JPH03265105A - 軟磁性積層膜 - Google Patents

軟磁性積層膜

Info

Publication number
JPH03265105A
JPH03265105A JP2063809A JP6380990A JPH03265105A JP H03265105 A JPH03265105 A JP H03265105A JP 2063809 A JP2063809 A JP 2063809A JP 6380990 A JP6380990 A JP 6380990A JP H03265105 A JPH03265105 A JP H03265105A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
soft magnetic
magnetic alloy
crystal grains
layer
film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2063809A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2710441B2 (ja
Inventor
Naoya Hasegawa
直也 長谷川
Masaji Saito
正路 斎藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Alps Alpine Co Ltd
Original Assignee
Alps Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Alps Electric Co Ltd filed Critical Alps Electric Co Ltd
Priority to JP2063809A priority Critical patent/JP2710441B2/ja
Publication of JPH03265105A publication Critical patent/JPH03265105A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2710441B2 publication Critical patent/JP2710441B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B82NANOTECHNOLOGY
    • B82YSPECIFIC USES OR APPLICATIONS OF NANOSTRUCTURES; MEASUREMENT OR ANALYSIS OF NANOSTRUCTURES; MANUFACTURE OR TREATMENT OF NANOSTRUCTURES
    • B82Y25/00Nanomagnetism, e.g. magnetoimpedance, anisotropic magnetoresistance, giant magnetoresistance or tunneling magnetoresistance
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F10/00Thin magnetic films, e.g. of one-domain structure
    • H01F10/32Spin-exchange-coupled multilayers, e.g. nanostructured superlattices

