JPH0328061Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案はエレベーターの出入口装置に関するも
のである。

〔従来の技術〕

エレベーターが乗場に着床したときは、かご敷
居と乗場敷居間に通常３cm程度の間隙が形成さ
れ、しかも、着床段着が生ずることがある。

この間隙は、かご側と乗場側のドアを互いに連
結させるための係合装置を配置するために不可欠
であり、また、着床段差は、エレベーター機器の
故障時やエレベーターの負荷変化などによつて生
じるものである。この為、上記間隙に身障者用車
椅子のキヤスターが落込んで身障者自身では脱出
できなくなる不具合、および、着床段差に乗降者
がつまづいて転倒したり、台車が衝突を受けて大
事な積荷を落下させるという事故がたびたび発生
し、利用者に迷惑をかけるばかりか、人身事故や
運搬荷物の破損事故にもなつていた。

これらの不具合を解決する一手段として、かご
敷居の一部、または独立した板を回転させてかご
敷居と乗場敷居間の間隙を縮少する装置として、
実開昭60−104576がある。

〔考案が解決しようとする問題点〕

上記装置は、かご敷居と乗場敷居との間隙を縮
少する遮へい板を、かご下端のガイドシユーで板
バネを押し下げ、リンクを介して回転している。
つまり、ドアの開閉ストロークを駆動元としてい
るため、遮へい板の回転角が常に一定である。

従つて、エレベーターが乗場に着床したとき、
かご敷居と乗場敷居に着床段差が生じた場合は何
ら補正できず、この着床段差による乗降客のつま
づき転倒や、台車で乗降する際に衝撃を受けて積
荷を落下されるなどの問題があつた。

本考案の目的は、かご敷居部分に設けられた補
助敷居を専用のモーターで駆動させ、かご敷居と
乗場敷居との間隙を縮少すると同時に、上記補助
敷居を着床段差に合致した位置に停止させて緩や
かな傾斜を保ち、乗降者のつまづき転倒や、台車
の衝撃による積荷落下等の事故を防止することに
ある。

〔問題点を解決するための手段〕

上記目的は、エレベーターが乗場に着床したと
き、かご敷居部分に設けられた補助敷居を上下に
可動せしめ、かご敷居面と乗場敷居面との着床段
差を緩やかにするようにしたエレベーターの出入
口装置において、前記補助敷居および乗場敷居の
対向する箇所に設けられ、両者の接近を検出する
検出器と、ドアの開閉信号に応じて補助敷居を回
動させる制御を行なうとともに、前記検出器から
出力される信号により、回動中の補助敷居を停止
させる制御を行なう制御手段を備えたことにより
達成できる。

〔作用〕

かご敷居部分に設けられた補助敷居が、ドア開
に応じたモーター起動によつて回動し、位置検出
器の作動によつて停止する。それによつて、かご
敷居と乗場敷居との間隙を縮少し、かつ着床段差
が生じている場合は緩やかな傾斜面を形成するの
で、身障者の車椅子キヤスターが間隙に落下する
ことなく乗降でき、また着床段差に乗降者がつま
づいて転倒したり、台車が衝撃を受けて積荷を落
下させるようなことはない。

一方エレベーターが運転するときは、ドア閉に
応じたモーター起動によつて補助敷居を元の位置
に回動し、収納位置検出器の作動によつて定位置
に停止するので、エレベーターの走行運転によつ
て補助敷居が昇降路物に衝突するようなことはな
い。

〔実施例〕

以下、本考案の一実施例を第１図から第５図に
よつて説明する。

本実施例は、２枚ドア中央開きの場合で、第１
図、第２図、第３図はドア開き状態を示し、第４
図と第５図はドア閉じ状態を示す。図中１はか
ご、２はかご敷居、３は乗場敷居、４はかごド
ア、５は乗場ドア、６は補助敷居で補助敷居軸７
をかご敷居２に取付ける。補助敷居軸７の片方の
先端にはガイドスプロケツト８を設けて駆動モー
ター１１の先端には駆動スプロケツト１０を取付
け、駆動スプロケツト１０とガイドスプロケツト
８はチエーン９で連結している。

次に動作原理について説明する。エレベーター
が目的階に着床すると、ドア開信号によつて駆動
モーター１１が起動し、駆動スプロケツト１０が
回転する。同時にチエーン９の伝達によつてガイ
ドスプロケツト８と補助敷居軸７が回転し、補助
敷居６は補助敷居軸７を中心にして回動する。こ
こで、位置検出器保持金具１２は、補助敷居軸７
に固定しているので補助敷居６と全く同期して回
動する。

一方位置検出器保持金具１２の先端には位置検
出器１３を、また乗場敷居３の先端には被位置検
出器１４を設けているので、位置検出器１３と被
位置検出器１４が対向した時に位置検出器１３が
作動しこの信号で駆動モーター１１を停止する。

以上の動作により、補助敷居６は第２図と第３
図に示す如く、かご敷居２と乗場敷居３との間隙
Ｇを塞ぎ、また着床段差に緩やかな傾斜が形成さ
れるので身障者用車椅子のキヤスターが間隙Ｇに
落下することがなく、着床段差に乗降者がつまづ
いて転倒したり、台車が乗降の際に衝撃を受けて
積荷を落下させる事故を防止できるので安心して
エレベーターを利用できる。

尚、乗降者がいなくなるとドア４とドア５は閉
じるが、ドア閉に応じて駆動モーター１１が逆転
し補助敷居６は第４図、および第５図の如くかご
敷居２側へ戻り、位置検出器１３は、かご敷居２
の下部に設けた被位置検出器１５と対向して作動
し、この信号で駆動モーター１１が停止する。従
つてかご敷居２と乗場敷居３の間隙Ｇが保たれる
のでエレベーターは正常運転できる。

前記一実施例は、２枚ドア中央開きの場合を説
明したが、２枚ドア、３枚ドアの片開き方式にお
いてもこの考案を適用した場合は同様の効果が得
ることが出来る。

〔考案の効果〕

本考案によれば、駆動モーターによつてかご側
の補助敷居を回動させ、かご敷居と乗場敷居との
間隙を少なくすると同時に、着床段差も緩やかに
できるので、身障者用車椅子のキヤスターの落下
や、乗降者がつまづいて転倒したり、台車で乗降
の際に衝撃を受けて積荷を落下させたりするよう
なことはなくなるので、安全性の向上と労力の削
減を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図から第５図は、この考案によるエレベー
ターの出入口装置の一実施例を示し、第１図はド
ア開き状態のエレベーター出入口廻りの平面図、
第２図は第１図の−断面図、第３図は第１図
の−断面図、第４図と第５図はドア閉じ状態
の敷居部分の断面図である。 １……かご、２……かご敷居、３……乗場敷
居、６……補助敷居、９……チエーン、１１……
駆動モーター、１３……位置検出器。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. エレベーターが乗場に着床したとき、かご敷居
   部分に設けられた補助敷居を上下に可動せしめ、
   かご敷居面と乗場敷居面との着床段差を緩やかに
   するようにしたエレベーターの出入口装置におい
   て、前記補助敷居および乗場敷居の対向する箇所
   に設けられ、両者の接近を検出する検出器と、ド
   アの開閉信号に応じて補助敷居を回動させる制御
   を行なうとともに、前記検出器から出力される信
   号により、回動中の補助敷居を停止させる制御を
   行なう制御手段とを備えたことを特徴とするエレ
   ベーターの出入口装置。