で特徴づけられる頭部影響を受
ける周波数帯域は、13kHz以下の帯域で主だった影
響が出ている。これら特徴は聴覚ハンドブック等に記載
され周知の特徴である。また重要な頭部影響は8に近辺
が上限でそれ以上は外耳の単なる遮蔽による影響であり
、この遮蔽効果は従来のパイノーラル収録でも比較的正
確に収録し得た情報である。なお、この遮蔽による影響
とは音響的な回折や干渉による波動性を伴う影響ではな
く、光のような直進性のみに影響される遮蔽的な影響を
意味する。一方、3kHz周辺にも大きな頭部による影
響がある。例えば、電話回線のように周波数帯域の狭い
メディアに対して使用する際には、少なくとも3kHz
までを上記抽出予定の周波数上限とする。この場合、上
記△は5.5cm以内に設定すれば十分である。ちなみ
に8kHzを上記抽出予定の周波数上限とすると△はZ
 Cm以内、同様に13kHzではΔは1.3cm以内
にする必要が生じる。この抽出予定の周波数上限は種々
のメディアごとに適宜変化するが、大人の平均的な可聴
周波数の上限を16kHzとすると、△はI Cm以内
となり、マイク同士は極めて近距離配置となる。仮に第
1マイクa1を外耳道入り口すりきりに設置すると、そ
こから1 cm離れた第2マイクa2の設置場所は、外
耳の外には出すに内側にきてしまう。その結果これら2
つのマイクで収録された信号の違いは十分多くとれず、
後述する差成分の抽出が十二分には達成することができ
ない。
なお、上述のように外耳に対する位置関係だけを述べる
と、片手落ちの部分が生じる。つまり、上記△の距離は
如何なる方角へ隔てても良いものなのかという問題点で
ある。例えば、外耳より離すだけで頭部(頭蓋骨など)
に対しては距離を隔てずに△の距離を設けたとする。具
体的には、第2マイクa2を外耳の耳たぶ付近に設置し
た場合、外耳道入り口にある第1マイクa1との距離△
は2cm程度となる。この場合、外耳のみに依存して集
音される音、例えば直接音が外耳の一部であるフオッサ
やスカファ、コンチャといった凹みで集められて外耳道
入りロヘ届く音は、第1マイクa1のみに届き、第2マ
イクa2には届かない。従ってこの差異は得られる。し
かし、頭部全体で影響される音については第1マイクa
1と第2マイクa2の頭部からの距離がほとんど同じで
あるため、その相違はほとんど無い。従って、後述する
差成分の抽出時に得られる信号は外耳に関する影響のみ
となる。もちろん外耳における集音効果のみを抽出する
目的であればこれでも十分有効である。この目的は多様
で曖昧なものである。なぜなら、従来のパイノーラル関
係の収録方法において、頭部なしまたは頭部胴体付き、
外耳のみ、など種々のグレードや考え方があり、−貫し
たダミーヘッドの概念ができていないためである。この
点は本発明自体に曖昧さがあるわけではない。一方、最
も好ましいダミーヘッドの状態を決定するのは簡単であ
る。つまり、服を身につけ、一般的な頭髪をもち、一般
的な頭部形状と胴体を備える人体がそれである。そして
以上の理想の模造人頭(人体)に対して、最も好ましい
複数音源の収録する際の第1マイクa1と第2マイクa
2の効果的な設置場所は下記の通りとなる。
第1マイクa1を外耳道大すロヘ設け、つぎに第2マイ
クa2の設置位置を両耳の両外耳道入り口を結ぶ線上へ
Δcm隔てて設置する。そしてこの△は後述の差成分を
演算する際の上限の周波数を限定する大切な数値であり
、なるべく小さい値が望ましい、一方、このΔは第6図
に示すように、外耳を含む頭部形状の相対的な位置関係
と絡んでいる。
つまり、第2マイクa2を外耳の外に位置させた第2マ
イクa2Sと、外耳の内側に位置させた第2マイクa2
nでは、外耳の遮蔽の影響が極端に変わってくる。つま
り、第2マイクa2sでは後述する差成分の抽出時にこ
の遮蔽効果の差異も十分に抽出され、一方、第2マイク
a2nは、上記遮蔽効果の差異は抽出され難くなる。以
上、総括して好ましいΔの数値は外耳より僅かに外側へ
出た第2マイクa2sの状態が△の最大値とし、もし後
述する差成分の抽出に必要な周波数の上限が低くても構
わないのならばこの最大値を使用する。一方、この周波
数の上限を12kHzとするならば約1.5cmとなる
。この値は頭部の大きさによって多少変化するべき数値
であが、概ね上述の種々の条件を満たす数値である。
なお、音源がスピーカによる再生音である場合に限って
は、同一条件で再生が幾度も再生できるので、模造人頭
4a有りの状態で第1マイクa1による収録をし、さら
に第1マイクa1を残して模造人頭4aを取り去った状
態で第1マイクa1からの信号を収録し、これら別々に
収録した2信号を後にシンクロ処理させることで後述す
る差成分の抽出が達成し得る。
第3マイク・・・第3マイクa3は模造人頭a4の内部
を伝播する音声を専ら収録するために用いられるマイク
である。このマイクは第a実施例においては第1マイク
a1と鼓膜位置の間に設けている。つまり、外耳道の中
途に設けている。ただし、頭部内部を伝播して直接遅生
へ到来する音声振動を捕らえることが最も効果的である
ため、もつとも好ましい第3マイクa3の位置は過半位
置(第6図参照)となる。ただし、この第3マイクa3
を設置する際、生身の頭に挿入して使用することが最も
多いと予測されるため、この第a実施例では外耳道の中
間へ設けている(第6図参照)。上記頭部内部を伝播す
る音は外耳道壁面を励振して外耳道の空気をさらに励振
し、その後鼓膜を励振させる伝播経路もあるため、この
外耳道中にこの第3マイクa3を設置することは十分意
味がある。なお、この第3マイクa3は好ましくは第1
マイクa1と同一特性のマイクがよい。但し、その集音
目的である音が頭部を伝播してきた音である性格から、
外耳道空間へ第1マイクa1と同方向へ設ける方法以外
に外耳道壁面へマイクを押しつけるようにしてその頭部
内部の伝播音をより効率よく収音する方法も取り得る。
必要な周波数範囲は上記伝播音が伝わる中音域の周波数
特性と同程度でよい。例えば経験的に400Hz〜3 
kHzの範囲を確保すれば十分と考え得る。これにより
、第3マイクa3と第1マイクa1の距離は5.5cm
以内という条件が得られる。つけ加えるなら、このマイ
ク間の距離は厳密に設定することはない、なぜなら、マ
イク位置の違いによる収音された音の位相は、空気媒体
と頭部物質媒体の二つを経由して来るために複雑であり
特定できないためである。また、外耳道入り口に位置す
る第1マイクa1によって外耳道が完全に塞がれた場合
、空気媒体による音声が第3マイクa3へ混入しない場
合も考えられる。この場合、目的である過半位置より外
耳の方へ数cm外側へ位置したマイクで収録している問
題は残るものの、第3マイクa3の音声はそのままで、
専ら頭部内部を伝播して直接遅生へ到来する音声振動と
して通用する。
そして、この場合、過半位置で過半へ直接加振されるで
あろう音声信号と極めて類似した音声が得られる。ここ
で得られる音声信号は、純粋に頭部伝播による音声であ
るが、この中でも頭部伝播固有の信号と、頭外のマイク
例えば第2マイクa2で収録された音声と変わらない信
号も含まれている。
わかり易く言い方を返ると、頭蓋骨や耳鼻咽喉の空洞効
果なとて複雑に干渉して到達する音声は、頭部伝播固有
の信号であり、一方、頭部で伝播される際に、比較的伝
播が単純で音声波形が崩れずに到達する音声が第2マイ
クa2と類似した信号で、伝播音固有の信号とは区別し
がたい音声がある。
半球部材・・・半球部材a6は模造人頭a4の回りを回
動する吸音材であり、収録の音源方向を単一方向に限定
するために用いる部材である。そして、下記の特徴を持
っている。
主に吸音材からなり、所望により吸音材の中に木材等の
板材をサンドインチ状にして設けることができる。この
板材は低域吸収率を高めるブーストラップの役割を持た
す意味もある。
模造人頭a4の略中心を軸にステレオのトーンアームの
回転動作とほぼ同様の動きをさせる。つまり、ラテラル
方向を規制した状態での縦横の回動をさせている。この
回転運動をするために、ジンバル方式の回転支持部a7
を備えている。回転支持部a7の各回動部分には縦横回
動の制御をするサーボモータおよび、回動角度を正確に
知ることのできる検出器を兼ねた検出装置a8を設けて
いる。
回転運動の中心は模造人頭a4の両耳を結ぶ中央位置が
最も好ましい。
全体の形状は5 cm〜10cmの厚みをもった半球形
をなし、下方には回動時に支持柱a9をよけるための切
れ込みaloを、後方には手動用の取っ手allを、左
右内側には吸音材の内壁から数cm離して第2マイクa
5を備えている。また、前方の開口側には補助円筒吸音
材a12を両面テープ等で装着することができる。
第す実施例 上記第a実施例の各々のマイクから得られる信号を処理
する回路を第7図を参照して説明する。
この実施例を便宜上第す実施例とする。
図中、bl、 b2. b3はマイクアンプ、b4. 
