JPH0324232A

JPH0324232A - 歯車の高周波焼入方法

Info

Publication number: JPH0324232A
Application number: JP1157553A
Authority: JP
Inventors: Hiroaki Iwasaki; 岩崎　弘明
Original assignee: Nissan Motor Co Ltd
Current assignee: Nissan Motor Co Ltd
Priority date: 1989-06-20
Filing date: 1989-06-20
Publication date: 1991-02-01

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】産業上の利用分野本発明は、コイル中に置かれた歯車を高周波電流による
誘導加熱を利用して焼入れを行う方法に関し、さらに詳
しくは歯部の焼入深さが異なる複数種類の歯車の焼入れ
を共通の焼入装置により行う方法に関する。

従来の技術とその課題リングギャの歯部に高周波焼入れを施す方法としては例
えば第５図および第６図に示す方法がある。この方法は
、環状のコイル１の中に治具２に位置決めされたリング
ギャ３を置き、リングギャ３を治具２とともに回転させ
る一方でコイル１に高周波電流を流してその誘導加熱作
用によりリングギャ３の歯部７を中心に加熱する。そし
て、所定時間加熱したならば第６図に仮想線で示すよう
にコイルｌを上昇させ、直ちにウォータジャケット４の
噴射口５から焼入水を噴射して冷却することによって焼
入れが施される。６はコイルｌ内に設けられた冷却水通
路を示す。また、ｌ２は冷却水ポート、ｌ３は焼入水ポ
ートをそれぞれに示す。

ところで、例えば自動車の駆動系に用いられるリングギ
ャにおいては、たとえ同一サイズのものであっても車種
あるいは仕様等に応じて歯部７に対する応力の負荷状態
が異なるために、その車種等に応じて歯部７の焼入硬化
層のパターンを第２図（Ａ），（Ｂ）および第３図（Ａ
），（Ｂ）に示すように変化させたい場合がある。

例えば第３図（Ａ）．（Ｂ）のリングギャ２３の場合に
は、歯先面から歯元部までの歯部７全体が焼入硬化層８
である必要があるのに対し、第２図（Ａ）．（Ｂ）のリ
ングギャ３３の場合には歯すじ方向の一端の歯先部に比
較的浅い焼入硬化層９が必要とされるような場合である
。

このような場合、高周波電流の周波数が低いほどより大
きな焼入深さが得られるという装置の一般的特性を考慮
すると、第２図（Ａ），（Ｂ）の焼入れパターンの場合
には第３図（Ａ），（Ｂ）のパターンに比べて数倍（ギ
ヤのサイズ等にもよるが一般的には５〜８倍）の高い周
波数が必要とされ、したがって上記のように焼入深さに
大きな差がある二種類のリングギャ２３．３３を周波数
が一定した共通の焼入装置で焼入れすることはきわめて
困難である。その結果、各焼入れパターンごとに別個の
焼入装置が必要になり、設備費の高騰を招く結果となっ
て好ましくない。

また、一つの焼入装置の周波数をリングギャの種類に応
じてその都度切り換えることも可能であるが、その場合
には設備の改造および段取り替えに多大な工数と時間を
要し、設備稼動率の低下と併せて上記と同様に設備費の
高騰を招くことになる。

本発明は以上のような問題点に鑑みてなされたもので、
その目的とするところは、上記のように焼入深さの異な
る複数種類の歯車の焼入れを、周波数を変化させること
なく共通の設備で行えるようにした方法を提供すること
にある。

課題を解決するための手段本発明は、コイルに流れる高周波電流の周波数を最も小
さい焼入深さに応じた値に設定し、この焼入深さの最も
小さい歯車の焼入れに際しては常法により１回の誘導加
熱で焼入れする一方、焼入深さの大きいほうの歯車の焼
入れに際しては、所定の空冷時間をはさんでコイルによ
る誘導加熱を少なくとも２回繰り返して行うことを特徴
とじている。

作用この方法によると、焼入深さの最も小さい歯車の場合に
は、予めその焼入深さに応じた周波数に設定されている
ために、例えば、誘導加熱→空冷→水冷、という常法通
りの手順で焼入れされる。

一方、焼入深さの大きい歯車の場合には、その焼入深さ
に対して周波数条件が合致していない（周波数が高すぎ
る）ため、上記と同様の手順で焼入れすると歯先面のみ
が加熱されるために焼入深さが小さすぎて必要十分な焼
入硬化層が得られない。

そこで、一旦誘導加熱したならば所定時間空冷し、その
間に歯先部が保有している熱を歯元部まで伝達させ、そ
の上で再度誘導加熱すると歯元部までほぼ均一に加熱さ
れるようになる。そして、以降は上記と同様に、空冷→
水冷、という手順を経ることで必要十分な焼入硬化層が
得られる。

