JPH0324321Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案は両刃からなる替刃使い捨ての切削刃物
を備えた替刃式の木工用超仕上鉋盤に関するもの
である。

〈従来の技術〉 従来の両刃を備えた替刃式木工用超仕上鉋にお
ける替刃取付けは第６図に示す様に、両刃を備え
た替刃イと裏刃ロを所定の切刃寸法になる様に一
体的にセツトし、それらを替刃取付用傾斜面ハに
植設した複数個の位置決めピンニに嵌装して設置
し、そのピンニの挿入孔ホは替刃イを180度回転
して他方の切刃を使用した場合でも、挿通される
よう多数穿孔してある、そして位置決めを終えた
替刃イと裏刃ロは一体的に締付けボルトヘにより
前記傾斜面ハに取付ける様にしているものであ
る。したがつて傾斜面には該傾斜面に対して垂直
にした複数個の嵌装位置決めピンを設けなくては
ならず、さらに替刃、裏刃には、そのピン挿入孔
が必要となる製作工数を多くし、又、その交換作
業も締付けねじを完全に取り除き、その後、位置
決めピンから裏刃、替刃の順で抜き取り交換しな
ければならない面倒で手間がかかり、又、位置決
めピンに替刃と裏刃を嵌装して、替刃と裏刃の位
置を決めているので替刃の切刃先端と裏刃先端の
間隔トすなわち裏刃距離は一定となり、加工木材
に材質、切削の程度に応じたその後の間隔変更は
できないため、切削材料はおのずと限定される利
用分野の狭いものである等の欠点を持つている。

〈考案が解決しようとする問題点〉 本考案は、前項に述べた欠点を解決することを
問題点とするものである。

〈問題点を解決するための手段〉 本考案は、送材案内面に係合した刃口に対応し
て形成した傾斜面を持つ替刃支持板を配置し、そ
の傾斜面に替刃を挟圧固定する替刃押え板を設
け、さらに替刃押え板の挟圧が働く傾斜面上端面
に送材案内面と連通する替刃嵌込溝を備え、送材
案内面側より替刃嵌込溝に嵌める如くすると共
に、その該溝内の下部に替刃の逃げ面が当接する
替刃位置決めストツパー面を設け、該ストツパー
面の替刃刃先縁が位置する附近を切欠き替刃刃先
縁を非接触状態に位置させ、該刃先縁の損傷をな
くした事を特徴とするものである。

〈作用〉 前記替刃は、逃げ面を位置決めストツパーに当
接する様に送材案内面側より替刃嵌込差に嵌め、
替刃押え板の挟合固定のみにより替刃の刃先縁を
送材案内面上に突出させて位置決めがされる。位
置決めストツパー面には当接して位置した替刃刃
先縁附近には切欠溝を設けて、その刃先縁がいず
れにも接触しない如くして該刃先縁の損傷を防止
している。

〈実施例〉 第１図は、本考案を備えた木工用超仕上鉋盤の
一例を示し、基台１上に上面を送材案内面２とし
た送材テーブル３を設け、その送材テーブル３上
には昇降ねじ４と昇降案内支柱５，５を係合した
送材装置６が、送材路を介して昇降自在に設けて
あり、７はその昇降ハンドルである。

前記送材装置６は、送材フレーム８内に駆動ロ
ール９と従動ロール１０を設け、該ロール９，１
０に送材ベルト１１を掛け渡して構成されてい
る。

前記送材テーブル３の送材案内面２には凹陥穴
１２を設け、この凹陥穴１２の前側には上下動調
整可能にした刃口１３が設けてあり、その刃口１
３は、第３図に示す如く該刃口１３の支持上面１
４に対応する下面を傾斜面１５とし、支持面１４
と刃口１３の間に楔片１６を介入し、その楔片を
刃口１３の下部側方の調整ねじ１７に連結し、調
整ねじ１１を回転して刃口１３の上下動を調整で
きる様にしている、１８は送材テーブル３側より
皿バネ等の弾器１９を係合して挿入し、楔片１６
の小判孔２０を貫通させて刃口１３に螺合してそ
の刃口を固定させる複数個所に設けた締付ねじで
ある。又、後側には刃口１３に対応して形成した
傾斜面２１を持つ替刃支持板２２が設けてあり、
その傾斜面２１に分離可能に締付ボルト２３を介
して挟圧固定した替刃押え板２４を設けている、
さらに替刃押え板２４の挟圧が働く傾斜面２１の
傾斜上端面には送材案内面２と連通する替刃嵌込
溝２５を設け、送材案内面２側より替刃を替刃嵌
込溝２５に嵌める如くしている。その溝２５内の
下部には替刃の逃げ面２８が当接する替刃位置決
めストツパー面２６が設けてある、そして上下に
切刃を備え左右対称構造で、その縦断面形状は台
形からなる替刃２７を、180度回転させて他方の
切刃を使用できる様にしている、そして両刃式の
替刃２７の、下方側の逃げ面２８が前記位置決め
ストツパー面２６に接触する如くして、その替刃
２７を替刃嵌込溝２５に嵌めて挟合固定し、該替
刃２７の刃先縁を送材面から突出させる。尚、位
置決めストツパー面２６の傾斜面は替刃２７に逃
げ面２８に倣つた傾斜面になつており、前記にお
ける両逃げ面、接触の際は密接するものである、
又、位置決めストツパー面２６は替刃２７の刃先
縁が接触する附近は切欠溝２９を設けて接触しな
い様にしてあり、さらには替刃押え板２４側の替
刃２７の刃先縁が接触する附近にも切欠溝３０を
設けて接触しない様にしてある（第４図参照）。

前記替刃支持板２２に設けた替刃押え板２４は
傾斜方向への微調整移動を可能にしていて、替刃
２７の刃先縁と替刃押え板２４の先端縁との間隔
を調整する、すなわち替刃押え板２４は従来公知
の裏刃の作用も施すものである。３１は締付けボ
ルト２３を緩めた時、替刃押え板２４を弾圧して
挟合状態を緩和させ替刃２７の脱着を容易にする
スプリング等の弾器である。３２は複数個所に設
けた替刃支持板２２の取付けボルトで、その該ボ
ルト３２の上部は脱着自在にした蓋３３を覆い、
送材面と同一面となる様にしている。

第５図は第２実施例を示し、前記第１実施例と
異なるところは替刃の縦断面形状は平行四辺形に
構成され、裏表を逆にして180度回転させて他方
の切刃を使用する様にした替刃３４とし、傾斜面
２１上端面の替刃嵌込溝３５内の下部に設けた替
刃位置決めストツパー面３６の傾斜面は、替刃３
４の逃げ面３７に倣つた傾斜面になつていて、前
記第１実施例と同様で替刃３４の逃げ面３７が該
ストツパー面３６に接触した際は密接状態にな
る、さらに位置決めストツパー面３６は替刃３４
の刃先縁が接触する附近は切欠溝３８を設けて接
触しない様にしてある、又、第２実施例の場合は
替刃３４の刃先縁は替刃押え板２４には接触しな
いので、前記の様に替刃押え板２４には切欠溝を
設ける必要がないものであり、その他は第１実施
例と同じであるから、同一符号を付した。

本考案は送材テーブル３に直接に替刃支持板２
２と替刃押え板２４とを介して替刃２７、若しく
は３４を取付ける構成のみでなく、従来公知のよ
うにナイフストツクと送材テーブル３の脱着可能
に取付け、そのナイフストツクに刃物支持板６と
替刃押え板２４を分離可能に設ける構成も同じ技
術的範囲のうちにあるものである。

前記実施例の動作を説明する。

昇降ハンドル７を操作して前記送材装置６と送
材案内面２との間隔を加工材の厚さに対応する所
定間隔に調整し、さらに替刃刃先縁に対して刃口
１３の高さを調整ねじ１７を操作して所定の高さ
に調整し、前記送材間隔に加工板を供給すること
により、送材装置６の送材ベルト１１によつて送
られ、その加工材は走行し加工材下面を替刃によ
つて切削する。かかる切削加工を繰返すと替刃の
切刃先端が摩耗し、その取換えが必要となる、そ
の取換え手順について説明する。

蓋３３を取除いて取付ボルト３２を緩め、替刃
支持板２２を取外し締付けボルト２３を緩める、
又は、替刃支持板２２は取外さずそのままの状態
で、凹陥穴１２の側面より操作して締付けボルト
２３を緩める。その該ボルト２３を緩める事によ
り圧縮してした弾器３１の反発によつて替刃押え
板２４の上端部を弾圧し、締付ボルト２３を取付
けたまま替刃押え板２４下端部を支点にして上端
部を押下げ替刃が脱着できる隙間が作られる。そ
の後、替刃を送材案内面２側より抜取り第４図に
示す断面形状が台形の替刃２７の場合は、180度
回転させて切刃の上下を入換え、逃げ面２８が位
置決めストツパー２６に当接する如く替刃嵌込溝
２５に嵌める、又、第５図に示す断面形状が平行
四辺形の替刃３４の場合は、裏表を逆にして180
度回転させて刃の上下を入れ換え、逃げ面３７が
位置決めストツパー３６に当接する如く替刃嵌込
溝３５に嵌める。そして締付けボルト２３を締付
ける事により替刃押え板２４の挟圧によつて替刃
２７、若しくは替刃３４を挟合固定するのみの簡
単な構成と操作で替刃の刃先縁を送材面上に突出
させて位置決めができるものである。又、位置決
めストツパー面２６の面は替刃の刃先縁が当接す
る附近は切欠溝を設けて接触しない様にしたので
刃先縁の損傷はまつたくない。

さらに前記締付けボルト２３の緩めにより押上
げねじ３９を回転操作して、替刃押え板２４を傾
斜面２１を案内して上下動させ、替刃の刃先縁と
替刃押え板２４の先端縁との間隔も調整でき、加
工材質に適した一般的に言う裏刃間隔調整が行な
える。

〈考案の効果〉 本考案は、上述の様に送材案内面に係合した刃
口に対応して形成した傾斜面を持つ替刃支持板を
配置し、その傾斜面に替刃を挟合固定する替刃押
え板を設け、さらに替刃押え板の挟圧が働く傾斜
面上端面に送材案内面と連通する替刃嵌込溝を備
え、送材案内面側より替刃を替刃嵌込溝に嵌める
如くすると共に、その該溝内の下部に替刃の逃げ
面が当接する替刃位置決めストツパー面を設け、
該ストツパー面の替刃刃先縁が位置する附近を切
欠き替刃先縁を非接触状態に位置させる如くした
から、替刃の逃げ面を位置決めストツパー面に当
接する様に送材案内面側より替刃嵌込溝に嵌め、
替刃押え板によつて挟合固定するのみの簡単な構
成と操作で替刃刃先縁を送材案内面上に突出させ
て位置決めができ、さらには、替刃刃先縁を非接
触状態にセツトされるので刃先縁の損傷をまつた
くなくした諸効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第４図は本考案の第一実施例を示し、
第１図は木工用超仕上鉋盤の側面図、第２図は要
部の拡大一部切断側面図、第３図は第２図Ａ−Ａ
線断面図、第４図は一部の拡大縦断面側面図、第
５図は第二実施例の一部の拡大縦断面側面図、第
６図は従来の替刃取付附近を示す拡大縦断面側面
図である。 ２……送材案内面、３……送材テーブル、１３
……刃口、１７……調整ねじ、２１……傾斜面、
２２……替刃支持板、２３……締付けボルト、２
４……替刃押え板、２５，３５……替刃嵌込溝、
２６，３６……替刃位置決めストツパー面、２
７，３４……替刃、２８，３７……逃げ面、２
９，３０，３８……切欠溝、３１……弾器であ
る。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 送材案内面２に係合した凹陥穴１２を設け、該
   凹陥穴１２の前部に刃口を設け、後部に両刃式の
   替刃を設けてなる切削装置に対応して送材装置を
   配置した木工用超仕上鉋盤において、前記替刃側
   に刃口に対応して形成した傾斜面２１を持つ替刃
   支持板２２を配置し、その傾斜面２１に替刃を挟
   圧固定する替刃押え板２４を設け、さらに替刃押
   え板２４の挟圧が働く傾斜面２１上端面に送材案
   内面２と連通する替刃嵌込溝２５を備え、送材案
   内面２側より替刃を替刃嵌込溝２５に嵌める如く
   すると共に、その該溝２５内の下部に替刃の逃げ
   面２８が当接する替刃位置決めストツパー面２６
   を設け、該ストツパー面２６の替刃刃先縁が位置
   する附近を切欠き替刃刃先縁を非接触状態に位置
   させ、該刃先縁の損傷をなくした事を特徴とする
   替刃式木工用超仕上鉋盤。