b5.田b7はフィルター、b8. b9、blo、 
bllはデイレイ回路、bl2. bl3は差成分を抽
出するための回路、bl4、b15. bl6は混合器
、bl7. bl8は増幅器である。
これから説明する第す実施例の回路の処理によって2種
の斬新な情報が得られる。その中から最初に、第1マイ
クa1と第2マイクa5との差成分を抽出する回路B1
を説明する。
第1マイクa1の右側で捕らえた信号はマイクアンプb
2で増幅される。この増幅された信号をβ。
とする。β゛ は100Hz〜11kHz間を通すフィ
ルターb5を通過し、デイレイ回路bloによってに+
X秒だけ遅延された信号β°°が差成分を抽出する回路
b12へ入力される。
一方、第2マイクa5の右側で捕らえた信号はマイクア
ンプb1で増幅される。この増幅された信号をao と
する。ao は100Hz〜11 k Hz間を通すフ
ィルターb4を通過し、デイレイ回路b9によってに秒
だけ遅延されたalが差成分を抽出する回路b12へ入
力される。さらに、ao はフィルターを通過せずに単
純にデイレイ回路b8で遅延だけをする別の回路へも結
線されており、その結果得られる信号が出力信号out
5である。100Hz〜11kHz間を通すフィルター
b4. b5の役割は、差成分を演算したい周波数範囲
を絞る目的、およびマイクの位置の差や指向特性の差が
あり、演算しても意味の無い周波数領域を予めカットす
る役割を持っている。
従って、マイクの位置や特性などによってこのフィルタ
ーは任意の特性に変える必要がある。
差成分を抽出する回路b12がらの出方は増幅器b14
で任意の倍率で増幅される。その結果が出力信号(+u
tlである。出力信号out 1と出力信号out5は
混合器b14によってミキシングされ、その結果が出力
信号out2となる。
さて、このKは回転移動する一方側の第1マイクa1か
ら他方側の第1マイクa1へ音が移動する時間とした代
数である。例えば第2マイクa5を音源に対し直角に設
置し、第1マイクa1を自由に回転させた場合、第1マ
イクa1の右側(左側)と第2マイクa5の右側(左側
)との位置差で生じる位相差の最大値がこのKに対応す
る。例えば第1マイク社の両耳マイクの直線距離を20
cmとし、この距離差を音が仮に直線移動したとすると
、約0.6m5ecとなる。実際には頭部を回り込んで
到達することが多いので上記の0.6m5ecより長く
なる。一方為第8図の状態では、第1マイクa1の右側
マイクと、第2マイクa5の右側マイクとの距離差は6
cmである。2つのマイクへ数m離れた音源から発せら
れる音が到達する時間差は約0.18m5ecとなる0
従って、X = 0.18m5ecとなる。またこのX
は第1マイクa1と第2マイクa5の相対回動で算出で
きる。この実施例では、上述の半球部材a6に設けた検
出装置a8あるいは第7図に示した検出装置a8で得ら
れた検出情報に対応して逐次算出されXが決定される。
第8図に示した具体的な数値に基づいて第す実施例の説
明を補足する。
音源に対して、第1マイクa1の右側は第2マイクa5
の右側よりも60m後方に位置している。従って、各々
のマイクから得られる信号βとaの時間差はaを基準に
するとβはaよりX秒遅い関係にある。単純にこの差を
無くすためには、デイレイ回路b9のデイレイタイムを
0秒、デイレイ回路bloのデイレイタイムをX秒とす
れば、上記時間差は無くなる。ところが、左側ではaが
βより遅くなっているのでβ側のデイレイ回路(左側の
図示は省略)でX秒進めないとならなくなる。しかし情
報を遅延することはできるものの進めることは不可能で
ある。そこで、左右のaおよびβのすべてのデイレイ回
路に偏倚用の遅延時間Kを加えることにより遅延だけで
左右のaおよびβのすべての信号の時間差をゼロにする
ことができる。
さて第1マイクと第2マイクが90°の状態が最も両者
のマイクの時間差が大きくなるのでこの時間を偏倚時間
にとする。ここではK = 0.6m5eとすると、デ
イレイ回路b9は固定の0.6m5ec秒の遅延時間と
なる。そしてデイレイ回路bloは0.6m5ec秒に
加え−0,18m5ecを加算し、その結果0.42m
5ecの遅延時間となる。以上によって得られたa”お
よびβ゛は時間ずれがなくなり、差成分を抽出する回路
b12での演算がスムーズになる。
つぎに差成分を抽出する回路b12の補足説明をする。
この回路の最も簡単な例としては、アナログ信号のまま
で単純な引き算をする回路が挙げられる。これは周知の
回路である作動演算増幅器を使用することにより簡単に
達成され得る。また所望により入力信号をスペクトル別
に複数の各々に増幅率の異なる作動増幅演算増幅器で演
算を行い、その結果を合成することも有効な手段である
。これら演算により、外耳道入り口付近に設けた頭部外
形で影響された音を専ら収録する第1マイクmlから得