実施例下記に示す諸元のリングギャ２３，３３を、第５図およ
び第６図の焼入装置を用いて第２図（Ａ），（Ｂ）およ
び第３図（Ａ），（Ｂ）の焼入れパターンとなるように
焼入れを行った。

リ　　ン　　グ　　ギ　　ャ　　諸　　元外　　　　　
　　径　　　　　　　２８４．０１５ＭＭ内　　　　　
　　径　　　　　　　２５４．ＯＪＩＪＩ厚　　　　　
　　　　　さ　　　　　　　　　　　　１０，Ｏｕ＋歯
　　　　　　　数　　　　　　　１　１　１圧　　　力
　　　角　　　　　　　　　２０°転　　位　　　Ｍ　
　　　　　　　　−０．５ダイヤメトラルビッチ　　　
１０／１２（モジュール）　　　　　　　　（２．５４
）第２図（Ａ），（Ｂ）に示す焼入深さの小さいパター
ンのリングギャ３３については、出力９．９ＫＶ，周波
数２００ＫＨＺの条件のもとで第１図（Ａ）に示すよう
に８秒間誘導加熱を行い、そののち２．５秒の空冷（放
冷）時間をおいてウォータジャケット４（第６図）より
３０〜３４゜Ｃの焼入水を噴射して水冷した。ただし、
リングギャ３３に対するコイル■の位置は第４図に示す
ように第３図（Ａ），　　（Ｂ）の焼入れノ《ターンの
場合よりも所定量βだけ高い位置に設定した。

一方、第３図（Ａ）．（Ｂ）に示す焼入深さの大きいパ
ターンのりングギャ２３については、出力９，ＱＫＶ，
周波数２００ＫＨｚの条件のもとて第１図（Ｂ）に示す
ように６秒間誘導加熱を行い、そののち２．５秒間の空
冷（放冷）時間をおいて再び上記と同条件で７．５秒間
誘導加熱を行った。そして、加熱後に、４．５秒間の空
冷（放冷）時間をおいてウオータジャケット４より３０
〜３４℃の焼入水を噴射して水冷した。

その結果、第２図（Ａ）．（Ｂ）の焼入れノく夕一ンの
場合、ロックウエル硬さＨａＣ５０の焼入硬化層９が、
歯先面の仮想工・ノジ部１０を中心とした半径（Ｒ）３
〜５ｉｍの範囲まで形成された。

また、第３図（Ａ）．（Ｂ）の焼入れノくターンの場合
、ＨＲＣ５０の焼入硬化層８が歯底面１１よりも１〜３
ＭＩＩ深い位置まで形成されたことが確認された。

発明の効果本発明によれば、コイルに流れる高周波電流の周波数を
最も小さい焼入深さに応じた値に設定し、この焼入深さ
の最も小さい歯車は１回の誘導加熱で焼入れする一方、
焼入深さの大きい歯車は所定の空冷時間をはさんで誘導
加熱を少なくもと２回繰り返して焼入れするようにした
ことにより、焼入深さの異なる複数種類の歯車を周波数
条件を変更することなく共通の焼入装置で焼入処理でき
ることから、従来のように焼入深さに応じた個別の焼入
装置を用意したり、その都度周波数条件を変更する必要
がなくなり、設備費の抑制と併せて段取り替え工数を大
幅に削減できる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図（Ａ）は本発明の一実施例を示す図で、焼入深さ
の小さいり冫グギャを焼入れする際の工程説明図、第１
図（Ｂ）は同じく焼入深さの大きいリングギャを焼入れ
する際の工程説明図、第２図（Ａ）は焼入深さの小さい
リングギャの焼入れパターンを示す要部拡大図、第２図
（Ｂ）は同図（Ａ）のｎ−ｎ線に沿う断面図、第３図（
Ａ）は焼入深さの大きいリングギャの焼入れ，？ターン
を示す要部拡大図、第３図（Ｂ）は同図（Ａ）の■■線
に沿う断面図、第４図はり冫グギャとコイルとの関係を
示す拡大説明図、第５図は高周波焼入装置の一例を示す
概略説明図、第６図は第５図のＶＩ−Ｖｌ線に沿う断面
図である。１・・・コイル、７・・・歯部、８，９・・・焼入硬化
層、２３．３３・・・リングギャ。第２図（Ａ）（Ｂ）第３図

Claims

【特許請求の範囲】

（１）歯車の歯部に高周波焼入れを施すにあたり、焼入
深さの異なる複数種類の歯車の焼入れを共通の焼入装置
により行う方法であって、コイルに流れる高周波電流の周波数を最も小さい焼入深
さに応じた値に設定し、焼入深さの最も小さい歯車はコイルによる１回の誘導加
熱で焼入れする一方、焼入深さの大きい歯車の焼入れに際しては、所定の空冷
時間をはさんでコイルによる誘導加熱を少なくとも２回
繰り返して行うことを特徴とする歯車の高周波焼入方法
。