JPH0323639Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は自動車用バツクミラーを遠隔操作する
際に使用する操作スイツチに関し、特に当該スイ
ツチの操作ノブを内側から照明することができる
ようになし、併せてスイツチ操作に際して不慮の
同時短絡が生じないようにした車載用操作スイツ
チに関する。

〔従来の技術〕

自動車のバツクミラーを操作する各種スイツチ
のうちで、ミラーの反射角を調整するためのスイ
ツチは、当該ミラーを、上向き、下向き、右向
き、左向きの何れかに傾動させるためのものであ
つて、このスイツチには所望のミラー角度が得ら
れるまで所定の位置に配設された電気接点をON
状態に保持するための操作ノブが設けられた構成
となつている。この操作スイツチには２種類あつ
て、その一つは、ケーシングの上部に操作レバー
が突設され、操作レバー自体はケーシング内部の
球面支持手段によつて回動可能に支持され、操作
レバー下部における同一円周上に可動接点群と固
定接点群とを配置し、このレバーの傾動操作によ
つて選択された接点間を接触させてミラー傾動用
モータの正逆回転、停止をコントロールするよう
にしている。しかし、このタイプのものは、操作
レバーの傾動による接点の開閉を確実にするた
め、復帰ばねを付設する必要があるなどの理由
で、形状寸法の小形化を十分図り得ず、また部品
点数が多いことからコスト高を招き、さらには信
頼性の点でも万全を期し得ない。他の一つは、所
定パターンのモータコントロール回路をもつPC
基板と、PC基板の上に重ねた感圧導電ゴムシー
トと、４方向に傾動可能で、下部前記導電ゴムシ
ートを押圧してPC基板上の任意の位置の接点を
回路するシーソー式操作ノブとを組合せたものが
知られている。

この操作ノブを上下または左右方向に関する何
れかの方向に傾けるように押圧すると、その方向
に対応した位置の導電ゴムシートが押圧されて
PC基板上の接点がONとなり、所定のモータを正
または逆回転させることによりミラーの傾斜角を
調節することができる。

〔考案が解決しようとする問題点〕

ところが、後者のタイプの従来型スイツチは、
ノブ部分にたまたま手が触れたりすると、前記の
各接点が同時に押込まれて、電気的に短絡が生じ
ミラー駆動用モータを焼損させてしまう等の不具
合があつた。また、当該スイツチを操作しようと
して必要とする向きにノブを押動したときにも、
それと隣り合う他の向きの接点までも同時に投入
されてしまうこともあり、スイツチ操作の確実性
という面でも問題があつた。そこで、従来はかか
る不具合を防ぐ目的から当該シーソー式ノブの本
体部下面中心に支点を兼ねた棒状または断面山形
の突出部を形成させて、当該突出部の長さ（高さ
に同じ）により、可動接点とそれに対応する固定
接点との絶縁距離を保つようにしていたが、必ず
しも問題点をクリアするものでなかつた。その
上、従来型にあつては、前記ノブの所在並びに押
動方向についての夜間照明に関しては、特に考慮
が払われていなかつたのが実情である。

ここにおいて本考案は、前記のようなミラー操
作用スイツチが夜間においても車室内にあつて明
瞭にその所在が認識され、かつ前記のような誤動
作、すなわち同時短絡を生じないような構造とし
て従来型に免れ得なかつた不具合を解消させよう
にしたものである。これに加え、本考案において
は、前記の夜間照明を行うために、操作ノブ本体
の下面に円筒形のランプ収納部を形成させた場合
においても、操作ノブの傾動を妨げることなく、
しかもできるだけスイツチ接点の絶縁距離を拡げ
短絡防止の効果を高めるようにしたものである。

〔問題点を解決するための手段〕

上記目的を達成するため、本考案は操作ノブの
下面に円筒形の照明用ランプ収納部を一体に突出
形成させ、操作ノブ上面に透光板を設けるととも
に照明用ランプ収納部の下端面を凹凸状に形成さ
せたものである。すなわち、本考案車載用操作ス
イツチは、箱形のケースと、ケース内に設けた
PC基板と、PC基板の上部に配置された絶縁シー
トと、前記PC基板上面の固定接点群のそれぞれ
と向い合う位置の絶縁シート上面に間隔をおいて
形成された複数組のクツシヨン部と、クツシヨン
部の上部におけるケース内の水平面内に直交する
４方向に傾動自在に載置したシーソー式の操作ノ
ブと、各クツシヨン部の内側に設けられ、かつ操
作ノブの傾動時に前記PC基板上の固定接点と接
触する可動接点と、操作ノブの中央下面に突出形
成させた円筒形のランプ収納部と、操作ノブ上面
の少なくともランプ収納部を覆う位置に設けた透
光板と、PC基板から前記収納部内に向けて立設
された照明用のランプとからなり、しかも、前記
円筒形のランプ収納部の下端面は、操作ノブの水
平面内傾動方向と合致し、かつランプ収納部の軸
線を中心として互いに、直交する直径線Ｘ−
X′またはＹ−Y′の位置における操作ノブの本体
下面から当該収納部下端面までの高さをａ、前記
直径線に対し45゜の線上に位置する線Ｐ−P′およ
びＱ−Q′線とランプ収納部の外周線とが交わる
点における操作ノブの本体下面から当該収納部下
端面までの高さをｂ、同じくＰ−P′、Ｑ−Q′線と
ランプ収納部の内周線とが交わる点における操作
ノブ本体下面から当該ランプ収納部下端面までの
高さをｃ、としたとき、ａ＜ｂ＜ｃの関係を保持
させた凹凸状に形成されていることを特徴とする
ものである。

上記のように構成させることによつて前述の夜
間照明を可能ならしめ、併せて、従来、往々にし
て生じていた同時押込みによる短絡の発生を未然
に防止する。また、ランプ収納部の高さを上記の
ようにａ＜ｂ＜ｃの関係を保つことによつて、当
該収納部を有するノブの中心部を押込んだときに
も、ノブの押込み量を小さくして、可動接点の押
込み量を少なくし、もつてスイツチ接点の絶縁距
離を拡げ、更に操作ノブを一方向に押圧したとき
他の方向への傾動を起さず、誤動作が防止され、
正確なスイツチ操作を行うことができる。

〔実施例〕

第１〜２図は、シーソー式操作ノブを具えたス
イツチの平面図であつて、符号１は上方を開放さ
せた箱形のケース本体にして、当該ケースの上面
にミラーを上向き、下向き、右向きおよび左向き
に傾動させるための四方向操作ノブ２が設けられ
ると共に、それに隣接して左右ミラーの切換ノブ
３とミラー全体の起伏をつかさどる可倒切換ノブ
４が配設されている。第１図における符号５は、
電源線路および信号線路等から成るリード線、６
がコネクターである。第２図に示すように、ケー
ス本体１の内部には、前記操作ノブ２ならびに各
種の切換ボタン３，４の下面において絶縁シート
７を介してプリント基板（PC基板）８が設けら
れ、かつその下面には取付基板９が設けられてい
る。プリント基板８は、後記可動接点と接触して
閉路する固定接点群と所定パターンの開路とが形
成されている。

第３図はプリント基板８と絶縁シート７と操作
ノブ２との部分を示す一部破断正面図である。操
作ノブ２は、一例として耐熱ABS樹脂製のノブ
本体２１と、その上面中央部において前記本体に
対して一体に取付けたアクリル樹脂製の透光板２
２とから成る。前記ノブ本体２１は平面形状をほ
ぼ正方形となし、かつ該本体２１の下面中央部に
は円筒形のランプ収納部２３を下向きに突出形成
させる。

また、前記収納部２３の外周側においてノブ本
体２１の下面に複数個の押動突子２６を突設させ
たもので、その態様は次のとおりとする。すなわ
ち、前記ノブ本体の下面には第５図および第６図
に示すとおり、操作ノブ２の傾動方向と合致し、
かつ互いに直交するＸ−X′線とＹ−Y′線と、こ
れらＸ−X′線とＹ−Y′線に対して、互いに45゜の
位置関係にあるＰ−P′線ならびにＱ−Q′線で区画
される各部分に、それぞれ一個づつ、合計８個の
押動突子２６を同一円周上間隔をおいて分布させ
る。

これら複数の押動突子２６は後記のように２個
一組となつて、その下面に設けられたプリント基
板上８に設けられた２個一組とする固定接点（図
示省略）を同時にON状態に保持させるものであ
る。以下この点について説明すると、前記の各押
動突子２６の直下に当る絶縁シートには、第３図
に示すように接点部を設ける。この接点部は、プ
リント基板８上に取付けた絶縁シート７から、そ
れと一体に上向きに膨出させたクツシヨン部７ａ
と、当該クツシヨン部７ａ内に取付けた可動接点
１０ならびにこの可動接点１０内に対応してプリ
ント基板８に形成された固定接点からなる。そし
て前記の操作ノブ２を下向きに押圧したとき、前
記可動接点１０がプリント基板面の固定接点に接
触して、ミラーの駆動回路を電気的に導通状態に
保持して所定の方向にミラーの傾きを修正するよ
うに作用するものである。なお、符号７ｂは前記
クツシヨン部７ａを押動したとき、該クツシヨン
部の内部空気を入れ替えるための通気孔である。

また、前記ノブ本体２１の下面４隅部には、棒
状のストツパ２４を設けると共に、前記本体２１
の四辺部には、ケース本体１の上縁部と係合する
支軸部２５を形成しておくものである。本考案は
前記のような構成を有するノブ本体２１の下面に
前記のような円筒状のランプ収納部２３を突出形
成させると共に、この収納部２３の下側にノブ照
明用のランプ１１を配設したものであつて、第３
図に明示するように、このランプ１１は、プリン
ト基板８から前記収納部２３に向けて立設する。
操作ノブ２の傾動時にも、上記ランプ収納部２３
はランプ１１と接触することはない。

進んで、前記ランプ収納部２３の寸法関係につ
いて述べる。第４図および第６図からも明らかな
ように、ランプ収納部２３の外径を大きくすれば
するほど、換言すれば同図に示す距離Ｌとｌが近
づくほどスイツチとしてのストロークが小さくな
るので、前記の相対距離を大きくとれば、それだ
けストロークが大きくなる。一方収納部２３の高
さＨも前記外径を大きくするほど低くなるので、
具体的な設計に当つては、ランプ収納部２３の外
径は可能な限り小さくして、ランプ収納部２３の
高さを大きくとるようにするのが好ましい。

第３図〜第４図は、前記ランプ収納部２３の高
さ（操作ノブ２下端面からの高さ）Ｈとした場合
を示したものであるが、操作ノブ全体が押込まれ
たときに、当該円筒形部分がプリント基板８に当
つて可動接点１０を固定接点に接触させることが
ない。

しかも、前記ランプ収納部２３の下端面は、第
５図〜第９図に示すように、凹凸状をなしてい
る。すなわち、操作ノブ２の水平面内傾動方向と
合致し、かつランプ収納部２３の軸線を中心とし
て互いに、直交する直径線Ｘ−X′またはＹ−
Y′の位置における操作ノブの本体下面から当該
収納部下端面までの高さをａ、前記直径線に対し
45゜の線上に位置する線Ｐ−P′およびＱ−Q′線と
ランプ収納部２３の外周縁とが交わる点における
操作ノブ２の本体下面から当該収納部下端面まで
の高さをｂ、同じくＰ−P′、Ｑ−Q′線とランプ収
納部２３の内周線とが交わる点における操作ノブ
を本体下面から当該ランプ収納部下端面までの高
さをｃ、としたとき、ａ＜ｂ＜ｃの関係を保持さ
せた凹凸状に形成されている。

ここで、前記構成とした意味合いにつき説明す
ると、操作ノブの傾動作用を示す第７図および第
８図（第７図のＸ−X′線におけるランプ収納部
２３の部分的断面図）から明らかなように、ノブ
本体２１を傾動させるに当つてその傾きを深くす
るには前記収納部２３の高さ（第４図における高
さＨ）を低くする必要があるが、その高さを低く
すると、それだけ絶縁距離が短くなり、短絡現象
が起き易い。特に、操作ノブ２や絶縁シート７の
成型時におけるバラツキ等があると前記のような
短絡が生じ易くなる。かかる短絡現象を防ぐため
にも絶縁距離を出来るだけ大きくとると共に、ノ
ブ中心を押込んだときの操作ノブの押込量を小さ
くし、他方ではスイツチ接点の絶縁距離を拡げる
ためには、前記収納部２３におけるイ〜ハの高さ
関係を第８図に示すとおりａ＜ｂ＜ｃとするのが
よいのである。

すなわち、前記のような構成とすれば、前記収
納部の下端面における高さが一様でなく、第７図
のＸ−X′線およびＹ−Y′線に重なる位置符号イ
参照）の収納部２３の高さａと、同図のＰ−P′線
と当該収納部２３の外周線との交点ロの高さｂ
と、同じくＱ−Q′線と当該収納部２３の内周線
との交点ハの高さｃとの、三者の高さ関係をａ＜
ｂ＜ｃとしたものであるから、この場合には操作
ノブ２を一つの方向に傾動したとき、前記３点が
少なくとも下部のプリント基板８に接触した際に
３点が同一平面にあつて、操作ノブ２の傾きをよ
り安定した状態で保持する。その結果、他の方向
への転倒が起らず誤動作を生じることがない。

〔考案の効果〕

以上に詳説したように、本考案によれば、操作
ノブの下部に円筒形のランプ収納部を設けてラン
プを収納できるようにしたから、夜間運転時にあ
つても、操作ノブの位置が明瞭に判別できるの
で、ミラーの操作が行い易い。また、当該収納部
が設けられた結果、従来型に較べスイツチ操作の
安定度が増し、その上、接点間に必要な絶縁距離
を確保し得ると同時に、操作ノブを傾動させたと
きには、ランプ収納部の凹凸状下端面がプリント
基板に当接して、他の方向への転倒が起らず誤動
作が防止され、正確なスイツチ操作が行えるとい
う効果を発揮する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案操作スイツチを組込んだ車載用
ミラースイツチの一例を示す平面図、第２図は第
１図の−線で切断した断面図、第３図は本考
案の要部を拡大して示した一部縦断側面図、第４
図は同上操作ノブの一部縦断側面図、第５図は操
作ノブの裏側を示す斜視図、第６図は同じくノブ
の裏側を示す平面図、第７図は操作ノブの傾動作
用を示す断面図、第８図は傾動時におけるランプ
収納部の一部を拡大して示した断面図、第９図は
ランプ収納部の下端面を逆にして示した拡大斜視
図である。 １……ケース本体、２……操作ノブ、３，４…
…切換ノブ、５……リード線、６……コネクタ
ー、７……絶縁シート、７ａ……クツシヨン部、
７ｂ……通気孔、８……プリント基板、９……取
付基板、１０……可動接点、１１……照明用のラ
ンプ、２１……ノブ本体、２２……透光板、２３
……ランプ収納部、２４……ストツパ、２５……
支軸部、２６……押動突子。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 箱形のケースと、ケース内に設けたPC基板と、
   PC基板の上部に配置された絶縁シートと、前記
   PC基板上面の固定接点群のそれぞれと向い合う
   位置の絶縁シート上面に間隔をおいて形成された
   複数組のクツシヨン部と、クツシヨン部の上部に
   おけるケース内の水平面内に直交する４方向に傾
   動自在に載置したシーソー式の操作ノブと、各ク
   ツシヨン部の内側に設けられ、かつ操作ノブの傾
   動時に前記PC基板上の固定接点と接触する可動
   接点と、操作ノブの中央下面に突出形成された円
   筒形のランプ収納部と、操作ノブ上面の少なくと
   もランプ収納部を覆う位置に設けた透光板と、
   PC基板から前記収納部内に向けて立設された照
   明用のランプとからなり、 しかも、前記円筒形のランプ収納部の下端面
   は、操作ノブの水平面内傾動方向と合致し、かつ
   ランプ収納部の軸線を中心として互いに、直交す
   る直径線Ｘ−X′またはＹ−Y′の位置における操
   作ノブの本体下面から当該収納部下端面までの高
   さをａ、前記直径線に対し45゜の線上に位置する
   線Ｐ−P′およびＱ−Q′線とランプ収納部の外周線
   とが交わる点における操作ノブの本体下面から当
   該収納部下端面までの高さをｂ、同じくＰ−P′、
   Ｑ−Q′線とランプ収納部の内周線とが交わる点
   における操作ノブ本体下面から当該ランプ収納部
   下端面までの高さをｃ、としたとき、ａ＜ｂ＜ｃ
   の関係を保持させた凹凸状に形成されていること
   を特徴とする車載用操作スイツチ。