られる第1の信号βと、第1マイクa1より頭部に対し
て離して設置した頭部外形であまり影響を受けていない
音を専ら収録する第2マイクロから得られる第2の信号
aとの差異が結果として得られる。通常のパイノーラル
信号であるβの信号成分の中でも頭部で影響を受けてい
ない成分が含まれている。この信号が削除され、頭部で
強く影響を受けた音声信号だけが、差成分を抽出する回
路b12で取り出される。つまり、頭部で専ら影響を受
けたパイノーラル固有の情報が抽出されることになる。
以上の回路Blにより、頭部で専ら生じる3次元情報だ
けが強調されたパイノーラル信号が得られることが理解
できる。
なお、第2マイクa5に変わって第2マイクa2の信号
を上記回路B1で演算処理させる場合には、すべてのデ
イレイ回路をゼロとするか、あるいは第2マイクa2と
接続されるデイレイ回路b9だけを遅延させる。この遅
延時間は上記Δcmを音が移動する時間3.3/△(s
ec)を越えない数値にすることが望ましい。つまり、
3.3/△(sec)で得られる数値は音源が頭部に対
して真横に存在する場合に第2マイクと第1マイクの時
間差が最小となり、正面や背後に音源がある場合、上記
時間差はデイレイ回路をゼロにした場合より時間差は3
.3/△(田C)だけ大きくなってしまう。従って、こ
の矛盾する条件の中間を取って、デイレイ時間は3.3
/ 2△(sec)とすることによりほぼ全方向の音源
に対して距離差△によって生じる時間差は半分になり、
差成分を演算可能な周波数の上限が倍になる。あるいは
この利点を利用してΔを倍にして、第2マイクa2をよ
り頭部から離すことが可能になる。
つぎに、第1マイクa1と第3マイクa3との差成分を
抽出する回路B2を説明する。
第3マイクa3の右側で捕らえた信号はマイクアンプb
3で増幅される。この増幅された信号をγとする。信号
γ゛ は400Hz〜3kHz間を通すフィルターb7
を通過し、差成分を抽出する回路b13の一方の入力に
入る。また、差成分を抽出する回路b13のもう一方の
入力には回路al中で説明した信号β° ゛に400H
z〜3kHz間を通すフィルターb6を介して入力して
いる。差成分を抽出する回路b13は回路al中の差成
分を抽出する回路b12と同様の回路構成を取っている
。この回路により、外耳道入り口付近に設けた頭部外形
で影響された音を専ら収録する第1マイク(a1)から
得られる第1の信号βと、第1マイクa1より頭内部側
へ設置した頭内部を伝播する音声を専ら収録する第3マ
イクa3から得られる第3の信号γとの差異が結果とし
て得られる。γは通常のパイノーラル信号であるβと同
様に頭部の外形状で影響を受けた種々の干渉音も含まれ
て頭内部を伝わって収音されていが、この差異成分を抽
出する回路b13により頭内部を伝わる際に生じる頭内
部の人体組織によって生じる反射や干渉などの独特の情
報のみが抽出される。
つまり、頭内部で専ら影響を受けた情報が抽出される。
この差成分を抽出する回路b13で出力された信号は増
幅器b18で任意の倍率で増幅され、得られた信号が信
号out3である。
信号out3および信号β° は混合器b15へ各々入
力され、その出力をデイレイ回路bllにより固定のに
秒遅延させた後にさらに、混合器b16へ入力される。
この混合器b16にはさらに回路al中で説明した信号
out2が入力される。そしてミキシングされた信号が
信号out4となる。
さて、フィルターb6で400Hz〜3 k Hz間を
通しているのは、低域においては400Hz以下では左
右の位相差がわずかであるため、立体音響信号として取
り出す価値が少ないく、そのためにカットしである。ま
た、高域において3kHzを上限としたのは頭部伝播で
伝播しにくい高域に制限を加えることにより差成分の抽
出時に双方の周波数差を無くすために行っている。
第C実施例 第9図、第10図、第11図、第12図、第13a図お
よび第13b図は第C実施例の1変形を示し、説明上こ
れを第C実施例とする。
第C実施例は第C実施例が主に模造人頭を使用すること
を前提にに構成された例に対して、第C実施例では、人
頭に装着しても使用できるいわゆるゾンデ方式の例を示
す。
第9図は第C実施例の使用状態を示す側面図、第10図
は第C実施例を人頭に挿入した状態で、その様子を断面
にして表した説明図、第11図は第C実施例の外形を示
した正面図である。また、第毘図、第13a図および第
13b図は第C実施例の変形実施例を示す説明図である
第C実施例に設けた部材は、第C実施例とほぼ同一であ
り、その違いを下記に述べる。
目的は、人頭に挿入することにより本発明の特殊パイノ
ーラル収録を可能にするものである。
外壁C1は多孔質の材料で、しがも可撓性にとべ外耳道
に挿入しても肉体への影響が少ないものを選んでいる。
ここでは、ポリエチレンを多孔状態にしたものを使用し
ている。また、外壁c1の中腹部には凸部c3を設けて
いる。これは外耳道入り口においてこの外壁c1が位置
決めされるための引っかかりである。
一方、第1マイクa1および第2マイクa2の前には外
壁c1と各々のマイク間に空間c5が設けである。
この空間はウィンドスクリーンの役割を兼ねている。特
に、この第C実施例を第12図に示すように、通常のイ
ンナーイヤータイプのヘッドホンと外形を類似させた場
合、通常のヘッドホンのユニットが入る位置を上記の空
間C5とすることができる。
そして−見普通の上記ヘッドホンに見えるが、実際には
ウィンドスクリーンのために設けられた外壁構造となっ
ている。さらにその外壁の一端部には第2マイクa2が
支えられる構造となっている。
第13a図は第2マイクa2を外耳の側壁部に設けた第
C実施例である。従来アクセサリ−として知られる外耳
用のクリップによって第2マイクa2が簡単かつ支持体
の共鳴要素が僅かで不要な振動音がマイクへ入りにくい
点、および外耳の側面に取り付けるように作成されたク
リップにより支持しているので、調節なしで外耳の先端
位置に設置することができる点が特徴となっている。さ
らに、第13b図は第2マイクa2の支持を耳掛けによ
り行った例であり、この耳掛けは金属の芯材の回りにポ
リエチレン材でコーティングしたフレキシブルな材質か
らなり、マイクの向きや位置が自由にがり安定して行う
ことができる。また、掛は直しの際にも同一の位置が得
られることに特徴がある。なお以上の第C実施例の動作
は第C実施例の2手段と同目的を達成するためのマイク
である。
第d実施例: 第14図および第15図は第d実施例を示す断面図およ
び正面図である。この第d実施例は差成分を電気回路を
利用せずにメカニカルに得ることのできる例を示す。つ
まり、第C実施例および第す実施例で述べた複雑な手段
をたった一つのマイクで得られるようにした例である。
第4マイクd1は8の字状の指向特性を備えるマイクユ
ニットであり、内耳側に管d3を設けている。この管d
3は外耳より数cm離れる位置まで伸びており、この管
d3の開口部d5は朝顔状に開いている。また、管d3
はマイクへ近づくにつれて狭くなるテーパ状態になって
いることが望ましい。さて、この簡単な構造で、開口部
d5から入射した音声は第2マイクa2と同様に頭部で
影響をあまり受けていない音声が入る。そして第4マイ
クd1へ直接入る音声は第1マイクの入力音声と同等に
頭部で影響を大きく受けた音が入射する。そして、管d
3は第4マイクd1の裏側に接続され、マイクの振動が
逆位相に励振される。
従って、以上の構造により、開口部d5と第4マイクd
1へ直接入る音声の差成分だけが第4マイク団の振動板
を震わすことができそしてその信号を取り出すことがで
きる。
この第d実施例は、単にメカニカルに差成分の抽出が可
能になるだけでなく、管d3を利用しているために、第
2マイクa2にあたる音声をピックアップする位置が比
較的外耳道に対して遠くに設けても位相差が大きくなら
ない利点がある。第14図において真人に被収録の音源
があった場合、第2マイクa2を管d3の開口部d5へ
持ってきた場合は、距離d7による時間差が第4マイク
diに対しであるのに対し、この第d実施例では管が第
4マイクこの裏側へ回り込む距離d8だけが時間差とし
てあられれ、その位相差が少ない利点がある。ただし、
正面に被収録の音源があった場合には、上記の差はまっ
たくない。そこで、上記管d3を真横だけでなく、十数
の方角に多数散在させることにより、上記差を全方向で
なくすこともでき得る。そして頭部の内部を越えて例え
ば、点線の管d3のように設けることにより、頭部の存
在を無視できる音声収録が可能になり、第C実施例のよ
うに第2マイクa2にはどうしても防ぎようのなかった
頭部の影響をなくすことができ、より正確な立体情報の
抽出が可能になる。
さて、最後に上記の第C実施例のΣおよび第す実施例の
回路を用いて、任意の方角へインパルス信号音源を配置
し、そのインパルス信号に対して第す実施例によって得
られた種々の出力信号を、DSP回路等に記憶させ、伝
達特性補償回路を構成する。この伝達特性補償回路を各
必要な方角分用意し、ミキサー等のエフェクター処理回
路の間に設けることにより、ライン収録音などの立体情
報をもなたい信号に対し、現在市販されているDSPに
よる残響付加と同様に簡単に方角の情報を付加すること
ができる新しいエフェクターとして利用ができ得る。
[発明の効果] 以上説明したように、本発明は、頭部の音響的な影響を
多く受けた音声を収録する第1マイクと、第1マイクよ
り頭部の音響的な影響を少なく受けた第2マイクを備え
たことを特徴とする3次元立体定位情報の抽出用マイク
である。従って、これら2種のマイクからの信号を即座
に引き算し、差信号を取り出し、頭部の音響的な影響を
受けた音声信号だけを取り出すことが可能になる。また
これら2種のマイクからの信号を多チヤンネル録音器な
どで収録し、その後任意の時に上記差成分の抽出を行う
ことのでき得−る収録がこのマイクにより可能になる。
また、別の目的からなる本発明は、頭内部を伝播する音
声を多く受けた音声を収録する第3マイクと、第3マイ
クより頭内部を伝播する音声を少なく受けた第1マイク
を備えたことを特徴とする3次元立体定位情報の抽出用
マイクである。従って、これら2種のマイクからの信号
を即座に引き算し、差信号を取り出すことにより頭内部
を伝播する音声信号だけを取り出すことが可能になる。
またこれら2種のマイクからの信号を多チヤンネル録音
器などで収録し、その後任意の時に上記差成分の抽出を
行うことのでき得る収録がこのマイクにより可能になる
さらに別の目的からなる本発明は、2つの僅かに異質の
音声信号を位相ずれを遅延回路で相殺し位相を合わせた
状態で引き算等の処理をする差成分を抽出する回路を通
し、これにより抽出された信号を強調する増幅器を設け
、強調された抽出信号を上記2つの信号の何れかに加算
する3次元立体定位情報の抽出用回路である。従って、
この回路で例えば、第C実施例および第C実施例で説明
した種々なマイクからの信号を処理することにより、2
つの大きな特徴のある音声信号を得ることができる。そ
の1つは頭部の外形によって生じる音響的な影響を任意
に誇張した特殊パイノーラル音声が得られ、もう1つは
頭部の内部を伝播することによって生じる音響的な影響
を任意に誇張した特殊パイノーラル音声が得られる。
さて、以上の2種の特殊パイノーラルを組み合わすこと
により、頭部の外回りに関する情報と、内部を伝播する
情報を任意に抽出し、この抽出信号を増幅という手段で
濃縮し、強力にし、最後に最もノーマルなマイクからの
信号、例えば頭部の音響的な影響を少なく受けた第2マ
イクへこの濃縮した音響信号を加えることにより、従来
では有り得ない定位の強烈でなプログラムソースが得ら
れる。そして、今まで、聞き手と収録時の頭部形状誤差
による定位不十分をカバーしえる定位の強調された信号
が得られ、パイノーラルの個人差の問題を解決し得る有
用な効果をも奏する。なお、以上の効果を得るために上
記第1マイクと第2マイクあるいは、第1マイクと第3
マイクを備えるパイノーラル用マイクが提供される。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の第C実施例を示す部分断面左側面図、
第2図は本発明の第C実施例を示す部分断面正面図、第
3図は第C実施例を示す断面図、第4図は第C実施例を
示す部分断面平面図、第5図は第C実施例の模造人頭部
分を除いた斜視図、当r 第6図は収録エリアの説明図  a実施例の各々のマイ
クから得られる信号を処理する一例である第す実施例を
示すブロック回路図、第8図はマイクの位置関係を示す
説明図、第9図、第10図、第11図、第12図、第1
3a図および第13b図は第C実施例の1変形を示す説
明図、第14図は第d実施例を示す断面図、第15図は
第d実施例を示す正面図である。 図  中 al・第1マイク、β・−第1の信号、a2.a5・第
2マイク、α第2の信号、b12. b13・・差成分
を抽出する回路、a3  第3マイク、γ・・第3の信
号、部・収録音声方向制限器具。 手続補正書(“8つ 平成2年7月24日

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1、外耳道入り口付近に設けた頭部外形で影響された音
    を専ら収録する第1マイク(a1)から得られる第1の
    信号(β)と、上記第1マイク(a1)より頭部に対し
    て離して設置した頭部外形であまり影響を受けていない
    音を専ら収録する第2マイク(a2、a5)から得られ
    る第2の信号(α)とを、差成分を抽出する回路(b1
    2)で演算することを特徴とする3次元立体定位情報の
    抽出方法。 2、外耳道入り口付近に設けた頭部外形で影響された音
    を専ら収録する第1マイク(a1)から得られる第1の
    信号(β)と、上記第1マイク(a1)より頭内部側へ
    設置した頭内部を伝播する音声を専ら収録する第3マイ
    ク(a3)から得られる第3の信号(γ)とを、差成分
    を抽出する回路(b13)で演算することを特徴とする
    3次元立体定位情報の抽出方法。 3、外耳道入り口付近に設けた頭部外形で影響された音
    を専ら収録する第1マイク(a1)と、上記第1マイク
    (a1)より頭部に対して離して設置して頭部外形であ
    まり影響を受けていない音を専ら収録する第2マイク(
    a2、a5)とを備えたことを特徴とする3次元立体定
    位情報の抽出装置。 4、外耳道入り口付近に設けた頭部外形で影響された音