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
  • Nanotechnology (AREA)
  • Magnetic Heads (AREA)
  • Power Engineering (AREA)
  • Thin Magnetic Films (AREA)
  • Carbon And Carbon Compounds (AREA)
  • Other Surface Treatments For Metallic Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は、磁気ヘッド等に適した飽和磁束密度の高い
軟磁性積層膜に関する。
[従来の技術] 磁気記録の分野においては、記録密度を高ぬるために磁
気テープ等の記録媒体の高保磁力化が推進されているが
、それに対応する磁気ヘッドの材料として飽和磁束密度
(B s)の高いものが要求されている。
従来の高飽和磁束密度の軟磁性材料(膜)として、F 
e−S i−A I合金(センダスト)が代表的なもの
であるが、近年、強磁性金属元素であるCoを主体とす
る非晶質の合金膜が開発されている。
また最近の試みとして、Feを主成分とする微細結晶か
らなる合金膜(F e−C、F e−S i等)により
、Feの結晶磁気異方性の影響(軟磁性に対する悪影響
)を結晶の微細化により軽減し、高飽和磁束密度でかつ
軟磁気特性の優れた膜を得た例がある。
[発明が解決しようとする課題] ところで、磁気ヘッドを組み込んだ装置は小型化、軽量
化する傾向にあり、移動に伴う振動にさらされたり、悪
環境のもとで使用されたりすることが多くなっている。
そこで、磁気ヘッドには、磁気特性が優秀であって磁気
テープに対する耐摩耗性が優れていることは勿論、湿度
や腐食性の雰囲気中での耐用性、すなわち耐環境性や、
耐振動性等が高いことが要求されている。そのため、ギ
ャップ形成やケースへの組み込み等をガラス溶着で行う
ことが必要となり、磁気ヘッドの素材はヘッドの製造工
程におけるガラス溶着工程の高温に耐え得ることが必要
である。
しかしながら、前記従来の軟磁性合金膜において、セン
ダストからなるものは、飽和磁束密度が約10000G
(ガウス)程度であり、今後−層の高密度化の要求に対
しては不充分である。また、Co系のアモルファス合金
膜では13000G以上の高い飽和磁束密度のものも得
られているが、従来のアモルファス合金の飽和磁束密度
を高くしようとすると、アモルファス形成元素であるT
i。
Zr、Hf、Nb、Ta、Mo、W等の添加量を少なく
する必要があるが、添加量を少なくすると、アモルファ
ス構造の安定性が低下し、ガラス溶着に必要な温度(約
500℃以上)には耐え得ない問題がある。
更に、上述したFeを主成分とする微細結晶からなる合
金膜(F e−C、F e−9i等)は、高温で結晶成
長を起こし、軟磁気特性が劣化する(Fe−Cの場合、
400℃が最高)ために、やはりガラス溶着に適したも
のとは言い難い。
このような背景から本願発明者らは、特願平l−278
220号などにおいて、前記の問題を解決した軟磁性合
金膜を特許出願している。
特願平1−278220号明細書において特許出願して
いる軟磁性合金膜の1つは、組成式が、Fex MzC
wで示され、組成比Xは原子%で50〜96、Zは2〜
301.は0.5〜25、X+z 十w = 100な
る関係を満足するものであった。
また、他の1つは、組成式が、FexTyMzCWで示
され、組成比Xは原子%で5θ〜96、yは0.1−1
0.2は2〜301.は0.5〜25、X + y +
 z + ’w = 100なる関係を満足するもので
あった。
この特許出願で提供した軟磁性合金膜は、一部組酸のも
のは18000G程度の高い飽和磁束密度を有し、従来
の各種材料に比較すると高い熱安定性を備え、十分な耐
食性と耐環境性を有しているものであった。ところが、
この軟磁性合金膜では、飽和磁束密度20000G前後
のものは得られず、特に高い記録特性が要求される磁気
ヘッド用としては対応できない問題があった。
本発明は上述の問題点を解決し、軟磁気特性に優れ、そ
の特性が熱的に安定であり、信頼性の高いガラス溶着が
できるとともに、20000G前後の高い飽和磁束密度
を示し、無磁場熱処理によっても十分に高い磁気特性を
得ることができる軟磁性積層膜を提供することを目的と
するものである。
[課題を解決するための手段〕 請求項1に記載した発明は前記課題を解決するために、
FezMzCvyなる組成式で示される軟磁性合金層と
Fe層とが交互に積層されてなり、前記軟磁性合金層は
全体が平均粒径0.08μm以下の微細な結晶粒からな
り、微細結晶粒の一部に元素Mの炭化物の結晶相を含む
ことを特徴とするものである。ただし前記組成式におい
てMはTiZ r、Hf、V 、N b、T a、Mo
、Wのうち、少なくとも1種からなる金属元素又はその
混合物であり、組成比X 、Z 、wは原子%で50≦
x≦96.2≦2≦30.0.5≦7≦25、x+z+
w=100なる関係を満足するものとする。
請求項2に記載した発明は前記課題を解決するためlこ
’、FexTyMzCwなる組成式で示される軟磁性合
金層とFe層とが交互に積層されてなり、前記軟磁性合
金層は全体か平均粒径0.08μm以下の微細な結晶粒
、9らなり、微細結晶粒の一部に元素Mの炭化物の結晶
相を含むものである。
ただし前記組成式において、MはTi、Zr、Hf、V
Nb、Ta、Mo、Wのうち、少なくとも1種からなる
金属元素又はその混合物、TはCo、Niのうち、少な
くとも1種を示し、組成比X 、)’ 、Z 、wは原
子%で50≦x≦96.0.1≦y≦20.2≦2≦3
0.0.5≦w≦25、x+Z+、−100なる関係を
満足するものとする。
請求項3に記載した発明は前記課題を解決するために、
請求項1または2に記載の軟磁性合金層が平均結晶粒径
0.08μm以下の微細な結晶粒と非晶質相との混在し
た組織を有し、微細結晶粒の一部に元素Mの炭化物の結
晶相を含むものである。
請求項4に記載した発明は前記課題を解決するために、
請求項1,2または3に記載したFe層と軟磁性合金層
との界面において、軟磁性合金層の構成元素の濃度勾配
をつけてなるものである。
以下に本発明を更に詳細に説明する。
第1図は本発明の軟磁性積層膜の一実施例を示すもので
、この実施例の積層膜1は、基板2の上に、純鉄からな
るFe層3と、Fe−M−C系あるいはF e−T −
N−C系の軟磁性合金層4とを交互に積層してなるもの
である。なお、積層膜1においてその最上部には軟磁性
合金膜4が形成されている。
また、前記積層膜1の厚さ方向の濃度分布は第2図に示
すようになっている。
前記軟磁性合金層4の一例は、pexMzCwなる組成
式で示され、全体が平均粒径0.08μ印以下の微細な
結晶粒からなり、微細結晶粒の一部に元素Mの炭化物の
結晶相を含むものである。ただし前記組成式においてM
はTi、Zr、Hf、V 、NbT a、Mo、Wのう
ち、少なくとも1種からなる金属元素又はその混合物で
あり、組成比x 、z 、wは原子%で50≦x≦96
.2≦Z≦30,0.5≦w≦25、x + z + 
w = 100なる関係を満足するものとする。
また、前記軟磁性合金層4の他の1つの例は、FexT
yMzCwなる組成式で示され、全体が平均粒径0,0
8μm以下の微細な結晶粒からなり、微細結晶粒の一部
に元素Mの炭化物の結晶相を含むものである。ただし前
記組成式において、MはTi、Zr、Hf、V、Nb、
Ta、Mo、Wのうち、少なくとも1種からなる金属元
素又はその混合物、TはGo、Niのうち、少なくとも
1種を示し、組成比X 、1/ 、Z +Wは原子%で
50≦x≦96.0.1≦y≦20.2≦2≦30.0
.5≦w≦25.8十z + w = I 00なる関
係を満足するものとする。
前記軟磁性積層膜を成膜する方法としては、スパッタ、
蒸着等のHM形成装置により作製する。
スパッタ装置としては、RF2極スパッタ、DCスパッ
タ、マグネトロンスパッタ、3極スパツタ、イオンビー
ムスパッタ、対向ターゲット式スパッタ、等の既存のも
のを使用することができるが、同一真空槽内に2基以上
のターゲットを装着可能で、真空を破らずに多層膜の作
製が可能な形式の装置を用いることか好ましい。
第3図は前記積層膜1を製造する場合に用いて好適な成
膜装置の一例を示すもので、図中5は支持軸6によって
回転自在支持された基板ホルダ、7.8は基板ホルダ5
の上方に設けられたカソードであって、カソード7.8
の間には隔壁9が設けられ、装置全体が図示路の真空容
器に収納されている。そして、基板ホルダ5の上面には
基板lOが設置されるとともに、カソード7の下面には
純鉄製のターゲット11が設けられ、カソード8の下面
にはグラファイト板などのベレット12とHfなどの元
素Mからなるベレット13とを備えた純鉄製のターゲッ
ト14が設けられている。
前記構成の装置によって積層膜lを形成するには、両方
のカソード7.8でスパッタを行って各ターゲットから
スパッタ粒子を発生させるとともjこ、基板ホルダ5を
所定時間毎に180°回転させて基板IOをカソード7
の下方側とカソード8の下方側の両方を交互に往来させ
ることによって行う。
以上の操作によって基板lOの上には、カソード7から
スパッタされた粒子によってFe層3が形成され、カソ
ード8からスパッタされた粒子によって軟磁性合金層4
が形成され、この繰り返しによって第1図に示す積層膜
Iが形成される。
基板ホルダ5の交互回転によって基板l上に所定の厚さ
の積層膜1を形成したならば、成膜操作を停止する。
このようにして作製したままの積層膜lにおける各軟磁
性合金層[F e−(T )−M−C膜]は、一応の軟
磁気特性を示すが、これらの軟磁性合金膜はアモルファ
ス相をかなりの割合で含んだものであり、飽和磁束密度
が十分には高くなく、軟磁気特性も十分ではなく、不安
定であるので、400〜700℃程度に加熱する熱処理
を施すことによって微細結晶を析出させる。そして、こ
の熱処理を静磁場あるいは回転磁場中で行うことにより
、優れた軟磁気特性が得られる。また、この熱処理は磁
気ヘッドの製造工程におけるガラス溶着工程を兼ねて行
うことができる。
なお、前記微細結晶の析出工程は、完全に行なわれる必
要はなく、微細結晶が相当数(好ましくは50%以上)
析出していれば良いので、アモルファス成分が一部残留
していても差し支えなく、残留したアモルファス成分が
特性向上の障害となることはない。
また、Cを膜中に添加する方法として、前記のようにタ
ーゲツト板にグラファイトのベレット12を配置して複
合ターゲットとし、これをスパッタする方法の他に、C
を含まないターゲット(Fe−M系あるいはF e−T
−M系)を用い、Ar等の不活性ガス中にメタン(CH
,)等の炭化水素ガスを混合したガス雰囲気でスパッタ
する反応性スパッタ法等を用いることもできる。この反
応性スパッタ法では膜中のC濃度の制御が容易であるが
Fe層3を成膜する際にはCH,ガスの供給を停止して
から成膜する必要がある。
以下、軟磁性合金層4の成分を限定した理由について述
べる。なお、Feと元素Tと元素MとCの成分限定理由
は特願平1−278220号の場合と大略同一である。
Feは主成分であり、磁性を担う元素であって、少なく
ともフェライト(Bs  5000G)以上の飽和磁束
密度を得るためには、X≧50%が必要である。また、
良好な軟磁気特性を得るためには、X596%でなけれ
ばならない。
元素T(即ちCo、Ni)は、磁歪の調整の目的で添加
する元素である。Fe−M−C膜の場合、熱処理温度が
低いと磁歪が正になり、熱処理温度が高いと磁歪が負に
なる。高い熱処理温度(ガラス溶着温度)を必要とする
場合、磁歪を正にする効果のあるNi、Coを適量添加
することにより、磁歪をほぼ零にすることができる。な
お、熱処理温度が適当な場合、元素Tの添加は特に必要
ないが、Tの添加は正の磁歪が+10−5台以上まで大
きくならないようにyの値を調整しなくてはならない。
ここでyの値について、特願平1−278220号にお
いては、0,1≦y≦w0であったものを、この発明に
おいて0,1≦y≦20まで拡大しているのは、Fe層
3の磁歪が負で大きい値を持ったぬに、積層H1の全体
の磁歪を+10−5台にまで大きくしないためのyの許
容量が増加するためである。
元素Mは軟磁気特性を良好にするために必要であり、ま
たCと結合して炭化物の微細結晶を形成する。良好な軟
磁気特性を維持するためには、2層2%とする必要があ
るが、多すぎると飽和磁束密度が低下してしまうので、
2630%とする必要がある。
Cは軟磁気特性を良好にするため、及び、耐熱性を向上
させるために必要であり、Cは元素Mと結合して炭化物
の微細結晶を形成する。良好な軟磁気特性、及び、熱的
安定性を維持するためには1.50.5%とする必要が
あるが、多すぎると飽和磁束密度が低下してしまうので
、1層25%とする必要がある。
元素Mの炭化物の微細結晶は磁壁のピンニングサイトと
して働き、透磁率の高周波特性を向上させる働きがある
とともに、膜中に均一に分散させることで、Feの微細
結晶が熱処理により成長して軟磁性を損うことを防止す
る働きがある。つまり、Peの結晶粒が成長して大きく
なると結晶磁気異方性の悪影響か大きくなり、軟磁気特
性が悪化するが、元素Mの炭化物の微細結晶がFeの粒
成長の障壁として働くことにより軟磁気特性の悪化を防
止する。
上記軟磁性合金層4においてはその組成がFeに富む微
細な結晶を主体とし、飽和磁束密度を低下させる成分の
添加が制限されているから、非晶質状態に比べ鉄原子1
個あたりの磁気モーメントおよびキュリー温度が高くな
っており、高い飽和磁束密度が得られる。また、元素M
及びCが含まれているとともに、金属組織が基本的に0
.08μm以下の微細な結晶粒からなっており、結晶磁
気異方性による軟磁性への悪影響が軽減されるので、良
好な軟磁気特性が得られる。更に、元素Mの炭化物が析
出してFeを主成分とする結晶粒の成長を抑えるので、
ガラス溶着工程において加熱されても、結晶粒が粗大化
することがない。
前記のように製造された積層膜Iにあっては、飽和磁束
密度が21.5kGの20層3と最高18kGの飽和磁
束密度を有する軟磁性合金膜lとを交互に積層している
ために、全体で20000Gを越える極めて高い飽和磁
束密度を得ることができる。また、F e−(T )−
M−C系の軟磁性合金層4は、膜自体微細結晶を主体と
し、軟磁気特性が優れていること、および、Fe層層中
中結晶粒は上下から軟磁性合金層4.4により挾まれて
膜厚方向には成長し難いので20層3の結晶粒も微細と
なり、20層3の軟磁気特性も良好であることにより、
積層膜Iは優れた軟磁気特性を有する。
なお、20層3の軟磁気特性を良好にするために、20
層3の1層あたりの厚さは2000Å以下とすることが
好ましい。また、軟磁性合金層4の層の厚さについては
、特に制限はないが、20層3に対してあまり厚くする
と高い飽和磁束密度を得難い。また、20層3および軟
磁性合金層4のいずれをも薄くしすぎると熱処理による
両者の層間の原子拡散により各成分の濃度が膜厚方向で
ほぼ均一に混じってしまい、積層化の効果が出ない。な
お、層厚の下限は約50人である。
20層3は熱処理後は負の磁歪を示す。このため、軟磁
性合金層4をM、C濃度比の調整あるいはT#度の調整
により正磁歪に調節することで、膜全体の平均の磁歪を
小さくすることが好ましい。
また、磁歪の調整は、熱処理温度あるいは20層3と軟
磁性合金膜4との層厚比を変えることによっても可能で
あり、種々の用途に応じた設定が可能である。
第4図は請求項4に記載した発明の一実施例を示すもの
であって、この実施例の積層膜21は、純鉄からなるF
eFfi23と先の実施例と同等の軟磁性合金層24と
の間に、Fe層23と軟磁性合金層24の中間濃度の拡
散層25を介在させた構成である。この拡散層25は、
Fe層23側に向かうにつれて元素T、MとCなどの添
加元素の濃度が徐々に減少し、軟磁性合金層24側に向
かうにつれて元素M、TとCなどの添加元素の濃度が徐
々に増加するように濃度勾配がつけられている。
従ってこの実施例の積層膜21では厚さ方向の濃度分布
は第5図に示すようになっている。
前記構成の積層膜21を得るには、第1図に示す構成の
積層膜lを所要時間熱処理して20層3と軟磁性合金層
4との間に元素拡散を生じさけることで得ることができ
る。
この構成の積層膜においても先に記載した実施例と同等
の効果をえることができる。
[実施例コ (1)成膜 第3図に示1”RF2極スパッタ装置を用い、純鉄製の
ターゲットを備えたカソードとグラファイトペレットお
よびHfベレットを付けた鉄製ターゲットを備えたカソ
ードの両方を同時に放電させるとともに、基板ホルダを
回転させることにより、基板を両力ソードの間を行き来
するように移動させてFe層とFeHfC層とを交互に
積層させた多層膜を形成した。この多層膜において、F
e層1層あたりの膜厚と、FeHf0層1層あたりの膜
厚とそれらの積層数は第1表に示す通りであり、全体の
膜厚は5〜6μmとした。この積層膜においFeHfC
膜の組成は、F ess、sHfs、sC+o、eであ
った。
(2)熱処理および測定 成膜後、成膜したままの状態での磁気特性の測定と、無
磁場熱処理後の磁気特性の測定を行った。
その結果を第1表に示す。
(以下、余白) 第1表に示す試料a、b、cの積層膜においては、Fe
層とFeHfC層の各々について1層あたりの厚さを5
9人、115人、210人と変化させたが、いずれも熱
処理後に20000G以上の高い飽和磁束密度と良好な
軟磁気特性を示した。特に1層あたり、210Aの厚さ
で合計275層積層した試料Cの積層膜は、550℃(
20分保持)の熱処理後に3140という高い透磁率を
示し、熱処理温度を650℃に上げても透磁率2520
という優れた熱安定性を示した。しかし、この試料Cの
積層膜の磁歪定数は−1,9XI(I’と若干負に大き
い。これは、Fe層に対してFeHfC層の厚さを厚く
することによって小さくすることかでき、第1表の試料
dに示すようにlo−7台のλSが得られる。また、磁
歪定数λSの調整はFeHfC層の組成を変える(F 
eHfC層のλSがより正になるようにする)ことによ
って可能であり、第2表に示すようにC濃度を増やすこ
と、あるいは元素T(CoあるいはNi)を添加するこ
とにより同様にlo−7台のλSとすることが可能であ
る。
[発明の効果] 以上詳述したようにこの発明の積層膜に用いられている
軟磁性合金層は、Feを主成分とする微細な結晶粒から
なっているので、従来のアモルファス合金膜とは異なり
、無磁場中で熱処理を行っても高い飽和磁束密度と高い
透磁率を発揮する膜を得ることができ、磁場をかけて熱
処理する場合よりも工程の簡略化をなしえる。また、前
記軟磁性合金層には元素M(Ti、Zr、V、Hf、N
b、Ta、M。
W)及びCという軟磁性を良好とする成分が添加される
とともに、金属組織が微細な結晶粒から成り、結晶磁気
異方性による軟磁性への悪影響が軽減されるので、良好
な軟磁気特性が得られる。
更に、前記軟磁性合金層は微細な結晶粒からなるととも
に、添加された元素MがCと炭化物を形成するから、ガ
ラス溶着工程において加熱されても、結晶粒が粗大化す
ることがなく、上記の特性を維持する。
更にまた、上記組成に加えて元素T(Co、Ni)を添
加し、磁歪を調整することにより、磁気ヘット製造工程
等で生じる種々の歪による軟磁気特性の劣化を防ぐこと
ができるものである。
即ち、本発明の軟磁性積層膜は、前述の如く優れた軟磁
気特性を有する軟磁性合金層と、優れた飽和磁束密度を
有するFe層とを積層したものであるために、F e−
(T IM−C系の軟磁性合金膜単独の優れた軟磁気特
性と耐熱性を維持しながら、20000G以上の優れた
飽和磁束密度が得られる。
従って本発明の軟磁性積層膜は、20000G以上の飽
和磁束密度が要求される高密度記録用の磁気ヘッドの素
材として好適である。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例の積層膜を示す断面図、第2
図は第1図に示す積層膜の厚さ方向の濃度分布を示す線
図、第3図は第1図に示す積層膜を製造するのに用いて
好適なスパッタ装置の一例を示す偕成図、第4図は本発
明の他の実施例の積層膜を示す断面図、第5図は第4図
に示す積層膜の濃度分布を示す線図である。 1・積層膜、2・・基板、3・・・Fe層、4・・軟磁
性合金層、5・基板ホルダ、7,8・・・カソード、I
O・・基板、1トターゲット、12.13・・・ペレッ
ト、14・・・ターゲット。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 (1)FexMzCwなる組成式で示される軟磁性合金
    層とFe層とが交互に積層されてなり、前記軟磁性合金
    層は全体が平均粒径0.08μm以下の微細な結晶粒か
    らなり、微細結晶粒の一部に元素Mの炭化物の結晶相を
    含むことを特徴とする軟磁性積層膜。 ただし前記組成式において、MはTi,Zr,Hf,V
    ,Nb,Ta,Mo,Wのうち、少なくとも1種からな
    る金属元素又はその混合物であり、組成比x,z,wは
    原子%で 50≦x≦96 2≦z≦30 0.5≦w≦25 x+z+w=100 なる関係を満足するものとする。 (2)FexTyMzCwなる組成式で示される軟磁性
    合金層とFe層とが交互に積層されてなり、前記軟磁性
    合金層は全体が平均粒径0.08μm以下の微細な結晶
    粒からなり、微細結晶粒の一部に元素Mの炭化物の結晶
    相を含むことを特徴とする軟磁性積層膜。 ただし前記組成式において、MはTi,Zr,Hf,V
    ,Nb,Ta,Mo,Wのうち、少なくとも1種からな
    る金属元素又はその混合物、TはCo,Niのうち、少
    なくとも1種を示し、組成比x,y,z,wは原子%で 50≦x≦96 0.1≦y≦20 2≦z≦30 0.5≦w≦25 x+z+w=100 なる関係を満足するものとする。 (3)請求項1または2に記載の軟磁性合金層が平均結
    晶粒径0.08μm以下の微細な結晶粒と非晶質相との
    混在した組織を有し、微細結晶粒の一部に元素Mの炭化
    物の結晶相を含むことを特徴とする軟磁性積層膜。 (4)請求項1,2または3に記載したFe層と軟磁性
    合金層との界面に、軟磁性合金層の構成元素の濃度勾配
    がっけられてなることを特徴とする軟磁性積層膜。
JP2063809A 1990-03-14 1990-03-14 軟磁性積層膜 Expired - Fee Related JP2710441B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2063809A JP2710441B2 (ja) 1990-03-14 1990-03-14 軟磁性積層膜

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2063809A JP2710441B2 (ja) 1990-03-14 1990-03-14 軟磁性積層膜

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH03265105A true JPH03265105A (ja) 1991-11-26
JP2710441B2 JP2710441B2 (ja) 1998-02-10

Family

ID=13240074

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2063809A Expired - Fee Related JP2710441B2 (ja) 1990-03-14 1990-03-14 軟磁性積層膜

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2710441B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100734236B1 (ko) * 2005-08-05 2007-07-02 치앙 천-리앙 판 연자석 구조
EP1850334A1 (en) * 2006-04-27 2007-10-31 Heraeus, Inc. Soft magnetic underlayer in magnetic media and soft magnetic alloy based sputter target
JP2020517832A (ja) * 2017-04-27 2020-06-18 エヴァテック・アーゲー 軟磁性多層堆積装置、製造の方法、および磁性多層体
US20230111296A1 (en) * 2021-10-07 2023-04-13 Western Digital Technologies, Inc. Longitudinal Sensor Bias Structures and Method of Formation Thereof

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100734236B1 (ko) * 2005-08-05 2007-07-02 치앙 천-리앙 판 연자석 구조
EP1850334A1 (en) * 2006-04-27 2007-10-31 Heraeus, Inc. Soft magnetic underlayer in magnetic media and soft magnetic alloy based sputter target
JP2020517832A (ja) * 2017-04-27 2020-06-18 エヴァテック・アーゲー 軟磁性多層堆積装置、製造の方法、および磁性多層体
US20230111296A1 (en) * 2021-10-07 2023-04-13 Western Digital Technologies, Inc. Longitudinal Sensor Bias Structures and Method of Formation Thereof
US11631535B1 (en) * 2021-10-07 2023-04-18 Western Digital Technologies, Inc. Longitudinal sensor bias structures and method of formation thereof

Also Published As

Publication number Publication date
JP2710441B2 (ja) 1998-02-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2635402B2 (ja) 軟磁性合金膜
JPS63119209A (ja) 軟磁性薄膜
JP2710441B2 (ja) 軟磁性積層膜
JP2710440B2 (ja) 軟磁性合金膜
JPH0817032A (ja) 磁気記録媒体およびその製造方法
KR960012245B1 (ko) 연자성 합금막
JP2675178B2 (ja) 軟磁性合金膜
JPS63293707A (ja) Fe−Co磁性多層膜及び磁気ヘッド
JP2771674B2 (ja) 軟磁性合金膜
JP2635416B2 (ja) 軟磁性合金膜
JP2635421B2 (ja) 軟磁性合金膜
JPH05114530A (ja) 軟磁性合金膜の製造方法および磁気ヘツドの製造方法
JPH02152209A (ja) 軟磁性膜
JPH09306736A (ja) 垂直磁化膜およびその製造法ならびに 光磁気記録媒体
KR920001939B1 (ko) 연자성합금막 및 그 연자성합금막을 사용한 자기헤드
KR100193703B1 (ko) 연자성합금막과 자기헤드 및 연자성합금막의 제조방법
JPH05267057A (ja) 軟磁性薄膜
JP2761267B2 (ja) 軟磁性合金膜
JP3238216B2 (ja) 軟磁性薄膜
JPS61110328A (ja) 垂直磁気記録媒体とその製造方法
JP3056401B2 (ja) 軟磁性合金膜
JP2771664B2 (ja) 軟磁性合金膜
JPH0613236A (ja) 軟磁性薄膜
JPS5975610A (ja) 鉄基磁性合金薄膜およびその製造方法
JPH06124846A (ja) 軟磁性膜および軟磁性多層膜の製造方法と磁気ヘッド

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071024

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081024

Year of fee payment: 11

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees