JPS62835B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、エレベータの戸が確実に全閉した
ことを確認するスイツチ機構を備えたエレベータ
の戸の制御装置に関するものである。

通常、エレベータのかごの戸は、かご上に設け
られたドアマシンによつて開閉され、一方乗場の
戸はかごの戸の開閉に連動して開閉するように構
成されている。

まず第１図、第２図によつて従来のエレベータ
の戸の制御装置を説明する。

第１図、第２図中１はエレベータのかご、２は
かご１の床、３はかご１の一側に設けられた出入
口、４はかご１の上部に設けられたドアマシン
で、モータ４ａ、小プーリ４ｂ、大プーリ４ｃ、
Ｖベルト４ｄおよび制御装置４ｅからなる。５は
かご１の出入口３上部に適宜固定されたレール、
６はドアハンガーで、レール５上を転動するハン
ガーローラ６ａ，６ｂ、傾き防止ローラ６ｃ，６
ｄおよび上記ローラを枢持する吊り板６ｅからな
る。７は上端部がドアハンガー６に吊持され、下
端部が床２の一部に案内されて、出入口３を開閉
するかごの戸、８はかごの戸７に固定され乗場の
戸（図示せず）に動力を伝達するためのベーン、
９はゲートスイツチ機構で、かご１に固定された
スイツチ９ａと、吊り板６ｅに固定された作動片
９ｂとからなる。１０は駆動腕で、ドアマシン４
からの動力をかごの戸７に伝達するように４個の
リンク１０ａ，１０ｂ，１０ｃおよび１０ｄから
なり、リンク１０ａの一端部が大プーリ４ｃに固
定され、他端部がリンク１０ｂに枢着されてい
る。リンク１０ｃはその中間部がかご１に枢着さ
れ、上端部がリンク１０ｂの他端部に枢着され、
下端部が一端部をかごの戸７の一部に枢着された
リンク１０ｄの他端部に枢着されている。１１は
乗場の戸（図示せず）に固定された係合片で、か
ごの戸７の開閉力を受けて乗場の戸（図示せず）
をかごの戸７と同時に開閉するためのものであ
る。１２は出入口３とかごの戸７の下端部付近に
挾まれた異物である。

上述のように構成されたものは、かご１がある
階に停止しており、乗客が乗込み行先目的階の釦
（図示せず）を操作すると、ドアマシン４の制御
装置４ｅにかごの戸７の閉指令が発せられ、モー
タ４ａは反時計方向へ回転を始め、一定時間経過
すると第１図に示すようにかごの戸７は出入口３
を全閉し、ゲートスイツチ機構９が作動する。ま
た、ベーン８と係合片１１も第１図に示す関係と
なり、かご１が目的の階に向つて走行を始める。

ところが上述のような従来の戸の開閉装置には
次のような欠点があつた。すなわち、ハンガーロ
ーラ６ａ，６ｂは転動時の騒音を小さくするた
め、これらの外周にポリウレタンゴムなどの非金
属材質を被覆しており、また傾き防止ローラ６
ｃ，６ｄもかごの戸７の走行抵抗を減少させるた
め、レール５との間に若干の隙間を設けている。
このため、上記隙間を大き目に調整したりする
と、第２図に示すように、出入口３とかごの戸７
の下端付近に異物１２を挾んでいても、かごの戸
７の傾きその上端部はほぼ全閉して、ゲートスイ
ツチ機構９が作動するため、かご１の走行が可能
となる。このように異物１２を挾んでいても、か
ご１が走行可能になると、乗客が長い棒などの異
物１２をかご１から外側に向つて大きく突出させ
るといういたずらをした場合などに、その異物１
２が昇降路内の機器（図示せず）を破損したり、
異物１２の破損によりいたずらをしている人が怪
我をする恐れがある。また、ベーン８と係合片１
１との関係位置がずれ、かご１の走行中に干渉し
て、ベーン８あるいは係合片１１を破損するとい
う事故を発生する恐れがあつた。

この発明は、上述した欠点を解消しようとする
もので、かごの戸の下端部が全閉したことを確認
してから、かごの走行を可能にして、機器の破損
や人身事故を防止できるエレベータの戸の制御装
置を提供することを目的としている。

以下、第３図ないし第５図によつて、この発明
の一実施例を説明する。

第３図ないし第５図中、第１図、第２図と同符
号は同一部分を示し、１３は戸の傾きチエツク用
の第２ゲートスイツチ機構で、かご１に固定され
たスイツチ１３ａと、かごの戸７の下端付近に固
定されたスイツチ１３ａを動作させる作動片１３
ｂとからなる。９ｃはゲートスイツチ機構９の常
開接点、１３ｃは第２ゲートスイツチ機構１３の
常開接点、１４はリレー、１５はかご１の走行を
指令する走行指令回路、＋，−は直流電源である。

そして、第３図に示すように、かごの戸７が正
しく全閉すると、ゲートスイツチ機構９および第
２ゲートスイツチ機構１３がオン作動し、接点９
ｃおよび１３ｃが閉成されて、アンド条件の成立
することによりリレー１４が付勢されて、走行指
令回路１５が作動するように構成されている。

したがつて、第２図に示したようにかごの戸７
の下端部と出入口３の間に異物１２が挾まれてい
ると、第２ゲートスイツチ機構１３が作動せず、
かご１の走行指令が出されないため、異物１２に
よる昇降路機器、ベーン８、係合片１１等の破損
事故が防止され、また異物１２の破損による人身
事故も防止できる。

また、この発明において、乗場の戸にも第２ゲ
ートスイツチ機構１３と同様なスイツチ機構を戸
の下端部付近に設けた場合には、乗場側からかご
１へ向つての異物１２の突出による事故も防止で
き、より安全なエレベータシステムを構成するこ
とができる。

以上説明したとおり、この発明は上端を吊持さ
せてエレベータの出入口を開閉する戸の上端部に
戸の全閉確認用スイツチ機構を設け、かつ下端部
には戸全閉時の戸の傾きチエツク用ゲートスイツ
チ機構を設けると共に、上記両スイツチ機構のオ
ン信号のアンド条件が成立した時のみエレベータ
の走行を可能としたので、戸の下端付近に異物を
挾み込んで戸が傾いたまゝかごが走行するのを確
実に防止できると共に、乗客のいたずらによる昇
降路内の諸機器の破損および人身事故を未然に防
止でき、より安全なエレベータ機器を提供できる
という効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のエレベータのかごの戸の開閉機
構を乗場側から見た正面図、第２図はかごの戸の
下端付近に異物を挾み込んだエレベータのかごの
戸の開閉機構を乗場側から見た正面図、第３図は
この発明の一実施例によるエレベータの戸の制御
装置を示す第１図に相当する正面図、第４図は第
３図の−線断面図、第５図はこの発明の一実
施例によるエレベータの戸の制御装置の制御回路
を示す回路図である。 １……かご、３……出入口、６……ドアハンガ
ー、６ａ，６ｂ……ハンガーローラ、６ｃ，６ｄ
……傾き防止ローラ、７……かごの戸、９……ゲ
ートスイツチ機構、１２……異物、１３……第２
ゲートスイツチ機構、１５……走行指令回路。な
お、図中同一部分または相当部分は同一符号によ
り示す。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 上端を吊持させて出入口を開閉する戸の上端
   部に戸の全閉確認用スイツチ機構を設け、かつ下
   端部には戸全閉時の戸の傾きチエツク用ゲートス
   イツチ機構を設けると共に、上記両スイツチ機構
   のオン信号のアンド条件が成立した時のみエレベ
   ータの走行を可能にしたことを特徴とするエレベ
   ータの戸の制御装置。