    を専ら収録する第1マイク(a1)と、上記第1マイク
    (a1)より頭内部側へ設置して頭内部を伝播する音声
    を専ら収録する第3マイク(a3)とを備えたことを特
    徴とする3次元立体定位情報の抽出装置。 5、少なくとも差成分を抽出する回路(b12)で演算
    する周波数帯域において、第1マイク(a1)と第2マ
    イク(a2、a5)の指向特性を双方とも無指向特性の
    マイクを使用したことを特徴とする請求項第1に記載の
    3次元立体定位情報の抽出方法。 6、少なくとも差成分を抽出する回路(b12)で演算
    する周波数帯域において、第1マイク(a1)と第2マ
    イク(a2、a5)の指向特性を双方とも指向性を有す
    るマイクを使用し、かつ略同一方向へマイクの向きを設
    定したことを特徴とする請求項1記載の3次元立体定位
    情報の抽出方法。 7、差成分を抽出する回路(b12)で演算する第2マ
    イクの信号を、回動自在に設置した収録音声方向制限器
    具(a6)の内側に設けた第2マイク(a5)とした請
    求項1記載の3次元立体定位情報の抽出方法。 8、バイノーラル収録用ヘッドを収納する収納スペース
    と、上記収納スペースから外側へ伸びる少なくとも1つ
    の開口部を有する消音質材料から成り、収納した上記バ
    イノーラル収録用ヘッドへ到来する音声の方角を規制す
    る収録音声方向制限器具(a6)を設けた請求項3記載
    の3次元立体定位情報の抽出装置。。
JP08184990A 1990-03-29 1990-03-29 3次元立体定位情報の抽出方法と装置 Expired - Fee Related JP3184901B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP08184990A JP3184901B2 (ja) 1990-03-29 1990-03-29 3次元立体定位情報の抽出方法と装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP08184990A JP3184901B2 (ja) 1990-03-29 1990-03-29 3次元立体定位情報の抽出方法と装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH03280700A true JPH03280700A (ja) 1991-12-11
JP3184901B2 JP3184901B2 (ja) 2001-07-09

Family

ID=13757929

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP08184990A Expired - Fee Related JP3184901B2 (ja) 1990-03-29 1990-03-29 3次元立体定位情報の抽出方法と装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3184901B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5982903A (en) * 1995-09-26 1999-11-09 Nippon Telegraph And Telephone Corporation Method for construction of transfer function table for virtual sound localization, memory with the transfer function table recorded therein, and acoustic signal editing scheme using the transfer function table
JP2002095098A (ja) * 2000-09-19 2002-03-29 Matsushita Electric Ind Co Ltd 音響再生装置
JP2019517190A (ja) * 2016-05-06 2019-06-20 ウニベルシダー デ メデジンUniversidad de Medellin バイノーラルサウンドキャプチャ装置
CN113709632A (zh) * 2016-08-18 2021-11-26 声音六维公司 用于记录多维声效果的麦克风

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5982903A (en) * 1995-09-26 1999-11-09 Nippon Telegraph And Telephone Corporation Method for construction of transfer function table for virtual sound localization, memory with the transfer function table recorded therein, and acoustic signal editing scheme using the transfer function table
WO2004103023A1 (ja) * 1995-09-26 2004-11-25 Ikuichiro Kinoshita 仮想音像定位用伝達関数表作成方法、その伝達関数表を記録した記憶媒体及びそれを用いた音響信号編集方法
JP2002095098A (ja) * 2000-09-19 2002-03-29 Matsushita Electric Ind Co Ltd 音響再生装置
JP4663085B2 (ja) * 2000-09-19 2011-03-30 パナソニック株式会社 音響再生装置
JP2019517190A (ja) * 2016-05-06 2019-06-20 ウニベルシダー デ メデジンUniversidad de Medellin バイノーラルサウンドキャプチャ装置
CN113709632A (zh) * 2016-08-18 2021-11-26 声音六维公司 用于记录多维声效果的麦克风

Also Published As

Publication number Publication date
JP3184901B2 (ja) 2001-07-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101547035B1 (ko) 다중 마이크에 의한 3차원 사운드 포착 및 재생
US8682010B2 (en) Automatic environmental acoustics identification
US9191733B2 (en) Headphone apparatus and sound reproduction method for the same
US7391876B2 (en) Method and system for simulating a 3D sound environment
JP2961327B2 (ja) ステレオ音響再生方法および装置
KR100225546B1 (ko) 음향신호재생장치
JP3435141B2 (ja) 音像定位装置、並びに音像定位装置を用いた会議装置、携帯電話機、音声再生装置、音声記録装置、情報端末装置、ゲーム機、通信および放送システム
JPH08507910A (ja) 複数チャネルのサウンド・プロセッシング
AU2002234849A1 (en) A method and system for simulating a 3D sound environment
KR20060047444A (ko) 바이노럴 재생장치, 바이노럴 재생방법 및 기록매체
JP2001125578A (ja) 音場再現方法およびその装置
US11546703B2 (en) Methods for obtaining and reproducing a binaural recording
KR20060041735A (ko) 음향 수음 장치, 음향 수음 방법, 기록 매체
JP2006065100A (ja) 再生装置及び再生システム
CN1728891B (zh) 声音图像定位装置、方法和存储使信息处理器执行声音图像定位处理的声音图像定位程序的存储介质
US9872121B1 (en) Method and system of processing 5.1-channel signals for stereo replay using binaural corner impulse response
JP3194386B2 (ja) 立体音再生装置
JPH03280700A (ja) 3次元立体定位情報の抽出方法と装置
JP3521451B2 (ja) 音像定位装置
JP2001346298A (ja) バイノーラル再生装置及び音源評価支援方法
JPH06217400A (ja) 音響装置
EP0050100A2 (en) Device for the spatial codification of sounds
Schobben et al. Personalized multi-channel headphone sound reproduction based on active noise cancellation
JP3128257U (ja) サラウンド録音用マイクロホン
JP3374731B2 (ja) バイノーラル再生装置、バイノーラル再生用ヘッドホンおよび音源評価方法

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees